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「来年は勝負の年になる」。栗原勇蔵、来季も横浜FMでプレーへ
DF栗原勇蔵が来季も横浜FMでプレーすることが決定的となった。
栗原は4日にクラブと面談を行ったあと、「来季もマリノスでやる機会を作ってもらった」と話し、来季も横浜FMでプレーすることを認めた。
今季を振り返って、「今年はあまり試合に出られなかった。(開幕前の)合宿から今までにないぐらい、若い時と同じぐらいか、もしかしたら若いときよりも体にキレを感じていたところで(3月7日のルヴァンカップグループステージ第1節・FC東京戦で)ケガをしてしまった。あそこでケガをしなければもう少し出られていたと思う。来年またチャンスをもらえたので、また体を仕上げて今年と同じようにならないようにしたい」と意気込みを示した。
今季、チームは攻撃的なスタイルに変貌し、昨季より11点多くリーグ2位タイの56得点を奪った。その一方、昨季より20点も多くリーグで3番目に多い56失点を喫し、16位・磐田と勝点で並ぶ12位に終わった。栗原は「いまのサッカーをやるなら攻め切らないといけない。DF陣とGKは守れていたときと比べても劣っていないし、いかに攻められるかがカギだと思う。来年はゼロからではないし、今年よりいい成績を残さないといけない。そういう意味で来年は勝負の年だと思う」と力を込めた。
また、クラブとの面談については「普段からオグさん(小倉勉スポーティングダイレクター)たちと話をしているからまったく新しい話はしなかったけど、大人の会話というか、チームをよくしていくためのいい話ができたと思っている。ポジティブなことを言ってもらえたし、プレーだけではなく『プラスαも期待している』と言われた。若い選手や外国人選手に気配りをするとか、困っている選手がいるなら助けてあげたい」と、来季でプロ生活18年目となるベテランに求められる役割も担っていくことを誓った。
文・菊地正典(エルゴラッソ横浜FM担当)
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プロ生活11年。現役引退の“湘南乃虎”島村毅が振り返る、印象深い3つの試合
ホーム最終戦で今季限りの現役引退を発表したDF島村毅。前回のフラッシュニュースでは、その決断に至った理由を聞いた。今回は現役生活の中で印象に残っているゴールと試合をお届けしたい。
島村が最初に挙げたのは、09年のJ2最終節。反町康治監督の就任初年度でJ1昇格争いに絡み、最後の最後でJ1への切符をもぎ取った水戸との一戦だ。
「その年は途中からレギュラーにしてもらって、最終節は勝てば昇格という状況でしたが、前半で0-2とリードされて、しかも相手の先制点は自分がCKのマークを外してとられたんです。それでも3点とって逆転でJ1昇格を決めました。当時は坂本紘司さんや田村雄三さんがチームの中心にいて、0-2になっても誰もあきらめなかったんです。『絶対逆転するぞ』という気持ちでチームが一つになって、J2に10年いたぶんの思いも背負いながら昇格できた感動は、今までの昇格の中でも1番だったと思います」
島村は続ける。
「当時のレギュレーションでリーグ戦を51試合も戦ったんですよね(笑)。その大事な試合で自分がマーク外して『やべー!』と思いました。でも本当に仲間が頼もしかったですし、先輩の背中が格好良かったです。そのシーズンは、アディショナルタイムのゴールが10点以上あって、DFとしても終盤まで無失点でいれば『今日は勝ったな』と思える雰囲気になったんです。『俺たちの仕事は終わった。あとは誰かが点をとってくれる』と思えたんですよね。そして実際にとってくれる。そういう感動が多かったシーズンでした」
次に挙げたのは、1年間だけ徳島へ期限付き移籍をしていたころ、古巣・湘南と対戦した試合だ。
「徳島に期限付き移籍しているときに徳島ホームで湘南と戦って、その試合でゴールを決めました。前のシーズンは湘南でJ1を戦い、3勝しかできなくて、僕は正直“穴”だったんです。その1年で体も心もボロボロになって、徳島へは『もう1回頑張ろう』と決意して移籍したシーズンでした。古巣の仲間やスタッフ、サポーターに存在感を見せたくて、入れ込み過ぎなくらいにそのゲームにかけていて…。練習から仲間に『絶対勝つぞ』と言い続けて、『俺が点とる』とも言い続けて、開始3分で弾丸ミドルが決まるという。この試合があったから湘南に戻ってこようと思えたし、自信を取り戻して今まで続けてこれたと思います。『アイツ決めんなよ』と思われたと思いますけど、ある意味印象に残ったと思いますし、僕にとっては大事な試合でした」
3つ目は島村が「師匠」と崇める二人との対戦。12年7月1日、松本とのホーム戦だ。
「徳島から帰ってきた最初のシーズンで松本と対戦したときの試合もよく覚えています。相手は反町監督、GKは野澤洋輔選手と、僕の師匠とも言える二人との対戦です。初めての対戦で、このときも『絶対決めてやる』と思って実際に決めて、ヒーローインタビューで何を喋ろうかと思っていたらアディショナルタイムで失点して引き分けでした(笑)」
そして最後に、これまでの現役生活を振り返ってこう話してくれた。
「本当に充実した11年間でした。毎年の昇格争い、残留争いは精神的にキツい部分があって、プレッシャーと戦いながらの人生でした。そこに打ち克てたときもあればうまくいかなかったときもありましたけど、こんなにプレッシャーのある試合を経験できる選手も多くはないと思うので、この経験を次のステージでも生かしていきたいと思います」
今後については「具体的にはまだです」とのこと。島村の次のステージでの活躍を祈るばかりだ。
文・中村僚(エルゴラッソ湘南担当)
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AIチャットボットに感謝してみた
最終節で引き分け、土壇場でJ1残留を果たした名古屋。選手・関係者たちはそれぞれに感謝の言葉を発信している。そして、記者も選手の代わりにあるところに感謝の意を伝えてみた。
「今日は2年前の(降格した)11月3日から数えて758日目です。多くの人々のサポートのおかげで来年もJ1で戦うことができるようになりました。ファン・サポーターの皆様、スポンサーの皆様、グランパスに関わるすべてに人たちに感謝します」と、さすがに一つも漏らすことなく再終戦後のセレモニーで感謝の意を伝えたのは小西工己社長。風間監督もすべての方に感謝しているとしながら、ファン・サポーターに向けては「皆さんは僕がいままでに見てきたファン・サポーターではない。もうわれわれは一体です。新しい呼び方を考えましょう」と叫んだ。
選手たちも同様にファンやサポーター、スポンサー、関係者、既婚者は家族に感謝の言葉を伝えたいとしたが、やはりブラジル人選手はそれに加え「神に感謝します」と真っ先に口にする。そしてエドゥアルド・ネットは神に加え「川崎フロンターレにも感謝しないと」と、元チームメートのアシストがあったことでもたらされた奇跡の残留に笑顔を見せた。
そこで僭越ながら私が川崎Fに感謝を伝えようと、川崎フロンターレの公式LINEにコメントを寄せてみた。川崎Fの公式LINEは富士通が開発した「AIチャットボット・人工知能ふろん太くん」を搭載した優れもの。コメントを入力すると即座に返信してくれるのがうれしい。早速、「ありがとう」と「残留できたよ」と入力すると、その返信は…
「まず最初にクリアするべき」
はい。その通りです。来季はもっと上を目指して頑張ります。
文:斎藤孝一(エルゴラッソ名古屋担当)