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2戦連続先発が濃厚な千葉・エベルト。コメントから分かる好漢っぷりと高いプロ意識
贔屓目抜きに千葉の外国籍選手は皆、好漢だ。
前節・熊本戦(3〇1)の逆転勝ちに貢献したDFエベルトもその一人。「試合に出られるとうれしいし、勝利を得られたのはさらにうれしいです」。チームは2連敗中で、個人的にも7月以来、11試合ぶりの先発出場となった中での白星だっただけに喜びもひとしおだった。
途中出場した9月9日の第32節・岡山戦(2〇0)もクリーンシートに貢献。勝ちゲームのあともコンスタントに出場機会を得られない状況でモチベーションを保つのが簡単ではないのは容易に想像できる。その心中を素直に明かしてくれた。
「プロになってから心掛けていることですが、試合に出ていなくても常に100%の状態をキープすることが求められています。そして、自分には役割が回ってきたときに最高のパフォーマンスを発揮する義務があります」
それを愚直に実践し、結果につなげた。それを支えているのはプロとして生活している幸福感だ。「もちろん出番が回ってこないときに悔しい気持ちはありますが、何より自分の仕事を誇りに思っていますし、ベストを尽くすことが仕事なので、それができていること自体が幸せです」と言い切る。
14日の今節・山形戦は2戦連続の先発が期待される。「目の前の試合にすべてを捧げます。今シーズン、連勝が少ないので、魂を込めて戦い、おのずと連勝をモノにしたいですね」。最後にメディアから「今季4点目も期待しています」と告げられると、「自分も期待しています。左足よりも得意のヘディングでね(笑)」と、はにかんだ笑顔がとてもチャーミングなブラジリアンである。
文:大林洋平(エルゴラッソ千葉担当)
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末恐ろしい5歳。選手名鑑を熟読する馬場賢治の長男がついに戦術ボードに手を出す(ただし父親はベンチ)
FW伊佐耕平やFW三平和司ら選手たちがチームの日常を伝えるインスタグラムがサポーターに人気の大分だが、MF馬場賢治のアカウントは別の意味で熱い視線を集めている。
そこではしばしば馬場の家庭での子どもたちの様子が垣間見えるのだが、とりわけ目を引くのが、5歳になる長男の動向だ。以前からJリーグ選手名鑑を熟読してはDAZNでJ2を観戦し、選ぶカードも渋いというマッドぶりで知られていたが、このたびついに遊具の中に戦術ボードが加わったという。
自チームとして動かすのは父の所属する大分で、マグネットには実在の選手の背番号が記されている。父をベンチスタートさせるシビアさを持ち合わせており、父はなんとなくその理由を聞けずにいるが、息子は「パパはさんぺーくん(三平)と交代して途中からね」と淡々とシミュレーションを続けているようだ。[4-4-2]の相手チームの最終ラインの選手間が妙に広く取られているときなどもあるそうで、奥深い意図をもっていると推察される。
DAZNも「俺より見ている」(馬場)そうで、「今日の松本は[3-5-2]だった」と鋭い指摘を挟むことも。最近はJリーグ選手名鑑を網羅して、父の買ってきた海外選手名鑑を奪い読みふけっているようだ。そのうち観戦講座など開いてくれるとうれしい。
文:ひぐらしひなつ(エルゴラッソ大分担当)
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新潟・川口尚紀が語る、今節の対戦相手・甲府にまつわる二つの縁
新潟は13日、山梨中銀スタジアムでJ2第37節・甲府戦を戦う。今季ホームで対戦したJ2第17節では、前半のうちにセットプレー3発を決められて1-5で大敗。アウェイで借りを返し、今季初の6連勝を狙う。
警戒すべき選手の一人が、前回対戦で“恩返し弾”2発を決められた元新潟の小塚和季だ。川口尚紀にとって、小塚は高卒ルーキーとして13年に新潟へ加入した同期。小学生時代から、地元の選抜チームに川口と小塚だけ飛び級で選ばれるなど、付き合いは長い。甲府との前回対戦時、メンバー外だった川口は「戦うのは初めて。やっと一緒にピッチに立てる」と心待ちにする。小塚に対し「要注意ナンバーワン選手。こっちがイヤなところにボールを入れてくるので、パスを出される前に厳しくいってつぶしたい。スペースでフラフラしているので、ボランチとCBと連係して抑えたい」と意気込む。
また川口にとって、甲府の上野展裕監督は新潟ユース3年次の監督。それまでチームでFWや右サイドハーフを務めていた川口は、上野監督の下、年代別代表で経験のあった右SBにコンバートされ、ビルドアップを教え込まれた。「上野さんとの対戦は2回目なので楽しみ。SBとしての成長を見せたい」。16年に川口が期限付き移籍先の清水で、当時、上野監督が率いた山口と対戦(16年J2第20節。4-0で清水が勝利)した以来の再会となる。
現在は、新潟ユース1、2年次の恩師だった片渕浩一郎監督の下で、SBとして活躍を続けている川口。縁ある試合は、思い入れのある一戦となりそうだ。
文・写真:野本桂子(エルゴラッソ新潟担当)
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大分との大一番を戦う町田。選手たちのモチベーションは最高潮に
ホーム連戦となる今節の大分戦は、J2の優勝争いを占うと言ってもいい“大一番”。町田は“一戦必勝”を貫く中でも、選手たちはシーズン終盤に上位対決を戦えることに大きな価値を見いだしている。エースの鈴木孝司は「一戦一戦、大事に戦うことは変わりないけど、優勝を狙うにはそれを大きく左右する試合になる」と話し、大分戦に向けて、次第に気持ちを高ぶらせている。
もっとも、チーム内には3-4で敗れたアウェイゲームに雪辱を期す選手もいる。開始早々の12分に退場処分を食らった深津康太は「前回対戦の借りを返したい」と話した。いずれにしても、首位チームとの“ビッグゲーム”を前に、選手たちのモチベーションは最高潮に達しつつある。しかも今節はホームで戦えるアドバンテージも、勝利に燃える選手たちの後押しになるだろう。
「ホームのパワー・エネルギーをいただきながら、自分たちのすべてを出し切って、首位に立ち向かう試合を勝点3に変えたい」
チームを率いる相馬直樹監督は、野津田に集うファン・サポーターに向けて、力強い“共闘”を呼びかけた。
文・写真:郡司聡(エルゴラッソ町田担当)