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仙台にブラジル人DFヴィニシウスが加入。3日に合流して記者会見を実施
3日、仙台はブラジル人DFヴィニシウスの加入を発表。ヴィニシウスは同日からチームに合流した。
ヴィニシウスはブラジルのビトーリアで14年から17年6月までプレーし、所属がフリーの状態で仙台に加入。14年にはU-20ブラジル代表に選出された経験を持つ。仙台での背番号は、プロ生活を始めたときと同じだという6に決まった。
ヴィニシウスは3日の練習後に開かれた記者会見の席で、Jリーグへの初挑戦についてレアンドロ・ドミンゲス(現・横浜FC)、ジョルジ・ワグネル(元・柏)、ハイネル(川崎F)らJリーグ経験者、そして仙台でチームメートとなるクリスランから情報を得た上で決断したことを明かした。
「スピード、ロングパス、攻撃参加からのクロスが得意」というヴィニシウスのプレー可能なポジションはCBやボランチ、右SBで、最も得意なのはCBとのこと。仙台の現行システムにおいては、3バックでの出場が予想される。
この日はまだコンディション調整のため別メニューとなったヴィニシウスは、「いつ、どの試合で出るのかは、いまは言えないが、それまでに良い準備をして、100%の状態で出られるように、できるだけ早くコンディションを上げていきたい」と、仙台でのデビューに備えている。
文・写真:板垣晴朗(エルゴラッソ仙台担当)
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リーグ戦初先発を果たした千葉の溝渕雄志。己と向き合う中で捨てたものとは?
「出場した事実に関しては、あの日を迎えるまでの(プロセスの)結果。それまでの過程は否定するものではないし、成長してこれた。それは一つ、最終的な結果ではないが、結果を得られたのは僕にとってはポジティブなこと」
7月29日のJ2第25節・愛媛戦で今季、リーグ戦初先発初出場を果たした千葉の溝渕雄志。その約2週間前に行われた天皇杯3回戦・G大阪戦で公式戦デビューを飾っていたが、Jのピッチに立ったことで、プロの世界で新たな一歩を刻んだ。
開幕からの5カ月間は“生みの苦しみ”といえる時期だった。そして己と向き合い続ける中で、ある気づきがあった。
「サッカーだけでなく、いろんなことを思い込みで判断していた。主観的である以上、どこかに自分の偏見とか思い込みが重なって、いろんな判断をし、それが出てしまう。それを一回振り払うために、監督が言葉で何を要求したのかを整理したら、思い込んでいたことは求められていることではないことかもしれないと(感じた)。クリアになったことで、まずは自分の長所を練習からひたすら出すだけではなく、足りないところを少しでも良くなるように意識し過ぎるぐらい意識した」
まずは武器である積極的な飛び出しを見せようとする欲を捨てた。そして、求められたポジショニングや飛び出す状況判断の改善に時を費やしたことで、待望の出場機会を手にすることができた。
ただ、フル出場した2試合はいずれも負けゲーム。8月5日の徳島戦でも先発濃厚だが、チャンスがそう何度もないことも分かっている。
「ピッチに立ってみないと、分からないことが多かった。次の試合ではプロセスを無駄にせず、少しずつ調節して、自分の長所を出したい。よりよくできたら結果は出る」
プロの世界は結果がすべて。苦労を重ねて手繰り寄せたチャンスを無駄にはできない。
文:大林洋平(エルゴラッソ千葉担当)
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磐田MF松井大輔の新たな挑戦。「日本ではできない経験が向こうにはたくさんある」
磐田の松井大輔が3日、報道陣の取材に応じ、ポーランド2部のオドラ・オポーレへ完全移籍する心境を語った。
「厳しい状況に身を置いたほうが自分としては将来的にもいいのではないか」という考えから、今回の決断に至った松井。海外で得られるものの大きさを、こう語っている。
「日本ではできない経験が向こうにはたくさんあると思う。言葉や文化を知ることが経験にもなるし、勉強にもなると考えた。良くても悪くてもいいと思う」
また今回の決断に際し家族にも相談したが、「パパらしくやったほうがいいんじゃない?」と声をかけてもらったという。
松井大輔の新たな挑戦が始まる。
文:青木務(エルゴラッソ磐田担当)
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川辺駿とムサエフ不在の広島戦。磐田、注目のボランチはどうなる!?
磐田は3日、ヤマハスタジアムで練習を行い、紅白戦を実施した。
5日に行われるJ1第20節・広島戦は、広島から期限付き移籍中野川辺駿が契約上、ムサエフが前節・川崎Fで退場処分を受けたため、出場できない。そのため、ボランチの人選に注目が集まる。
紅白戦の1本目は松本昌也と上原力也がコンビを組み、2本目では松本と上田康太が務めた。名波浩監督はこのポジションの選手に「前へ出て行くこと」を要求しているが、それは後ろへのリスク管理があってこそだ。
1本目の途中にはボランチがともに前へ出て行ってしまい、主将の大井健太郎から「二人とも真ん中からいなくなってはダメだ!」と指示が飛んでいた。
通常なら1本目のメンバーが先発に名を連ねるところだが、今回はまだ分からない。磐田にとっては7連勝が懸かる広島戦。主力を欠く中、代わりに先発となる選手たちには大車輪の働きが求められる。
文・青木務(エルゴラッソ磐田担当)
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さいたまダービー直前。浦和の新外国籍選手マウリシオは「いつでも準備はできています」
ポルトガル1部リーグのマリティモから浦和への加入が決まったブラジル人DFマウリシオ・アントニオが3日、チームに合流した。
U-15やU-17といったアンダー世代でブラジル代表経験もあるマウリシオは、浦和への移籍を決めた理由について、「U-17でプレーしているときに二度ほど来日することがあった。1カ月ちょっと日本に滞在させてもらい、日本が好きになった」こと、そして「代理人の方が長く日本で仕事をなさっていた方で、彼から日本の良さだったり、日本のサッカーの魅力をたくさん教えてもらっていた。自分もいつか日本でプレーしたいと思っていたし、今回のレッズからのオファーを受けて、自分のポテンシャルをレッズのために生かしたい」と語った。
自身の特徴については「ポテンシャルと言っていいかは分からないけど」と謙遜しつつ、「自分の良さは速さだと思う。プレーのスピードやテクニカル面。CBとして求められている役割を右でも左でも良いバランスで与えられていることを十分出せると思う」とアピールした。
マウリシオはマリティモでシーズン前のキャンプを終え、「コンディションは整った」状態で7月27日に行われたヨーロッパリーグ予選3回戦第1戦、ボテフ・プロヴディフ(ブルガリア)戦にキャプテンとして4バックの右CBでフル出場。堀孝史監督からはコンディションやすぐ練習に入れるかどうか聞かれたようだが、「いつでも準備はできています」と答えたようだ。
背番号は2番に決定。クラブによれば登録申請はすでに済ませており、明日にも登録が認められる模様。2日朝に来日し、4日の練習だけで試合に出場するとは考えにくいが、浦和は槙野智章が出場停止、那須大亮が負傷離脱中とDFの駒が少ないため、5日の大宮戦でベンチ入りすることもありえる。リーグワースト2位タイの失点数と守備に問題を抱える浦和の救世主となるか。
文・写真:菊地正典(エルゴラッソ浦和担当)
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第4回イケメンJリーガー選手権第1位! 鹿島の土居聖真は顔でもプレーでも観衆を魅了する
『第4回イケメンJリーガー選手権』の結果が発表され、鹿島の土居聖真が1位に輝いた。
自身を「イケメンではない」と謙遜する土居は「サッカー選手なので、顔で競うわけではない」としながらも、多くの投票があった結果を受け、「1位にしていただいて素直にうれしい」と話した。
さらに「それで鹿島を知ってくれたり、鹿島のイメージアップにつながるならうれしい。『クラブハウスに行こうかな』とか、『カシマスタジアムに行ってみようかな』と思ってくれる人が一人でも二人でもいて、『鹿島って素敵なクラブだな』と思ってくれるだけでうれしい」と続けた。
3日の紅白戦では主力組に入ってプレーした土居。5日のJ1第20節・仙台戦ではプレーで観衆を魅了するはずだ。
文:田中滋(エルゴラッソ鹿島担当)
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大学時代は1日平均7時間以上の猛練習。努力の男・GK金山隼樹が迎えるプロ7年目のJ1デビュー
前節の浦和戦で韓国籍GKク・ソンユンが今季4枚目の警告を受けて、今週末の今節・C大阪戦は出場停止。代わってGK金山隼樹の先発出場が濃厚となっている。
11年に立命館大から長崎に加入した金山だが、J1リーグ戦出場は未経験。「ずっと出たかった舞台」と、プロ7年目にしてついにトップリーグの戦場へと向かう。それも相手は首位のC大阪とあって、「注目の集まる試合なので、もし出ることができたら今までやってきたことを出し切りたい」と意欲を高める。
島根県のさほど強豪ではなかった中学校で「たまたまGKをやっていた時期」(金山)に広島のスカウトの目にとまり、高校からは広島U-18でプレーした。しかし、当時の広島U-18は全国屈指のハイレベルな戦力をそろえており「自分はまったく何もできなかった。最後まで通用しなかった」。トップチームに昇格することは叶わず、立命館大へと進んだ。
そしてそこから、練習の鬼と化した。「広島U-18のコーチに『コツコツと頑張れるのが、お前の才能や』と最後に言葉をかけてもらった。それを励みに頑張った」。大学時代、空いた時間があれば、常にボールを蹴り続けた。平均すれば1日7時間以上は練習していたという。教職課程も受講していたが「サッカー選手を目指す中で、自分はそっちに逃げてしまうかもしれないと思った」と教員免許は取得せず。就職活動はすべてプロクラブのトライアウト。そして長崎入りをつかみ取った。
C大阪とは昨季も、先日のルヴァンカップでも対戦しており、プレースタイルはしっかりと把握している。会場となるキンチョウスタジアムは大学時代にもよく試合を行った場所。努力の男が万全の準備でJ1デビューを果たす。
文・斉藤宏則(エルゴラッソ札幌担当)
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大宮の大山啓輔がさいたまダービーで対戦を楽しみにするライバルとは?
2日後に迫ったさいたまダービー。長く在籍している選手ほど特別な思いのある一戦であり、アカデミーから大宮で育った選手にとってはなおさらだ。前回対戦では後半から出場して流れを引き寄せた大山啓輔もその一人。「見ている人も楽しいと思いますし、やっていても楽しい」とダービーを表現する背番号15は、ダービーでの初先発が濃厚。熱いハートを持って準備を進めている。
「お客さんたちも普段とは違う雰囲気を作ってくれると思いますし、異様な雰囲気は出ると思います。選手はそれに呑まれずに、落ち着いて自分たちのやることをやりながら、気持ちは熱くやれればいい。そんなにずっと大宮にいる選手が多いわけではないので、長くいる選手たち、このダービーを知っている選手たちが雰囲気を作っていくことも大事なのかなと思います」
また、大山にとってはもう一つ楽しみな要素がある。アカデミー時代からしのぎを削ってきた浦和のライバルであり友人・関根貴大との対戦だ。
「個人的にはめちゃめちゃ、一番楽しみです。アイツはもう結構ダービーを経験しているので、経験値では負けている。今回の試合に出て勝つということで、『俺が出ている試合は2戦2勝だね』となる。そこは勝負にこだわってやりたいと思います」
ポジション的には完全なマッチアップではないと思われるが、流れの中で対峙する場面は必ずある。どこかで訪れるだろうその一瞬に、大山は闘志を燃やす。
「そこはたぶん、どこよりも熱いバトルが見られるんじゃないかなと。だから俺は空回りしないように、冷静を装っているかもしれないですけど、常に目線はアイツにあると思う。そこも注目してもらえたらなと思います」
若きタレント同士の激しい戦いが、ダービーをさらに熱くする。
文:片村 光博(エルゴラッソ大宮担当)
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山口のMF加藤大樹、負傷も復帰も横浜FC戦。アゴの状態は「大丈夫っす」
J2第17節の横浜FC戦で負傷し長期離脱していたMF加藤大樹。復帰戦は偶然にも第25節の横浜FC戦となった。
負傷した第17節は、キックオフから約10分後にボール目掛けて走っていたところ、背を向けたままの状態で後退してきた相手選手が接触。加藤はピッチを離れ、診断の結果は下顎骨の骨折だった。
入院・手術が必要なほどの重傷を負った経験はこれまでになかったと言う加藤。術後はワイヤーによる顎間固定で流動食生活が3週間ほど続き、「食事がしたくてしたくてたまらなかった」と話す。
ただ、精神的に後ろ向きになることはなく、チームメートの見舞いも活力にしながら回復を急いだ。現在のアゴの状態を聞くと、歯を何度か噛み締めてから「大丈夫っす。痛みはないっす」と笑顔で答えてくれた。
離脱中にカルロス・マジョール監督が就任して戦術はガラリと変わったが、試合をDAZNでチェックしたり、チームメートから現在の戦術を聞くなどして、「自分がそこにどう入っていくか」というイメージを膨らませてきた。
加藤は「自分の武器はスピード。出場時にどれだけその強みを多く出せるか、その回数をどうチャンスにつなげるかを意識したい。(現在の戦術では)自分の判断が大事になるのでしっかり考えてやっていかないとダメだなと思っている」と話す。
前節・横浜FC戦では加藤と同時期に負傷離脱したFW和田昌士も途中出場を果たしたほか、新加入のFWレオナルド・ラモスもデビューした。前線の選手層が厚みを増したことで、今節から始まる“夏の維新劇場”も期待できそうだ。
文・写真:田辺久豊(エルゴラッソ山口担当)
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『練習は嘘をつかない』。長崎の高木琢也監督を悩ませるある問題
リーグ戦3連勝のあと、2連敗。2連敗の試合ではいずれも立ち上がりに失点を喫しているが、それは悪い意味で練習の表れ、『練習は嘘をつかない』という格言を表しているのがいまの長崎だろう。ここ最近、暑さが厳しくなってきたことで練習でも引き締まった感じが以前と比べてもやや薄れてしまっている。高木琢也監督も試合の入りでの失点が続いていることと練習の雰囲気の関連性について「影響していると思います」と話す。
「休み明けも11対11をいきなりやったでしょ。ああいうのはあまりやらないですけど、『何分後に(11対11を)スタートします。だから準備しなさい』ということですよ。だけど見ていると、『え? そんなんで11対11の練習ができるの?』っていうくらいの準備しかしていない選手もいる。そういう部分を見ることができて良かった」と、逆の意味での収穫について話すほど高木監督にとって悩ましい現状になっているようだ。
碓井鉄平も「しっかりやるのは当たり前のことですし、普通だったら言われたらいけないようなこと。こういう暑さもありますけど、そういうことを言い訳にせずに自分たちでもっともっと良い質の練習をしていかないといけない」と反省しきり。岐阜戦まで準備はあと1日残っているが選手たちは自分たちで自分たちを高めていけるか。岐阜と戦う前にまずは自分たちとの戦いを見つめ直さなければ連敗ストップは見えてこない。
文:杉山文宣(エルゴラッソ長崎担当)
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