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長崎の黒木聖仁が残留争いの経験から得た「大丈夫」の精神
前節・柏戦は先制しながら終わってみれば5失点を喫しての逆転負け。自身も後半途中に交代となった長崎のMF黒木聖仁は「不甲斐ない試合」と振り返った。しかし、「大事なのは最後の結果。そこで残留圏にいることが大事。この1試合の結果だけで凹むくらいだったらもっと凹むような試合は他にもたくさんあったと思う。やってきたことを続けることが一番、大事」とすでに湘南戦に向けて、気持ちを切り替えていた。
その背景にあるのは甲府での残留争いの経験だった。「(必要なのは)深く考え過ぎないことじゃないですか。長崎から甲府に行ったときも(降格圏にいて)『これはヤバいだろ』って思っていたんですけど他の選手は『大丈夫、大丈夫。毎年、こんな感じやし』って雰囲気でした」と黒木は甲府が残留争いで勝ち残ってきた「大丈夫」の精神、そして、前を向くことの重要性を実際に体感してきた。
この「大丈夫」というのはただ、楽観するという安易なメンタルではない。黒木が言う「大丈夫」の背景にあるのはブレないことの大切さだ。「大丈夫っていう気持ちをしっかり持って、迷うことなくやってきたことを続けていくことが大事だと思います」、自分たちのやってきたことを信じることができなくなってしまえば、簡単に瓦解してしまう。
「俺、チームに迷惑をかけてきたので」
「大丈夫」と話しながらも誰よりも自分自身に不甲斐なさを感じている。「シーズン最後の時点でこの結果(最下位)だったら落ち込みますけどまだ、試合はある。『大丈夫』だと自分は思っています」。普段から多くを語らず、プレーで語る黒木。だからこそ、その言葉には重みもある。「大丈夫」、長崎サポーターにそう思ってもらうためにも背番号10はブレることなく、戦い続ける。
文:杉山文宣(エルゴラッソ長崎担当)
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京都のカイオ、思い出の地ニッパツで目指すは勝点3
8月のJ2リーグ戦を3勝1分と無敗で終えた京都。その勢いをさらに加速させるべく迎える9月1日のJ2第31節・横浜FC戦は、敵地・ニッパツ三ツ沢球技場に乗り込んでの一戦となる。そして、このゲームを前に、熱い思いを抱いている選手がいる。2010年6月からの約3年間、横浜FCの選手としてプレーしているカイオだ。
5年ぶりに足を運ぶこととなるニッパツ三ツ沢球技場について、カイオは「自分がすごく幸せな時間を過ごしていた場所」と明かす。スタジアムだけではなく、横浜で出会った人たちへの感謝の念も消えてはいない。「サポーターも含めて、いろんな会いたい人がいます。いまもFacebookで、『会いたい』とか、『活躍を祈っています』とか、いろんなメッセージが届くんです」。
また、横浜FC時代にチームメートとしてプレーしている“キング”三浦知良も、カイオにとっては特別な存在なのだという。「カズさんは僕を温かく迎えてくれて、お世話になった人。再会がすごく待ち遠しい」。そう言って、目を輝かせる。
ただし、J2残留争いを強いられている京都にとって、横浜FCは倒さなければいけない敵。「いまはサンガの選手。サンガが勝つために頑張る」と強調する。「三ッ沢は親しみを感じているスタジアムだし、スタジアムのあらゆるところを自分は知っている。それを生かして、サンガのために活躍したいと思っています」。いまも感謝する横浜の人たちへ。カイオは自身の最高のプレーを見せて、恩返しをするつもりでいる。
文・写真:川瀬太補(エルゴラッソ京都担当)
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明日、横浜FM戦。「地元清水の顔」天国のさくらももこさんに勝利を
静岡県清水市(=現静岡市清水区)を舞台とした『ちびまる子ちゃん』の原作者、さくらももこさんの訃報を受け、清水エスパルスは公式サイトで追悼のメッセージを掲載した。12年のクラブ創設20周年には、清水への想いを込めたイラストとメッセージを、本人から贈られている。
クラブ関係者は、「さくらももこさんは地元清水の顔。エスパルスとコラボしてくれましたし、全国に清水をPRしてくれていました。哀悼の意を表したいと思う」と話している。
明日29日は、第18節・横浜FM戦はアウェイでの試合になるが、喪章を巻くことが決まっている。天国のさくらももこさんに勝利を届けたい。
文・写真:田中芳樹(エルゴラッソ清水担当)
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松本が2018ファン感謝デーを開催。残り12試合、サポーターとともに
松本は26日、『2018ファン感謝デー』を開催した。会場となったアルウィンには、クラブガンズ会員となっている約2,500名のファン、サポーターが詰め掛け、選手やスタッフとの交流を深めた。
同日はU-21日本代表としてアジア大会に出場しているFW前田大然と、負傷によりブラジルに一時帰国中のMFパウリーニョ以外の全選手、スタッフが参加した。ピッチ上でのサッカー大会やスポーツ鬼ごっこなど体を使ってのイベントだけでなく、会議室やコンコースでの各種企画も大盛り上がり。毎年恒例の若手、新加入選手たちによる出しものやPK対決でも参加者は歓声をあげて楽しんだ。
最後に反町康治監督が「長いリーグでは苦しいときもあるが、気を引き締めて最後まで戦い抜きたい」と抱負を述べると、GK村山智彦も「何ができるか向き直して、愚直に泥臭く頑張っていきたい」と残り12試合への健闘を誓った。
文・写真:多岐太宿(エルゴラッソ松本担当)