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絶好調の町田FW戸高弘貴、いま最も増やしたいものとは?
前節のJ2第21節・山形戦。ペナルティーエリア内で相手DFをキックフェイントでいなし、右足シュートを流し込んだ戸高弘貴のゴールシーンが、ファン・サポーターの選出するJ2第21節の『MYベストゴール』に選定された。発表翌日の6日、その事実を知らされた戸高は「うれしい」と表情を崩し、「家族に自慢します」と言葉を続けた。
現在の戸高は公式戦3試合連続ゴール中と絶好調。長らく負傷により戦列を離れていたが、いまでは約3シーズンぶりに公式戦に復帰したばかりとは思えないほどの活躍を披露している。
「ゴール前だからといって、焦ることもまったくない状態でシュートを打てていることが良いのかなという感覚は持てている」
特にJ2第21節・東京V戦で決めたゴールや前述の山形戦の得点シーンは、難易度の高いシュートだったが、ゴール前でも冷静でいられるメンタリティーがゴールを量産できている秘訣でもあるようだ。
しかし、この二つの“ゴラッソ”は本人いわく、偶発性の高いゴールでもあるため、確実にゴール数を増やす方法論として、「得点パターンを増やしたい」と語る。復帰後初ゴールとなった京都戦の得点シーンのように、“ワンタッチゴール”も一つの得点パターンの代表例だが、6日の全体練習が終わったあとには得点パターンを増やすために、ペナルティーエリア角からのミドルシュートを繰り返し蹴り込んでいた。
自身が目指す得点パターンのバリエーション化へ。町田が誇る小柄なアタッカーは、技術向上に余念がない。
文:郡司 聡(エルゴラッソ町田担当)
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30歳を迎えたGKキム・ジンヒョン。両手いっぱいの誕生日プレゼントを手に発した“謙虚過ぎる一言”とは?
6日、桜の守護神GKキム・ジンヒョンが、30歳の誕生日を迎えた。
練習後は、サポーターから送られた、抱え切れない量の誕生日プレゼントを手に、「うれしいですね」と笑顔を見せた。その一方で、「でも、今年はこんなにもらえるほどの活躍はできていない。いまは攻撃陣が点を取ってくれているから勝っているけど、後半戦は1-0でも勝てる試合を見せていきたい」と謙虚に語り、リーグ後半戦を前に気持ちを新たにした。
そのスタートとなる今節のJ1第18節でホームに迎える相手は柏。アウェイでの対戦時は敗れているだけに、「しっかりやり返さないといけない」とキム・ジンヒョン。「でも、相手が柏だからというより、1試合1試合、という気持ちでみんな、いまは戦っている。今季はホームで負けていない。次もホームで勝って、サポーターのみなさんと喜びたい」。
プレー面、メンタル面ともにGKとしての成熟期へ向かいつつあるキム・ジンヒョンが最後尾で構えている限り、後半戦のC大阪も、そう簡単に負けることはないだろう。
文・小田尚史(エルゴラッソC大阪担当)
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“戦うチーム”へ。DF浦田延尚の復帰で愛媛に漂う緊張感
1日に行われた徳島との四国ダービーで愛媛は1-4の完敗。ライバルとのプライドを懸けた大一番での敗戦という事実はピッチ上で戦った選手だけでなく、けがの影響でメンバーに入らなかった浦田延尚(写真右)も重く受け止めるものだった。
浦田は今季チーム6年目の最古参選手ゆえ、四国ダービーでのかつての歓喜や屈辱をチームで最もよく知った存在。だからこそ自身が試合に出られないかわりに、その週のトレーニングではダービーの重要性をチームメートの前で熱く説き、試合当日も現地まで自ら車を走らせてその様子を見守った。
「負けたからには問題がある」
そのトーンは決して軽いものではなかったが、同時にタフに前を向く姿勢も見せた。
浦田は今週の練習から本格的にチームの全体練習に合流。復帰間もないにもかかわらず、実戦形式ではリーグ戦さながらのアグレッシブさを見せ、自身が持ち味とする戦う気持ちを前面に出したプレーで存在感を示した。加えて、印象深かったのはチームメートへの叱咤。味方チームの選手で緩慢なプレーがあれば間髪入れずに激しい檄で戒め、練習から本番の緊張感をグラウンド上に漂わせた。
浦田は、今週のミーティングで「監督から初心に戻ろうという声かけもあった」と話し、「もう一個厳しくやること。そういう話があった以上、全員がそこを意識しないといけない。そこ(厳しい声)は必要だったし、言うことで自分にも厳しくなれる」と緊張感のある空気の一因を明かした。
「戦えないと、このチームは勝てない。今週は良い練習がやれている。それで結果を導けるようにやっていく」
リーグ後半戦初戦となる今節の敵地・長崎戦。初心に戻った“戦うチーム”として愛媛はリスタートする。
文・写真:松本 隆志(エルゴラッソ愛媛担当)
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「二人ともいろいろと大人になった」。かつてコンビを組んだ柿谷曜一朗との対戦を待ちわびる柏の輪湖直樹
今節・C大阪戦で輪湖直樹が、盟友・柿谷曜一朗との対戦を楽しみにしている。
27歳の二人は10年、11年の2シーズンを徳島でともにプレー。左サイドでコンビを組むことが多かった。それから6年の年月が流れ、ピッチ上で再会。5月6日に日立台で行われた一戦では互いに左サイドでプレーする機会が多かったため、マッチアップの機会はほとんどなかったが、後半には、ゴール前でオーバーヘッドを試みる柿谷に対し、輪湖が頭でブロックするシーンが見られるなど、熱いバトルが繰り広げられた。
今回、「うまくて特に弱点が見当たらない」と絶賛する柿谷と上位同士で対戦できることに関して輪湖は「一緒に戦った仲間なので良い勝負をしたいというか戦いたい」と闘志を燃やす。そして「二人とも成長した姿で対戦できるのはすごくうれしいこと。二人とも昔よりは成長していると思いますし、いろいろと大人になったところもある。昔は二人とも勢いだけでプレーしていましたけど、いまはいろいろなことを考えるようになってきたし、プレーの幅が広がった中で対戦できることはすごくうれしいので良い勝負をしたい」と笑顔を浮かべた。
チームにとっても絶対に負けられない大一番。輪湖が柿谷を封じ、柏に勝ち点3をもたらす。
文:須賀大輔(エルゴラッソ柏担当)
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故郷への凱旋となるか? 原一樹が語るアウェイ・千葉戦のモチベーションとは
千葉で生まれ育った讃岐の原一樹は、故郷のチームである今節・千葉戦を目前に控えて、「地元でやれることはうれしい。小中高の恩師や、チームメートや顔見知りの人も見に来てくれるので自然とモチベーションも上がる」と士気を高めていた。
今季から讃岐に加入した原は前半戦を振り返り、「けがが多かったし、復帰してもまたけがをしてしまうことが続いて不甲斐なかった」と悔しさをにじませた。しかしながら、ネガティブに捉えるのではなく、これを機に今までやっていた準備やトレーニング方法に変化を加えながら、「讃岐に来たことで新たに自分を見つめ直し、改善し、向上していくという意味で良いチャレンジができていると思う」とポジティブな気持ちで前進している。
後半戦は出身地・千葉県でのスタート。恩師や友人たちには「1年に1度しか見せられない姿かもしれないので、全力の姿を見せたい」と自身の気持ちを高揚させていた。自らの活躍で勝利を収め、後半戦で巻き返しを図るためのキッカケにしてもらいたい。
文:柏原 敏(エルゴラッソ讃岐担当)
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「勝利で良い流れを作りたい」シュミット・ダニエルがJ1公式戦デビューの地・神戸へ
仙台のGKシュミット・ダニエルが思い出の地で迎える一戦での勝利に向け、闘志を高めている。
14年に仙台でプロ生活をスタートさせたシュミットは、同年4月から5月に熊本へ短期の期限付き移籍。そして仙台復帰後の6月1日にナビスコカップ(現・ルヴァンカップ)第7節でJ1公式戦デビューを果たした。その試合は、ノエビアスタジアム神戸で開催された神戸戦(1●2)だった。今季7月8日のJ1第18節・神戸戦で出場すれば、約3年ぶりに同所でのプレーとなる。
14年のJ1デビュー戦では試合開始直後と試合終了直前の2失点で悔しい思いをしたシュミットだが、その後にJ2とJ1で出場経験を重ね、いまは仙台のレギュラーとしてゴールを守っている。「あのときからの成長を、結果につなげたい」と、スケールアップしたプレーを誓う。
今回の神戸戦は連敗を受けて迎える後半戦初戦ということで、「まずは勝ち点3。連敗を止めることもそうだが、勝つことによって止めたい。自分としては、最近は失点が多いので、無失点で抑えることをまず考えたい」と意気込んだ。「試合の流れの中では思いどおりにプレーできない時間は必ず来るが、そのときにチームの共通理解を忘れないよう、ピッチ内のコミュニケーションをさらに増やしていく」と、厳しい敵地での一戦を展望するとともに、「勝利で良い流れを作りたい」と、勝ち点3獲得を目指す。
文・写真:板垣 晴朗(エルゴラッソ仙台担当)