EL GOLAZO(エルゴラッソ)FLASH NEWS

2017.7.23(Sun)

July
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  • 練習試合に敗戦も、沼田の躍動など収穫多数の大宮。リーグ戦再開へ積み上げは続く

     23日、高木サッカー場にて大宮は湘南との練習試合を行った。45分×2本の形式で行われ、結果は2-4の敗戦となってしまったが、1本目の途中から右ウイングに投入された沼田圭悟が1得点1アシストを記録するなど、収穫も見える試合となった。

    「『1点取ってこい』と(伊藤)彰さんに言われていた」という沼田は、2本目の18分に奥抜侃志(大宮ユース)のパスを受けて右足の強烈なシュートを沈めると、31分には右サイドからのクロスで金澤慎の得点をアシスト。常に先攻を許す展開の中で、2度にわたって同点に追い付く得点に絡んでみせた。

     得点については「目に見える数字を最近は全然出していなかった。天皇杯のアシストはあったけど、今季はゴールを取っていない。一つ結果が出たのは良かった」と話した沼田だが、やはり試合に勝てなかったこと、得点の直後に失点を繰り返したゲーム運びには納得していない。「要所要所、締めないといけないところで締められなかったのが、今回の反省点」とチームとしての戦いには反省しきりだった。

     伊藤監督は試合後に「攻撃のところはしっかりできているので、あとは本当に守備のところをどうやって無失点で抑えるか。集中力やFKの一発はあるが、チームとしての課題」とコメント。嬬恋キャンプでも守備の整備に力を注いできたが、リーグ戦再開までの1週間も引き続き積み上げを行うことになる。

     

    文・片村 光博(エルゴラッソ大宮担当)

    練習試合に敗戦も、沼田の躍動など収穫多数の大宮。リーグ戦再開へ積み上げは続く

  • 仙台に古林将太が期限付き移籍で加入。早速練習試合・作新学院大学戦でプレー

    仙台に古林将太が期限付き移籍で加入。早速練習試合・作新学院大学戦でプレー

     23日、仙台はMF古林将太を名古屋から期限付き移籍で獲得したことを発表。古林は22日に仙台入りし、23日に記者会見をしたあとに練習試合に出場した。

     契約期間は7月23日から18年の1月31日まで。仙台は左ウイングバックのDF永戸勝也が長期離脱。さらにウイングバックは消耗の激しいポジションということもあって、古林が補強されることとなった。古林は「サイドからの攻撃など自分のいいところを出せると言われて、その熱い思いが伝わった。自分の長所を生かすところでやりたいと思った」と、仙台への加入を決意した。仙台では「主に右ウイングバックとして、得意のクロスを生かすこと」(渡邉晋監督)が期待されている。

     23日の作新学院大学との練習試合(35分×2本、合計3○0)で早速63分間プレーした古林。DFに負傷者が出ているチーム事情から、1本目は3バックの左でプレー。2本目では左のウイングバックに移った。2本目の10分には、MFリャン・ヨンギのパスを受けて左に抜け出すと、クロスからMF菅井直樹のゴールにつなげた。直接のアシストではなかったものの、「リャンさんがうまくタメを作って自分に出してくれたので、自分も味方を信じてクロスを上げることができました」と、始まったばかりの味方との連係構築に手ごたえを得たようだ。「さらにコミュニケーションを取って、連係を深めていきたい」という古林は、最速でJ1第19節・柏戦に出場することを目指す。

    文・写真:板垣晴朗(エルゴラッソ仙台担当)

  • [書評]読むサッカーvol.37 『世界スタジアム物語:競技場の誕生と紡がれる記憶』

    紡いできた悲喜劇。スタジアムで振り返る20世紀

     

     本書は、「なぜスタジアムがその場所に建設されたのか、そこで何が起こったのかを振り返り、20世紀という時代を読み解くものだ」。

     著者はエルゴラッソ本紙でもおなじみの後藤健生氏。国内外のサッカーに精通し、試合のみならず、その背景にある政治、歴史、社会にも造詣が深い後藤氏が、あらゆる視点から、スタジアムを語り尽くす。

     第1章では、ギリシャやローマの古代スタジアムを出発点に、そもそもスタジアム(競技場)という祝祭的な空間がいかにして生まれたのか、どのように発展していったのか、その歴史をたどる。

     第2章では、第一次世界大戦が終結し、恒久的平和が訪れた(と思われた)国際社会において、世界各地で誕生した大規模スタジアムを紹介する。

     第3章では立地、第4章では機能やデザインといった建築物の観点からスタジアムを考察。第5章では、全体主義とスタジアムの親和性から、ムッソリーニやヒトラーといった独裁者との関連を語り、第6章では、戦時下にスタジアムが果たした機能を語る。第7章では、遺産としてのスタジアムの価値、第8章ではその近代化の過程をたどる。

     そして、最終章では日本のスタジアムの現状とその将来に言及する。日本のスタジアム問題といえば、当初の改築案が白紙撤回されるなど右往左往した、20年の東京五輪メインスタジアムである新国立競技場の一件が記憶に新しいが、歴代メイン会場の大会後の使用状況などを例に挙げながら、そのあるべき姿と問題点を指摘する。

     また、都市公園法の規定で、スタジアム建設に際しては陸上競技場が現実的な選択肢となっていたのがこれまでの日本のスタジアム事情だが、ことサッカーにおいては、各自治体で新たな取り組みがなされ、一昨年の長野Uスタジアム、昨年の市立吹田サッカースタジアム、今年のミクニワールドスタジアム北九州など、球技専用スタジアムが立て続けに新築・改築されている。今後も京都、沖縄など建設ラッシュは続く予定だ。

     専用スタジアム建設の機運が各地で高まっているいま、戦争や政治の荒波に翻ろうされ、形や役割を変えながら、喜劇も悲劇も紡いできた“スタジアムたち”の物語をあらためて振り返ってみてはいかがだろう。

    文・横川 僚平(エルゴラッソ編集部)

    [書評]読むサッカーvol.37 『世界スタジアム物語:競技場の誕生と紡がれる記憶』

    著者:後藤 健生(ごとう・たけお)
    発行:5月20日/出版社:ミネルヴァ書房/価格:2,500円(本体価格)/ページ:296P