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    きっかけはキャプテンマーク。宇賀神友弥が『UGAJIN CUP』に込める思い

     22日、24日の2日間にわたり、宇賀神友弥が主催する『UGAJIN CUP』が戸田市で開催された。

     昨年に続いて第2回大会となる『UGAJIN CUP』には宇賀神の出身地である埼玉県戸田市の小学生12チームが参加。第1回大会は宇賀神が出場したクラブW杯と日程が重なってしまい主催者不在の中で開催されたが、第2回の開会式では「僕のスーパーゴールで天皇杯優勝という素晴らしい実績をもって開催できる」と笑顔で挨拶。「僕が一番大切だと思っているのは勝負にこだわること。一つひとつの勝負にこだわって勝利することを第一に考えて戦ってほしいと思います」という挨拶で始まった大会は、22日にグループリーグと2つのグループの同順位による順位決定戦、24日は決勝トーナメントが行われ、宇賀神も全30試合を観戦。自身が宇賀神賞、MIP賞、MVP賞を選出した。

     宇賀神は12月上旬に戸田市でフットサルコートをオープンし、同時に幼児・小学生を対象としたサッカースクールを発足した。『UGAJIN CUP』も含め、「地元のため、戸田市のサッカーの強化のため」ということに尽きる。Jリーグは26年目のシーズンを終え、戸田市サッカー協会は2017年に設立50周年を迎えた。その歴史の中で戸田市出身のJリーガーは宇賀神ただ一人。戸田市のサッカーが強くなってほしい。もっと戸田市からJリーガーが出てきてほしい。その思いは強い。そして幅広い強化につなげるため、子どもたちにより刺激を受けてもらうため、クラブチーム、少年団、女子チームが分け隔てなく参加して“戸田市ナンバーワン”を決めることにこだわる。

     きっかけは2年前だった。FC東京と対戦したルヴァンカップ準決勝の第2戦。ホーム、埼玉スタジアムで決勝進出を決めた試合で宇賀神は、プロ入り後初めてゲームキャプテンを務めた。その際に「考えるんじゃなくて、頭にふっと浮かんだ」ことがある。それまでは自身がサッカー選手としてどう生き残っていくかということだけを考えていた宇賀神だが、キャプテンマークを巻いたことで「いろいろなことを背負って戦っている」ことを実感。その「いろいろなこと」には浦和の下部組織はもちろん、自身の原点である戸田市のことも含まれていた。その責任感が「急に芽生えた」ことからのスタートだった。

     宇賀神の戸田での挑戦はまだ始まったばかり。大会を観戦した感想、参加した子どもたちに伝えたいことを問われると、「あえてハッキリ言ってあげたい。『このままじゃサッカー選手になれないよ』って。もっと努力しないといけない」。天才と言えるタイプではなく、小さいころは「全然うまくなかった」宇賀神だが、そのぶん努力を重ねてトップで活躍する選手に登り詰めた彼だからこそ、子どもたちに伝えられる、教えられることも多いはずだ。

     開催に至る経緯や寒空の中で2日間、試合を見続けたことを「大変ですよ、大変大変」と笑いながら、「でも、子どもたちがサッカー選手になりたいという夢に向かっている姿を見るのはあらためていい光景だと思ったし、自分はその目標となる一人になれているのかと思うと、もっと頑張らないといけないと思った」と話した宇賀神の表情は晴れ晴れしかった。

    文・写真:菊地正典