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盟友との真剣勝負を前にしても冷静な千葉・大久保裕樹
8日に第22節・讃岐戦を控える千葉のDF大久保裕樹。ホームに迎える相手には親交のある選手やスタッフが数多く在籍する。「一つのやりがい、楽しみはあるが、どうしても3連勝したいという、とらえ方のほうが強い」と前置きした上で、エピソードや思いを語ってくれた。
まず同級生で縁のある“1984年組”は、広島の同期加入で栃木でもともに戦ったMF高木和正、京都でプレーしたMF渡邉大剛、同じ市立船橋高出身のFW原一樹(1985年の早生まれ)、MF大沢朋也。年上では同じ千葉県出身でともにFWの木島良輔、徹也兄弟に加え、同郷・松戸市出身のGK清水健太。年下では徳島で同僚だったDFリ・ヨンジも讃岐に所属。スタッフには広島時代に「すごいお手本として見ていたし、男気のある面倒見の良い先輩だった」という上村健一コーチもいる。
中でも2003年にプロ生活をスタートした広島と栃木で計4年間、チームメートだった高木とは「同期入団で、何かしらずっと連絡は取っている」という。ただ、大久保が2011年を最後に栃木を退団してからは、「対戦するとなると、俺がけがする(笑)」との言葉どおり、リーグ戦での対峙はなく、公式戦でも同じピッチに立ったのは松本時代の2014年7月の天皇杯2回戦(讃岐戦)にまでさかのぼる。今季、左SBで新境地を開いている盟友について、「責任感がすごく強く、ゲームをコントロールできる力もある。だからSBで(ゲームの)組み立てもやっている。球際も戦えるし、強い。サッカーをよく知っているから全然、違和感なくやれるタイプ」と評す。
高木のほかの選手もレギュラークラスが多く、きたる対戦について再び、水を向けると、「まだメンバーに入るかも分からない。より良いパフォーマンスを求めて1日1日やって、結果、その日を迎えられればいいかなと思う」とあくまで慎重。それでも、厳しいプロの世界を生き抜いてきた戦友たちと、プロ15年目で迎える真剣勝負にモチベーションが上がらないはずはない。
文:大林洋平(エルゴラッソ千葉担当)
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金沢を大いに警戒する福岡・井原正巳監督。『0-5の屈辱』を侮るな!
J2第15節、アウェイでの金沢戦を5-0の大勝でモノにした福岡だが、チームの誰一人として今季2度目の対戦を楽観視していない。
金沢が天皇杯2回戦を含めて公式戦4連勝中であること、またリーグでは3戦連続で3得点を挙げるなど攻撃力が高まっており、前回対戦時の金沢とは"別のチーム"だと認識していることがその理由となっている。
井原監督も「前回の対戦はウチが勝ったが、そんなに点差がつく試合内容ではなかった。つまり力の差がそれほどあるわけではないということ。だから今回は難しい試合になると思う」と気を引き締めているが、指揮官が何より恐れているのは、金沢の心の動きだ。
「ウチが名古屋戦(J2第19節)で勝てたのは、昨季、0-5で負けてウチのJ2降格が決まったあの試合があったから。あの悔しさを晴らそう、という選手の強い気持ちが勝利の一つの要因だった。だから、金沢も前回対戦で敗れた悔しさを、その思いを今度のゲームに必ずぶつけてくるはず」
奇しくも『0-5』という大敗の屈辱とそれがもたらす莫大なパワーをすでに自分たちで証明、経験しているだけに指揮官の言葉には十分な説得力があるのだ。心してかかれ!
文・写真:島田徹(エルゴラッソ福岡担当)
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Jリーグ後半戦に突入!四方田監督が語る「札幌の生き残る術」とは
J1後半戦の初戦となる8日のアウェイ・大宮戦を前に、札幌の四方田修平監督が後半戦に向けたテーマなどを発表した。
まず、「失点を減らして、得点を増やす」という一般的な大前提を掲げた上で、それを実行するにあたっての方向性については「まずは、失点を減らすことを考えたい」としている。もちろん、これは守備により人数を割くなどといった意味ではなく、「攻撃の時間を増やすことで、失点を減らすことにつなげられる。攻守両面をしっかりやっていきたい」と、何か一つにフォーカスをするのではなく、チーム全体の質の向上を強く意識している。そうした中で攻撃については、前半戦は17試合で14得点と1試合平均で1点を下回っている状況であるため、「やはり1点も取れなかった試合には勝てないわけだから、ここもしっかりと得点を増やしていく必要がある」と、新たに補強したFWジェイなどを中心に得点力アップを目指していく構え。
前半戦を終えて15位。6連敗という苦しい時期もあったが、内容的にはどれも接戦ばかりで、確かな手ごたえを得ながらの前半戦だったと外部からは見えるが、指揮官は「手ごたえがあっても、勝ち点が取れなければ意味がない」とキッパリ。「昨季見せたような、守備時にもっと厳しくいくようなプレーをさらに増やしていかなければいけないし、必要であれば補強もしなければならない。そこは強化部とも話し合いながらやっていく」と、今週末から始まる後半戦への目論見を明かした。01年以来のJ1残留に向けて、勝負の夏に突入する。
文・斉藤 宏則(エルゴラッソ札幌担当)
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4連勝好調の磐田をけん引するアダイウトン。リーグ前半戦の手ごたえと後半戦への意気込み
磐田のアダイウトンが5日、リーグ前半戦を振り返るとともに後半戦への意気込みを語った。
一時は先発を外れたこともあったが、最近は再び主力に定着。G大阪、浦和、FC東京を立て続けに破った強豪との3連戦で、アダイウトンは3ゴール3アシストと大爆発した。
「ときが経つにつれてやることがどんどん明確になってきたし、自分たちのストロングポイントをうまく出せた。そして、新潟にも勝って4連勝で前半戦を締めくくれた。胸を張って後半戦に向かっていけると思う」
チームは昨季、2ndステージでわずか2勝と苦しんだが、ブラジル人アタッカーは前だけを見据えている。
「後半戦の初戦をホームでできるということで、われわれにとって非常にアドバンテージになる。ホームで勝てばまた大きな自信につながると思うし、昨季とは違った姿を見せたい。一人ひとりのレベルアップがチームの結果につながる。個人的にはスピードや瞬発力を磨いていければと思う」
今節・甲府戦を勝利で飾れれば、アダイウトンもチームもさらに勢いを増すはずだ。
文・青木 務(エルゴラッソ磐田担当) -
スライディングを繰り返す川上エドオジョン智慧。見つめる杉本太郎。特訓の中身とは?
主演:川上エドオジョン智慧(以下エド)、演出:杉本太郎。
時折、強い雨が降り注いだ練習場。トレーニング後にランニングを終えたエドが濡れたピッチを利用してスライディングを繰り返す。隣には、厳しい眼差しを向ける杉本。
「何してるん?」と尋ねると、「得点後のパフォーマンス練習!!」(エド&杉本)。杉本演出による、エドのJリーグ初得点を想定したパフォーマンスの特訓。大舞台で練習の成果が表れることを祈る!
文・写真:柏原敏(エルゴラッソ徳島担当)
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後半戦のキーマン、鳥栖に新加入のDFチョン・スンヒョンはなぜ鳥栖を選んだのか?
4日、鳥栖は鳥栖市内のクラブハウスでチョン・スンヒョンの加入会見を行った。
チョン・スンヒョンは蔚山現代(韓国)で2年半プレーし、ACL出場や昨年のリオ五輪出場など、23歳の若さで豊富な経験を持つCB。さまざまなオファーがあった中で鳥栖を選び、初の海外挑戦、Jリーグでのプレーを選択した。
「このJリーグに来て、競争力の高いリーグの中で自分が一番良い選手だという評価を得られるように頑張っていくことを目標としている」と抱負を語ったチョン・スンヒョンだが、自身にとって鳥栖は素晴らしい環境と言えるだろう。過去にも多くの韓国人選手が在籍し、現在もDFキム・ミンヒョクとFWチョ・ドンゴンが在籍する。チョン・スンヒョンも「DFとしてコミュニケーション、意思の疎通というのは非常に大事なものなので、同じ韓国人選手と一緒にプレーできることは強みになる」と同じポジションで活躍するキム・ミンヒョクの存在をアドバンテージに挙げていた。
「一緒にやってみて韓国のスタイルに近いものもあるなというところで、肉体的にも精神的にも鳥栖の選手たちには強さがあるなと感じましたし、非常に素晴らしいプレーヤーがそろっているなと感じました。そこに自分も加わって少しは力になりたい」と初日の練習を終え、チームの雰囲気をそう感じ取ったチョン・スンヒョン。後半戦の巻き返しのキーマンとなれるか。
文・写真:杉山 文宣(エルゴラッソ鳥栖担当)
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[本日のエルゴラッソ1面]桜軍団、夏も満開
[明治安田J1第17節 マッチレポート]
■C大阪 vs FC東京
まだ道半ば。それでもたくましく育った桜の樹■柏 vs 鹿島
日立台の激闘。首位・柏の勢いを上回った“王者の底力”像[明治安田J2第21節 マッチレポート]
■湘南 vs 名古屋 湘南4連勝で首位追走。課題を手にして後半戦へ -
エスパルスが25歳の誕生日。小林伸二監督「これからも成長できる」
4日、清水は25歳の“誕生日”を迎えた。
1992年7月4日、長居でG大阪を相手に清水初の有料試合が行われ、クラブはこの日を『エスパルスの誕生日』としている。
三保の練習グラウンドには『Today is 25th birthday of S-PULSE』と書かれた横断幕が掲げられるなどお祝いムードとなった。関係者から特大のケーキを贈られた小林伸二監督は、「25周年は素晴らしいこと。だが、これからも成長できる。今までの良いものはそのままに、これから時代にあった新しいものをどう取り入れるかだと思う」と話した。昨季清水は初めてのJ2を戦うなど、25年の中でも最も激動の時期を戦う指揮官は、クラブのさらなる飛躍を誓った。
ちなみに0歳の誕生日で迎えたG大阪との試合は清水が2-0で勝利。この25年、リーグでは19勝6分26敗と大きく負け越しているが、『クラブ創設25周年記念マッチ』として迎える今節G大阪戦は、是が非でも勝利を収めたいところだ。
文・写真:田中芳樹(エルゴラッソ清水担当)