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新天地での活躍を期して。横浜FC退団の6選手、それぞれの思い
先週日曜日のJ2リーグ最終節のあと、4日間のオフを取っていた横浜FCが、24日から練習を再開。オフの間に契約満了と来季の契約非更新が伝えられたFW津田知宏、MF寺田紳一、MF野崎陽介、DF楠元秀真、DF小宮山尊信、GK北野貴之ら6選手も連日リラックスゲームで汗を流し、25日は土曜日とあって練習後には大勢のサポーターたちと別れを惜しんでいた。
全選手とも現役続行を第一に考えている。サポーターたちからのプレゼントを両手いっぱいに抱えていた寺田は、「愛されてたんやなって(笑)。みんなに『応援しているから、絶対にサッカー辞めんといて』と言われました」と、モチベーションを新たにしていた。また、一昨季のオフに一度契約非更新を告げられながら再契約となった野崎は、「まだまだできると思うんでね。『年齢が』とか言われますけど、そんなん別に、出たら一緒やし」と強い思いを口にしながら、「ただ、もし横浜を離れるとなると、娘がめっちゃ横浜好きで『横浜におりたい』と言うてるのがお父さんとしては複雑ですね(笑)」と、優しいパパの顔をのぞかせた。
横浜FCで2年目の津田は、「結果を残せず、期待してくれていたサポーターの方に申し訳ない気持ち。プロとしては仕方のない結果なので、また次のところで元気な姿を見せたい」と前を向いた。今季加入の小宮山は「去年からのけががなかなか治らなかったけど、途中から出られるようになって、最後までプレーできた。いろいろな方に感謝です」と述べ、今後については「またご縁をいただけたところでやれれば。そうした縁を大切にしていきたい」と、捲土重来を図る。そして大卒3年目の楠元も、「ここでやれて本当に良かったと思います。チームに貢献できたか分からないけど、自分にとっては大きな経験ができたと思うし、話があれば次のチームでそれを生かしたい」と語った。
今季、GK陣にけが人が続出し3月に急きょ加入したGK北野は、はるか遠くの富士山を見ながら、実に彼らしい言葉で表現した。
「自分の登りたい山と、チームが目指したい山が違っただけなのかなと。今回のことなんて、僕の人生においては石ころに足を取られてちょっと滑ったくらいのこと。それが試練だし、人間を大きくする。まだ僕は日本一の山に登っている途中なので、次はどこか分からないけど、まだまだてっぺん目指しますよ!」
文・芥川和久(エルゴラッソ横浜FC担当)