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3万人超え確実の札幌ドーム。札幌対浦和を前にたかぶる札幌の選手たち。「面白い試合を見せて、しっかり楽しませたい」(兵藤慎剛)
札幌は、今週末の明治安田J1・浦和戦を「レッドバトルマッチ」と銘打って、札幌ドームを満員にするべく力を入れている。目標入場者数は38,000人で、28日夕方時点での前売りチケット販売枚数は31,541枚。目標達成を期待したいが、3万人超の大観衆が詰めかけることは確実視されている。ユニフォーム型のTシャツも来場者全員にプレゼントされることになっており、中断期間明けのホームゲームは熱狂に包まれそうな気配である。新加入選手のFWジェイ、チャナティップの両選手もベンチメンバー入りの見通しだ。
そうした状況を聞いた四方田修平監督は「たくさんのお客さんに足を運んでもらえるのは非常に光栄なこと。多くのサポーターに喜んで帰ってもらえるようにしたい」と意気込んだ。一方で、同じように昨季最終節は3万人超えを達成しながらも累積警告でその試合は出場停止となっていたDF福森晃斗は「3万人を超えた札幌ドームのピッチで試合をするというのは、どういった雰囲気になるのか分からない」といろいろな意味で楽しみにしている様子。
そして兵藤慎剛は「3万人を超えるファンの前で試合ができるのは幸せなこと。面白い試合を見せて、しっかり楽しませたい」とした上で、同日は自身の誕生日でもあるため「勝って、自分の誕生日にも花を添えたい」とよりいっそうの意気込みを感じさせた。
“タイのメッシ”ことチャナティップも初めてのホームゲーム出場の可能性がある。どの選手に話を聞いても、「ドキドキしている」といったポジティブなコメントばかり。強者・浦和との一戦に向けて、クラブ一丸となってモチベーションを高めている様子だ。
文:斉藤宏則(エルゴラッソ札幌担当)
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首位・湘南と3位・徳島のJ2上位対決。元・鹿島のジネイ対杉本太郎にも注目
29日(日)に行われる首位・湘南と3位・徳島が相まみえる一戦は、盛り上がり必至のカードとなるだろう。一つの注目点は、鹿島でともに戦ったジネイと杉本太郎の元同僚対決。
ジネイは約1年半、鹿島でプレー。負傷などもあり公式戦13試合の出場にとどまった。しかしボールの収まり、ゴール前の迫力、決定力でチームを助けた姿はいまでもサポーターの目に焼き付いているはず。そして湘南に移籍してからはストライカーとして前線に君臨し、今季はチームトップスコアラーの活躍を見せている。
一方の杉本太郎は今季、出場機会を求めて鹿島から徳島へ期限付き移籍。ここまで24試合に出場し、4ゴールという成績を収めている。リズミカルなパス回しから意外性のあるプレーでチャンスを演出し、攻撃の中心的な選手に成長を遂げた。「彼はすごく速くて、うまい選手」とジネイも警戒するように、湘南にとって厄介な存在になりそうだ。
そんな杉本とジネイは「(鹿島時代は)更衣室のなかでも近いところにいたので、いまでも友情がある」(ジネイ)という間柄だ。彼との初対戦についてジネイは「試合前に挨拶をする。始まれば敵として戦う。終われば試合を戦った仲間として挨拶をする。それがサッカーの醍醐味でもあるし、面白いところ。彼との対戦は本当に楽しみ」。
迎える今節、ジネイが「彼(杉本)があまり活躍してくれないことを望むよ(笑)」と語るように、徳島の背番号26を抑えることも、湘南勝利へのポイント。徳島も、湘南の背番号9をどう対応するか考えてくるはず。鹿島から活躍の場を移した二人が再会を果たす一戦は、ワクワクが止まらないゲームになりそうだ。
文:高澤真輝(エルゴラッソ湘南担当)
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長崎、丸岡満の加入会見を実施。高田明社長がドイツ語で話しかけるなど、巧みな話術で和やかに
長崎は28日、諫早市のトランスコスモススタジアム長崎で丸岡満の新加入記者会見を行った。
会見には高田明社長、高木琢也監督も出席。会見の冒頭では高田社長が丸岡がドルトムントでプレーしたことに触れ、ドイツ語で話しかける場面も。丸岡もこれに笑顔を見せ、ドイツ語で返すなど高田社長の巧みな話術もあり、会見は和やかな雰囲気で行われた。
長崎への移籍を決断した理由について丸岡は「自分のプレースタイルと照らし合わせて長崎が一番、合っていると思いました。そして、今、J1に昇格できる良い位置にいるチームでプレーしたいと思った」説明。運動量と縦に速い中でのボールテクニックという自身の特長と長崎のチームスタイルの親和性が決め手になったようだ。
高木監督もボランチあるいはシャドーでの起用を考えていると明かし、「彼の持っている経験値、それからこれまで積み上げてきた育成年代から今日に至るまでの彼の能力というものをどんどん引き出せるような状況を、私自身が作っていくことも必要」と最大限のサポートを約束していた。
丸岡は「1ゴール、その壁を乗り越えられればたくさん結果がついてくると信じているので、まずは1ゴール。しっかり決められるように頑張っていきたい」と移籍に際して結果への思いをにじませている。起用が見込まれるボランチでは島田譲、シャドーでは澤田崇のそれぞれパートナーを固定し切れていないチーム事情がある。丸岡がこれを解消するピースとなれるか。大きな期待を背負い、丸岡が長崎での新しい挑戦をスタートさせる。
文・写真:杉山文宣(エルゴラッソ長崎担当)
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“もっと声援を”。浦和戦でC大阪・杉本健勇がゴール裏をあおった理由
市立吹田サッカースタジアムを舞台に戦う初めての『大阪ダービー』、C大阪がリーグ首位としてG大阪を迎える初の『大阪ダービー』。この2点において歴史的な大阪ダービーを翌日に控え、28日、C大阪は前日練習を行った。
シュート練習で豪快なシュートを何本も決めていた杉本健勇は、外した際に本番さながらの悔しいそぶりを見せるなど、早くも気合いは十分。ヤンマースタジアム長居で行われた第7節の『大阪ダービー』では2得点を決め、さらに現在はリーグ3戦連発中なだけに、今回においても自然と期待は高まる。
その杉本だが、第22節・浦和戦の後半、C大阪がCKを獲得した際に、両手を広げてC大阪のサポーターで埋まるゴール裏をあおるシーンがあった。あの場面について尋ねると、「だって(声援の量で)負けているから。もちろん、レッズは(男女の比率的にセレッソより)男の人が多いかも知れないけど、俺らが勝っているのに、『(声で)負けているぞ、ホームちゃうんか』っていう(笑)。やっぱり、サポーターの声援って本当に大きいから。あの場面はちょっと調子に乗りましたけど、サポーターが『ワーッ!』って声援をくれたら選手はパワーになるので」とその真意を語った。
昨季の途中から、気持ちをピッチの上で存分に表現する選手に変わってきた杉本。「味方にも怒ってしまうタイプなので、そこは監督から『抑えてくれ』とは言われているけど(苦笑)。でも、周りに言ったからには自分もやらないといけないし、自分にプレッシャーをかける意味で周りに言っている面もあります」と話す。
吹田スタで行われる明日は圧倒的なアウェイ感になることも予想されるが、“戦う健勇”がチームを引っ張り、敵地を埋める桜のサポーターとともに、『大阪ダービー』で勝利に導く。
文:小田尚史(エルゴラッソC大阪担当)
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大分の後藤優介が「最近憧れている存在」はユベントスのディバラ。「プレーのバリエーションが増えると思って」
現在12ゴールでチーム内得点王の大分・後藤優介。明治安田J2第13節・名古屋戦と同第20節・群馬戦の2試合でハットトリックと活躍したが、本人は「固めて取るよりも毎試合1点ずつといった具合にコンスタントに得点したほうが、チームの勝利に貢献できる」と、自身への評価は甘くない。
そんな後藤が「最近憧れている存在」と明かしたのは、ユベントスのアルゼンチン人FW、パウロ・ディバラ。左利きだが背格好も似ているディバラについて「パスも出せるしシュートも動き出しもうまい。うまさが違う」と相当な入れ込みよう。
以前は好きな選手を聞かれるとウェイン・ルーニーの名を挙げていたが、チームで求められるプレーが変化したこともあってか、「ディバラを見ているとプレーのバリエーションが増えるかなと思って」と言う。
国内外の試合をたくさん見ることにかけては、チーム内でもダントツ。そうやって養われた戦術眼やイメージが、後藤のプレーを支えている。
文・写真:ひぐらしひなつ(エルゴラッソ大分担当)
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清水が二人目の来季加入内定者発表。興國高3年の長身MF西村恭史
清水は27日、MF西村恭史(興國高)の来季新加入を発表した。清水の来季加入内定者は、25日に発表されたGK新井栄聡(流通経済大)に続いて二人目。西村は、「1日でも早くエスパルスに貢献できるように日々練習から頑張っていきます」とチームを通じて意気込みを語っている。
この日から練習参加している西村に対し、小林伸二監督は、「身長が高いだけでなく、プレーが正確だと思った。いまから楽しみな選手」と、その印象を話している。184cmと大柄ながら足元にも長けるMFに、清水の将来を背負う存在としての期待が懸かる。西村は13日まで清水の練習に参加する予定で、「いまできる自分のプレーを意識して出して、遠慮しないでやっていきたい」とプロへの準備としてアピールを続けるつもりだ。
文・写真:田中 芳樹(エルゴラッソ清水担当)
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鳥栖のフィッカデンティ監督が中断期間の6日間連続非公開練習と新加入選手に言及
リーグ戦、天皇杯と公式戦2連敗で中断期間に突入することになった鳥栖。中断期間としては異例の6日間連続非公開練習も実施するなど集中した環境の中で練習に取り組んだ。選手たちによれば連日、負荷の高いハードな練習で夏場に向けての土台作りを図ったようだ。中断期間での取り組みについてマッシモ・フィッカデンティ監督も「この期間を大事に使いたいというのもあったし、量の面でもトレーニングをしっかりこなすこと。そして、新しい選手が加わっているのでなるべく多くのことをやっていかないといけなかった。チームに溶け込むためにいろいろなことをこなしてもらわないといけなかった。そういった意味で充実したトレーニングができたのではないか」と一定の手ごたえを得ている様子だった。
また、DFチョン・スンヒョンとMFアン・ヨンウの二人の韓国人選手もこの中断期間で新たに加わった。その二人については、「(ビクトル・)イバルボよりも時間はかかると思うが、溶け込むための努力をしているのは感じている。しっかり必要な時間を与えて日々の状態を見極めていきたい」と戦術理解にまだ時間を要するとの見方をしており、起用については慎重な姿勢を崩していなかった。
文:杉山 文宣(エルゴラッソ鳥栖担当)