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再逆転負けの金沢。柳下正明監督が指摘する「チームとしての甘さ」
6日に甲府と対戦した金沢は、甲府に先制を許すも前半のうちに逆転。しかし、ピーター・ウタカの2ゴールで再逆転され、2-3で敗れた。
試合後に柳下正明監督が特に強調したのは「甘さ」だった。この試合だけではないが、攻撃に移ったところでのイージーなミスでチャンスをつぶしたり、もっと言えば、それがきっかけでピンチを招いたりする場面は、今節もあった。決勝点はウタカのゴラッソだったが、このゴールにつながる前には金子が攻撃に移るときにボールを奪われている。別に金子だけではなく、最近は全体的に簡単なミスでチャンスをつぶしたり、また、一つのミスをカバーし切れずに失点する場面が目立つ。これまでも同様のミスがなかったわけではない。ただ、シーズンも終盤になりどのチームも必死でプレーするし、J1参入プレーオフ争いをしていた金沢をリスペクトし、これまで見逃してくれていたスキを見逃さなくなってきた。
負傷者続出の上に、今後は上位との対戦も続く。今後の7試合で今季の目標である「一ケタ順位」を達成するために何が必要か。指揮官は指摘する。「もっともっと周りも厳しく言わないといけないし、当事者も気づかないといけない」。柳下監督は、最近チーム内で選手たちが指摘し合うことの重要性をたびたび口にする。1週間前には「チームとしてやってはいけないことをやってニヤニヤしていたら、周りがガツンとやらなければいけない。やらなきゃいけないことをサボっていたら、それが誰であっても言わなければいけない。たった1回だからいいではない。1回でもやったらだめ。そういうところをみんなが言えるようにしなければいけない」とも話している。
どこのチームも必死で戦う中、決して個の能力で上回れるわけではない金沢がもう一つ上にいくには、”強い個”ではなく”強いチーム”になるしかない。どちらかと言えば淡々とした選手が多い金沢だが、ここまでの3年間は柳下監督の厳しさがチームを変え、順調に成長してきた。しかし、監督の力だけではこれまでの成長曲線を維持することは難しい。自身日本代表でもプレーし、黄金時代の磐田を見てきた柳下監督が指摘する「チームとしての甘さ」。いまの金沢が、もう一皮剥けるためには選手たちの“厳しさ”が必要なのかもしれない。
文・村田亘(エルゴラッソ金沢担当)
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