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プロ契約発表から4日。FC東京の久保建英がプロとして初ゴール
1日にFC東京とプロ契約を結んだばかりの久保建英が5日に行なわれたJ3第30節G大阪U-23戦でプロ初ゴールを奪った。2点を追う62分、ピッチに送り出された久保はその2分後にゴール。67分にはFWユ・インスの得点をアシストするなど、チームの3得点すべてに絡む活躍ぶりだった。しかし、この16歳は浮つくことなく、冷静に記念すべきプロ初ゴールを振り返った。
−−プロ選手になって初のゴールはまたうれしさは違いますか?
「どんなゴールでも1点は1点と言いますが、まさにそのようなこぼれ球のゴールでした。信じてゴール前に入っていた中で10回に1回のチャンスが来て良かったです」
−−2点目も久保選手がボールを奪ってからだったが、ボールを奪うことが攻撃の第一歩という感じはありますか?
「チームの特長の一つでもある、奪ってからショートカウンターでゴールまでつなげるという形ができて良かったと思います。自分が奪ったあとは一応サポートに回っていたんですけど、(ユ・)インス選手の個人技での素晴らしいゴールだったと思います」
−−一昨日、(Jユースカップで)試合をしたばかりでしたが、体力的にはキツくなかったですか?
「試合に出てしまえばキツくなかったですけど、そういうこともスタッフの方と話し合って考慮してもらいました。ベストなプレーができるような時間帯に出してもらえて感謝しています」
−−0-2の状況でしたが、どういう考えでピッチに立ちましたか?
「後半最初のほうからずっとこちらのペースだったので、それを崩さずにフィニッシュまで持っていければいいと思いながら試合に入りました。それで3分間で2点が入ったので、結構自分が思っていた以上に良いスタートでした」
−−先日、プロ契約を結んだばかりですが、気持ちの変化はありましたか?
「ありました。この前も練習場に行ったときにファンサービスをさせていただいて、いろいろなサポーターの皆様に『頑張ってね』と声をかけていただきました。あらためて会見のときとは違う形で、やっとスタートラインに立ったんだなと感じることができました」
−−今季中のJ1デビューも期待されますが、今日の試合を踏まえての手ごたえはいかがですか?
「手ごたえというのは、そこ(J1)でやってどうだったかということだと自分は思っています。だから、まだ試合に出場していないので、正直分からないですけど、J3でこういうふうに結果を残していけばチャンスはもらえるのではないかと思います」
−−プロ初ゴールは記憶に残るものになりそうですか?
「自分は今日のゴールでJ3で2得点目を奪うことができました。初ゴールは本当にうれしかったですけど、今日、ゴールを決めたときはうれしさというより、あと1点を取らなければいけないという気持ちのほうが強かったです。チャンスをもらった中で、決め切れずに1点にとどまってしまったので、今後は2本(チャンスが)あったら2本決めるぐらいの気持ちで臨みたいと思います。だけど、やはりゴールを決めるのが好きなので、うれしいですね」
文:下薗昌記(エルゴラッソG大阪担当) -
仙台が「選手によるカレーのおもてなし」イベントを実施
4日、仙台のクラブハウス内ベガッ太サロンにて、「選手によるカレーのおもてなし」イベントが開催された。ベガルタ仙台・市民後援会の主催で、クラブと、普段の食事を提供しているレストラン・らふらんす2の協力により行われた。
このふれあいイベントは、選手が普段から練習後に食べているメニューのうち、カレーライスを選手からサポーターに振る舞うもの。事前に応募があった中から、当日は70人が参加した。
参加者達と選手は4グループに分かれ、楽しい昼食時間を過ごした。選手たちは1グループ5~6人で、ご飯、カレー、福神漬けそれぞれの盛りつけ係と配膳係を素早く分担。奥埜博亮が「おいしいカレーを召し上がってください」と言えば、ヴィニシウスが日本語で「いただきます」と続けるという連係が見られる場面もあった。配膳後は選手たちがテーブルにつき、参加者達との会話を楽しんだ。
イベントの終盤には食堂内のテレビでルヴァンカップの決勝戦が始まり、C大阪の先制ゴールが決まって場内がどよめいたことも。この日にあの場所に立てなかった悔しさを胸にリーグ戦残り3試合への準備を進めている仙台だが、緊張感のある日々の中で、和むひとときとなったようだ。
文・写真:板垣晴朗(エルゴラッソ仙台担当)
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“奇跡”を目指す新潟、福島ユナイテッドとの練習試合に1-0で勝利。「勝ちの味を忘れないように」(呂比須監督)
新潟は4日、聖籠町のクラブハウスで福島ユナイテッドと練習試合(30分×3本)を行い、FWドウグラス・タンキの先制点を守り1-0で勝利した。
この日は、直近のリーグ戦で先発した選手を除くメンバーが出場。呂比須ワグナー監督はリーグ戦に向けたアピールを求めたものの、1本目は田坂和昭監督率いる福島ユナイテッドの前線からの素早いプレッシャーに加え、ロングボールも止まるほどの向かい風や濡れたピッチの影響もあり、なかなか良い攻撃の形が生まれなかった。
先制点は2本目のロスタイム。DF前野貴徳の早いリスタートからの左CKに、タンキがヘディングで決めた。「タカ(前野)と練習している動き。良いボールが来たので、決めることを心がけた。決まってうれしい」とタンキ。呂比須監督も「タイミングが難しかったけど、よく見てモノにしてくれた。FWの仕事をしてくれた」と語った。
また、CK獲得につながるシュートを打ったのは、約5カ月ぶりに対外試合復帰を果たしたMF森俊介。7月に右ひざを負傷して以来、リハビリが続いていたが、「思ったより体が動くし、体力も戻ってきた」と、得意のドリブルで攻撃に勢いを加えていた。
苦しい展開の中でも無失点に抑え、セットプレーで勝ち切れたことは収穫。呂比須監督は「(直近の)3試合で2勝1分。勝ちの味を忘れないように、勝ち続けることを考えてやってほしかった」と、6日前のJ1第31節・鳥栖戦から連勝したことに意味があると語った。J1第26節・鹿島戦以来、ひさびさに得点を挙げたタンキは「今日はゴールできてうれしかったし、自信になった。次の甲府戦は一番大切な試合だと分かっているので、続けて勝利したい」と白星をつなぐことを誓った。
チームは2日間のオフを挟み、J1残留争いの直接対決となるJ1第32節・甲府戦に向け、準備を続けていく。
文・写真:野本桂子(エルゴラッソ新潟担当)
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前節・愛媛戦で待望のゴール。山形の汰木康也、居残りシュート練習で巻き返しのきっかけをつかむ
前節・愛媛戦で待望の今季2得点目を挙げたMF汰木康也。ドリブルの仕掛けでは圧倒的な存在感を放ちながらゴールが遠く、7月下旬からは木山隆之監督やコーチ陣とマンツーマンで居残りのシュート練習に連日取り組んできた。
「基本、GKの届かないところに強いシュートを打てれば入る。狙ったところに強く蹴ることと、そのあとにコンパクトに足を振ること。それを感覚として身につければ、もう少しいけるんじゃないか」という木山監督のアドバイスをもとに繰り返し蹴り続けた成果が表れたもの。ゴールは4月15日以来となる。
これまで快勝した試合でも、自らゴールを奪えず悔しさを滲ませていた汰木も、今回ばかりは「ゴールシーンに関してはうれしかった」と、珍しく自身のパフォーマンスを評価した。しかし、「満足している時間もないし、これがもう1点2点取れるきっかけになれば、ぐらいにしか、いまは思っていない」と、これまでのぶんを取り返す意気込みだ。
今節対戦する大分には、昨季まで3シーズンともに戦ったMF川西翔太がいる。汰木は「本当に技術が高いので、そこでリズム作られると面倒くさい」と、自身とは違うタイプのテクニシャンを警戒しながらも、「つぶせる選手がウチにはいるので、ガッツリ行ってくれると思う」と味方のプレーにも期待していた。
文・佐藤円(エルゴラッソ山形担当)