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8試合6ゴール。清水のドウグラスが「フライデーナイトJリーグ」で爆発か
21日(金)に行われる今節の「フライデーナイトJリーグ」は、IAIスタジアム日本平の清水対G大阪となる。その試合では、清水のドウグラスが出場停止から戻ってくることになりそうだ。
今夏の加入後、これまで8試合6ゴール。彼が不在の前節・柏戦では、試合後「明らかなゴールチャンスを12、13ぐらい作れた」とヤン・ヨンソン監督が話すように、3得点を奪い勝利を収めたものの、数多くの決定機で決め切れなかった。そんな状況で彼が戻ってくれば、得点力がアップすることは間違いないだろう。
またG大阪との前回対戦でドウグラスは、清水デビュー戦にして初ゴールを決めている。ただ、「試合は勝てたが、最後の最後まで厳しい試合だった。向こうは負けたくない気持ちでくると思うので、まずは気持ちで負けないこと」と引き締める。現在G大阪との勝点差は『7』。勝って差を広げ、上を目指したい。
文・写真:田中芳樹(エルゴラッソ清水担当)
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神戸の三田啓貴、吉田孝行前監督のオファーに感謝。「前を向いてやっていく」
神戸の三田啓貴が、吉田孝行前監督に感謝している。
今季、仙台から移籍加入した三田。ここまでJ1リーグ戦23試合に出場するなど、中盤の不可欠なプレーヤーとして躍動している。
17日に発表された吉田前監督の降板。20日の非公開練習後、「自分たちが引き起こしてしまった。何とかできなかったのか」と率直に心境を語った三田は、「こうなったのは自分自身の責任、追い込んでしまった自分の責任」と自らを責めた。
その強い思いは、吉田前監督に大恩を感じているからだ。「下でつないでボールをもつサッカーを目指す中で、タカさん(吉田前監督)が『自分が必要だ』とオファーを出してくれた。ヴィッセルに連れてきてくれた。感謝しかない」と恩義が口をついた。
三田は吉田前監督の最後のミーティングでの言葉を伝える。「4位に入ればACL出場権をとれる可能性もある。残り8試合に勝って、ACLにいってほしい」。
道半ばでついえた前指揮官の思いだが、神戸の背番号7の思いも同じだ。「試合は続くので、ヴィッセルのために負けられない。前を向いてやっていきたい」。上位を争う今節・浦和戦での勝利だけを見据えていた。
文:小野慶太(エルゴラッソ神戸担当)
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大黒将志の代わりは純粋無垢なブラジリアン? 栃木・アレックス、次節初出場なるか
次節の京都戦はFW大黒将志が契約上出場不可となるが、代わりの出場チャンスをつかむ可能性がある一人がFWアレックスだ。
昨季はJ3福島で5ゴール。今夏、J3鹿児島から栃木に加入し、ここまで4試合連続でベンチメンバー入りを果たしたが、まだ出場はゼロ。
「でも前向きですよ。監督にはいろいろな選択肢がある中で自分はその一つに過ぎません。何より大事なのはチームが勝つこと。自分が必要になったときに結果を出せるようにしっかり準備を続けるだけです」
ブラジル人選手としては珍しく非常にシャイな性格の持ち主で、取材などでカメラを向けられると非常に恥ずかしそうにする仕草が何とも微笑ましいかぎり。
ただそのぶん、何でも真面目に取り組む姿勢には非常に好感がもてる選手だ。試合に出ていないぶん、走る量が足りないと感じれば、全体練習が終わったあとにグラウンドを一人黙々と走り込む姿もある。
自宅では海外やJリーグの映像をむさぼるように見ながら「真似できそうないいプレーは真似しようと思っている」というストックも豊富だという。
一番好きな選手は元セレソンのロナウド。
「プレースタイルも好きだし、ケガを乗り越えて活躍するたくましい姿にずっと惹きつけられていました」
純粋無垢という印象のアレックスに、次節、ついに出番はやってくるか。ここまで愚直に準備を続けた成果はピッチ上にもたらされるか。アレックスに注目だ。
文・写真:鈴木康浩(エルゴラッソ栃木担当)
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チケット完売の埼スタで岩波拓也が「特別な試合」神戸戦に臨む
浦和のDF岩波拓也が20日、3日後に控えた古巣・神戸戦に向けた思いを語った。
育成組織から昨季まで長く所属した神戸との戦いは、岩波にとって「特別な試合」。前回対戦時はノエスタでCKからヘディングゴールを奪うなど、活躍した。このところパフォーマンスを上げているだけに、今節もチームの連勝のために輝きたいところだ。
「監督が代わって一発目の神戸としては負けられない試合のはず。でも、レッズもここから連勝していかなければならない。お互い、この順位にいてはいけないチームだと思う。いい試合にして、勝って、見ている人に楽しんでほしい」。今季初めてのチケット完売となった埼スタ、熱戦が繰り広げられるだろう。
ただ一つ、岩波にとって残念な点がある。吉田孝行監督が退いてしまったことだ。「そこ(監督)と戦うわけではないですが…。タカさん(吉田前監督)は、選手で一緒にやったときからよくしてくれた方。もちろん会いたかったし、寂しいけれど、仕方ないですから…」。
それでも吉田前監督はどこかでこの試合を見ているはず。岩波はお世話になった人に自らの勇姿を見せる。
文:田中直希(エルゴラッソ浦和担当)
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高木琢也監督が愛弟子・鈴木武蔵にハッパ。「一ケタと二ケタでは全然違う」
長崎の高木琢也監督が愛弟子に二ケタ得点を厳命した。
前節、名古屋戦で自身初となるハットトリックを達成し、チームの8試合ぶりの勝利に大きく貢献した鈴木武蔵。「あの才能を引き出すことが最大の補強」とシーズン前から話していた高木監督にとっては根気強く、指導を重ねてきた成果が表れたと言えるだろう。鈴木自身も「FWに対してのアプローチは勉強になる」とその指導の効果を実感している。
これで今季の得点数を9に伸ばした鈴木だが、高木監督は「これは本人にも伝えてください」とした上で「一ケタ得点と二ケタ得点とでは全然、違う。来年の給料という意味でも500万円は違ってくる。FWというのはそういうもの」と二ケタ得点まであと1得点に迫った鈴木へハッパをかけた。それは現役時代に同じポジションでプレーし、得点という結果で評価されてきた高木監督も感じてきたもの。だからこそ、鈴木に対して二ケタ得点を達成してほしいという親心もあっての言葉だった。
J1残留争いにあって勝つためには得点が求められる。試合を重ねるごとにFWとしての責任は重くなるが鈴木自身は平常心をキープしている。「重みというのは感じていますけど、気負わずに。そこばっかりに気を向けるのではなくて、サッカーを楽しむということをまずやっていこう」という心境を大事にしている。
残留争いに向けて重要な今週末の仙台戦。平常心で臨む鈴木が二ケタ得点を達成し、チームを勝利に導けるか。注目したい。
文:杉山文宣(エルゴラッソ長崎担当)
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前節プロ初ゴールを決めた金沢の山本義道。巡ってきたチャンスをモノにして3戦連続先発中
前節・新潟戦(1●2)、金沢の大卒ルーキー・DF山本義道がプロ初ゴールを挙げた。0-1で迎えた26分、CKをヘディングで叩きつけ、一時同点に追いつくゴールを決めた。
「ボールもよかったので、ピッタリ合いました。叩きつけることを意識してヘディングした。気持ち的にも失点してちょっと下がっていたので、そこで結構取り戻せた」。
その直前に喫していた1失点目に関しては「悔しい。僕のマークの付き方が悪かった」と振り返った山本だが、その直後に自ら1点取り返した。
山本は途中出場した第30節・讃岐戦以降、3試合連続先発中。それまで出場機会はなかったが、巡ってきたチャンスをモノにしたと言えるだろう。試合特有の緊張感や責任がある中でも「楽しめている」という。ヘディングが強く、相手に起点を作らせないハードマークが信条のセンターバックだが、その強さを生かしたセットプレー時の得点も期待される。
文:野中拓也(エルゴラッソ金沢担当)
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ケガで苦しんだ岡山・久保飛翔がついにJデビュー。「サッカーができる幸せを噛みしめられました」
度重なる負傷によってプロ入り後は多くの時間をリハビリに費やしてきた岡山の久保飛翔が前節の京都戦でJデビューを飾った。
3年目でようやく最初の一歩を踏み出した久保は、「サッカーができる幸せを噛みしめられましたし、今まで以上に感謝の気持ちが強くなりました。本当にたくさんの方から連絡をいただいて、こんなに支えてくれる人がいるんだなってことをあらためて感じることができました」と感慨深く振り返る。
デビュー戦で見せたプレーは実に堂々としたもので、「実戦で自分のプレーをやれていた。巡ってきたチャンスをつかめるかどうかっていう賭けに、十分に勝ったと言えるパフォーマンスだった」と長澤徹監督は評価。試合はアディショナルタイムに同点に追い付かれて勝利を逃す残念な結末となったが、久保は「それも自分ではポジティブに捉えようと思っている。あの経験があったから、とこれから言えるようにしたい」と前だけを見つめている。
「ケガがあってデビューが遅れたけど、もともと岩政(大樹/元日本代表)の後継者という位置付けでクラブが獲得した選手」(長澤徹監督)。岡山を支えていくディフェンダーとして期待される大器の今後に注目が集まる。
文・寺田弘幸(エルゴラッソ岡山担当)