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ジーコが鹿島練習場を来訪。ジュニアからトップまで鹿島イズムをあらためて注入
17日、14年以来となるジーコの来訪に鹿島アントラーズクラブハウス練習場が沸いた。駆けつけたサポーターはおよそ700人。中には前監督の石井正忠さんの姿も見られた。
「勝ちにこだわれ」
鹿島にいれば常日頃から耳にする言葉を、このクラブに植えつけたのはジーコだ。クラブの生みの親であるジーコの口から直接その言葉を聞いた選手たちは、あらためて強い感銘を受けたという。
「自分の目の前で勝つことがいかに大事かを言われて、僕の気持ちもあらためて変わりました」
植田直通はまっすぐにその言葉を受け止めていた。
トップチームだけでなく、隣のグランドではユース、その隣ではジュニアが試合をしており、各カテゴリーの選手たちがジーコから「アントラーズは勝つことが求められるクラブ。相手を上回る強さを身につけないといけない。そのためには準備をしないといけない」といった言葉をかけられていた。下部組織出身の土居は、自分たちのときはそうした機会に恵まれることもなかったため「幸せ者じゃないですか」と羨ましそうに話していた。
クラブ全体にまで浸透するジーコスピリット。それぞれが、それぞれの立場で体現していく。
文:田中滋(エルゴラッソ鹿島担当)
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仙台に期限付き移籍で加入した野津田岳人。加入後の公式戦初出場は古巣・新潟戦か
7日に仙台に加入した野津田岳人が、第23節・新潟戦での出場に向けて、コンディションを上げている。
野津田は7日に広島からの期限付き移籍(※今季は清水に期限付き移籍していたが、その契約は解除)で仙台に加入した。仙台での選手登録は先週の時点で完了していたが、期限付き移籍元の広島相手の公式戦には出場できない契約だったため、13日に行われた第22節・広島戦(1●0)での“仙台デビュー”は、ならず。翌14日に行われたJサテライトリーグの広島戦(0◯2)で90分間プレーして実戦感覚を磨くなど、今週の練習につなげた。
野津田はサテライトでも、今週の戦術練習でも、広島時代に慣れ親しんだ[3-4-2-1]のシャドーのポジションでプレー。フォーメーションは同じながら「スペースに流れる動きが増えた」と実感するなど、動きが違うためまだ覚えることは多いという。「良い立ち位置を取ること、守り方などにしっかりチャレンジし、その中で自分の持ち味を生かしてチャンスを作りたい」と、今節に向けて準備を進める。
今節の相手は、野津田が昨季所属していた新潟。野津田は新潟所属時の昨季J1・2nd第4節で仙台相手にアシストを記録したことがある。今度は「やはり、特別な気持ちがあります」という“古巣戦”で、仙台の選手としてゴールに絡む仕事を目指す。
文・写真:板垣晴朗(エルゴラッソ仙台担当)
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好相性の鳥栖からゴールを奪い、江坂任が大宮を残留圏に導く
前節・新潟戦(1●0)で決勝点を挙げた大宮の江坂任にとって、今節の相手・鳥栖は相性の良いチームだ。昨季のアウェイでの対戦ではJ1リーグ戦初得点となる決勝点を記録し、今季の前回対戦では伊藤彰監督就任後のリーグ戦初得点を決めた。
「J1初ゴールを取れた場所だし、今季も鳥栖戦で点を取っているということも含めて、良いイメージはある。それを(今節も)ゴールやアシストという部分に結びつけられればと思う」
前回対戦はドローに終わっているだけに、勝利によって現体制の成長を見せたいところでもある。「この前は札幌と甲府が引き分けてくれたので、それもプラスに捉えたい。連勝すれば二つ順位を上げられるかもしれない」と江坂が言うように、J1残留圏との勝ち点差も詰まっており、ここで連勝を達成すれば状況は一気に変わる。シーズンはまだ続くとはいえ、早めに浮上するに越したことはない。
「残留圏に入りたいし、連勝すれば自信にもなってチームの雰囲気もガラッと変わると思う。まずは抜け出すために勝ちたい」(江坂)。
大宮のエースは、アウェイの地でもアグレッシブに勝利を狙う。
文・片村光博(エルゴラッソ大宮担当)
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アルゼンチンから3人目の新戦力。DFルシアッティ「(山口加入に)迷いはまったくなかった」
12日、アルゼンチン出身のDFアベル・ルシアッティの加入を発表した山口。翌13日から早速練習に合流している。
カルロス・マジョール監督が指揮を執っていたアルゼンチン2部のチーム・アルマグロでプレーしていたルシアッティ。これまでCBとして起用されていたほか、左SBの経験もある。マジョール監督は「空中戦にとても強く、対人プレーが得意な選手。レノファには左利きのCBがいなかった。チームのDFラインを活性化させる上で必要だと思った」と話す。
ルシアッティは、電話を通じてマジョール監督からチームの状況や特徴、練習環境、選手たちの様子などを聞いていたという。山口でプレーすることについて「自分の中で迷いはまったくなかった」と力強く話す。
「チームが厳しい状況にいることは理解している。DFなので後ろからチームを支えることは得意。攻撃では後ろからボールをつなぐことも考えているし、そういった面でも後ろからチームを支え、前へ押し上げるようなプレーもできる。一戦一戦が大事になっていくので、試合に出たら体を張って全力でプレーしたい」
ルシアッティは登録が完了次第、公式戦へ出場できる。早ければ20日の第29節・徳島戦から出場できる見通しだ。
文・写真:田辺久豊(エルゴラッソ山口担当)
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清水に清水がやってきた! 気になる清水航平の呼び方は?
16日、広島から清水に期限付き移籍で加入した清水航平が練習に初合流、午後からは三保のクラブハウスで新加入会見が行われ「上位で戦える力になれるように頑張っていきたい」と意気込みを語った。現在チームはけが人が相次いでおり、また小林伸二監督によると「スピードで突破できるところ」をほかの選手にない特徴として評価しているようで、今節・鹿島戦でいきなりデビューする可能性もある。両サイドハーフを主戦場としており、「得点やアシストに絡めるプレーをしていきたい」と話すように攻撃の新たなオプションとなることは間違いないだろう。
ところで、気になるのは「どのように呼ばれたいのか?」というところ。本人によると「できれば『航平』と呼んで欲しい」とのことなので、「清水の『清水』」ではなく、「清水の『航平』」で覚えてあげてください。
文・写真:田中芳樹(エルゴラッソ清水担当)
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神戸のネルシーニョ監督解任。「『ありがとう』って言いたかった」と主将の渡邉千真
神戸は16日、ネルシーニョ監督の成績不振による解任を発表した。同日の非公開練習後、主将の渡邉千真は「非常に残念ですし、選手が勝てなかったのもある。僕らにも責任はある。ピッチで結果を出すしかない」と神妙な面持ちで話した。
ネルシーニョ前監督が神戸の指揮官に就任した15年、同じく神戸に加入した渡邉。「試合に出られなかったりはあったけど、信頼して使ってくれた。すごく感謝している。FWもサイドも幅広くやれたことは大きかった」と自身のプレーの幅を広げてくれたことに感謝した。
さらに、「キャプテンにも指名してくれた。僕が?という気持ちもあったけど、言われたからには頑張りたいと思った。このチームのためにと思ってやってきた」とネルシーニョ体制を主将として支えた日々を振り返った。
この日は前指揮官から最後の挨拶があった。「僕らの前で『ありがとう』って。こっちから『ありがとう』って言いたかった。すぐいなくなったので…そこは心残りです」と寂しそうに言葉を残した。
ただ、20日には第23節・横浜FM戦が待つ。「タカさん(暫定的に監督を務める吉田孝行前ヘッドコーチ)は初めての監督。チームとして戦わないと絶対に勝てないし、みんなでサポートしないといけない」と語気を強め、チームを盛り立てたい気持ちを語っていた。
文:小野 慶太(エルゴラッソ神戸担当)