EL GOLAZO(エルゴラッソ)FLASH NEWS

2018.5.25(Fri)

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  • 師弟対決再び! 金沢・柳下正明監督について山形・加賀健一「もう出方は分かっている」

    師弟対決再び! 金沢・柳下正明監督について山形・加賀健一「もう出方は分かっている」

     昨シーズンの明治安田J2第27節に続き、今節でまたも師弟対決が対戦が実現しそうだ。金沢・柳下正明監督と、その柳下監督の下、磐田、札幌、再び磐田と8シーズン指導を受けた山形・加賀健一。前回対戦ではホームの山形が2-1で勝利しているが、今節も互いを知る者同士にしか分からないお波長で激しい火花を散らしている。

     柳下監督の加賀評については、24日に掲載された「金沢の柳下正明監督が教え子の加賀健一について語る。『山形でやっている3バックの右はすごく合っている』」にあるが、その柳下監督についても、加賀は「結構スカウティングで相手の弱点とか突いてくる人。どういうふうにスカウティングされてるかわかんないんですけど、選手一人ひとりの特徴も監督が分析して、結構細かいところまで指示してくれるような監督でした」と、分析の細かさはよく知るところ。山形が丸裸にされている可能性もあるが、一方で「もう出方も分かってる」と柳下監督の頭の中も加賀には見えている様子だ。

     山形は最近10試合で6失点と守備の構築が進んでいるが、中でも加賀は危機察知の確かさと俊足を生かしたタックルで厳しい守備を続けている。「最近の山形の試合をスカウティングしていたら、相手は左サイドから攻めてこないのではないか?」と聞いてみると、「いや、そんなことはないですよ」と苦笑いしていたが、「(柳下監督は)僕らの特徴もたぶんしっかり分析して対策練ってくると思うので、そこでしっかりそれを上回れるようにやっていければ」と今回も勝利を譲るつもりはないようだ。

    文:佐藤円(エルゴラッソ山形担当)

  • 名古屋に新たなFW登場? リラックスゲームでゴールを決めたGK渋谷飛翔

    名古屋に新たなFW登場? リラックスゲームでゴールを決めたGK渋谷飛翔

     24日から練習を再開した名古屋。その中でもGK渋谷飛翔の動きが著しい。

     再開後の練習は、風間サッカーの基本「止める・蹴る・外す・運ぶ」を意識した基礎トレーニングから始まった。パス回しのあと、工夫を凝らしながらの基礎練習で意識を高めていく。そして最後はミニゲームで締めるのが定番だが、試合はまだ先ということもあり、24日も25日もリラックスした明るい雰囲気でハーフコートゲームが行われた。

     その中で、より雰囲気を盛り上げ、驚くプレーを見せていたのが渋谷だ。24日は全員がセンターラインを越えないとシュートが打てないルール。自陣のゴール前でボールを持った渋谷はドリブルで持ち上がると、一旦味方にボールを預け右サイドを駆け上がる。そして再びボールをもらうとDFをかわしてクロスを上げた。横浜FMのGK飯倉大樹の守備位置が高いと話題になっているが、それをも上回る超攻撃的な姿勢のプレーを見せる。

     25日はジョーに代わってセンターFWの位置に入った渋谷。これまでもフィールドプレーヤーの数が足りないときなど、GK陣がSBに入る場面があったが、さすがにFWは初めて。上背を生かした巧みなポストプレーを見せ、何と混戦からシュートも決めた。

     渋谷は「遊びですよ」と前置きしながらも「フィールドプレーヤーに入ることで、DFが疲れうているときに、どんなタイミングで声を掛ければ良いか気づいた」と、リフレッシュの要素が強い練習の中からでも、どん欲に何かを吸収しようとしている。

     名古屋のGKはランゲラックを始め、楢崎正剛、武田洋平と経験も実力もある選手がそろう。その中で渋谷は「3人からさまざまな刺激をもらえてありがたい。それをどんどん自分のものにしたい」と意気込みを語る。一番年下の23歳で伸びしろは十分、多くの気づきから自分を磨けば、フィールドプレーヤーのセンスも持つニュータイプのGKになれるかもしれない。

    文:斎藤孝一(エルゴラッソ名古屋担当)

  • 試合前日には焼肉のゲン担ぎ。大分の松本怜が迎える早稲田大の先輩、甲府の松橋優との対峙

    試合前日には焼肉のゲン担ぎ。大分の松本怜が迎える早稲田大の先輩、甲府の松橋優との対峙

     26日に開催される明治安田J2第16節・甲府戦で、大分のMF松本怜が早稲田大の先輩・松橋優とのマッチアップを迎える。

     大分がリーグ戦で甲府と対戦するのは13年のJ1以来。第5節、松本と松橋はともに先発出場して対戦している。

     あれから互いに昇格や降格を経て、監督や選手も替わったが、二人は継続してそれぞれのチームに在籍。今節は[3-4-2-1]同士のミラーゲームで、大分の右ウイングバックと甲府の左ウイングバックでマッチアップすると見られる。

     松橋とのひさびさの対戦に松本は「あの年齢になってもハードワークしてガツガツ来る人なので、嫌な相手の一人。でも先輩だからといって負けていられない。しっかり先手を取りたい」と士気高揚。「甲府の両ウイングバックはパワーとスピードがある。怖がらずにサイドで起点となり、試合を作っていきたい」と意気込んだ。

     今季はホームゲーム前日の夕食に焼肉をするのが松本家の験担ぎ。「お世話になっている方から無煙ロースターをいただいたので始めたら、アシストを記録したりチームが勝ったりするようになった」という。好調のアタッカーが先輩を制圧することに期待したい。

    文・写真:ひぐらしひなつ(エルゴラッソ大分担当)

  • G大阪の遠藤保仁、イニエスタの神戸加入について「Jリーグを世界に発信できるチャンス」

    G大阪の遠藤保仁、イニエスタの神戸加入について「Jリーグを世界に発信できるチャンス」

     バルセロナで一時代を築いたイニエスタの神戸加入が正式に発表された。スペイン代表でもある世界的名手のJリーグ入りについて、G大阪の遠藤保仁が25日、その感想を口にした。

    「あれだけの選手がJリーグに来るのはリーグにもいいことだし、神戸にとっては最大の補強。ああいうふうにお金をかけるチームが増えるのはいいことだと思う。Jリーグを世界に発信できるチャンスでもある」と話した。また「対戦相手にとっては嫌な選手だけど、ああいう世界的なレベルの選手がもっと増えていけば、もっと面白いリーグになる」と“イニエスタ効果”について早くも期待を寄せていた。

     ワールドユース(現U-20W杯)の決勝ではスペインのシャビとも対戦した経歴があり、バルセロナのサッカーをテレビでも見てきた遠藤。イニエスタの特長について問われると「何でもできる選手ですし、難しいようなことを何でも簡単にやってしまうので技術も高い。あと、シャビとの決定的な違いはドリブルができること」と遠藤らしい視点で分析していた。

    文:下薗昌記(エルゴラッソG大阪担当)

  • 途中出場から22分で途中交代の山口の高橋壱晟、「やるしかない」と成長誓う

    途中出場から22分で途中交代の山口の高橋壱晟、「やるしかない」と成長誓う

     前節、大分との首位攻防戦をドローで終えて2位を堅持した山口。この試合で65分から途中出場した高橋壱晟は、その22分後に途中交代でピッチを退いた。

     試合後、悔し涙を流す高橋に、サポーターが高橋のチャントを歌って励ました。ベテランの坪井慶介は、涙を拭う高橋に寄り添い「ここからが大事だ」と鼓舞した。

     この試合の翌日、山口は大分とトレーニングマッチを行った。一晩で気持ちを切り替えて試合に臨んだ高橋は2ゴールを挙げる。霜田正浩監督は「悔しい思いをした次の日に、同じような相手と戦って結果を出せたことに関しては精神的に逞しくなってきた証し。まだまだこれから伸びていってほしい」と大きな期待を寄せる。

     今週の練習では、これまで以上に大きな声を出してチームメイトに要求し、ハードワークする高橋の姿があった。

    「前節はああいう形だったけど、逆に吹っ切れた」と清々しい表情を見せ、「試合後のサポーターの歌は聞こえた。チームメイトもみんな励ましてくれて、チームのあたたかさを感じた。サポーターやチームメイトに助けられたので、その恩返しという意味でも良いプレーをして、『この試合があったからこういうプレーができる』という姿を見せたい。ここで折れたら弱い自分なだけ、やるしかない、ここからです」と高橋。悔しい思いを糧にして、山口での成長を誓う。

    文:松原純(エルゴラッソ山口担当)

  • 神戸MF三田啓貴、イニエスタの感謝の言葉に「逆に光栄です」″8番″譲る

    神戸MF三田啓貴、イニエスタの感謝の言葉に「逆に光栄です」″8番″譲る

     神戸の三田啓貴は25日、新加入のスペイン代表MFアンドレス・イニエスタに背番号8を譲ることを快諾したことを明かした。前日24日には直接電話で話したといい、「一緒にプレーできるのが楽しみ」と待ちわびた。

     事前にクラブからイニエスタ加入を知らされた三田。「8番」は、15年まで在籍したFC東京でもつけていた背番号であり、「こだわりはある」のが本音。それでも、「『(イニエスタに)8番をあげたい』ということを伝えられて『どう思う?』って言われたので、イニエスタは自分が憧れた選手でもあったし、来ていただけるなら『譲らさせていただきたい』って(笑)」と快諾したという。

     24日に都内で開かれたイニエスタの新加入会見後、スポーツ・ダイレクターを務める三浦淳寛氏から電話が入った。楽天の三木谷浩史会長兼社長から「隣にイニエスタがいる」ことを告げられ、三田はイニエスタから直接、感謝を伝えられた。

    「『背番号、譲ってくれてありがとう』って直接電話をいただいた。本当にうれしかった。憧れの選手だったので、逆に光栄ですと。これから一緒にプレーできるのが楽しみ、W杯頑張ってくださいということを伝えました」

     前日24日は足にハリを訴えて別調整だった三田だが、この日はハードなミニゲームも消化。「ボールの置きどころ、運び方っていうところは見て学びたい。バルサの組織だったり、どういう練習をやってるのかとか、バルサは大好きなんでいろいろ聞いて盗みたい」とイニエスタと一緒にプレーする瞬間を待ちわびていた。

     なお、Jリーグ規約ではシーズン途中の背番号変更は認められていないが、クラブは「あらゆる可能性を考えて調整中」としている。

    文・写真:小野慶太(エルゴラッソ神戸担当)

  • 「残念。チームにとっても痛手」。日本代表合宿から離脱した青山敏弘について、かつての僚友、G大阪の遠藤保仁が語る

    「残念。チームにとっても痛手」。日本代表合宿から離脱した青山敏弘について、かつての僚友、G大阪の遠藤保仁が語る

     過去3大会連続でW杯の日本代表メンバーとなったG大阪の遠藤保仁にとって、2002年日韓大会以来となる見る立場でのW杯となりそうだ。

     先日、ガーナ戦に向けての日本代表選出の際には「特に大きな驚きもない」と27人の顔ぶれを振り返っていた遠藤だが、「青ちゃんが入ったのはうれしい。一緒に戦ったし何度も試合をした仲間だから」とブラジル大会の僚友だった青山敏弘の選出を喜んでいた。

     それだけに、25日の非公開練習後、囲み取材に応じた遠藤は無念の離脱となった青山について「ケガで離脱するのは本人が一番悔しいと思うし、残念。チームにとっても痛手」と残念がっていた。

    文:下薗昌記(エルゴラッソG大阪担当)

  • 敵地での一戦を前に、松本の反町康治監督が大型FWを警戒

    敵地での一戦を前に、松本の反町康治監督が大型FWを警戒

     26日にポカリスエットスタジアムにて行われるJ2第16節を前に、松本の反町康治監督が対戦相手の徳島について語った。

     徳島はリカルド・ロドリゲス監督のもと、対戦相手やチーム状況に応じて複数のフォーメーションを使い分けている。また負傷者が多いこともあってか選手構成も一定しておらず、多くの色を見せるチームだ。それでも指揮官は、「特徴はある」と話す。データを見るとクロスの数が他チームに比べて多く、前線に置かれる長身ストライカーの山﨑凌吾や佐藤晃大が頭で合わせる形。松本としては横からのボールをきっちりとはね返して、危機を未然に防がなければならない。

     また反町監督は、昨季14得点を叩き出した山﨑を高く評価する。「鳥栖から加入したころに比べるとたくましくなっており、背中を取る動きにも長けているので厄介」と要注意の一人として挙げていた。最前線で体を張る大型FWを封じることができるか注目だ。

    文:多岐太宿(エルゴラッソ松本担当)

  • 井上敬太新GKコーチの放つ熱量。柏がGKコーチ交代後初の練習

    井上敬太新GKコーチの放つ熱量。柏がGKコーチ交代後初の練習

     柏は24日、5月22日に松本拓也GKコーチから井上敬太GKコーチに交代が発表されて以降、初めての練習を行った。

     その初練習で特に目を引いたのが井上GKコーチの熱量だった。正GKである中村航輔がこの日から日本代表合宿に参加しているため不在だったが、ほかの3選手はゲーム形式の練習を含め、1時間強みっちりとトレーニング。柏U-18時代に3年間指導を受けたGK猿田遥己が「(井上GKコーチは)気合いや元気があるので、モチベーションは上がりますね」と言えば、「敬太さんは九州男児ぽく熱いですね」とGK桐畑和繁が続けるように、利き足ではない左足で強烈なシュートをバンバン放ち、一つひとつのセービングに対しても一人ひとりに大きな声をかけて練習を盛り上げていた。

     プロ経験がないからこそ伝えられること、学生時代から指導者を目指していた上で鍛えてきた思考力や両足の正確無比なキックを生かしていきたいという井上GKコーチ。初練習を終えると、「拓也さん(松本拓也前GKコーチ)も『自分で大丈夫』と思ってくれたから任せてくれたと思う。もちろんピッチも違うし、ボールも違うし、扱っている選手も違うので、すべて変わってくると思う。でも、一つひとつの練習に、1回1回の練習に僕のもっているものを全部出すことは、アカデミーでもトップでも何も変わらない。『トップにきたから頑張ります』とか、『身が引き締まる思い』とかは違うと思うし、向こうは向こうでしっかり気持ちを込めてやっていた。こっちはこっちで目指す部分は変わってくると思うけど、それに対して、僕自身の気持ちをしっかり込めて、試合に向けてトレーニングしていきたいですね」と話した。

     急なコーチ変更にもGK陣に動揺はなく、選手たちも意欲的。例えばGK滝本晴彦は「(GKコーチが)代わったから、何かやることが変わるかと言われれば別にそうではない。やってきたことはそのままで、教える人が違うだけ。別に自分のプレースタイルがガラリと変わるはずもないと思う。拓也さんの考え方も、敬太さんの考え方もあるということは、ポジティブに守り方が増えるわけで、自分ができることを多くしていきたい」とプラスに捉えていた。

     なお、シーズン中にGKコーチが交代となった理由に関しては、松本GKコーチが将来的に海外でGK指導の技術を学びたい意向を示しているため。クラブの了承も得て、このタイミングでトップチームから離れることとなった。

    文・写真:須賀大輔(エルゴラッソ柏担当)

  • [本日のエルゴラッソ1面]リーグで解き放たれるイニエスタの魔法

    [本日のエルゴラッソ1面]リーグで解き放たれるイニエスタの魔法

    [日本代表]
    ■井手口らが合流。ケガ明けの乾もピッチに

    ■橋本英郎が語る西野朗の源流
    INTERVIEW 橋本 英郎(東京ヴェルディ)

    [明治安田J2第16節 プレビュー]
    ■千葉 vs 熊本
    大混戦を抜け出し上位へ。熊本の韋駄天が開く突破口

    詳細はコチラ…

  • 磐田・名波浩監督、4日間のオフは「時事ネタ中心にチェックしていた」

    磐田・名波浩監督、4日間のオフは「時事ネタ中心にチェックしていた」

     24日、大久保グラウンドでは、6月2日、9日に控えるルヴァンカップ・プレーオフステージ・G大阪戦に向けて5日ぶりのトレーニングを再開した。磐田は、19日のJ1第15節・湘南戦後に、20日から23日までの4日間のオフが選手に与えられていた。

     午前中には、ペース走やサーキットトレーニングなどフィジカルトレーニング中心のトレーニングメニューを約1時間半消化。午後は、磐田市内の小学校訪問を行った選手以外の11名のメンバーで、ボールワーク中心のメニューを約1時間半消化し、精力的に汗を流した。

     名波浩監督は、4日間のオフについて「みんないいリフレッシュをして、4日間ベタ休みの選手もいれば、体を動かした選手もいた」と各選手がそれぞれのオフを過ごしていたことを明かした。また「オフは4日間なので、ベタ休みでもすぐにコンディションは戻るし、15連戦で疲労していた選手も半分以上いたので、いいオフを過ごせたと思う。」と話した。

     また名波監督は、「オフ期間中は、俺もほとんどサッカーを見ないで過ごした。ニュースも時事ネタ中心にチェックしていた」と笑顔で話し、久しぶりにサッカーから離れた生活を満喫して、リフレッシュしたようだ。

    文:森亮太(エルゴラッソ磐田担当)

  • 日大アメフト部の騒動に触れ、自分たちの姿勢をあらためて問う曺貴裁監督「われわれに置き換えて考えなければいけない」

    日大アメフト部の騒動に触れ、自分たちの姿勢をあらためて問う曺貴裁監督「われわれに置き換えて考えなければいけない」

     4日間のオフをとり、5日ぶりに活動を再開した湘南。練習後、グラウンド脇のベンチで3人の取材陣に対して囲み取材に対応した曺貴裁監督は、開口一番、世間を賑わせている日本大アメフト部に言及した。

     さまざまなテーマに波及したが、最も強く訴えていたことは自分たちの姿勢のこと。筆者にとっては「僕も自分でそういうサインを出してしまっているときがあるのだろうなと思います。人を殴るところまではいかなくとも、僕に言われてパフォーマンスを発揮できない状態になってしまっていることがあると思います。その逆も然りです」という言葉が響いた。自分の発言や行動が他人にどういう影響を与えているか。それを受け取ったほうはどう考えたのか。筆者で言えば、一つひとつの記事を世に出すことで、誰にどういう影響を与えることになるのか。それをあらためて、考えさせられる話だった。 

     以下、その一問一答を書き記していく。重要な提言も含まれると考えたため、一部編集を挟みつつも、ほぼコメントをそのまま掲載する。

     

    ――今日の練習は新鮮な空気で始まったように見えました。

    「チームのことを話そうと思いましたが、それよりもアメフトのああいう事件があって、指導者のあるべき姿勢、(スポーツは)選手がいろいろなことを経験しながら成長していくものとして捉えると、複雑な気持ちがしました。僕もしっかり向き合わなければいけない。

     何より、今回顕在化したから問題になっているだけで、ほとんどのところは顕在化していないのではないかと思うんです。そのほうが、問題じゃないかと思います。今回も映像なくそのまま過ぎていく可能性もあったと思いますし。これを機に、教育する人、誰かを指導する立場にある人みんなが襟を正さなければいけないと思います。彼らのことを批判するのは簡単です。ウチのチームに相手を傷つけるようなことをする選手はいないと思いますが、そう思っていること自体、傲慢なことなのかもしれません。それも含めてわれわれは選手をコントロールし、選手はプレーを楽しむ。フェアプレーでスポーツに取り組むことが大事です。あれを日大だけの話に収めるのではなく、われわれに置き換えて考えなければいけない。あらためて、そういう気持ちになりました」

     

    ――練習では「選手に感謝している」というような言葉も聞こえました。

    「人の感情はコントロールできないので、もしかしたらウチの選手がそういうことをしてしまうかもしれません。もちろんしないように話はしていますが、それも分からない。いまのところそういうプレーがないので、みんなの姿勢にコーチとして監督として感謝しています。相手を傷つけるようなプレーをよしと思っている選手もいないと思います。でも、これから起こる可能性もゼロではないし、過去に大なり小なりあったかもしれない。『選手としても襟を正していこう』と話しました」

     

    ――選手の理性は「やってはいけない」と分かっていても、指導者からの指令でやってしまったという話です。

    「物事の本質として『つぶせ』と言ったか言っていないかはどちらでもいいんですよ。実際に起こってしまったのだから、言っていなかったとしても、選手がやったとしたら指導者の問題です。言わないことがメッセージになることもあるし、『頑張れ』と言われてムカつく選手もいるかもしれないし、『一発かましてこい』と言われてモチベーションが上がってフェアにかますやつもいます。

     日本のアマチュアスポーツのコーチにはボランティアコーチも多くいらっしゃるかと思いますが、全員が自分のこととして考えないといけません。絶対に。一般の会社においても絶対にこういうことはあります。『これだけ大きな出来事になってよかった』と思えるようにするには、各自が当事者意識をもって聞かなければいけない。指導者の立場になったのなら、誰にでもコントロールできない事象が起こります。それは押さえつけてコントロールできるわけでもないし、放牧し続けたら選手が判断し始めるのかと言えば、それも違う。それをちゃんと認識しないといけません。指導者が謙虚でなければいけないし、指導者が一番自分のことを反省しないといけません。そういう姿勢を見せないと、下にいるものはついてきません。

     僕も自分でそういうサインを出してしまっているときがあるのだろうなと思います。人を殴るところまではいかなくとも、僕に言われてパフォーマンスを発揮できない状態になってしまっていることがあると思います。その逆も然りです。指導者の言葉は大きいのだなと、あらためて思いました。誰が喋るか、というか。例えば僕が選手の家族だったとして、選手に『いっちょやってこい』と言っても、ああいうプレーはしないでしょう。何を言ったかは重要ではありません。普段どんな関係でいて、どういう指導をしているかが出るんです」

    文・中村僚(エルゴラッソ湘南担当)