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見どころ満載のビッグゲーム。千葉のフアン・エスナイデル監督「(今節・名古屋戦が)良いゲームになることは確約する」
「結果に関しては確約できないが、良いゲームになることは確約する」
11日の今節・名古屋戦を控え、千葉のフアン・エスナイデル監督は、超攻撃型のチーム同士が激突する一戦をこう評する。
千葉はJ1昇格プレーオフ進出、名古屋はJ1自動昇格を懸け、どちらも譲れない大一番となる。舞台は収容人数4万人の豊田スタジアム。名古屋にとってはホーム最終戦と重なるため、“大入り”が見込まれ、千葉にとってはまさにアウェイ一色となることが予想される。
そこで対峙する名古屋との対戦について、指揮官は「個人的にはリーグの中で1番良いチームと戦える喜びがある」とリスペクトの言葉を送る。その上で「そもそも試合を楽しまなければならない。僕らの実力を示す良い機会だし、どこまで僕らが到達できているのかを測るにも良い試合だ」とこのビッグゲームを位置づける。
さらには、監督業としての充実感も滲ませる。「いくつかの点で自分たちと似ている良いチームとの対戦に向け、監督としてこの準備期間が楽しくて仕方がない」。元一流ストライカーらしく、「いますぐにでも試合がしたいくらいだし、僕も選手としてプレーしたいぐらいだ(笑)」と、どうにも高鳴る胸を抑えられないようだった。
さて、冒頭の言葉の続きを紹介しよう。
「相手がどこであろうと、お互い攻撃するチームなので、観衆にとって必ず良い試合になる。どちら(のサポーター)が楽しめるかは結果次第だと思うが、絶対に楽しめる時間はある。何度も言うが、舞台が整った試合だ」
戦前から指揮官が太鼓判を押すように、好ゲームとなることは必至。千葉MF佐藤勇人、名古屋FW佐藤寿人の双子対決も期待される見どころ満載の一戦に、ぜひ多くの人に足を運んでもらい、存分にスペクタクルなバトルを堪能してもらいたい。
文・大林洋平(エルゴラッソ千葉担当)
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進化する山口のディフェンスリーダー・渡辺広大。次節はかつてのチームメート・中島裕希と対戦
前節・東京V戦を逆転で勝利した山口。カルロス・マジョール監督は「以前と比べ、チーム全員のレベルが上がっている。選手たちは日々努力して頑張ってくれている」と選手たちを称賛。特にDFの渡辺広大については「リベロとしてプレーし、一つ上のレベルに達している」と評価した。
3バックの中央で最終ラインを統率する渡辺。ここ1カ月ほどの間で、自身のプレースタイルに変化を感じているという。「以前は人にガツガツいくプレースタイルだったけど、最近は裏を取られた選手のカバーをすることにやりがいを感じたりとか、そういうところに少し変化を感じている」と話す。
次節の対戦相手・町田で2トップの一角を担う中島裕希は、渡辺にとっては仙台と山形でともにプレーした元チームメート。「裏への飛び出しやタイミングが本当に良い選手で、パワーもある。外国人選手のようなフィジカルの強さもある」と警戒する。
かつて共闘した「良き先輩」とのデュエルに勝てるか。ディフェンスリーダーのさらなる進化に期待したい。
文・写真:田辺久豊(エルゴラッソ山口担当)
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古巣戦に臨む熊本のアン・ビョンジュン、前回対戦に出られなかったぶんの思いもこめて「やり切る」
ホーム最終戦となる第41節の金沢戦に向け、熊本の選手たちは9日のトレーニングで紅白戦などに汗を流した。
J2残留をまだ決めることができていない状況とあって、誰もが高いモチベーションを持っているが、古巣戦となるFWアン・ビョンジュンは、前回対戦をけがで欠場したこともあり、その思いは一際強い。
「仲の良い選手もいるし、対戦は楽しみ」と言いつつ、「(金沢の)カウンターの鋭さは去年より増しているように感じている」と警戒。「前3枚の流動性やスペースを作る動きの連鎖で相手を混乱させて、コンビネーションで崩して、締めくくりまでしっかりやり切らないといけない」と、フィニッシュの質を追求する。
今季ここまで7得点はチームトップの数字だが、6試合ゴールから遠ざかっている状態。「毎試合、自分が決めて勝ちたいという気持ちは持っているし、最後2試合もその気持ちはある。でも、それ以外にもやらなければいけないプレーはあるので、プレーの質を意識したい」と、自らの役割を全うする決意だ。
文・写真:井芹貴志(エルゴラッソ熊本担当)
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クリエイティブな発想を生み出す部屋!? リカルド・ロドリゲス監督のお気に入りの場所が判明
最近、練習後にリカルド・ロドリゲス監督がクラブハウスの観覧室2Fにいる姿を見る機会が増えていた。秘密の会合でも開かれているのかと、取材者としては質問のチャンスをうかがっていた。
その理由が、ようやく分かった。今節・大分戦に向けたロドリゲス監督の囲み取材。普段であれば1Fの部屋を使用するのだが、この日はGK陣がミーティングに使用していた時間と重なったために2Fでの取材になった。
真っ先に目に入ってきたのが、部屋の奥にあるラップトップ1台、ノート1冊、リクライニングチェア1脚。取材後に尋ねると、「ああ、これね(笑)。ここで仕事をすると景色も良いですし、リラックスできるんですよ。下の部屋は物が多かったり、ゴチャゴチャしているからね」(ロドリゲス監督)。
作業効率を高め、クリエイティブな発想を生み出すためには環境も大事!
文・写真:柏原敏(エルゴラッソ徳島担当)
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仙台が渡邉晋監督の続投を正式発表。「この歩みを止めてはいけないと思いました」(本人談)
9日、仙台は渡邉晋監督が来季もトップチームの指揮を執ることを発表した。渡邉監督は04年に仙台で選手引退後、育成部コーチなどを務め、14年の4月にトップチームのコーチから監督に昇格した。4季目となる今季は、それまで継続的に構築してきた攻守の組織をより効果的に機能させるために、[3-4-2-1]を基本としたシステムを採用。クラブ史上初のルヴァンカップベスト4進出を達成する過程で西村拓真や椎橋慧也といった若手選手が成長し、チーム力も底上げされた。
チームには、9日の練習前に、クラブハウスで伝えられたという。まず株式会社ベガルタ仙台の西川善久代表取締役社長から発表があり、続いて渡邉監督がクラブからの続投要請を受諾したことについて説明したという。
この日の練習後に取材に応じた渡邉監督は「まだ今季は終わっていない。その中で来季の話をするのは心苦しい」という一方で、「そうすることで、残り3試合により多くのエネルギーを持って進めると思いますし、残り3試合がより重要なゲームになる、と思いました」と、このタイミングでの発表の理由を明かした。
「いまやっているサッカーに手ごたえを得ていますし、それを続けていくことがこのチームの進歩に必要だと思っています。この歩みを止めてはいけないと思いました」と継続性を重視する一方で、「悔しいことのほうが多い」と、まずは現在J1リーグ戦12位という状況の改善をはかる。残り3試合は「良いサッカーをして勝つ」と、結果を出すことで来季につながる成長を示そうとしている。
文・写真:板垣晴朗(エルゴラッソ仙台担当)