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「大きな一歩」。新潟・早川史哉がチーム復帰後、初のフル出場
新潟は5日、聖籠町のアルビレッジでJ3の長野と練習試合を行い、0-0で引き分けた。この日は早川史哉が急性白血病の治療を経てチームに復帰後、初めてフル出場した。「いけるところまで、と言われていたのですが、案外いけたので」。右SBで出場し、完封に貢献した。
試合終盤、早川のインターセプトから攻撃のスイッチが入るなど、集中力も判断力も衰えることなく、クレバーなプレーをやり切った。吉永一明監督は、「彼は周りが見えている、IQの高い選手。90分出られたのは大きな収穫。彼のような理解者が増えるのは歓迎」と評価した。
コンディション調整もあり、ここまで練習試合の出場時間は30分あるいは45分だった。「最初の30分くらいが一番きついので、頭も動かなくて、そこでミスをしたりしていた。自分のパフォーマンスはこれくらいなのかなと、ネガティブな感情になることもあった。でも今日は、それを過ぎるとテンポにも慣れて、落ち着いてプレーできたし、楽しみながら自分のよさも出せた」と日に焼けた笑顔をほころばせた。
もちろん「もっとパワーが出せないと試合には出られない」と次の一歩も見据えている。それでも心地よい疲労感に包まれながら、振り返った90分は「大きな一歩。自分自身、限界をより高いところに持っていけると感じた。今日は素直に喜んでもいい」。
青空の下、約300人のサポーターが見守る中で、確かにその一歩を踏み出した。
文・写真:野本桂子(アルビレックス新潟)