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“ボランチの”田代真一が長崎に好循環をもたらす
これまで一貫してCBとして起用されてきた長崎の田代真一だが、前節は松本対策の一環としてボランチで起用された。高木琢也監督も「ボランチ寄りのCB」と評するようにその適性を感じていた中での起用となった。「バイタルエリアを守ることはしっかりやってくれた」と指揮官も評価したように、与えられた役割をこなし、勝利に貢献した。
田代は守備だけでなく攻撃でも好影響をもたらしていた。「ボランチとしてのボールの動かした方は長くやっていないので課題はある」と高木監督は話したが、「うまくさばいてくれたし、攻撃の起点をつぶしてくれたので、そのぶん自分たちのボール保持が高まった」と北谷が話せば、島田も「高い位置から奪いに行けていたのでそれが良い攻撃にもつながった」と話している。田代が守備の安定に一役買ったことでチームの循環が良くなったようだ。
当の本人は「まずは守備」と話しながらも、「ボールを動かすときのテンポとリズムは改善していきたい。あとは長短のパスの使い分け」と攻撃面への関与にも意欲を示している。「ボランチもCBもどちらもできれば強みになるし、どちらのポジションの気持ちも分かるようになると思うので、自分としてはポジティブに取り組んでいる」とボランチでのプレーは良い刺激をもたらしている様子だった。
次節・横浜FC戦の会場であるニッパツ三ツ沢球技場は横浜FMの下部組織で育ち、トップチームでのプレー経験もある田代にとっては思い入れのあるスタジアム。「10歳のときからプレーしてきた場所。そこでまたプレーできるのはうれしい」。思い出のスタジアムでボランチとしての新しい領域を開拓したいところだ。
文:杉山 文宣(エルゴラッソ長崎担当)
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ステップアップを求めて決断!新天地・湘南に加入した高橋諒の決意とは
名古屋から湘南に期限付き移籍で加入した高橋諒。17日のトレーニングマッチに合流してから3日目となるが、早くもチームに馴染んでいる様子だ。「みんな良い人たちだし、練習も良い雰囲気でやれている。やりやすいし、居心地が良い」。
この半年間は出場機会に恵まれず、サッカー選手として苦しい時期を過ごしていた中でのオファー。「チャレンジしたい気持ちがあった。選手として上に行きたいし、そこは覚悟を持って決めた」と自らのステップアップを求めて移籍を迷わず決断した。
前に出ていく走力や精度の高いクロスを見ても、湘南サッカーにフィットすることは間違いない。あとは試合で特長を最大限に発揮し、鬱憤を晴らすような活躍をしたいところだ。
「湘南は練習からもけっこう厳しい。その中でやっていることで、自分も成長ができると思う。この半年で自分の特長を伸ばせるようにしていきたい」とこれからの決意を誓った背番号42。新たなチームで成長の歩みを一歩一歩築いていく。
文・写真:高澤真輝(エルゴラッソ湘南担当)
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山口に長身ストライカーのレオナルド・ラモス加入。「日本のサッカーで成長したい」
山口は7月18日、アルゼンチン人FWのレオナルド・ラモスの加入を発表した。
翌19日からチームの練習に合流したラモス。梅雨明け前の蒸し暑い気候の中で2時間の練習に励み、力強いシュートや高い打点からのヘディングシュートを披露した。集まったサポーターは思わず感嘆の息を漏らし、活躍への期待が高まっている。
身長187cmで体の厚みもあり、カルロス・マジョール監督も「フィジカルの強さとセットプレーでの強さ」を評価している。「その能力を買って獲得を決めた。アルゼンチンでは相手チームの選手として点を決められたことがある。日本のサッカーや文化になじむことができるかどうかも評価のポイントだった」(マジョール監督)。
ラモスは「いろいろな国やチームからオファーがあったが、日本のサッカーで成長し、活躍したいからレノファへの加入を決めた。レノファも含めて日本のサッカーはダイナミック。そこに合わせるため、頭脳を使って良い結果につなげたい。ペナルティエリアの点を決められそうなゾーンでボールを受けることは得意。チームを助けるため、点をたくさん決めたい」と意気込む。
出場は登録が完了次第、可能となる。
文・写真:田辺 久豊(エルゴラッソ山口担当) -
1カ月ぶりの試合復帰を目指す京都の下畠翔吾。「名古屋戦に合わせてやってきた」
6月21日の天皇杯2回戦・沼津戦のゲーム中に肉離れを起こし、以降別メニューによる調整を続けてきた下畠翔吾が19日から京都の練習に完全合流している。
本来は“けがに強い”というのが、下畠のストロングポイントの一つ。今回のようにプレスリリースが出るようなけがはほぼ経験がなく、肉離れ自体も人生初という。それでも、「リハビリや治療と並行して、体の作り方をもう一度学ぶことができた。呼吸法とか、新しいことも取り入れて。良いきっかけになったと思う」と慣れない負傷離脱の時間を有意義に活用していた様子。
下畠が復帰戦として照準を合わせているのは、土曜日に行われるJ2第24節・名古屋戦だ。「しっかり治療もしてもらって、リハビリもしてもらった。当初の予定どおり、順調にきている。自分の中にも『出たい』という気持ちがあるし、コンディションも名古屋戦に合わせてやってきた。大丈夫だと思う」。
名古屋戦は練習試合も挟まずに迎えるゲームとなるが、「ゲーム勘? そんなの、元々ないです」と笑い飛ばす。下畠はこれまでも、出場機会が与えられない状況下であっても準備を怠らず、突然の起用でも与えられたタスクをきっちりこなしてきた選手。そんな雑草魂の持ち主は、ぶっつけ本番の復帰に何の不安も感じていない。
文:川瀬太補(エルゴラッソ京都担当)
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徳島のリカルド・ロドリゲス監督。日本の夏は「サウジアラビアくらい暑い」
17時からの練習を取り入れ始めた徳島。リカルド・ロドリゲス監督は「求めているインテンシティーの高さでの練習ができるように」、「疲労が溜まりにくいように」という2点を主な目的に挙げた。
ここまでロドリゲス監督が指揮を執ってきた中、苦戦した試合の例として挙げるのが第15節・水戸戦(1△1)。水戸のプレーの良さも当然あったが、気候が暑くなり始めた中での14時キックオフは徳島にとって足かせとなったようだ。
その後、18時以降のナイトゲームが増え始め、「暑さによる問題はなくなってきた」とロドリゲス監督は話していたが、日本での初めての本格的な夏を肌で体感するようになると、「聞いてはいたが、(U-17代表監督などを務めていた)サウジアラビアくらい暑い」と苦笑い。
さまざまな判断材料があり、結果的に夕方のトレーニングを取り入れることになった。ここから2位福岡・1位湘南との試合が続くが、すべての判断が良い方向に向かっていることを願うばかりだ。
文:柏原敏(エルゴラッソ徳島担当)