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松本の橋内優也、讃岐の元同僚を警戒も「(特徴は)皆分かっている」
前節・岐阜戦で逆転勝利を飾り、アルウィンは悪天候の中でも熱気に包まれた。この白星によりJ1昇格プレーオフ圏へと返り咲いた松本は、今節から正念場のアウェイ2連戦を迎える。
今節の対戦相手は前回対戦時(第10節)にて4-0で大勝した讃岐となるが、「前回対戦時は相手が二人退場したこともあって、参考にはならないと思っている」と話すのは橋内優也。「相手どうこうよりも自分たちがトレーニングでやってきたことを、試合でしっかりと表現できるように頑張りたい」と気を緩めることなく難敵に立ち向かう構えだ。
その讃岐には、今夏よりアレックスが加入している。日本サッカーを知り尽くしたレフティーは讃岐にとって大きな戦力となっており、左足からのキックや豊富な運動量、前の選手を追い越していく動きなどが持ち味。もちろん徳島時代に同僚だった橋内も注意するべき選手として挙げるが、一方で「逆に言えば(日本での経験が長いことで)まったく情報のない選手ではない。その意味では皆も分かっていると思う」とも述べる。讃岐のキーマンを抑え、敵地で勝ち点3を収めることができるか注目だ。
文:多岐太宿(エルゴラッソ松本担当)
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崖っぷちの山口。「次、勝とうよ!」心強いサポーターの声が後押し
前節、山口はJ2残留を争う金沢と対戦。雨の中、「負けられない戦い」を後押しするために4,823人が来場したが、試合終了間際に失点して敗れた。目の前で金沢に残留を決められ、脱力する選手の耳に届いたのは、チャント「進め山口」を歌うサポーターの声だった。
試合が終わり、サポーターが待つバックスタンド席へ真っ先に向かったのが主将・鳥養祐矢と副主将・渡辺広大。
鳥養はそのときのことを「サポーターのところに行くまで失点の場面を思い返してしまい、一人ひとりの顔を見られなかった。でも顔を上げたとき、サポーターは『次、勝とうよ』と前向きな声を掛けてくれた」と振り返り、「本当に感謝しないといけないし、もう負ける姿は見せられない」とあらためて気持ちを引き締める。
20位との勝ち点差は『5』から『6』に広がり、状況はより厳しくなった。しかし、今週の公開練習(1日)には約50人のサポーターが足を運び、選手たちの練習を見守った。
練習後、岸田和人はサポーターの存在について「いつもどんな状況でも後押ししてくれるし、負けていても声援を送ってくれる。とても心強い」と話し、「応援してくれるサポーターのためにも最後まで頑張らないと。(残留の)可能性はゼロになったわけじゃない。その可能性を信じて、次節も最後まで戦う姿勢を貫きたい」と前を向く。
次節から東京でのアウェイ2連戦。そして最終節はホームで愛媛と戦う。「しっかり粘って、あきらめずに戦い、最終節の維新公園で残留を決められれば理想的」と鳥養。サポーターの思いを胸に、アウェイに乗り込む。
文・写真:田辺久豊(エルゴラッソ山口担当)