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「フタさんはうまいし怖い。最後に決めるオグリさんも怖い」。G大阪ユースの先輩に挑む新潟の安田理大
J2第7節・熊本戦(1●3)、第8節・岡山戦(0●1)で今季初の連敗を喫した新潟。相手に合わせて不慣れな3バックで臨んだ結果、そのスキを突かれたともいえるが、失点は1対1で勝てなかったことに起因している。これを受け、鈴木政一監督は、試合と同じテンションで練習に取り組むことを、あらためて選手に求めた。12日の紅白戦では、従来の[4-4-2]も試している。
いずれの布陣でも、攻守で質の高いプレーを発揮していた安田理大は「フォーメーションが変わって、みんな考え過ぎたところがあった。シンプルに目の前の相手に負けなければいいだけ」と明快だ。「連敗して、いい意味でケツに火がついている状態。インテンシティー高くやれている」と練習ムードの向上も感じている。
流れを切り替えるためにも、第9節・栃木戦は大切な一戦となる。安田にとって「G大阪ユースの先輩が3人いる。チンさん(寺田紳一)はけがしているけど、オグリさん(大黒将志)、フタさん(二川孝広)とやれるのは楽しみ」という試合でもある。
中でも二川とは、G大阪時代、左サイドで縦関係を組んだ間柄。安田はプロ2年目の2007年、当時監督だった西野朗氏の提案でMFから左SBへ転向し、ポジションを確立していった。「常に俺の前にはフタさんがいた。ムッツリしてあまりしゃべらないけれど、いいボールを出してくれた。フタさんに生かされて、いまの俺がある」と感謝する。
「ここ数年、Jリーグにうまい人は増えたけど、怖い人は減っている。ワンポイントを突いて勝負のパスを出せるフタさんは、本当にうまいし怖い。それを最後に決めるオグリさんも怖い」とリスペクトは尽きない。
しかし、敵となれば勝つのみだ。「二人ともオジさんやから、びびらずしっかり止めて、勝点3をとって帰ってきたい」。栃木の新ホットラインを止め、連敗も止めて、いい流れを引き寄せたい。
文・写真:野本桂子(エルゴラッソ新潟担当)
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いざ『北四国決戦』へ。讃岐のパク・チャニョンとの対戦を待ちわびる愛媛の河原和寿
今節、愛媛は敵地で讃岐との『北四国決戦』に臨む。愛媛のエース・河原和寿は低迷を続けるチームの順位を引き上げる活躍を目指すとともに、ピッチで対峙するであろう元チームメート、パク・チャニョンとの対決に向けても気持ちを込めた。
今季讃岐に完全移籍し、ここまで全試合にフル出場を果たしているパク・チャニョンだが、16年まで2シーズンを過ごした愛媛では多くの出場機会を得られていなかった。
しかし、河原は「愛媛にいるときからチャニョンは日本人にない高い能力があると感じていた。アイツが自信をもって試合に出続けることになれば、すごくいい選手になると思っていた」とかねてからポテンシャルの高さを認めていた。ただ、期待値の高さゆえに当時は日々の練習でチームメートから厳しい要求の声が飛び、「チャニョンは僕のことを怖い人だと思っているかも」と河原自身が叱責する場面も度々あった。
だからこそ、河原は「いま、チャニョンが讃岐で守備の核になっていてうれしい」と大きく成長した姿を喜ぶが、その感情と勝負は別物。「チャニョンのいいところも悪いところもしっかり理解をしている。しっかりスキを突き、1対1の対戦を楽しみたい」と、容赦なく元チームメートへ襲いかかり、チームを勝利に導くゴールを誓った。
文・写真:松本隆志(エルゴラッソ愛媛担当)
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かつてのホットライン。茶島雄介が敬意を表し、心底対戦を楽しみにする相手とは
15日に第9節・町田戦を控える千葉のMF茶島雄介が、東京学芸大の先輩で町田のDF藤井航大との対戦を心待ちにしている。
茶島は藤井の一つ下の学年で3年間、関東大学リーグを戦った間柄。イケメンDFのイメージを問うと、何度も「優しい」を連発し、「性格も男前。怒ったところを見たことがない」と続ける。プレー面については「とにかく、ヘディングが強いイメージしかない。(チームで)一番強かったので、そこをめがけて蹴っていた」と懐かしそうに振り返るように、セットプレーのキッカーだった茶島のボールを、前線に上がった藤井が頭で仕留めるというホットラインを築いていた。
藤井は13年に当時JFLに所属していた讃岐にテスト入団した苦労人でもある。「後輩ながら、航大くんは能力的にプロでやっても間違いないと思っていた。どんな努力をしたかは分からないけど、もちろん努力したとは思うし、のし上がっていま、J2でやっているというのは尊敬できる」と慎重に言葉を選びながら敬意を表す。
茶島はプロ5年目を迎えたが、Jの舞台で大学時代をともに過ごしたチームメートとの対戦はいまだにないそう。開幕戦から先発が続いていた藤井はここ2試合こそ先発を外れているが、出場の可能性は十分。「やってやるぞ」。後輩は心底、先輩との真剣勝負を楽しみにしている。
文・大林洋平(エルゴラッソ千葉担当)
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町田の奥山政幸が“異例”の週間ベストプレーヤー選出
J2第8節・熊本戦での活躍が評価された町田の奥山政幸が、DAZN週間ベストプレーヤーに選出された。
とはいえ本人は「選ばれたうれしさはあるけど、一つの結果として選ばれただけ」と謙遜しており、「今回選ばれたことを過度に意識せず、今後も自分らしくやりたい」と、すでに視線はその先へと向けられていた。
ちなみに今季におけるチーム内でのDF歴代受賞者は深津康太、藤井航大、大谷尚輝ら、複数いるが、彼らはいずれもゴールを決めていたため、熊本戦で無得点だった奥山が選出されたのはチーム内では“異例”のことだった。しかし、奥山本人は「目の前の相手に負けないことを意識していた結果。注目を集めていた田中達也選手とマッチアップしたことも(受賞に)関係していると思う」と冷静に受賞理由を分析している。
今季は左SBのポジションを確保し、開幕からレギュラーを張る奥山。そんな彼の活躍について、目を細めている選手が井上裕大主将だ。
「熊本戦の映像を見たら、もうカバーは必要ないかも、と思えるぐらい1対1に強かった。しかも最近のマサ(奥山)は遠くからでも『裕大、ナイスプレー!』と言ってくれるので、僕の背中を押してくれています」
チーム主将からの“ベタ褒め”に、井上の話を聞いていた奥山自身は、恐縮しきりだった。
文・写真:郡司聡(エルゴラッソ町田担当)