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“グラウンド問題”に光明。町田が地域のスポーツ環境整備に貢献へ
今年の2019年にクラブ創立30周年を迎えた町田が、地域のスポーツ環境整備に大きく寄与しようとしている。
町田市野津田町2035に位置する上の原グラウンドが、3月中の完成をメドにピッチの環境改善を行うことが明らかになった。上の原グラウンドは現在、土のピッチだが、3月中には天然芝と人工芝が融合した“ハイブリッド芝”のピッチに生まれ変わるという。
約40名のJリーガーを輩出するなど、町田市は“少年サッカーの街”としても知られているが、そのプレー人口に反して、実際にプレーできるグラウンド環境は十分とは言えず、天然芝の環境が整ったピッチは町田市立陸上競技場などに限られている。「スポーツで人とまちが一つになる」という町田市の基本理念をより実現するために、町田市は兼ねてから町田市体育協会や町田サッカー協会、市民の方より、環境改善の要望が町田市に届いていたが、資金面の問題でなかなか事態が前進していなかった。
それと同時に、クラブは近年、J1ライセンス取得に向けて、練習場環境整備の協議をずっと進めてきた。その過程で市民・行政の要望をキャッチ。「一般市民の利用がほとんどない平日の午前中にトップチームが練習場として使用できるなら」と、上の原グラウンドのピッチをゼルビア側が資金を出してハイブリッド芝へと改善するプランが合意に達したという。
この基本合意には、昨年10月、クラブの運営会社がサイバーエージェント(CA社)グループに参画したことが関係している。CA社に状況を説明する中で、“チームのためになり、地域貢献にもなるなら”と、CA社が快諾したため、資金面でもメドが立ったそうだ。
少年サッカーチームを始めとした市民の使用頻度が高い上の原グラウンドをどこまで町田のトップチームが利用できるのか。その調整は検討材料ではあるものの、ハードルの一つでもあった“グラウンド問題”には光が差し込んできた。
なお、J1ライセンス取得に向けたクラブハウスの建設と隣接した練習場の環境整備に関しては、上の原ではなく、別の候補地を選定中の段階だという。それでも今回の報せは、19シーズンの“相馬ゼルビア”が昨季以上の成績を目指す上で、大きなプラス材料になることは間違いない。J1ライセンス取得に向けた環境整備は、今後も行政や地域の協力を得ながら進んでいくだろう。
文・写真:郡司聡(エルゴラッソ町田担当)