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U-20W杯組分け決定を受け、「よく考えたらどこも同じ」と冷静な福岡DF冨安健洋
15日、今年5月に韓国で開幕されるU-20W杯のグループステージの組分けが決まった。AFC・U-19選手権で優勝して出場権を獲得している日本は、南アフリカ(アフリカ予選4位)、イタリア(欧州予選2位)、ウルグアイ(南米予選1位)と同じD組に入った。
3月19日から3月29日に予定されているドイツ遠征のメンバー入りがすでに決まっている福岡のDF冨安健洋(冨安は20日に日本出発)は、組分け決定を受けて「厳しいグループだなとは思いましたが、でもよく考えたらどこの組に入ってもそれは同じ。1試合1試合集中して戦うだけ」と冷静なコメント。アジア予選で不動のCBとして無失点優勝に貢献し、本大会メンバー入りも濃厚な冨安だが、ドイツ遠征でのアピールの重要さは認識しており、本大会よりも前にまずは遠征での結果とアピールが大事だと考えている様子だ。
もちろんその前に控えているJ2第4節(19日)の熊本戦で「第3節までで実現できていないので何とか実現したい」と言う無失点勝利を収めて気持ち良くドイツに向けて出発したいところ。また、「熊本には福岡の下部組織で指導を受けた久藤さん(清一/現・熊本コーチ)がいるが、勝ちたいですね」と話し、勝利での恩返しも狙っている。
文・島田 徹(エルゴラッソ福岡担当)
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「捧げる」。徳島の杉本太郎が絵馬に添えた言葉の意味とは?
徳島のホームゲームでは、スタジアム外に選手全員の意気込みや目標の添えられた絵馬が飾られている。『J1昇格』など、さまざまな言葉が添えられているが、今季から期限付き移籍で鹿島より加入した杉本太郎の絵馬に書かれているのは『捧げる』という言葉。
その言葉を選んだ理由を「ここに来たのもいろいろな決意がありますし、覚悟を持って来ています。言葉だけで終わるのではなく、行動でピッチの中で示せるように。そのためにも、サッカーにすべてを捧げないといけないと思って」と話す。
第3節を終え、「まだまだ自分の中では納得いっていないというか、ゴール前の怖さや質、得点に絡む場面をもっと増やしていきたいです。3試合で1ゴールは個人的に少ないと思っていますし、アシストもしていません」と自己評価は厳しい。
しかしながら、観ている側からすれば、すでにその存在感は絶大。直近の長崎戦(3○1)で印象深かったのは22分の場面。マイボールになりかけたボールを失った瞬間、すぐさま切り替えて全力で奪い返した。その瞬間、スタジアムは得点場面同様に熱を帯びた。杉本は「そういったプレーは昔から自分のストロングポイント」だったと話し、「それを当たり前にやった上での足元の技術だったりが重要だと思います」と続けた。
杉本の魅力は、うまさだけではない。
文・写真:柏原敏(エルゴラッソ徳島担当)
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Jデビューを果たした大野耀平。「若手がもっと活躍すれば、集客にもつながる」
1-2で京都が福岡に敗れた12日のJ2第3節、常葉大から京都に加入したルーキーのFW大野耀平が69分から途中出場しJデビューを果たした。大野はポストをかすめるヘディングシュートを放つなどストライカーとしての非凡な才能をさっそく発揮。ゴールこそ奪えなかったが、プロフットボーラーとしての第一歩をしっかりと刻んだ。
15日の練習後にデビュー戦を振り返った大野は、「ボールを引き出すことができたし、シュートも打てた。チャンスを作れたという点では良かった」と手ごたえを口にする。ただし、プロ1試合目であっても、勝利への思いの強さはベテラン選手たちと何ら変わらない。1点ビハインドの状況でピッチに入ったときは、「とにかく追い付きたかった。(初出場で)『やらかしたくない』とか、そういう気持ちはなくて、『とにかく追い付きたい。勝ち点が欲しい』と思っていた」とのこと。自身のプレーについても、「最後にゴールを決めないと意味がない」と厳しく自己評価する。
アウェイ戦でJデビューを飾った大野が次のステップとして心待ちにしているのが、ホームゲームデビューだ。「やっぱり西京極でやってみたいし、西京極で得点を取りたい。若手がもっと活躍すれば、集客にもつながると思う」と、本拠地でのさらなる躍動を誓っている。
文・写真:川瀬太補(エル・ゴラッソ京都担当)
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山形、清水、そして千葉でも。新加入DFキム・ボムヨン「最後は昇格したい」
清水から期限付き移籍で加入した韓国人のDFキム・ボムヨン。合流して2日目ながら、15日の練習では、フアン・エスナイデル監督が発する一つひとつの言葉に耳を傾け、1日でも早くチームに馴染もうとする姿勢を見せている。
来日5年目。山形、広島、清水を渡り歩いてきた苦労を感じさせない明るい表情が好印象だ。早くも国内4クラブ目となった千葉への移籍についても、「プロの世界はこういうもの。良い環境でサッカーができるのはめっちゃうれしいし、うまい選手とプレーできるのも楽しい」と前を向く。
「チームメートと仲良くして勉強した」という日本語も流暢に操っている。「(分け隔てなく)仲良くできるのは自分の能力。練習や生活面からコミュニケーションを取り、チームのプラスになれれば」と、これからも積極的に溶け込んでいくつもりだ。
プレースタイルは“ファイター型”。「動くことには自信がある。必死に頑張る姿を見てもらいたい」とアピールも忘れない。
そして何より、14年(山形)と16年(清水)にJ1昇格を経験しているキム・ボムヨン。
「最後は昇格して結果を残したい」
いまは千葉で自身3度目となるJ1昇格だけを見据えている。
文・大林洋平(エルゴラッソ千葉担当)
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頼もしきベテランが練習に合流。金沢の山﨑雅人、負傷から復帰
今年1月末に右足関節遊離体の手術を受け、戦列を離れていた金沢の山﨑雅人が15日、トレーニングに合流した。
負傷箇所は「去年からちょっと気になっていた」という山﨑。「今年、練習でグラウンドに入って、やれると思っていたが、思った以上に腫れが引かなかった。シーズン中より、キャンプの早い段階で判断した。出遅れるのも当然承知。あのままやっていても、たぶん1年間戦えない。早く判断できて良かった」。
試合出場へ向けて、すでにイメージはふくらんでいる。「自分が入ったときにどういうプレーをするとか、ピッチでどういう働きができるか想像しながら見ていた。自分の持ち味をしっかり出せたら、いまのサッカーにもすぐ慣れると思う」。
山﨑は「アクションを起こしてボールを引き出すことを意識してやりたい。そういうプレーは自分の特徴でもある」と話したが、オフ・ザ・ボールの動きは柳下正明監督が目指すアクションサッカーに必要不可欠。前線からの守備でも貢献する”フォア・ザ・チームのFW”の復帰は頼もしい限りだが、「まずは自分のコンディションをしっかり上げることが一番」と、徐々に戦闘態勢を整えていく。
文・写真:野中 拓也(エルゴラッソ金沢担当)
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山形戦で劇的なゴールを決めた熊本のGK佐藤昭大、映像は「何回も見ました(笑)」
山形戦でプロ生活初となる劇的ゴールを挙げた熊本のGK佐藤。メディアでも多数取り上げられ、たくさんのメールが届くなど反響も大きかったようだが、同日、横浜FCの三浦知良選手が50歳での歳年長ゴールを決めたことも大きな話題となり、中には「持ってないね(笑)」との反応もあったとか。
佐藤に話を聞いている際に通りかかったFW巻誠一郎からは「アキ、『(FWに)点の取り方教えました』とか言わないでよ」と茶化されていた。
家族の反応はと言えば、実は試合当日、夫人も子どもを連れてスタジアムに来ていたそうだが、息子さんが試合前にけがをして急遽病院に連れて行くことになったため、得点シーンは残念ながら見られなかったそう。「試合が終わったころにたくさんメールが来て『おめでとう!』って書いてあったから、『PKでも止めたのかな?』と思ったみたいです」とのこと。
佐藤は自宅に帰ってからも得点場面の映像を何回も見たそうで、「めっちゃ良い動きしてました」と振り返った。密かに「2点目」への欲も湧いてきたようだ。
文・井芹貴志(エルゴラッソ熊本担当)
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小林悠がPKの場面を振り返る。落ち着いていた要因は“鈍感力”
14日に広州恒大とのアウェイ戦(ACL第3節)に挑んだ川崎F。前半から苦しい展開を強いられたが、後半ロスタイムに得たPKを小林悠が沈めて、なんとか勝ち点1を持ち帰ることに成功した。
この試合、最もアウェイの雰囲気を感じさせたのは、やはりそのPKの場面だ。大ブーイングの中で迎えた最後のチャンス。相当なプレッシャーが掛かっていたことは想像に容易い。あの場面、キッカーを務めた小林はピッチの中で起きていたことをこう振り返る。
「最初は右に蹴ろうかと思っていたけど、一人の中国の選手が来て英語で『右だろ?』と言われた。それでまた次の選手が来て、今度は『左だろ?』と。じゃあ真ん中に蹴ろうかなと。ドキドキもなかったし、相手が時間を稼いできてイヤな感じはあったけど、良い意味で鈍感力というか、そういうメンタルでいました。あとノボリ(登里)が余計なことを言いに来て、『軸足滑んないように。気にし過ぎなくていいけど』みたいな(笑)。そこは『だったら言うなよ(笑)』という感じでしたけど落ち着いて蹴りました」
チームとしても次につながる勝ち点1を得た。これは今後の戦いに生きるものだと小林は言う。
「鬼さん(鬼木監督)になって一度も負けていないことはすごくポジティブ。チームはブレずに順調に来ているので、このまま自分たちを信じて、監督を信じてやっていきたい」。
週末にはFC東京との多摩川クラシコが待つ。短い期間でしっかり調整し、リーグ戦での連勝を狙っていく。
文・写真:林遼平(エル・ゴラッソ川崎F担当)
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韓国代表選出の神戸GKキム・スンギュ、WBC敗退の母国に「勝って喜びを与えられたら」
神戸のGKキム・スンギュが、W杯アジア最終予選に臨む韓国代表に選出された。先日には「2017 World Baseball Classic」で韓国の代表チームが1次ラウンドで敗れる波乱が起きたばかりだが、14日の練習後にキム・スンギュは「国民も残念だと思う」と心情を気遣いながら、スポーツのジャンルは違っても「勝って喜びを与えられたら」と勇敢に戦うことを誓った。
神戸は現在、J1リーグ戦で開幕3連勝を遂げる好調ぶりで、守備は第2節・新潟戦の1失点のみと安定。キム・スンギュは「後方のラインの選手が粘れているが、守備は前線から必要。みんなの意識が高くなっていると感じる」と話し、チームの成長ぶりを実感しているようだ。
週末には磐田との第4節を控える。中村俊輔のFKに警戒心を強めつつ、キム・スンギュは「セットプレーに限らず、磐田というチームをしっかり分析して臨みたい」と気合いを入れていた。
そのキム・スンギュの母国・韓国といえば先ごろ、韓国・日本・台湾出身の女性9人で構成されるK-POPガールズグループ・TWICE(トゥワイス)が6月に日本デビューを果たすことが明らかとなった。
日本でもTWICEの「TTポーズ」が話題だが、「1回もしてないですよ」とキム・スンギュは話し、「ガールズグループは聴かないので…」と興味はない模様。それでも、「安井さんがやってます。TWICEの動画を観て(TTポーズを)やり出した(笑)」と、神戸U-18から今季昇格した安井拓也に関する有益な情報も。チーム内には「TTポーズ」の流行の兆しがあるかもしれない。
文・小野慶太 (エルゴラッソ神戸担当)
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