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愛媛が次期代表取締役社長の就任会見を実施。「存続、活躍、存在意義を求めていきたい」
24日、愛媛は定時株主総会をおこない、かねてから次期代表取締役社長就任が内定とされていた村上忠氏(61)の就任が正式に承認されたと発表し、その就任会見をおこなった。
同株主総会で2016年度決算が約5,800万円の赤字計上となったことも明らかとなり、クラブは2015年度に続いて2年連続の赤字決算に。3年連続赤字となればJリーグ規定でクラブライセンス剥奪となるだけに危機感が募る状況に陥る状況の中、その白羽の矢が当たったのが愛媛のスポンサー企業でもあり、ニンジニアネットワーク株式会社の社長である村上忠氏だった。
その経営手腕を買われて就任する村上新社長はその至上命題を「クラブ存続のための(今年度決算を)黒字化」(村上社長)と明言。各所で無駄を切り詰めてコストダウンをすることはもちろん、営業基盤の強化にも着手する。低迷が続く観客動員数についても「(年間平均で)少なくとも5,000人以上」と定め、スタジアム周辺のサッカースクール増加、普及活動などをはじめ、集客面を向上させる試みも積極的に実施する考えを明らかにした。
一方で「トップチームのコストは絶対コスト」と捉え、チームが活躍するための環境づくりに対しても同時に注力。「間瀬監督は(チーム目標の)6位以内を目指すが、私の役割は経営面の維持、運営、そしてそれを整えること」と現場と共闘していくことで、「存続、活躍、存在意義を求めていきたい」と抱負を語った。
文・写真:松本隆志(エルゴラッソ愛媛担当)
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「キング」と呼ばれる福岡・城後寿の意識の変化に表れる、選手層の充実ぶり
攻撃的ポジションに山瀬功治、石津大介、松田力といった個性的な選手が加入した福岡。そのプラス効果を「攻撃にバリエーションができる」との言葉で表現したのは井原正巳監督だけではなく、ともにピッチでプレーする三門雄大やウェリントンら選手も同様だった。守備陣では岩下敬輔が存在感を発揮しているが、既存選手も含めて各ポジションの選手層が厚くなったことは間違いのない事実だ。
一方で、異なる表現で選手層の充実ぶりを認識させてくれたのが城後寿だった。今オフの過ごし方について記者から聞かれると「ベタ休みの時間を制限した」と答えた。理由はポジション争いの激化を十分に理解していたから。特に開幕までの準備期間で指揮官にアピールするためにコンディションを高めておきたいという考えに加え、調整不足が原因で負傷してしまえばアピールどころではない状況になってしまう、という思いも。『キング城後』の意識の変化に。チームへの期待感も高まるのだった。
文:島田徹(エルゴラッソ福岡担当)
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50歳バースデーの開幕戦に向けて「良い状態」の横浜FC・カズ、静かに集中を高める
J2開幕の日に50歳の誕生日を迎えるカズこと三浦知良が、スタメン出場&バースデーゴールに向けて「良い状態」だと宣言した。
今月8日にキャンプ地・宮崎で行われたC大阪との練習試合で左足親指を4針縫う裂傷を負ったカズだが、19日に行われた非公開の練習試合に出場。65分ほどプレーし、ゴールも決めたという。22日の午後練習では右臀部に張りを訴えて早めに切り上げたが、「疲労性のもの。やっと昨日、今日辺りから疲れが抜けてきた」と、開幕には万全の状態で臨めそうだ。
カズの「前日は試合への準備に集中したい」という意向もあり、前々日となる今日はTV、スポーツ新聞など報道陣が大勢詰めかけた。「スタメンは?」との問いに、カズは「そういう話は出ていない。選手29人全員が開幕に向けて調整している。僕もその中の一人として、試合に出られたら自分のベストを尽くすだけ」と語った。
一方で中田仁司監督は「やってもらいたいと思っている」と、カズのスタメン起用を示唆。「やっぱり『持ってる』男ですから。それに、僕もここに来て3年目だけど、今は体のキレとかも一番良いんじゃないですか」と、好調なカズのパワーに大いに期待している模様だ。
チケットはすでに完売。クラブ関係者によれば、前売りでの完売は「横浜FC初」の快挙。松本サポーターの中にも、カズのプレーを楽しみにしている人も多いはずだ。「最高の雰囲気の中で試合ができることは、選手にとって最高のモチベーション。良い試合というのはお客さんが作ってくれるものでもありますから、その中で全力を尽くして良いゲームをしたい」と、カズは静かに集中を高めていた。文:芥川和久(エルゴラッソ横浜FC担当)
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開幕戦、目前! 松本は静岡県にて最終調整
今週末、ついに2017シーズンが幕を開ける。昨季、勝ち点1の差でJ1昇格を逃した松本にとっても、今季は勝負のシーズンだ。
昨季は新たなスタイルに挑戦していたという事情もあるが、序盤戦に思うようなスタートを切れなかったことが最後の最後で響いた。今季も序盤から強敵との対戦が続くが、同じ轍を踏むことなくスタートダッシュを成功させたいところ。
そのためチームは、静岡県の清水ナショナルトレーニングセンター(J-STEP)にて調整を重ねている。本拠地の松本は寒さもあって天然芝が使用できないという事情もあるが、温暖な場所でトレーニングを行っていることでチームのモチベーションは向上している。
開幕戦の相手は、JリーグDAZNニューイヤーカップでも好成績を残している横浜FC。難しい試合になることは間違いないが、6年目の指揮を執る反町康治監督は「サポーターの皆さんの期待に応えないといけない。ギリギリまで良い準備をして、スカッとした試合をしたい」と意気込みを述べていた。
文・写真:多岐太宿(エルゴラッソ松本担当)
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横浜FM・中澤佑二、3年連続フルタイム出場継続中で迎える開幕戦・浦和戦は39歳の誕生日。それでも「普通の開幕戦です」
自身は昨季まで3年連続フルタイム出場を続けており、浦和戦は記録を4年連続に伸ばす第一歩となる。試合前日も元気にフルメニューを消化し、練習後は入念に体のメンテナンスを行い、万全の状態で開幕戦に臨む。その様子に油断や慢心は一切ない。
そのため開幕戦が誕生日当日であることについては「余計なことはしゃべらない。普通の開幕戦です」と試合に集中する構えを貫いた。「キャプテン(齋藤学)が火を噴いてくれるでしょう。僕はしっかり守るだけです」と齋藤の爆発に期待した。
自身は今季もディフェンスリーダーとして横浜FMの堅守を支え、誕生日を祝うのは浦和から白星をもぎ取ってからにする。
文:藤井雅彦(エルゴラッソ横浜FM担当)
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強い思いを胸に今季に臨む湘南の岡崎亮平、「全部無失点くらいの勢いでやりたい」
25日に水戸との開幕戦を迎える湘南のDF岡崎亮平が、今季への強い思いを語り、これまで以上の活躍を誓った。
昨季はけがで思うようなシーズンを過ごせず、試合から遠ざかる日々を送った。しかしその悔しさは成長への一歩となる。体を作って臨んだスペインキャンプではフィジカルの強い外国人選手に対して、ストロングポイントである「ヘディングや高さというのは通用した」と話す。そのキャンプではコンディションやゲーム感覚を上げることができた。これに加えて一番の収穫となったのは、公式戦で特長を存分に発揮するに必要な“自信”を付けたことだろう。それでも、一つ階段を登れば必ず課題が出てくるのも世の定め。「体を張ることや1対1の強さ、ポジショニングの面を上げていかないといけない」。自らが課題を改善していくことが、今季活躍するためのポイントになりそうだ。
「自分が出た試合は全部無失点ぐらいの勢いでやりたい。それが順位につながるので、出た試合はゼロで抑える」と今季へ意気込む岡崎は、チームの主軸としての活躍を求められるだろう。攻撃につながるパスや上下のランニングなど、要求は多くなるが、積極的に自分のプレーを出していかなければならない。
これから始まるリーグ戦を見据えて、「1試合終わるごとに成長できるし、このチームはずっと成長していける」と語った岡崎。まだまだ大きく、強くなる可能性を秘めた存在だ。湘南とともに飛躍を期するシーズンの幕は、アウェイでの水戸戦から開ける。
文:高澤真輝(エルゴラッソ湘南担当)
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負傷明けの柏木は開幕戦に間に合うか。ペトロヴィッチ監督「起用は慎重に」
プレーできる状態にはこぎつけたようだ。17日、富士ゼロックススーパーカップの鹿島戦前日に左足の内転筋を痛め、鹿島戦とACLのウェスタン・シドニー戦を欠場していた柏木陽介。24日発売の本紙では横浜FM戦に向けて調整していたことを伝えたが、昨日、今日とフルメニューを消化している。
全体練習後、足の状態を確認するように坂道ダッシュを繰り返すと、「100%かどうかは試合をやってみないと分からない。やるつもりでいるけど、もしかしたら(復帰は28日のACL)ソウル戦になるかもしれない。もう1回休めばもっと完全な状態になるのは分かっている」とまだ完璧な状態ではないようだが、「休むほど痛くはない」と言う。
開幕前のキャンプではペトロヴィッチ監督も認めるように仕上がりが順調だっただけに離脱は「悔しかった」が、それでも長いシーズンを考えて無理することなく、「もし無理してやっていたら(離脱期間が)1カ月ぐらいになっていたかもしれないところを休めただけでも自分の中では成長」と先を考えて休養したことをポジティブに捉えている。
試合勘を含めて現在の状況から完全に復調するのは復帰から「2、3試合目」だと感じているようだが、「その状況でも良いプレーをして結果を残すことが目標。自信を持ってプレーしたい」と力を込めた。
一方でペトロヴィッチ監督は柏木について「今日と昨日とチームのトレーニングに合流して良いプレーができていたと思う」としながらも、起用については「連戦が続くので、起用に関しては慎重にならないといけない部分もある」と明言を避けた。
文・写真:菊地正典(エルゴラッソ浦和担当)
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柏・下平監督、鳥栖の開幕男・豊田を警戒も「1発くらいならいい。こっちには3発ある」
下平隆宏監督が開幕を心待ちにしている。
どん底のチームを救う形でシーズン途中に監督に就任した昨季とは異なり、キャンプを含め多くの準備期間があった今季は「チームが出来上がっていく形には自分としては手ごたえもある。どのような結果を残せるのか、僕自身のトライでもあるので開幕戦は勝ちたい気持ちでいっぱい」と充実した表情を浮かべる。
開幕戦の相手は鳥栖。昨季はカップ戦での対戦を含めて2分け1敗と負け越しており、相性も良くない。指揮官もやはり鳥栖のエース・豊田を警戒し、「豊田へのロングボールから昨季の2ndステージは3発食らったので、そこの修正というか同じ過ちを2度繰り返さないようにしないといけないと選手にも話した。そういう準備もしてきたのでそれではやられたくない」と闘志を燃やす。
豊田が開幕戦は4年連続得点中というデータに関しては「それは不吉だね」と言いながらも、「1発ぐらいならいいかな。こっちには3発(ディエゴ・オリヴェイラ、クリスティアーノ、ハモン・ロペス)あるからね」と意に介していない様子であった。
「正直言って楽しみ」と胸を躍らせる下平監督にとって、監督として初めての開幕を迎えるシーズンがいよいよ始まる。
文:須賀大輔(エルゴラッソ柏担当) -
[本日のエルゴラッソ1面]Jリーグ新時代の幕開け
[明治安田Jリーグ開幕特集]
■17シーズン開幕。今季のJはどう変わる?[明治安田J1第1節 プレビュー]
■鹿島 vs FC東京
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FW 13 大久保 嘉人(FC東京)[明治安田J2第1節 プレビュー]
■名古屋 vs 岡山
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