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初の古巣戦へ。長崎の手倉森監督が語る仙台と自身の心境の変化
17日、手倉森誠監督が初めての古巣戦に向けて、心境を語った。
天皇杯ラウンド16で仙台と対戦することになったが長崎だが、長崎を率いる手倉森監督にとっては、かつて6季率いた古巣との対戦に。長年の指導経験を持つ手倉森監督にとってもかつて指揮を執ったチームと公式戦で対戦するのは今回が初めてとなる。対戦が決まった際には「仙台かっていう(笑)」と思わず笑みがこぼれたとのこと。「選手の顔ぶれはだいぶ変わりましたけど、サポーターの熱は変わっていない。そういう熱をチームだけではなく、長崎のサポーターもいろいろなものを吸収して、われわれが行かなければいけないステージのチーム。いろいろなものを吸収できるチャンスだと思うのでそういう雰囲気でゲームが進めばいい」と試合に向けては期待を込めた。
1月末、両チームはキャンプを行っていた沖縄で練習試合で対戦している。その際は「不思議な感じ。感慨深い」と語っていた手倉森監督だが、いまは心境に変化が起きている。
「沖縄のときに『不思議だな』と思ったのは自分が代表活動から新しいチームにきたばっかりだったので、長崎の監督ではあるんだけど、何となくそこにまだしっかり自分がハマっていない状況での対戦だった。何となく不思議だなという感覚がいま思えばありました。いま、自分は間違いなく長崎の人間になっているなと感じている。自分が抜けたあとの仙台に対しては真剣勝負で挑める準備ができて、本当に楽しみ」
時間も経過し、本当の意味で長崎の監督としての自分自身を確立したからこそ、まさに真剣勝負で古巣と激突できることに目を輝かせていた。
また、仙台では監督、コーチの間柄だった渡邉晋監督とは師弟対決となる。
「ナベも長く仙台を率いてやってきている中で彼自身の監督像を作り上げている。俺に対してのライバル意識はもちろんあるだろうなと思いますから。でも、自分は自分で新しいチーム作りをしている中でかつて一緒に指導した仲間と成長の仕方、変わり方、あとは戦いの駆け引きというのはお互いに繰り出せればいい。俺のことは『ダジャレしか言わないな』くらいに思ってくれればいいですね(笑)。これが駆け引きですよ」
近年は3バックで戦うことが多かった仙台だが、今季途中からは4バックがベースとなっている。それは手倉森監督が仙台を率いていたときの代名詞でもある。
「監督によっていろいろなスタイル、システムを変えるクラブはありますけど、クラブには染み渡っているDNAみたいなものが必ずある。今回、対戦するにあたって前節の札幌戦は久しぶりに90分とおして見させてもらいましたけど、いい戦いをしていた。いま、仙台の[4-4-2]の試合を見ていると何となくカチッとハマっているような気がする。見ていて安心感があって、札幌戦なんかは完勝でしたよね」
自分が6季の指導で築き上げたものは、仙台のDNAの中に確かにある。そして、手倉森監督自身もその後、代表活動を経て長崎の指導の中で進化を遂げている。初めての古巣戦で手倉森監督が何を感じるのか。注目の対戦になることは間違いない。
文・写真:杉山 文宣(エルゴラッソ長崎担当)
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