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静岡ダービー当日は30歳の誕生日。清水・村田和哉が狙う「主役」の座
明日7日は、IAIスタジアム日本平で静岡ダービー(清水vs磐田)が開催される。
前回の台風24号で静岡県西部を中心に停電などの被害も広がっており、「両チームが試合をとおして、そういう人にも元気を与えるようなプレーをしなければいけない」と話すのは清水の村田和哉。また、その日は村田の30歳の誕生日でもある。「周りの選手を見れば年をとったなと思う」と話すが、まだまだスピードは脅威になる。それを示したのは、第27節・G大阪戦。右サイドの突破からチャンスを作ると、アディショナルタイムにはポスト直撃のシュートを放つなど、存在感を見せた。「今度はポストに当たってもゴールに入れられるように」。今季はまだ得点がないが、「静岡全体としてもビッグイベント」という今節に、「主役になりたい」と意気込んでいる。
文・写真:田中芳樹(エルゴラッソ清水担当)
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出場停止明けの山形・松本怜大、古巣・町田での試合を前に気にしていたこと
前節・松本戦は出場停止だった山形の松本怜大が、今節の古巣・町田戦出場への意欲を高め、着々と準備を進めている。
松本にとって、町田は15年から3シーズンプレーした古巣。15年はJ3からのJ2への再昇格にも貢献するなど思い入れのあるクラブだ。ホームでの前回対戦ではフル出場を果たしたが、2-1と逆転して迎えた終盤に、町田のFKから自身の頭上でドリアン・バブンスキーのヘディングを許し、同点に追いつかれている。そして順位も相手のほうがが上。さまざまな思いを込めて、松本は「去年までいたチームなので、絶対負けたくない」と静かに闘志を燃やしていた。
もちろん、相馬直樹監督のサッカーを身をもって知ることもプラス材料となる。「ボールサイドでプレスをかけて前向きにボールをとりにくるチームなので、コンパクトになるぶん、そこで一歩はがされて逆サイドに持っていかれると、守備の力はそんなに強くない。実際、自分がいたときにやられるのはすごいイヤだった」
J1参入プレーオフ進出へ引き分けも許されない状況にも、「可能性は残ってるので、あきらめずに続けていくことだと思います」と気丈に話す松本だが、アウェイチームとして初めて野津田に乗り込むことを聞かれるとちょっぴりサポーターの反応が気になるようで、「歓迎してくれるといいんですけど(笑)」と表情を緩めていた。
文・写真:佐藤円(エルゴラッソ山形担当)
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パワフルプレーに加わるキレ。伊佐耕平が見せる進化の秘密
目下4連勝中。FW藤本憲明が11得点、MF馬場賢治とFW後藤優介が各10得点、FW三平和司が7得点と、前線のメンバーを筆頭に全63得点でリーグ最多得点を記録する大分だが、フィニッシュ前の巧みなお膳立てもその好調を支えている。試合ごとの狙いによってキーマンが変わってくるところも、今季の大分の特長だ。
ここ最近、これまで以上に存在感を輝かせているFW伊佐耕平もその一人。1トップで先発した前節・水戸戦ではダイナミックなダイビングヘッドで先制点を奪っただけでなく、高い身体能力を武器に球際で競り合ってはボールを散らしたり、自らディフェンスラインの背後を突いたりと、幅広いプレーで好機構築に貢献した。典型的なCFタイプの伊佐だが、第34節の山口戦では後半からシャドーでもプレーし、新たな一面を見せた。
そのパワフルなプレーを生み出すのは、筋トレおよび卵の白身とせせりを軸とした食生活で築かれた驚異の肉体。パワーをもたらすために励んだ肉体改造の賜物だが、少し前に「ちょっと重いと感じて、トレーナーに筋トレメニューを変えてもらって2kg落とした」という。迫力はそのままにキレが増した秘密は、そのあたりにありそうだ。
練習帰りにはムッチリした脚線美がダイレクトに表現されるピチピチのジーンズ姿を披露して、三平から「タイツ」呼ばわりされていた。7日に開催される今節・京都戦でも、その躍動が期待される。
文・写真:ひぐらしひなつ(エルゴラッソ大分担当)
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残り7試合の誓い。全体練習合流を果たした千葉のゲリア「戦う姿勢と人間性、自分の強い個性を出していく」
9月1日の第31節・山口戦で左ふとももを負傷し、離脱していた千葉のDFゲリアが先週から全体練習に合流。今節・熊本戦の復帰が期待される。
4月以来、実にリーグ21試合ぶりの先発となった山口戦では好パフォーマンスを披露した。フアン・エスナイデル監督に「ある程度、ポジションを勝ち取ったと思っている」と言わしめ、高評価を勝ち取っていた経緯がある。ゲリア自身も「チャンスがきたときに準備ができていないといけない。そこに目を向けてハードワークを続けてきました。みんなのフィーリングが合ったゲームだった」と手ごたえ十分だっただけに、残念なケガとなってしまった。
ただ、「過ぎたことなのでこれから目を向けるのは次のゲームです」とすでに気持ちを切り替えてもいる。16位に低迷しているチーム状況には危機感を抱いており、「チームとして戦うことができれば、自分たちは申し分のない力をもっている。自分としては戦う姿勢や人間性など自分の強い個性を出していくことが勝負の分かれ目になってくると考えているので、そういう姿勢を全面に出していきたい」と残り7試合の意気込みを語る。
母国の豪州を離れ、Jリーグに飛び込んだ1年目。日本の文化やライフスタイルなど慣れないことだらけだった。それでも、「何もかもが新しく、順応しなければならないことも多かったので大変な部分はあったのは事実だけど、一つでも多くの言葉を覚える努力をしたり、日常生活でできることに取り組んできた。いまは100%とは言えませんが、順応していっている状況ですね(笑)」と来日からの7カ月を振り返る余裕もできた。
リーグ戦終了まで2カ月弱。普段は読書が趣味で知性を漂わせるゲリアにとって、異国での新たなチャレンジを有意義なものにするためにも、この2カ月間の結果が重要になるのは言うまでもない。
文・大林洋平(エルゴラッソ千葉担当)
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“ガンジーさん”白沢敬典通訳。大阪ダービー、特別な感情をもって迎えるもう一人の男
両チームが激しい火花を散らし合う大阪ダービー。アウェイのヤンマースタジアム長居に乗り込むG大阪の宮本恒靖監督を筆頭に選手たちも気合十分だが、特別な感情をもってこのダービーを迎えるのが“ガンジーさん”こと白沢敬典通訳だ。
C大阪でも長年、ブラジル人監督や選手たちをサポートし、Jリーグ屈指の敏腕通訳として知られる白沢通訳にとっては、かつての古巣に乗り込むことに。
「とりあえず楽しみです。3年ぶりぐらいに長居にいく楽しみもありますが、最後は勝たないと」と言い切る。その姿はすっかり“青黒のガンジーさん”だった。
文・下薗昌記(エルゴラッソG大阪担当)
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これから始まる死闘・大阪ダービー。韓国人エースに代わって先発濃厚のアデミウソン「準備はできている」
FWファン・ウィジョを出場停止で欠いて挑む、本日6日の大阪ダービー。韓国人エースに代わって先発が濃厚なのがFWアデミウソンだ。
5日の非公開練習を終え、取材に応じたアデミウソンは「個人的にも準備はできている。勝てば降格圏内からより抜け出せるので土曜日は勝利を目指したい」と気合十分。サンパウロFC時代にも数々のダービーを経験してきた背番号9だけに“ダービー”がもつ意味は理解済みだ。
「今季、まだ2ゴールなので本人も納得していないと思うし、残り試合の大事さを考えても、発奮材料にしてもらいたい」と宮本恒靖監督もアデミウソンの爆発を待つ。8月10日のFC東京戦では終了間際に、アデミウソンらしいゴラッソで決勝点。パナソニックスタジアム吹田を歓喜の渦に巻き込んだアデミウソンは「毎試合、本来の自分を見せたいと思ってプレーしてきたが、6日もそれを心がけたいし、チームの勝利に役立ちたい」と話した。
文・写真:下薗昌記(エルゴラッソG大阪担当)
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青木亮太と和泉竜司。名古屋の未来を担う“AI”、そろって先発出場へ
7日の今節・FC東京戦、名古屋生え抜きのMF青木亮太とMF和泉竜司の2選手が、5月5日の横浜FM戦以来、久しぶりにそろって先発出場を果たしそうだ。
先週は台風24号の影響で試合が延期となった名古屋。今週の練習ではFWジョーと2トップを組む相方には青木が、累積警告で出場できないMFエドゥアルド・ネットの代役には和泉が試されていた。
二人とも昨季は中心選手として、1年でのJ1復帰に貢献しブレイクしたが、今季はケガやJ1の壁に苦しみ出場時間が減少している。和泉は明治大から、青木は流経大柏高から名古屋に入団したいわゆる生え抜きで、サポーターも期待する向きが多い。
青木はケガの影響もあり5月12日の第14節・長崎戦以来の先発が濃厚。直近の試合にあたる9月22日の第27節・川崎F戦では、和泉に代わって後半から出場したものの、「復帰最初のゲームとしては悪くなかったが、もっとチームを活性化させたかった」と納得し切れなかった。一方、その試合が7試合ぶりの先発だった和泉も、思うようなプレーができず、前半だけで青木と交代。「気持ちを切り替えたい。次の試合で修正することが大事」とリベンジに燃える。
報道陣に公開された今週の練習後には、並んでクールダウンをしていた二人。7連勝中は特に新加入選手の活躍が取り沙汰されていたが、二人とも「以前からチームにいる選手としてのプライドもあるし、去年J1に上げた思いもある」と、ようやく巡ってきたチャンスで結果を残したいという気持ちを強く持っているという。
近年AI(Artifical Intelligence人工知能)の発達は目覚ましいものがある。こちらのAI(青木・和泉)もどんどん成長してもらわないと、名古屋の明るい未来が見いだせない。アートのような(※意図的に誤訳、抜粋しています)青木のドリブルと、インテリジェンスあふれる和泉のゲームメークで、チームを勝利に導きたい。
文・斎藤孝一(エルゴラッソ名古屋担当)