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清水のドウグラスが練習に完全合流。「(負傷した)クリスランのために戦いたい」と意気込みを語る
前節ケガで欠場した清水のドウグラスが、26日の練習に完全合流した。左ハムストリングに張りを訴えていたが、「もう問題はない」と、10対10のミニゲームにも参加。得意のアクロバティックなプレーも見られた。
前節・広島戦では、ブラジルトリオの1人、クリスランが右膝前十字靭帯を損傷し、治療のため24日にブラジルに帰国している。そのため、ドウグラスにかかる期待はさらに高くなっている。
「(クリスランの帰国は)悲しいし、寂しい。残り4試合、彼のためにモチベーションを上げてやっていきたいし、彼のために戦いたい」
ドウグラスは友人の気持ちも背負い、残り4試合の勝利を誓った。
文・写真:田中芳樹(エルゴラッソ清水担当)
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千葉のラリベイが狙う2戦連発。捧げたい人は家族、そして「世界一のサポーター」
「ゴールが勝利につながらなかったのは悔しいですが、個人的には長い間、点をとれてなかったし、自分が“できる”というところを見せられました」
21日の前節・大分戦(2●4)で3カ月ぶりとなるゴールを決めた千葉のラリベイ。クロスを体ごと押し込んだ気迫の一発をこう振り返る。
うれしい理由はもう一つある。「実は妻と娘が(22日の)月曜日に帰国したのですが、大分戦は今シーズン、彼女たちが日本で観られる最後のゲームでした。そこで点をとれたから、なおうれしかったんです」。奥さんは現在、第2子を妊娠中。11月末に出産予定のため、母国・アルゼンチンへ一足早く帰国の途に就いたという。
そして、いまは親、兄弟で唯一、来日していなかった長兄が日本に滞在中といい、「やっと兄がきてくれました。両親がきたときも、もう一人の兄がきたときも、妹がきたときもゴールを決めたので、今度は兄に捧げるゴールを決めたいですね」と意気込む。
ただ、“捧げたい人”は家族だけではない。この2年間支え続けてくれたサポーターたちもだ。
「いろいろな国のチームでプレーしてきましたが、これほどまでに温かさを感じさせてくれるサポーターはほかにいませんでした。自分の来シーズンの去就はまだなにも決まっていませんが、自分はぜひジェフでプレーしたいと思っています。いま間違いなく言えるのはジェフのサポーターは世界一だし、そのサポーターの前でプレーできたことは特別な経験になっていることです。そのサポーターに喜びを与えるゴールを決めたいですね」
最後に「家族が帰国して寂しくないですか」と尋ねると、昨季のチームトップスコアラーは微笑みながら口を開いた。
「もちろん寂しいですが、いまの自分には家族のような存在が日本にいます。これだけのモノを与えてもらい、温かくしてもらっている。いまは日本が自分の居場所だと感じています」
文:大林洋平(エルゴラッソ千葉担当)
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昂る仲川輝人。奇抜なトリコロールヘアーでタイトル奪取へ
5年ぶりのタイトル、17年ぶりのリーグカップ制覇に向け、横浜FMの誰もが気持ちを昂ぶらせている。中でも目に見える形で気合いを入れているのが仲川輝人だ。
冒頭15分のみが公開されたトレーニングを終え、報道陣の前に姿を見せた仲川の左側頭部は何とトリコロール仕様になっていた。仲川は報道陣に囲まれると「そんなに見られると恥ずかしい」と笑いながら、「シンプルに気持ちを入れた」と説明した。
リーグ戦は3試合連続ゴール中、ルヴァンカップでもここまで4得点を決め、準決勝では第2戦で2戦合計4−3の決勝点となるゴールを決めていた仲川。明日は横浜FMの攻撃を牽引するドリブルと決定力はもちろんのこと、「決勝限定」の奇抜な髪型にも注目だ。
文:菊地正典(エルゴラッソ横浜FM担当)
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決勝に間に合うか!? 横浜FMの伊藤翔と遠藤渓太が自身の状態について語る
明日27日に行われるルヴァンカップ決勝・湘南戦に向け、横浜FMの伊藤翔と遠藤渓太が負傷の状態について説明した。
左ひじ骨折で全治8週間と診断されながらも、受傷から4週間程度で完全合流した伊藤は、完全非公開だった25日の練習とこの日の練習もフルメニューを消化した模様。「この前も言ったように、メンバーに入る前提で話をしているけど、(監督やスタッフからは)何も言われていないから明日メンバーに入らなかったらどうしよう」と笑いながらも、「腕はそんなに心配していない。セットプレーでガチャガチャなったりしても大丈夫そう」とコメント。さらに「最悪、折れたら折れたでもう1回(治療することになる)という感じだけど、折れることはないと思う。腕のリハビリをするよりも(出場して)勝てることが一番いい。誰が点をとっても、どんな形でもいいから、とにかく勝ちたい」と出場への意欲とタイトルを渇望する気持ちを示した。
20日のG大阪戦で左ハムストリングを負傷した遠藤は、報道陣に公開された冒頭15分の間は別メニューで調整。「ケガ自体はそんなに長引くものではなかったし、やれることをしっかりやっている。痛みは引いてきているし、だいぶいい感じになってきた」と状態を説明。出場可否に関しては「気持ちの問題じゃないですか? やれると思えばやれる」としながらも、「使うかどうかを決めるのは監督だし、僕の口からは何とも言えない」とするにとどめた。
ルヴァンカップの得点ランクトップに立つストライカーとニューヒーロー賞を受賞したドリブラー。横浜FMにとって重要な戦力である彼らは大舞台に立つことができるだろうか。
文:菊地正典(エルゴラッソ横浜FM担当)
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坪井慶介、15試合ぶりの戦線復帰。ピッチ内外で最年長が与える好影響
山口の最年長選手・坪井慶介が15試合ぶりに戦線復帰した。
坪井は9月初旬に負傷し、長く別メニューでトレーニングに励んでいた。霜田正浩監督は「練習試合を経験させ、90分のゲーム体力を回復させてからリーグ戦で使いたかった」が、前節・讃岐戦は高木大輔と前貴之が累積警告で出場停止。主力選手2人を欠く緊急事態に「賭け」に出た。「体力的な不安はもちろんあったが、坪井は賭けをするに値する選手。信じて使った。経験とリーダーシップとコーチングで何とか凌いでくれた」と話す。
山口にとってはJ1参入プレーオフ圏内進出の望みをつなぐために、何としても勝点3がほしい一戦だったが、結果はスコアレスドローで勝点1に終わった。6試合ぶりのクリーンシートではあったが、坪井は「それに満足できる内容だったかというと、そうではない。できなかった部分、もっとやっていかないといけない部分に目を背けずにやっていきたい」と話す。
今季から山口に加入した坪井は、クラブ史上初の日本代表経験者。練習から手抜きをせずに取り組み、後輩たちはその姿勢から多くの学びを得ているようだ。
主将の三幸秀稔は「ツボさんは底の見えない人で、どれだけ考えながら生きているんだろうと思う。あそこまではいけない、ツボさんにはなれないとこの1年でわかった。この人生だけじゃ足りない」と坪井を慕い、意見を交わしながらさまざまなアドバイスも受けている。
坪井も「今の若い選手は本当に上手だし、サッカーもよく知っていて、才能溢れる選手がいっぱいいる」と後輩をリスペクトし、「そういった選手たちに僕は負けないように努力を続けるだけ」と笑顔を見せる。
文・松原 純(エルゴラッソ山口担当)
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湘南、横浜FMに関わりがある甲府DF高野遼、ルヴァンカップ決勝の予想は……
横浜FMアカデミーで育ち、日体大時代は特別指定選手として湘南でプレー、卒業後は横浜FMに加入し、現在甲府に期限付き移籍中の高野遼。この高野に今季のルヴァンカップ決勝の行方について予想を聞くと「マリノスもベルマーレもプレーさせてもらったので…どうなりますかねぇ。ベルマーレはアグレッシブにプレッシャーにいくと思うし、マリノスはうまくポゼッションしてそれを上回ろうとするでしょうね」と読めない様子。言いにくいのは承知で「どっちが勝つと思う?」と聞くと、しばらく悩んで「マリノス」と一言。結果はどうなるか。
文・松尾 潤(エルゴラッソ甲府担当)
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筋力を上げて復帰。徳島MF井澤春樹が練習合流
4月に負ったけがの影響で全治4カ月と診断され、その後のリハビリも含めて長期離脱していた徳島の井澤春輝が練習合流。「リハビリ中はグラウンドに出てボールを蹴れないことが一番辛かった。いまはとても楽しい」。
負傷した時期を振り返ると3勝2分5敗とチームが最も苦しんでいた時期だった。そして、負傷した練習試合は、第10節・讃岐戦(0●1)の翌日。好機を多数作りながらも1本の決定機を許して敗戦した次の日だった。練習試合に出場した選手たちは、自分たちが練習試合から流れを変えようと必死にプレーしていたのが印象的だった。責任感の強い井澤は、より強く勝利に執着してゴールを意識していた。それだけに残念な離脱となってしまった。
離脱中は「ウズウズして、(サッカーを)やりたいのにやれない。我慢していた」。サッカー小僧らしく“プレーをしたい”という思いを形にできなかったことが苦しかった。だが、その期間を使って筋力アップに励んだ。「僕は筋肉が少なかったので、復帰してからはキック力などが上がっている印象がある」。時間を無駄にすることなく成長につなげてきた。
まだまだけがの怖さもある時期だが「練習が始まると無心になる」と積極的にプレーしている。チームに元気な笑顔が戻ってきて何よりだ。
文:柏原敏(エルゴラッソ徳島担当)
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「誰一人あきらめていない」。復帰を果たした讃岐FW福家、J2残留の起爆剤に
前節・山口戦(0△0)で長期離脱から復帰した讃岐のFW福家勇輝が、J2残留の起爆剤となるため、ゴールの感覚を研ぎ澄ませている。
3月、右膝前十字靭帯損傷で全治6カ月と診断され、リハビリも含めると約8カ月ぶりの本格復帰となった。本来であれば練習試合を1つ挟む予定だったが、チーム事情もあってぶっつけ本番でのメンバー入り。だが、途中出場すると試合離れを感じさせないアグレッシブな姿勢でゴールまであと一歩に迫るなど存在感を示した。
結果については「得点を取る役割で起用された中で果たせなかったことは悔しい」と吐露したが、復帰後の初試合で「怖さもあったが、全員が必死でやっている中でそうは言っていられなかった。試合が終わってみて膝の状態は悪くなっていなかったのでホッとした」と次に生かすために自分の感覚を確かめられたことは収穫でもあった。
現在は降格圏の21位。J2残留に向けて「誰一人としてあきらめていないし、まだまだいけるという雰囲気にチームはなっている。1つ勝てばまた変わってくるだろうし、一戦一戦を大事にチーム一丸となって戦っていきたい」。そのためにも、まずは目の前の甲府戦に照準を当てて準備を進めている。
文・:柏原敏(エルゴラッソ讃岐担当)
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[本日のエルゴラッソ1面]二つの哲学 一つの栄冠
[JリーグYBCルヴァンカップ 決勝]
■湘南 vs 横浜FM
目の前のカップをかけた神奈川ダービー[AFCチャンピオンズリーグ]
■水原三星 vs 鹿島
激闘の果てに鹿島がたどり着いた約束の場所[天皇杯準々決勝 マッチレポート]
■川崎F vs 山形
ドラマは起こすもの。山形、J1王者も粉砕