EL GOLAZO(エルゴラッソ)FLASH NEWS

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  • 「ジェフでプレーしたかった」。8年ぶり帰還の工藤浩平が語った覚悟

    「ジェフでプレーしたかった」。8年ぶり帰還の工藤浩平が語った覚悟

     千葉に地元・市原市出身の元10番が8年ぶりに帰還した。千葉のアカデミーで育ち、J2降格初年度の10年には主将を務めた工藤浩平、33歳。「(09年に)J2に落としてしまって、1年で出ていったことは忘れていません。育ったチームだし、どこかで恩返しの気持ちをもちながらほかのチームで頑張っていましたが、またチャンスがあるなら、とは思っていたので、出してくれた松本にも感謝しますが、ジェフでプレーしたい気持ちが強かったです」。前所属先の松本に謝意を述べつつも、アイデンティーとも言える“ジェフ愛”が勝り、オファーを受けた段階で移籍の決断は即決だったという。

     工藤は市原ユース(現・千葉U-18)を経て、03年にプロ入り後、のちに日本代表監督を務めるイビチャ・オシム氏の薫陶を受けた生粋の“オシム・チルドレン”。足元の技術が高いだけでなく、プレススピードも一級品で、千葉を皮切りに京都、松本でも10番を背負った。それだけにフアン・エスナイデル監督が志向するハイプレス・ハイラインに適したプレーヤーとも言えるが、「まずはチームのやり方やトレーニングに慣れないといけないし、早めにこられたので、早く慣れたいです」と謙虚な姿勢は崩さない。

     J通算421試合出場のキャリアが示すようにプロ16年目のベテランの域に足を踏み入れている。本人の意識も十分で「歳をとったぶん、試合の終わらせ方や試合運びは分かっているつもり。ゲームの流れを読むプレーヤーなので、試合巧者になるためにアクセントをつけたり、落ち着かせたりすることで1試合1試合勝ちにこだわりたいですね」と豊富な経験を千葉に落とし込むつもりだ。

     新たな背番号は昨季限りで引退したレジェンド・羽生直剛氏が背負った22番。「去年まで羽生さんがつけていたのもありますし、千葉を落としたときから上がれてないので、しっかりと昇格できるように覚悟をもってやっていきたいです」。かつて“姉崎のマラドーナ”と呼ばれ、愛された男がJ1昇格への救世主になるのか。出場可能となる21日の第24節・讃岐戦以降、この男から目が離せない。

    写真:以前千葉に在籍していたときの工藤浩平(08年)

    文:大林洋平(エルゴラッソ千葉担当)

  • オーストリアから持ち帰った収穫と課題を見据え、J1再開に備える長崎

    オーストリアから持ち帰った収穫と課題を見据え、J1再開に備える長崎

     6月18日から約2週間に及んだオーストリアでのキャンプを終えた長崎。オーストリアでのキャンプでは主にボール保持をテーマに練習に取り組み、数多くの実戦をこなしてきた。

     キャプテンの髙杉亮太はキャンプを振り返り、「外国の選手特有の一瞬の速さだったり、身体的な強さだったりというのは今まで味わったことのないところだったのですごくいい経験になりました」と日本では味わうことのできない部分を体験できたことをプラスにとらえていた。

     キャンプ当初はポゼッションに意識がいくあまり、攻撃のスイッチがなかなか入らないこともあった。しかし、試合を重ねるごとに「バランスはよくなっていった」(髙杉)と、徐々に改善できた点は確かな収穫となっている様子だった。

     しかし、最終ラインを束ねるディフェンスリーダーでもあるだけに守備の部分についても言及した。「失点のところで特にシリア代表との試合では2本、クロスからやられてしまった。そこは課題。前半戦もクロスからやられることが多かったので、その対応はまだ改善の余地がある」と話した。数多くの実戦をこなしてきたからこそ、実体験で得られた収穫と課題をしっかりとブラッシュアップし、公式戦の再開に備えている。

    文:杉山文宣(エルゴラッソ長崎担当)

  • 横浜FCの北爪健吾が髪色を大胆チェンジ。「自分の中ではある意味リセット」

    横浜FCの北爪健吾が髪色を大胆チェンジ。「自分の中ではある意味リセット」

     先週に髪色をグレーに染め上げてグラウンドに姿を現した北爪健吾。その日は髪色を変えた真意を隠したが、「次、結果を出したら話しますよ」という宣言どおり前節・山口戦で2アシストの大活躍を見せて勝利に貢献し、5日の囲み取材で口を開いた。

    「単純に目立つため。自分へのプレッシャーを含めて、髪だけ目立ってもというのがあるので。あと結果が出ていないこともあって、気分も変えたいというのがあった。見た目を変えたら何かが変わるわけではないけど、自分の中ではある意味リセットを含めて新しい髪色にチャレンジした感じです(笑)」。

     久々に見た柔らかい笑顔だった。ここ最近は数字の面で結果を残すことができず、悩む時間も多かった。ときには「勝利に貢献できていない」と悔しさを滲ませた試合も。その中で得た結果に安堵していた。

     序盤戦はベンチ外が多かったが、いまとなっては欠かせない存在。北爪がどれだけ高い位置を取り、オーバーラップできるかがチームのバロメーターにもなっている。そして現在記録している5アシストは昨季の千葉時代と同じくキャリアハイ。しかし、結果にこだわる背番号14は「これだけ試合に出ているわりには(アシストの)数字は寂しいなという印象がある」と自らを奮い立たせる。

    「もう少しコンスタントに数字を残したい。最後シーズンを終わって結果的に残るのは数字とチームの順位だけ。そういう意味では10(アシスト)は欲しかったし、残せたと思う。でも、それだけチャンスが作れているということはポジティブに捉えることができる」。

     早くも髪色は色落ちして “派手色”に変貌。それでもピッチで目立つことに変わりはない。後半戦も右サイドを爆走して横浜FCを引っ張る。

    文・高澤真輝(エルゴラッソ横浜FC担当)
  • ブラジルW杯を経験した“小さい選手”が伝えた思い。西野監督がミーティングでの秘話を語る

    ブラジルW杯を経験した“小さい選手”が伝えた思い。西野監督がミーティングでの秘話を語る

     7月5日に行われた日本代表帰国会見でのこと。西野朗監督は「ベルギー戦が終わったあと、選手たちにどんな言葉をかけたのか」と問われると、隣に座る長谷部誠に「なに言ったっけ?」と言っておどけながらも、「ある選手がグループステージを突破した翌日のミーティングでいきなり発言して、小さい選手なんですけど」と笑いながら話し始めた。

     その笑顔につられたのか、それとも思い出したのだろうか、笑顔を見せる長谷部の横で西野監督は続けた。「ブラジル(W杯)の話をしたかったんでしょうけど、『ブラジル』って言葉を言った瞬間に言葉を詰まらせたんですね。泣きじゃくりながら何とかブラジルからの思いを。グループステージを突破した翌日の話なので、おそらく回想しながら詰まってしまった瞬間がミーティングルームであった」。

     ブラジルW杯を経験した小さい選手。西野監督は具体名を出さなかったが、その言葉の主が長友であることは想像にたやすい。その言葉を聞き、西野監督は「その小さい選手がグループステージを突破した翌日に話してくれたことはこれからも4年…4年ではないですね、早い段階で世界に追いつける、そういう姿勢を与えてくれた」と感じていた。

     そして「あの悔しさは僕自身も感じたことがない」ほどだった敗戦後、西野監督は次のように選手に伝えたという。「ロストフのベルギー戦が終わったあとに倒れ込んで背中に感じた芝生の感触、見上げた空の色なのか感じなのか、それは忘れるな。ベンチに座っていた選手たちもあの居心地の悪いベンチのお尻の感触を忘れるな」。

     “小さい選手”がそうだったように、いやおそらくこれからもそうであるように、悔しさを糧に前へ進む。「あれが世界だと思うし、あれに対抗していくのはこれから。とにかく前へという中、日々、鍛えて成長していかないといけない」。ベルギー戦でノックした世界の扉を自らの手で、足でこじ開けるため、日本代表、日本サッカー界は挑戦し続けていく。

    文・写真:菊地正典

  • J通算200試合出場達成の齊藤和樹「それよりも得点をとりたいしアシストをしたい」

    J通算200試合出場達成の齊藤和樹「それよりも得点をとりたいしアシストをしたい」

     1日に行われたJ2第21節・金沢戦で、FW齊藤和樹がJ1・J2通算200試合出場を達成した。

     中京大を卒業後、11年に熊本に加入。1年目のシーズンは7試合の出場にとどまったキャリアを振り返った齊藤は、「最初のころのことを考えればなんとか生き残ってきたなと思います」と話す。

    「使ってくれる監督がいて、一緒に戦ってきたチームメートがいて、ここまでやってくることができたので、いろいろな人に感謝したいです。2年目の最初10節くらいまで全然試合に出られなかったので、そこからギリギリのところで頑張ってきた(笑)。最初のころのことを考えればなんとか生き残ってきたなとは思います。ただ、大事なのは試合に出て何をしてきたかだと思いますし、結果の面では全然物足りないので、結果をしっかりと残したいです」

     ここまでJ2リーグ戦での通算得点は32得点、今季は20試合に出場して1得点。試合出場数よりも結果にこだわっている齊藤は、リーグ後半戦に向けて気合いを入れ直している。

    「後半戦は躍動感のあるようなパフォーマンスを見せていきたい。試合数はそんなに意識していなくて、それよりも得点をとりたいし、アシストをしたい。チームにそういう形で貢献したいです」

    文・寺田弘幸(エルゴラッソ岡山担当)

  • “相思相愛”の移籍。泉澤仁が東京V入りを決断した理由を語る

    “相思相愛”の移籍。泉澤仁が東京V入りを決断した理由を語る

     G大阪から東京Vへの期限付き移籍が先週発表された泉澤仁が4日、初めて東京Vの戦術練習をこなした。練習には1日から合流しているが、チームは試合翌日のため主力選手はリカバリーメニューで、その後2日間のオフを挟んだ。「スペイン人監督に教わりたい」ことも移籍決断の理由の一つだったと語る泉澤が「戦術がしっかりあって面白かった」と練習の感想を語った。

     泉澤によれば、オファーがあったのは「5月の終わりか、6月の初め」で、「ほぼ即断だった」という。「J1でやりたい気持ちもあったけど、強化部の方と話していて、J1にどうしても昇格したいというのがすごく伝わってきた。ロティーナ監督もテレビ電話で『一緒に戦おう』と言ってくれて、戦術のことも熱心に話してくれた。ぜひ力になりたいという気持ちが強くなった」と理由を明かした。東京Vについては「3年前にJ2でやったときはガチャガチャしたサッカーだなという印象」だったが、「ロティーナ監督になってめっちゃいいサッカーをしている」のも魅力に映ったという。

     東京Vとしても、昨季まで所属した安西幸輝(現鹿島)、安在和樹(現鳥栖)の両翼を失った穴が埋まらず、アタッキングサードをいかに崩すかがプレシーズンからの課題となっていた。ロティーナ監督にとって、「サイドの高い位置で単騎突破できるドリブラー」は戦術的にノドから手が出るほど欲しい存在。今回の移籍はまさに相思相愛の組み合わせと言える。

     登録期間の問題もあり、東京Vで試合に出られるのは最短で21日の福岡戦から。「引越しもあって1週間休んでいたので、そこまでには100%のコンディションにしたい。戦術的にはこれからですけど、頑張ります(笑)」と笑顔を見せた。

    文:芥川和久(エルゴラッソ東京V担当)
    写真提供:東京ヴェルディ