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ユニバーシアード制覇に貢献した重廣卓也が京都の特別指定選手に
京都は30日、阪南大4年生のMF重廣卓也が2017年JFA・Jリーグ特別指定選手として承認されたことを発表した。
大学屈指の指令塔として名をはせる重廣は、29日まで台北で行われていた第29回ユニバーシアード競技大会・男子サッカーに日本代表として参加。主将を務め、日本代表の金メダル獲得に大きく貢献している。また5月には、来季からの京都への加入内定が発表されていた。今後は阪南大との調整をはかりながら、合流が可能なときにはチームに合流する予定とのことだ。
京都を指揮する布部陽功監督は特別指定選手承認を受け、「彼の良さはパスや運動量。ウチのチームにないモノを持った選手。彼の特長をチームにプラスαできれば、また違った守備や攻撃をお見せできると考えている。(既存の選手と)競争になるが、プロの選手に追い付いて追い越してほしい」と重廣への期待を述べている。
文:川瀬太補(エルゴラッソ京都担当)
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“不思議な巡り合わせ”の中で地歩を固める福岡GK杉山力裕
前節の水戸戦で13試合ぶりにリーグ戦のピッチに立った福岡のGK杉山力裕。勝利は逃したが、安定したプレーで無失点に貢献。本人が言う「まずまずの復帰戦」となった。しばらく欠場していた理由は、第17節の讃岐戦で馬場賢治のシュートを顔面で阻止、その際に眼を痛め、視力が戻るのに時間を要したから。ちなみに馬場とは共通の知人を介しての知り合いで、食事をともにしたこともある仲。交代するときに馬場から謝罪を受けたのだと言う。
実は杉山、その讃岐戦のほかにもう一試合、途中でピッチから退いた試合がある。それは第9節の水戸戦で、25分に相手との接触で脳震盪を起こし、兼田亜季重との交代を余儀なくされた。そのときは何日かの練習は回避したものの続く第10節の東京V戦に出場。1-0の勝利に貢献してタフネスぶりを発揮した。
そんなことがあるので、今節の讃岐戦を前に「何か不思議な巡り合わせを感じる」と言い、「リーグ前半戦でけがをしてしまった2チームとの対戦が今度は自分の復帰時期と重なるんですから」と続けた。
「ゴールキックを早く蹴るなど、攻撃のテンポを上げるような工夫も必要だった。そういう意味で試合勘はまだ十分ではないとも言える。だから今度はそういうところも含めて、もっと良いパフォーマンスを残したい」と、水戸戦の反省を踏まえて今節の讃岐戦で定位置の再確保に向けての地歩を固めたいと話した。
文・写真:島田徹(エルゴラッソ福岡担当)
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ブレイク中の名古屋・青木亮太について、元チームメイトの東京V・安西幸輝、畠中槙之輔が語る
「うまかった。いやあ、あれはうまい」
銘店の握り寿司や高級ステーキについて語っているのではない。東京Vの安西幸輝(写真)は、名古屋でブレイク中の青木亮太について感慨深げに話した。
前々節・福岡戦までの名古屋5連勝に大きく貢献する、5試合6得点の荒稼ぎ。3位につけるチームで、得点を量産しているのが青木だ。彼は中学まで東京Vジュニアユースに所属していた。つまり安西にとっては、元同僚である。
「ずーっと思ってました。それは一緒にプレーしていたときも、アイツが高校(流通経済大柏)でプレーしていたときも、前回対戦した6月10日も。以前から、ライバルというより、『うまいな、こりゃ化けるな』って思ってました」(安西)
今季、当初はSBで出場することも多かった青木だが、現在は本来の攻撃的なポジションでその攻撃センスを遺憾なく発揮している。だから、この活躍は安西にとって意外なものではない。その意見に、同じく東京Vジュニア、ジュニアユースとプレーしていた東京Vの畠中槙之輔も同調する。
「すごいことだけど、アイツならできるよな、って感じです。けがで出られない時期も長かかったので、完全復活ですね。以前は結構とんがっていたというか、オレとは良く言い合ってました。でも高校に行って丸くなったかな(笑)」(畠中)
東京Vの背番号4は、彼のトンガリエピソードまで教えてくれた。
「……うまいんだよな、ほんっと。ああ、また一緒にやってみたいなあ」(安西)
そして安西は、再戦やともにプレーすることを夢想すると、ニヤニヤが止まらない様子。4連勝と勢いに乗る東京Vと名古屋の次回対戦は、約1カ月後の9月24日。このままなら昇格争いの大一番となりそうで、舞台はパロマ瑞穂スタジアムだ。
文:田中直希(エルゴラッソ東京V担当)
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トップ下で山口の攻撃を操る小塚和季 「2トップはやりやすい」
山口は前節、小塚和季をトップ下に起用する[3-5-2]のシステムで戦った。
結果は大分に2-3で惜敗したが、カルロス・マジョール監督は「前線の小塚、岸田、(レオナルド・)ラモスのプレーはうまくいったと感じているし、ゴールチャンスも作れた」と内容を評価。今季残りの試合は、3バックでほぼ同じシステムで戦うと試合後に明言した。
小塚は今季、上野前監督の時には[4-2-3-1]のトップ下として起用され、マジョール監督就任後は左サイドハーフなどでも起用されてきたが、今後はトップ下で固定されそうだ。「2トップの下に入るのは、ボールを持ったときに二つ選択肢があるので、そういった面ではやりやすさがある」と話し、前節の2点目の場面を振り返り、「キシくん(岸田)が動いてくれたから、空いたスペースでラモスが決められた。合っているのではないかと思う」と手ごたえを感じている様子。
裏に抜け出すスピードが持ち味の岸田、ペナルティーエリア内で構えて力強いプレーを見せるラモスという特長が異なる2トップを生かすも殺すも、トップ下の小塚のパスさばきがカギになる。
「キシくんだったらスペースに出してあげればいい。ラモスはボールを収めるのが得意。それぞれの特長に合ったパスを意識している」と小塚。「次が勝負です」と力強く話す。
文・写真:田辺久豊(エルゴラッソ山口担当)
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悲観しない金沢・柳下正明監督。土台作りとJ2残留の二兎を追う
今季もJ2残留を目標に掲げる金沢にとって、前々節・群馬戦(1△1)、前節・讃岐戦(1●2)の下位直接対決は今後の行方を占う重要な試合だったが、2試合で勝ち点1という結果に終わった。下位のチームを突き放すことができず、讃岐には勝ち点1差まで詰め寄られた。
「良くはないよね。でも、勝っても内容的に悪いゲームだったら、次にちょっと強いチームとやったら間違いなく勝てない。それよりも、良いゲームが続いている。やろうとしていることができているゲームが増えている。オレはそっちのほうが良いと思う」(柳下正明監督)。
指揮官は悲観せず、ゲーム内容の変化に目を向ける。「今まで8試合勝っている。でも、8勝のうち、本当に”勝ちゲーム”で勝ち点3を取っているのは一つか二つしかない。負けや勝ち点1でも仕方ないゲームで勝ち点3を取れているだけ。いまは逆に、ここ5、6試合は内容的に勝ち点3を取ってもおかしくないゲームをしている」と言う。
内容が良化すれば勝利に近づくのは確かだが、残留争いを制するには結果が必要。そのためには「今までの悪い癖、変なプレーをなくしていかないと難しい」(柳下監督)。チームの土台作りとJ2残留。二兎を追う金沢の戦いは続く。
文:野中拓也(エルゴラッソ金沢担当)
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[本日のエルゴラッソ1面]時代を切り拓け
[日本代表]
■日本代表は“熱”を取り戻せるか■日本代表 vs 豪州代表
奪え、歓喜のゴールを![明治安田J1第24節 マッチレポート]
■清水 vs 浦和
ACLを引きずらず圧倒。浦和が3連勝