-
生粋のサッカー小僧。生活そのものを捧げる讃岐の19歳MF佐々木匠
今季より育成型期限付き移籍で仙台から加入した讃岐のMF佐々木匠だが、その存在感は新天地でもすでに輝き始めている。世代別日本代表の常連であるこの19歳は、ピッチで非凡な能力を発揮するだけでなく、サッカーへ取り組む姿勢でも際立つ高い意識を見せる。
日々のトレーニングでは誰よりも先に練習場に現れ、チームの全体練習終了後には最後の一人になるまで居残り練習。
「練習は2時間前から入ってまず体づくりから始めています。(居残り練習では)最後は遊びであっても、やるときはしっかり集中しながらやっていますね。一番最初に練習に来たいし、みんなより多く練習したいんです」
その日々の小さな積み重ねはプロ3年目という若手選手らしいフレッシュさがあふれるところだが、これは「小学校のときからずっと」という少年時代からのルーティーンだという。
サッカー以外にはこれといった大きな趣味を持たず、練習場をあとにしてからも昼食後にジムワークで体づくり。家に帰ってからも「海外サッカーが好きなのでDAZNとかでサッカーを見てしまいますね。そして夜10時には寝ているっていう感じです」と生活そのものをサッカーに捧げている。それはまさにストイックというべきものだが、そこに悲壮感はなく、「いましかできないと思うんで。将来的には海外や代表でもやりたいし、いまやっておかないと」。あどけなさの残る表情で楽しそうに話す様は生粋のサッカー小僧そのものだ。
文:松本隆志(エルゴラッソ讃岐担当)
-
清水は約2時間の非公開練習。チケット完売の開幕戦に向けて「良い練習ができた」(ヨンソン監督)
清水は23日、非公開練習に入った。室内でミーティングを行い、選手たちがピッチに現れたのが10時20分すぎ。冒頭の15分は記者陣にも公開されたが、その後はディフェンスの確認事項、またセットプレーのところも確認したとのこと。セットプレーは、前日の22日に確認する予定だったが、急きょ変更してこの日に行われることになった。
ヤン・ヨンソン監督が練習を終えて記者室に現れたのは12時30分すぎ。つまり、約2時間はピッチで練習をしたことになる。開口一番に「良い練習ができた」と話すように、準備は念入りに行われているようだ。
「開幕戦はいろいろと期待のかかる試合になる。それに対して、選手たちには楽しんでゲームに臨んでもらいたいと思う。ただ、リーグは続くので、気持ちの高ぶりも自制しながら臨んでほしい」
チケットも完売し、大勢の注目を浴びる中で、ヨンソン監督の清水での初陣を飾りたい。
文:田中芳樹(エルゴラッソ清水担当)
-
泰然自若の主将。近藤直也は気負った様子なく開幕の東京V戦を展望
「(昨季から)監督も変わらず、やることも変わらないので特に不安はない。シーズンは長いので、開幕戦だけが良くても仕方がない。細かい修正ポイントも出てくると思うので、そういうところを修正しながら90分を戦っていきたい」
明治安田J2リーグ開幕を2日後に控えた23日、千葉の主将・DF近藤直也はベテランらしく気負った様子なく、東京V戦に向けた心境を語った。
昨季、天皇杯を含めて1勝1分1敗だった対戦成績を踏まえつつ、「東京Vも前(線)に強力な外国人選手がいるので、スペースを与えると、そこを使われる。去年もそういう場面はあったし、攻めているときのリスク管理を意識したい」とカウンターを警戒。ハイライン・ハイプレスの肝となるラインコントロールについては「バランスを見ながらメリハリをつけていきたい」と話した。
システム上はワンボランチ同士の[4-3-3]のミラーゲームが予想されるが、「普通、ミラーゲームだったら、全部ハマりそうだけど、中盤が三角形だからハマらない。ここだけハマらないから、守備の時どうするか」と、同日行われた囲み会見でフアン・エスナイデル監督も同様に挙げていた中盤の攻防がカギを握ると展望。その上で守備時に後手に回った場合の一手の用意があるとしつつも、「あとは監督がゲームの流れを読んで指示が出てくると思う」と指揮官への信頼を口にしていた。
文:大林洋平(エルゴラッソ千葉担当)
-
広島、新体制の第一歩。「自分でもびっくりするくらい楽しみ」(城福浩監督)
2月24日にエディオンスタジアムで札幌との明治安田J1開幕戦に挑む広島。試合前日の練習は非公開にした城福浩監督はセットプレーを主に確認したことを明かした。今季の一つのテーマに、指揮官はセットプレーの改善を掲げている。
「今日の練習はセットプレーをメインにやりました。去年はセットプレー絡みの得点が5点で失点が18失点。もちろんセットプレーになるまでの展開が大事になるんですけど、この数字を逆にするためにはいかに緻密に集中力をもって点を取りにいけるか、失点を抑えられるか。今日はクローズして集中度合いを高めて緻密に確認しました。セットプレーは試合の中でキーになると思いますし、シーズンをとおして5点しか取れなければ難しいシーズンになるので改善していきたい」
全体練習が始動してから開幕まで約1カ月と準備期間は短く、ティーラシンの合流が2月に入ってからだったこともあって城福監督は急ピッチでチーム作りを進めてきたが、開幕戦を目前に控えた心境を問われるとリラックスした表情を浮かべた。
「サッカー王国・広島の実績のあるクラブなので、自分の中でやらなければいけないという考えが先にあって重圧をもっと感じるのかなとも思っていたんですけど、自分でもびっくりするくらい楽しみです。選手たちと一緒に新しいものを生み出していくスタートの日という意味ですごく楽しみですね」
いよいよ明日、城福新体制が第一歩を踏み出す。
文:寺田弘幸(エルゴラッソ広島担当)
-
山口・霜田正浩新監督、初陣へ。「楽しみな気持ちが半分」もう半分は?
2018シーズンの明治安田J2リーグが2月25日に開幕。今季から山口を指揮する霜田正浩監督が、いよいよJの舞台で監督デビューする。
1月14日に始動した山口。熊本とタイでのキャンプを経て、新しいチームづくりはここまで順調に進んだ。霜田監督が掲げる「攻撃的で情熱的なサッカー」を体現すべく、チームはハードな練習に取り組んでいる。練習での同監督の指導は明確で、「グッド」「ナイス」と選手に声を掛けるシーンも多い。
霜田監督について、チーム最年長の坪井慶介は「ブレない部分と、臨機応変にやっていい部分をしっかり区別してくれる。選手として非常にやりやすい」と話し、主将を任された三幸秀稔も「伝え方が分かりやすい。練習では攻守においていろいろな見方・考え方ができる言葉をかけてくれる」と厚い信頼を寄せる。
開幕戦を3日後に控えた2月22日の練習後、霜田監督は落ち着いた様子で「今の心境は、どのくらいできるか楽しみな気持ちと、ホームでの開幕戦なので勝ちたい気持ちがあって『勝たなきゃいけない』と自分で自分にプレッシャーをかけている部分が半分ずつ」と話した。
対戦相手・熊本の分析も入念に行っており、「相手の強固な守備を打ち破るには、前向きな矢印をもっと太くしていかなければいけない」と熊本の守備力を警戒する。
「練習してきたスタイルを出して、目指しているサッカーで勝てれば最高。だけど何よりも勝つことを優先して、90分間ゲームコントロールしたい」とも話し、静かな闘志を燃やして初陣での勝利を目指す。
文・写真:松原純(エルゴラッソ山口担当)
-
徳島の開幕戦で相澤貴志と濱田武の引退セレモニー。「次は指導者仲間として話をしたい」(リカルド・ロドリゲス監督)
目前に迫る明治安田J2リーグ開幕戦。ホームで開幕戦を迎えることになった徳島だが、試合前に昨季まで所属していた相澤貴志と濱田武の引退セレモニーも予定されている。相澤はプロとして18年間(徳島では15年から3シーズン)、濱田は17年間(徳島では10年から8シーズン)と、徳島のみならずサッカー界に大きく貢献してきた存在といって過言ではないだろう。
リカルド・ロドリゲス監督に二人の話をうかがうと「昨シーズンを終えたときに、将来的にどうしていくのかどうかも言葉を交わしました」。結果として相澤は新潟のサッカースクールコーチ、濱田はC大阪のサッカースクールコーチとして第二の人生を歩むことが決まり、「次は指導者仲間として話をしていきたいですし、もし私にできることであればアドバイスすることもできます。彼らにとっては、これまで築いてきた経験を子どもたちに伝えていくことのできる非常にいい職業なのではないかと思います」とエールを送る。
引退セレモニーはキックオフ1時間前の13時予定。盛大な拍手で送り出したい。
文・写真:柏原敏(エルゴラッソ徳島担当)
-
水戸の新戦力FWバイアーノにうれしいニュース。「これでコンディションはさらに上がるよ」
チーム始動以来、着実にコンディションを上げ、前線で存在感を発揮しているFWジェフェルソン・バイアーノ。「日本での生活も慣れてきたのではないか?」と聞いたところ、「チームには馴染めているけど、日本の寒さには慣れない」とのこと。質問をした22日、練習場には雪が舞っており、「雪は日本にきてから初めて見たよ」と苦笑い。そして、「日本料理にもまだ慣れていない」と食事面でも苦労していることを告白。「いまは一人暮らしなので、これから自分でブラジル料理を作って食べたい」と語った。
なかなか日本の生活に慣れずに苦しんでいるバイアーノだが、うれしいニュースもある。最愛の妻が2カ月後に来日することが決まったという。「妻がきたら、毎日ブラジル料理を作ってくれる。そしたらコンディションはさらに上がるよ」と笑顔を見せていた。
文:佐藤拓也(エルゴラッソ水戸担当)
-
開幕に向け、松本が"対横浜FC"の最終調整。前田大然がリベンジを誓う相手とは
(写真)指揮官が見つめる中、最終調整に臨む選手たち
今週末のJ2リーグ開幕を控える松本は、21日より静岡市のJ-STEPにて最終調整をスタートさせた。寒さもあって天然芝の使用できない本拠地を離れ、温暖な環境で万全の準備を整えるための“ミニキャンプ”となる。
22日には開幕の対戦相手となる横浜FCを意識しての、実戦形式の戦術練習に取り組んだ。この試合で先発出場を目指すDF下川陽太は「(横浜FCの)イバ選手は得点力が高く、チームとして抑えることがカギになってくる」、FW前田大然は「昨季の対戦でマッチアップした(カルフィン・)ヨン・ア・ピンには、ほとんど何もやらせてもらえなかった。もし試合に出られたら、リベンジしたいと思う」と、それぞれ意気込みを述べた。
昨季と同カード、同会場となるリーグ開幕戦。0-1で敗れた昨季と同じ轍を踏むことなく、スタートダッシュのためにも白星を狙いたい。
文・写真:多岐太宿(エルゴラッソ松本担当)
-
名古屋・風間監督がサプライズ起用を示唆。開幕戦先発は高校2年生か?
24日に行われるJ1 開幕戦。G大阪と敵地で戦う名古屋・風間八宏監督は、先発メンバーのサプライズ起用をほのめかした。
その人物は、名古屋U-18所属の高校2年生、DF菅原由勢。昨年のU-17W杯にも育成年代の日本代表として出場し、対人能力の高さと落ちついたプレーで存在感を見せた名古屋の育成組織期待の星である。今オフの沖縄キャンプ以降、練習試合では主力組のCBに起用され、今週もずっと主力組でプレーしてきた。
菅原のすぐ隣の右SBを務めるDF宮原和也は「うまくて賢い選手。メンタルも強い。J1開幕戦の雰囲気で緊張もすると思うけど、しっかり助け合いたい」と菅原を高く評価。CBでコンビを組むことになるだろうDFウィリアン・ホーシャは「すごくスピードのある選手。自分はうまくポジションをとるタイプなので、いいコンビになると思うよ」と自信をのぞかせている。22日の練習は非公開だったためその陣容は分からないが、各選手のコメントからすると、菅原が入っていたのは間違いない。
ただ、菅原はまだトップチームに登録されていない。関係者によると現在リーグに2種登録の申請中で、23日にも取得の見込みだと言う。風間八宏監督は菅原の起用について「僕らから見たら普通のことだけど、記者のみなさんにとってはサプライズがあるかも」と明言はせずとも先発での起用を匂わせた。
FC東京のFW久保建英と同学年の17歳。将来の日本サッカーを背負って立つであろう逸材が、いきなり先発起用されるのか、そしてどんなプレーをするのか、要注目である。
文・写真:斎藤孝一(エルゴラッソ名古屋担当)
-
西川周作が開幕戦を展望。「ボールを持っているときのリスクマネジメントを」
21日より3日間連続で非公開練習を行い、明治安田J1第1節・FC東京戦に臨むことになる浦和。その二日目となる22日は、氷雨降る中、約1時間半のトレーニングを行った。練習後、西川周作が2日後に迫った開幕戦に向けて口を開いた。
04年より味スタのリーグ戦では負けのない浦和。ただそんなジンクスを選手は見向きもせず、ただ試合に集中している。「開幕戦で気合いが入るのは当たり前。みんな気持ちの面をコントロールしながら、うまく試合に入りたい」と西川は展望する。
それも、カウンターが鋭いチームを作る長谷川健太監督が新たに就任したことで、「ボールを持っている時間のときのリスクマネジメントが一番重要」(西川)と感じているからだ。前田遼一、ディエゴ・オリヴェイラ、それに大森晃太郎などが絡む速攻は要注意。「みんなの意思疎通がさらに取れて、攻撃も守備も形になってきた」と浦和の守護神は胸を張りながらも、細心の注意を払うことに言及していた。
無失点で抑えて、幸先の良いスタートを。西川が最後尾から引き締める。
文・写真:田中直希(エルゴラッソ浦和担当)
もっと見る