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普段とは別の練習場で準備を進める長崎。残留争いについては「前向きに、積極的にやれたらいい」(磯村亮太)
今週、チームは島原市にある島原市営陸上競技場で磐田戦に向けての準備を進めている。これは普段、使用している諫早市のなごみグラウンドの芝のオーバーシードのため。諫早市からは1時間強の距離があり、チームは島原市内のホテルを団体予約の形で押さえ、希望者は泊まれるように対応している。3分の2ほどの選手がホテルを利用しているとのことで、結果的にはミニキャンプのような形となった。
最下位という現状だが練習では暗い雰囲気も感じられず、引き締まったものになっている。磯村亮太も「残り5試合にこれだけ残留の可能性を残しているというのはすごくポジティブなこと。前向きにとらえながら積極的にやれたらいい」と話した。まさにその言葉をチーム全体で表しているような雰囲気となっている。高木琢也監督も「もちろん、(チームの誰も)楽観視はしていませんし、今の状況を自分たちで受け止めながらやっている。その中で最大限に力を出そうということは選手たちもやってくれている」と評した。
それに中村慶太は「うちはみんな、明るいから大丈夫」と笑顔だ。残留争いは残り5試合という最終局面に入る。元々、挑戦者として臨んだ今シーズンの長崎。その姿勢には何の揺らぎも見られない。
文:杉山文宣(エルゴラッソ長崎担当)
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千葉の矢田旭、残り試合はジェフの「プライドとサポーター」のために戦う
リーグ戦終盤に差し掛かる中、千葉のMF矢田旭が好調だ。いや絶好調と言ってもいいのではないか。それぐらいの出来だった。インテリオール、サイドハーフとポジションを変えた前節・山形戦(2〇1)。随所にハイクオリティーなプレーを見せつけ、2連勝に貢献した。
「みんなでボールを運んでいるが、それだけでは崩せないというのはやっぱり自分の中の意識にあります。高い位置で1対1になれば、ドリブルで仕掛けるのはもちろん、(中盤でもマークを)剥がすことによって一気に数的優位になるし、スピードに変化を加えることも意識しています」
千葉は山形戦を含めて6戦連続で3バックの相手と対戦。5バック気味にして守備に重心を置くチームもあり、ボールを保持しているものの、残り3分の1での崩しが課題だった。細かな戦術の違いもあるので一概には言えないが、山形戦はその課題を一気に克服した。その一翼を担ったのは“持ってよし”、“抜いてよし”、“出してよし”の3拍子そろった背番号20だったのは間違いない。もともとオールラウンダーのイメージはあるが、中央でのドリブルからのチャンスメークは真骨頂だろう。
好調の要因を問うと、「どうなんでしょうね…。1対1の局面で剥がしたり、球際のボールを触れたりしているときは、コンディションがいいのかなとは思います。ポジション争いが激しいですし、(その効果が)いい意味で出ているのかもしれませんね」と少し困ったように照れ笑いを浮かべる。一方、残り試合に話が及ぶと、秘めた想いがほとばしった。「自分たちのプライドのためにも、いまの順位を一つでも上げてシーズンを終える。それがきっと来年につながる。前節、(7月25日以来、)ホームで勝ててホッとできましたが、次もまたホーム。(サポーターが)たくさん来てくれると思うので(応援を)力に変えてまた勝ちたいですね」。J1昇格争いに絡めていない現状に納得できているはずがない。では残り5試合、何をモチベーションに戦うのか。矢田の答えは“ジェフのプライド”であり、“サポーター”である。
文:大林洋平(エルゴラッソ千葉担当)
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清水のドウグラス出場微妙! そこで期待高まるミッチェル・デューク、「チャンスに向けてやっていくのみ」
清水のヤン・ヨンソン監督は、「ドウグラスは、(左足ハムストリングの)検査結果を見ても問題はなかったが、本人には違和感があるようだ。今週末はまだ早いのかなと思う」とドウグラスの今節の欠場を示唆している。そこで期待が高まるのは、ミッチェル・デュークだ。
デュークは9月4日から10日まで、トルコで行われた豪州代表のトレーニングキャンプに参加するなど、後半戦に入ってから好調を続けていた。代表から戻ってきて最初の試合である第26節・柏戦はドウグラスが不在の中、決勝点となるチーム3点目に絡む活躍を見せた。それでも翌節から外国人枠の関係もあり3試合続けてベンチ外。そのことで次の豪州代表に呼ばれることもなかった。
「途中出場だったり、ベンチに入れない時もあった。それでも毎試合、毎試合準備するのは難しかった。悔しい思いもあったが、サッカーではそういうことは起こりうる。次のチャンスに向けてやっていくのみ」
今節に訪れたチャンス。今季リーグ初ゴールを決めてチームの勝利に貢献し、外国人枠争いでも優位に立ちたい。
文・写真:田中芳樹(エルゴラッソ清水担当)
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日本代表戦に刺激を受け、柏との古巣戦に挑む名古屋の中谷進之介
小学生のころから慣れ親しんだ黄色のユニホームに別れを告げ、今夏・名古屋に完全移籍した中谷進之介が初の古巣戦に挑む。
「正直、柏とは残留争いのライバルとして戦いたくなかった」と中谷。本紙のコラムにもその思いを書きつづったが、ここでは書ききれなかった意気込みなどを紹介する。
「名古屋のバスで行って、柏のホテルに泊まるのは違和感がありますね」(中谷)とは、古巣対決ならではの感覚だろう。思い出の多い日立台に敵として立つ姿は想像できているようだ。そんな中で対決するにあたり要注意選手を聞くと、「全員かな」とはぐらかした。
しかしさらに突っ込むと、「クリス(クリスティアーノ)とJ(伊東純也)の両翼はJリーグでも屈指。純也くんは日本代表にもなったし、あの人がいて助かったことも多いので、そこはポイントとして抑えたい」と、3つ年上の快速ドリブラーの名を挙げた。
その伊東が活躍した代表戦もしっかりチェックしていた中谷。パナマ戦の伊東のゴールを喜びながら、世代別の日本代表で一緒に戦った南野拓実からも刺激を受けたようだ。「拓実くんもすごかったですね。U-19で一緒にプレーした時は拓実くんのチームで、僕はついていくだけだった」と懐かしむ一方、「やはり(代表の)候補に入れるようになりたい」と、中谷も代表への欲が出てきた。
日本代表に選ばれるためには来季もJ1で戦うことが重要。くしくも古巣対決が残留争いの大一番となってしまったが、柏戦を落とすと、ことさら危険ゾーンにはまり込むこと必至。そうならないためにも中谷の活躍が必要不可欠だ。
文:斎藤孝一(エルゴラッソ名古屋担当)
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[本日のエルゴラッソ1面]等々力で魅せる。そして、勝つ
[明治安田J1第30節 プレビュー]
■川崎F vs 神戸
勝つために。どちらがボールを握るか[明治安田J2第38節 プレビュー]
■横浜FC vs 大宮
イバと大前元紀。いまこそ“10”の輝きを放つとき[日本代表]
■日本代表 vs ウルグアイ代表
痛快な4ゴール。高揚感あふれる化学反応