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熊本の八久保颯、プレースキックに自信。「高校時代や大学時代と比べても、ずば抜けていい」
前節の町田戦は終盤に追いつかれて悔しい結果になったが、熊本にとって開幕からここまで4勝1分3敗という数字は悪くないスタート。選手たちはそれぞれに、個人として、またチームとしての手ごたえも感じている。
3-1と快勝した明治安田J2第7節の新潟戦で今シーズン初ゴールを記録したMF八久保颯も同様で、「これまでやってきたことが間違っていないと思えて、自信になっている」と言う。
そして八久保がさらに自信を深めているのが、このところのプレースキックの感覚。
「高校時代や大学時代と比べても、ずば抜けていいです」と満足げ。その理由はこうだ。
「北嶋(秀朗)ヘッドコーチからも、この場所に、とか、こういう球質で、ということを具体的に言われているのと、高さのある選手、収めることができる選手がいて狙いやすい。自信を持って、リラックスして蹴ったらいいボールが蹴れるんだなと思いましたし、2トップも強いので、点が入りそうな感覚があるんです。だからリスタートの場面でも、積極的に自分から蹴りに行けるメンタルがある」
サイドからの攻撃が増え、クロスやCKの数も目立って増えている今シーズン。自信を深めた八久保のキックから、多くのゴールが生まれそうだ。
文・写真:井芹貴志(エルゴラッソ熊本担当)
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あの失点の真相を明かした横浜FM・飯倉大樹、「ちょっとした駆け引きがあった」
横浜FMの飯倉大樹が、先日見られた“今季ならではの失点”についての真相を明かした。
ついにやられた、と思う失点だった。11日の明治安田J1第7節・広島戦、1−2の1点ビハインドで迎えた90分、カウンターから広島のパトリックが放ったシュートは、ペナルティーエリアの外に出ていたGK飯倉大樹の頭上を越えてゴールに吸い込まれた。
相手を押し込むためにディフェンスラインを極端に高くしているがゆえに、これまでも幾度となく飯倉の頭上を越えるロングシュートを狙われてきたが、いずれも枠から外れていた。第7節にして初めて枠に飛んできたロングシュートだった。
ただ、飯倉は「あれはパト(パトリック)がうまかったし、ちょっとした駆け引きがあった」。具体的にはどういうことなのか。「パトは足が速いし、もう少し前に持ち出してくるかと思った。その分、戻らなかった」。
映像を再確認してみると、確かにパトリックがミロシュ・デゲネクとの競り合いを制して前に出てきたにもかかわらず、飯倉は一瞬、動きを止めているように見える。「普通に戻っていれば追いつけていたけど、パトがもうワンタッチ長くなった時に(ボールを)狩れるようにスピードダウンした」からだった。
駆け引きに勝てなかった。ただ、理由があることに加え、「普通に戻れば間に合う感じだった」だけに、あの失点については「そんなに気にしてない」と言う。
それよりも飯倉が「怖い」と思ったシーンがあった。それはPKで1失点した直後の52分、渡大生に打たれたロングシュートだった。相手のクリアボールに対し、横浜FMは最終ラインも敵陣で対応。飯倉もその裏のスペースをケアするためにペナルティーエリアの外に出ていたが、デゲネクのヘディングでクリアしたボールを渡は自陣からワンタッチで狙った。シュートは枠から外れて古事なきを得たが、「あのタイミングでストーンと打たれるとノーチャンス」だった。
サイドの裏へのボールは「帰る時間がある」と常々話してきた飯倉だが、渡のシュートのように中央からの攻撃は「もうひとつ早く帰ってくるべき」と考えている。
ただ、それも決してネガティブなことではなく、広島戦で得た「教訓」だ。今季から新たな戦術に取り組む中、最も昨季までと異なるプレーを求められている飯倉。それは決して簡単なことではないが、日頃から「疲れるけど楽しい」と口にしているように、ポジティブに取り組みながら改善を図ろうとしている。
文:菊地正典(エルゴラッソ横浜FM担当)
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湘南のミキッチが臨む広島戦。「間違えて広島の選手にパスを出さないようにしないと(笑)」
15日の首位・広島戦を語る上で、このメインキャストは外せないだろう。紫のユニフォームを9年間まとった現在・湘南のミキッチだ。
思い出深い古巣との一戦を前に心境を聞くと、誰に背も紳士的な振る舞いを忘れない、ナイスガイは笑顔で語り始めた。
「間違えて広島の選手にパスを出さないようにしないといけませんね(笑)。柏、水本、佐々木、柴﨑……9年間いたチームですから、彼らにパスを出すのが習慣になっています。逆に彼らからパスを引き出せるようにアピールしますよ(笑)」
いきなり記者陣の爆笑を誘ったミキッチだが、サッカーの話になると表情が変わる。昨年と今年の古巣の状況を冷静に比較してこのように語った。
「広島はリーグ戦、カップ戦、ACL、クラブW杯と、非常にタイトなスケジュールで戦い続けてきました。昨年はその疲れが残っていたと思います。それに、スタートが悪く新加入選手もフィットしなかったので、そのままずるずると引きずってしまいました。今年は新しい監督になり、新しいシステムと戦い方で、フレッシュさが戻ってきたのだと思います」
より熱が入ったのが、湘南の課題だ。特にプレッシングの面で気にかかることがあるようで、大きな身振り手振りを交えて熱く語ってくれた。
「前からのプレッシングは機能していると思います。ただ、奪った後に失う回数も、奪う回数と同じくらい多くあります。奪った後にどう保持するのかも考えなければ、体力の消耗も激しく疲弊してしまいます」
「ボールを奪った瞬間は、相手にすぐ囲まれて奪い返されてしまう状況です。そのときにシンプルにフリーの選手を使うことが重要です。時間に余裕があり、もっとも適切な判断ができます。そして予測をすること。セカンドボールが落ちてくる位置、それを拾った時に前を向けるポジショニング。これが必要になってきます」
15分間の取材を終えたミキッチは「皆さんの聞きたいことは聞けましたか」と笑い、最後はガッチリ握手をしてロッカールームへ戻っていった。
文:中村僚(エルゴラッソ湘南担当)
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おおらかな男、湘南のアンドレ・バイアに新事実? 「父はボクサーでマラソンランナー」
湘南のアンドレ・バイアに、新事実が発覚した。
バイアは優しく器の大きい男だ。練習後、ファンが並んでユニフォームとペンを持っていれば、サインと写真撮影に快く応じる。家族が試合や練習に訪れることも多く、そのときは子煩悩ぶりを発揮した優しいパパの一面を見せてくれる。記者とも目が合えばにっこり笑って「コンニチハ」とあいさつしてくれる。
そんなおおらかな心は、どのように育まれていったのか。どうやら、ボクシング選手であり、マラソンランナーでもあった父親の影響があるようだ。
「小さい時から笑顔を忘れないように過ごしてきました。父が常に笑顔を絶やさない明るい人だったんです。それを見て育った私も、自然と笑うようになりました。私がサッカーを始める前にもいろんなところへ連れていって、いろいろなスポーツをやらせてくれました」
そんなバイアのお父さんもバリバリのスポーツ選手だったようだ。その競技はなんとも意外なものだった。
「父はボクサーで、マラソンランナーでもありましたね。私自身も水泳だったりフットサルだったり、マラソンとは言えないまでも走り回ることは多かったですね。それでもサッカーが好きだったので、最終的にサッカーを選びました」
そんな優しく大きい心の持ち主も、ピッチ上では闘争心をむき出しにして相手エースを封じ込める。次節・広島戦で完封できるかどうかは、最終ラインの真ん中にたたずむこの男の足にかかっている。
文:中村僚(エルゴラッソ湘南担当)
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ハマの番長の復帰、間もなく!横浜FM・栗原勇蔵、全体練習に合流
ハマの番長の復帰が近づいてきた。
横浜FM・栗原勇蔵は今季初出場となった3月7日のルヴァンカップ、FC東京戦で左ハムストリング肉離れの負傷を負い、チームからの離脱を強いられていたが、先週になってボールを蹴り始め、今日はついに全体練習に合流した。
全体練習とは言っても広島戦にスタメン出場した選手たちはクールダウンのみでボールを使った練習には参加しておらず、それほど強いコンタクトを強いられるメニューでもなかったが、神戸戦が行われる「日曜日の居残り組との練習は全部やる予定」であり、「ルヴァンカップはサブには入れるかもしれないし、(スタッフと)そんな話もしている」状態にまで来ているようだ。
けがの当初に発表された6週間から8週間という離脱期間は「試合に行けるっていう期間なのか練習に合流できる期間なのか、俺も未だにわからない」ようだが、「来週の水曜日で6週間だし、ちょっと早いかな」と順調に回復。ボールを蹴り出した選手は「肉離れなので再発が怖い」と話していたが、その不安も消え去りつつある。
栗原が離脱していた期間、ルヴァンカップでは右SBが本職と言える金井貢史がCBでプレーし、ルーキーの西山大雅もスタメン出場していた。「元々CBが少ないのに迷惑を掛けている。ここから取り返せるように、まずは良い意味で(中澤)佑二さんやミロシュ(デゲネク)を休ませてあげられるようにしたい」。闘うDFが再びピッチで暴れ回り、チームに貢献する日は近い。
文・写真:菊地正典(エルゴラッソ横浜FM担当)
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満をじして復帰ゴールの山形・中山仁斗、好調だからこその落ち着き
長期離脱から復帰して2試合目、山形の中山仁斗が前節・愛媛戦で今季初ゴールを挙げ、復活を印象付けた。
阪野豊史との交代でピッチに登場したのは79分。するとその6分後、カウンターの場面で右サイドからクロスを受け胸トラップ、そして左足で流し込んだ。
「トラップは大きくなりました。相手も見えてたので、持ち直して、冷静に決められました」。寄せてくる相手を体でブロックして間合いを作り、さらにブロックの足を出されてもわずかな隙間を逃さず流し込む落ち着き払ったゴール。中山は「試合に入るときもリラックスして入ったので、それがいい感じであのシーンに出たかなと思います」と振り返った。
長期離脱のきっかけは、ようやく移籍してきたチームにようやくフィットしてきた昨年8月、試合中のけがだった。今年に入り、開幕後間もなく全体練習に合流し、他の選手と遜色ないパフォーマンスを見せていたが、ブランクの長さを理由に、木山隆之監督は焦らずに復帰時期を見極めていた。
満をじしてピッチに帰ってきた中山は、「けが明けですけど去年よりはコンディションもいいし、リハビリでじっくりやったので、体の柔軟性がよくなりました」と好調をアピール。今後、中山のプレー時間が増えることで、山形の順位も浮上することになりそうだ。
文:佐藤円(エルゴラッソ山形担当)
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神戸・吉田孝行監督、「フィールドプレーヤーが一人多い」と横浜FMを警戒。ポゼッションで譲らぬ
15日のJ1第8節、神戸は横浜FMのホームに乗り込む。攻撃サッカーをけん引するルーカス・ポドルスキが累積警告で出場停止だが、吉田孝行監督は13日、「連戦だし、ほかの選手もいっぱいいる。いろいろな選手を回してやっていく」と意気込みを語った。
横浜FMは今季、ポゼッションを志向しているが、それは神戸も同様だ。試合の一つの焦点はボール保持という主導権争いになるだろう。吉田監督は「今年は攻撃サッカーをやっているし、もちろんある」とポゼッションへの意気込みを話した上で、「まずは試合に勝つことを考えて、そこから(ポゼッションでも)上回れたらいい」と勝利へのこだわりをのぞかせた。
さらに、「相手はGKも使って(ボールを)回すのである程度、持たれることもある。フィールドプレーヤーが一人多いようなもの」と指揮官。ボール奪取のイメージと合わせて戦略を練っている様子だった。
文・写真:小野慶太(エルゴラッソ神戸担当)
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J1初得点を挙げたC大阪・福満隆貴。「満足せず、J1で5点、10点、レギュラーを取る、というところを目標にやっていきたい」
前節の明治安田J1第7節の川崎F戦で、記念すべきJ1リーグ初ゴールを決めた福満隆貴。高校を卒業後、10年から九州リーグでプレー。地域リーグでのプレー後、JFL、J3、J2、J1と昇格していく過程において、すべてのカテゴリーで得点を奪った史上初の選手となった。
13日の練習後、あらためてJ1リーグでの初得点について振り返ってもらうと、「地域リーグから一つずつカテゴリーを上げていって、J1でも点が取れたことは素直にうれしいです。ここまで長かったけど、サッカーをやってきてよかったなと思います」と喜びを口にした。
もっとも、地域リーグ時代から一つ、一つ、目標を達成してきた彼にとって、現状もあくまで通過点。「(地域リーグ時代から)Jリーガーになりたいという気持ちは持っていたし、テレビで見ながら、自分もああいうピッチに立ちたいと思っていた。実際に立ってゴールを決めることができたことは、素直に喜んでいいと思う」としつつ、「ここで満足したら成長はない。満足せずに、新たな気持ちで、もっともっと点を取りたい。今度はJ1で5点、10点、レギュラーを取る、というところを目標にやっていきたい」とさらなる高みを見据えた。
今後も過密日程が続く戦いにおいて、福満の台頭はチームにとっても、大きな力となる。
文:小田尚史(エルゴラッソC大阪担当)
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「Jリーグでプレーしたい」。徳島、元タイU-23代表のピチャが練習参加中
タイU-23代表の代表歴もあるピチャ(タイ1部のパタヤ・ユナイテッドFC所属)が徳島の練習に参加している。
13日(金)~19日(木)の練習参加が決まり、本日初合流となったピチャ。11日にタイで試合を行い、昨晩徳島に入ったこともあって13日は軽く体を動かした程度。しかしながら、「トレーニング参加に呼んでいただいて本当に感謝しています。初めて話を聞いたときは、とても驚いて興奮しました。トレーニングで自分の良さを100%出していきたいです」と意気込んでいる様子がうかがえた。
Jリーグについては、「チャナティップ選手(札幌)、ティーラシン選手(広島)、ティーラトン選手(神戸)が日本でプレーするようになって興味を持つようになりました。また、日本代表とタイ代表がW杯予選で対戦したり、タイの選手が日本でプレーするようになって毎週末にJ1とJ2合わせて3試合テレビで放送するようになって知名度も上がっています」と話す。そして、「Jリーグの練習から得られるものを自分の経験や財産にしていきたいです。そして、Jリーグでプレーしたいと思っています」と今後の目標を語る。
また、リカルド・ロドリゲス監督はタイで指揮を執った経験もあるが、タイ人選手の特徴として「中盤から前線にかけて能力の高い選手は多いです。まだまだ知られていないだけで、いろいろないい選手がいると思います」と言葉にした。
文・写真:柏原敏(エルゴラッソ徳島担当)
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起死回生の同点ゴールを決めた横浜FC・川﨑裕大、大分戦に先発か。「広島みたいなサッカーをしてくる」
横浜FCは前節・福岡戦、終了間際の得点で辛うじて勝点1を手にした。その起死回生の同点ゴールを決めたのが川﨑裕大だ。レアンドロ・ドミンゲスのCKから川﨑が頭で合わせると、ボールは相手の体に当たってゴールへと吸い込まれた。
この得点は自身にとっては記念すべきJリーグ初ゴール。しかし、当の本人はあまり実感が沸いていない様子で「あんまりうれしくないです。当たったのは当たったけど、そのあと何が起きたか分からなかった(笑)」と苦笑い。自分の意図したゴールではなかったことで、喜びは半減したようだ。
とはいえ、前節のプレーは評価に値する働きぶりだった。49分と後半開始早々にヨン・ア・ピンの負傷交代によってやってきた急登板。「急に呼ばれたので、緊張する間もなく入ることができたので良かった」と話すように、持ち前の落ち着いたボール配球に加えて、タヴァレス監督の求める激しい球際の面も難なく遂行。準備もままならないスクランブルな出場だったが、すんなりと自分のストロングを出すことができた。
そして今週末に迎える大分戦は先発出場が予想される。「広島みたいなサッカーをしてくる。何となく危ない位置とかは分かるかなと。やってみないと分からないけど(笑)」と古巣のスタイルと照らし合わせながら、イメージを作っているようだ。
現在横浜FCは負傷者が続出中。そんな苦しい台所事情の中で期待されるのはチームの底上げ。まず背番号33が主力メンバーに名乗りを上げるためにも、巡ってきたチャンスを逃したくはない。
文:高澤真輝(エルゴラッソ横浜FC担当)
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智将・ロティーナが語る「日本らしいサッカー」。その前提条件として挙げたのは個人の守備戦術
ハリルホジッチ元監督の電撃解任によって、今また「日本らしいサッカーとは何か?」が各方面で議論されている。本日(13日)行われた囲み取材で、東京Vを率いるロティーナ監督にそれを尋ねたところ、スペインから来た智将は「ショートパスを多用したサッカー」と即答した。
ロティーナ監督は日本人選手の特性について、「ボールを扱う技術が高い」と評価している。ただ、その特性を生かしてショートパスをつないでいくサッカーをするべきかどうかは、監督自身の嗜好も大きく入っていることを割り引いて考える必要はあるだろう。もちろん現実主義であるロティーナ監督は、「日本がこれから成長していくためのカギはディフェンスの向上にある」と注釈を付けることも忘れなかった。
「日本のポテンシャル生かしていくカギはディフェンス面です。それも、チームのディフェンスというより、個人のディフェンス戦術。ヨーロッパや南米のサッカーを見ると、守備の面で厳しい、より高いレベルでプレーをしています」
東京Vを率いて2年目の今季、総失点3の堅守をベースに開幕から8戦無敗を続けているロティーナ監督らしい提言。どうも「ショートパスを多用するサッカー」の前には、「個人の守備戦術の基本ができている」という前提条件があるようだ。守備の個人戦術となると育成年代からの取り組みとなり、気の長い話にはなるが、日本サッカー界が取り組んでいくべき課題なのは間違いない。
文:芥川和久(エルゴラッソ東京V担当)
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水戸の岸本武流、金沢の庄司朋乃也や清原翔平の前でゴール量産のきっかけを
15日に控える金沢の庄司朋乃也とのC大阪U-18同期対決について、「楽しみ」と語る水戸の岸本武流だが、同時に「昨年お世話になった清原(翔平)さんとの対戦も楽しみ」と言う。「清原さんは周りに気を遣えるすごくいい人」と語るように、人間性の部分で大きな影響を受けたようで、ひさびさの再会を心待ちにしているとのこと。そして、選手としても「常に一生懸命プレーするので、相手にとってすごく厄介な選手」と高く評価。それだけに「勝つためにしっかり抑えないといけない」と警戒を強めていた。
開幕から8試合連続先発出場を果たしているものの、いまだ無得点。ストライカーとして満足いく結果を残せていないが、「結果が出ていない時こそ努力を怠ってはいけない。最初に結果を出していたら調子に乗っていたかもしれない。いまは自分を見つめ直すことができている。そういう意味でこの状況をポジティブにとらえている」と現状を前向きに考えることができているという。前節もクロスバー直撃のシュートを放つなど、ゴールの予感は漂っている。今節、旧友の前で今季初ゴールを決め、ゴール量産のきっかけをつかみたい。
文:佐藤拓也(エルゴラッソ水戸担当)
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中村憲剛選手の新著をサイン入りで3名様にプレゼント!
15年に発刊した『サッカー脳を育む』に続くサッカーメソッドの第二弾。川崎Fの中村憲剛選手がこれまで培ってきたマインド(考え方)とメソッド(技術)を5章に分け、ビジュアルと図解を使って分かりやすく解説しています。親子で一緒に読みながらサッカーが上達できる、サッカーの教科書的な1冊。ぜひ、ご応募ください。
[募集要項]
ハガキに、①商品名、②住所、③氏名、④年齢、⑤電話番号、⑥本紙購入場所、⑦気に入った記事を3つ、⑧本紙の感想・ご意見、をご記入の上、〒150-0011 東京都渋谷区東1-26-20東京建物東渋谷ビル別棟『EL GOLAZO 』2022号係までお送りください。4月20日(金)消印有効。当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます。 -
鹿島の内田篤人、主力組で練習。7試合ぶりの出場なるか
13日、明治安田J1第8節・名古屋戦を前にした前日練習で、鹿島の内田篤人が主力組として入った。もしそのまま先発出場となれば、J1開幕戦以来7試合ぶり。ピッチに立つのも、その開幕戦以来となる。鹿島は現在連敗中の苦しい状況だ。苦境を脱する切り札となることが期待される。
ただ、本人は至って平静を保つ。名古屋の印象や久しぶりの試合でどんなプレーをチームにもたらしたいか問われても「いつもどおり」、「普通です」を繰り返した。
「こうやって喋るのも必要ないんじゃない。ちゃんとグラウンドでね」と、試合の結果で示すことを誓っていた。
文:田中滋(エルゴラッソ鹿島担当)
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山口のブラジル人DFヘナン、「もっと円滑なコミュニケーションを」と日本語教室へ
今季開幕前のタイキャンプからチームに帯同したブラジル人DF・ヘナン。フアン・エスクデロ通訳から日本語を学び、現在は方向を示す単語など試合中に必要な言葉を理解し、簡単な挨拶や自己紹介もできるようになった。
ヘナンはJ2第5節・金沢戦からフル出場。これまでピッチ上でのやり取りは、渡辺広大や三幸秀稔が簡単なポルトガル語を話すことができるので、特に問題はなかったようだが「もっとコミュニケーションを円滑にしたい」と日本語の習得に励む。
11日の練習後、同じくブラジル人DFのジェルソン・ビエイラと体験レッスンに参加し、ひらがなを読み書きする個別指導を受けた。「難しかったけど、体験して『よかった』と感じた。コミュニケーションをもっとスムーズにしたい」と早くも入会を決め、これから週1~2回のペースで教室に通うという。
文・写真:松原純(エルゴラッソ山口担当)
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いざ、甲信ダービー。相手は「天才」小塚和季ら、タレント豊富な甲府。松本は、その良さを消せるか
今節・甲府戦は、松本にとって2015シーズン以来の『甲信ダービー』となる。
3年前はナビスコカップ(当時)も含めた公式戦3試合で全勝するなど意地を見せた。とはいえメンバーも大きく入れ替わっており、当時の相性の良さは参考にならない。個の能力の高い選手もそろっており、敵地に乗り込む立場の松本としては難しい試合展開を余儀なくされるはずだ。
なかでも監督や選手からは、甲府の中盤を指揮する小塚和季を強く警戒する言葉が聞かれた。反町康治監督は山口に所属していた昨季も「天才」という言葉で、その能力を認めてきた。新天地に移った今季も、「周りも彼の良さを分かってきた」と評するなど警戒心を隠さない。
またゲームキャプテンの橋内優也も、「昨季の山口戦(第34節)で小塚くんにやられている」と2点目につながった高精度パスを振り返る。その上で「タレントは豊富だが、恐れることなくやれば良い試合はできる」と前を向く。
文:多岐太宿(エルゴラッソ松本担当)
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名古屋のジョーが決めたPKの裏話。複数選手の陰のアシストあり
11日の明治安田J1第7節・仙台戦の89分にPKを決めたジョー。その裏にはチームメートの隠れたアシストがあった。
1-3と2点を追う終了間際。青木亮太のシュートのはね返りをジョーが狙うと、カバーに入ったDFの手に当たりPKを得た。キャプテンの佐藤寿人はすぐにジョーに駆け寄り、顔を近づけて、「大切だから頼むぞ(Importante)」と、ポルトガル語で声を掛けた。
しかしこの試合、PKのキッカーに指名されていたのは長谷川アーリアジャスールだった。試合前には名古屋で初得点を上げるチャンスと思っていたと言う長谷川も、ためらわずにボールをジョーに渡した。
「FWは得点を取ってなんぼの世界。ジョーもPKを外したり(5節・鳥栖戦)、決められるところを外したりしていた。あれだけ鳴り物入りで入って来たから点を取らないと、いろいろ言われるじゃないですか。ちょっとしたきっかけで点が取れれば波に乗るだろうし、ましてや昨日はスタメンじゃなかったし」と、長谷川はジョーの心情を思いやっての行動だったと明かす。
開幕戦以降、ゴールから遠ざかっていたジョー。この日はこのPKを合わせて2得点を挙げた。試合には敗れたが、自信を取り戻したと言う。
「日本中の選手からリスペクトされている佐藤寿人選手に声を掛けられてうれしかったし、自信を持って蹴ることができた。次の試合も続けて得点を取りたい」
名古屋が再び上昇気流に乗るためにはジョーの活躍が欠かせない。チームメートと助け合いながらゴール量産を目指す。
文:斎藤孝一(エルゴラッソ名古屋担当)
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スローインがオフサイド!? 鳥栖のマッシモ・フィッカデンティ監督、審判と選手のコミュニケーションについて指摘
鳥栖のマッシモ・フィッカデンティ監督が、審判とのコミュニケーションについて訴えた。
前々節・C大阪戦でも判定を巡り、試合後の会見で憤りを見せていたフィッカデンティ監督だが、続く前節の柏戦でも納得のできない判定が続いていた。試合から1日が経った12日、あらためて言及した。
指揮官が最も気になったのは72分の場面。スローインからのプレーがオフサイドの判定を受けたところだった。「オフサイドのルールが変わったのかと昨日は思ってしまいました。自分が知らないんだったら恥ずかしいので調べたんですけど、そこは以前通りのルールでした」。スローインからのボールはオフサイドの対象にはならない。「普段、PKを与えた、与えていないのところを感情的になって話しているように思われるかもしれないが、(審判が)それ以前のところ(基本的なルール)を間違えているようだったら、普段の私の訴えが響いてないのかなと思ってしまう」と、決して感情論だけではなく、しっかりとしたルールの適用がなされているかどうかの重要性を続けて訴えた。
「審判の方々に対して選手たちが『違うのか』と聞いているとき、インカムで話しているけど誰と話しているのか。ビデオを見ている人がいるわけでもないでしょうに。選手たちに対して『こう見えたからこうだ』って話してくれれば、試合後に『あのときにこう言ったけど違いましたという話もできる』と思いますし、それで終わりにできると思います」と指揮官。コミュニケーションによるより深い相互理解とレフェリングの改善が必要であり、ミスが起きればそれを認めたうえで先につなげることが必要だと話した。
文:杉山文宣(エルゴラッソ鳥栖担当)
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大分の川西翔太が長い前髪をバッサリ。「いまはこういう気分」
長い前髪がトレードマークだった川西翔太が、今週のオフ明け、突然“夏毛”になって現れた。
遠目に見れば洗練された足技とアグレッシブなプレースタイルで川西と分かるものの、髪型については思わず二度見。さっぱりとしたスタイルについて訊ねると「切るときはいつもバッサリいきたい感じなんで。自分の中での基本形はあれ(長い前髪)だけど、いまはこういう気分」と笑った。
今季ここまでは途中出場が多いが、ピッチに出ればそれまでのテイストを一変させる存在感で流れを一気に引き寄せる。いわば相手にボディブローの効いてきたタイミングで投入される決定的な“もう一手”といった役回りだ。「交代で入った選手がそろって結果を出した」と片野坂知宏監督も喜んだJ2第7節の千葉戦では、86分に投入されるとその3分後に目の覚めるような個人技で相手を振り回し、トドメとなる4点目を突き刺した。
「最初はダイレクトで打とうと思ったけど、無理矢理打つのももったいないなと思って一旦持って相手の動きを見ようと。で、そのまま流れて左で打とうかと思ったんですけど、相手が3人くらい食いついていたので打つのをやめて、そのまま右に持ち替えたらうまいこと全員引っかかってくれました」
いい意味でアクの強いプレースタイルだが、髪はさらさらのストレート。「多分また伸ばします」とのことだ。
文・写真:ひぐらしひなつ(エルゴラッソ大分担当)
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[本日のエルゴラッソ1面]疾風怒濤
[明治安田J1第7節 マッチレポート]
■FC東京 vs 鹿島
FC東京は激しく丁寧に、粘り強く■G大阪 vs 磐田
ハイプレスに込めた精魂。負の流れにピリオド[日本代表]
■失われた4年。それでもW杯はやってくる