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U-18フリーキック選手権東京都予選、駒澤大高が3連覇
2日、都内で「U-18フリーキック選手権2019東京都大会」が行われた。この大会はFKの名手と呼ばれた三浦淳宏氏の「日本がサッカーで世界一になるには、真面目さと正確な技術を生かしたFKが一番の近道」という発想から、「育成年代からもっとFKを意識して蹴ること、指導者にも子供たちに蹴る機会を与えるきっかけに」(アスマッチプロジェクト代表・森下尚紀氏)という目的で始まった。16年に第1回大会が行われ、今回が4回目の開催。18年度の高校選手権に出場した駒澤大高も参戦して、第2回、第3回を連覇している。
24チームが4ブロックに分かれて総当たりの予選を行い、上位2チームずつが決勝トーナメントに進出。試合は各チーム5人が順番に1本ずつ蹴り合うPK戦方式。攻撃側はペナルティーエリアおよびペナルティーアーク外の任意の場所から蹴ることができる。守備側はGKが1人で、壁は9.15m離れれば作り方は自由。5人が蹴ってゴール数が多いチームが勝ち。同点であればサドンデス方式の延長戦となる。
栄光学園中が中学生ながらDグループを1位通過するなど大会は白熱。決勝戦は準々決勝でAチームを倒した駒澤大高BチームとRFCの対戦となった。結果は1-0で駒澤大高Bが勝利し、3連覇を達成。決勝点を決めた大月佑真くん(2年)は、「自分は(部活では)上のカテゴリーにいないので、緊張したけどいい経験になった。今後の自信になると思う。これからの遠征でも、自信を持って仲間とプレーしていきたい」と喜びの表情で語った。
文・写真:芥川和久
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苦しみを乗り越えた鵬学園。3年ぶりの全国を手繰り寄せた判断力
高校選手権への切符をかけた石川県予選決勝が3日に行われ、3年連続の出場を目指す星稜高と、3年前に星稜の18連覇を阻んだ鵬学園が対戦。互いに1点ずつを奪い合い延長までもつれ込んだ試合は、98分に鵬学園のFW宮本爽汰が決勝ゴールを奪い、3年ぶりの栄冠をつかんだ。PK戦突入かと思われたが…
電光石火の猛攻。星稜の全国へかける気迫は凄まじかった。試合開始と同時に前へ前へとボールを進め、FKや得意のロングスローからゴールに迫り続けた。そして最初のCKをショートで始めると、MF川本虎太郎のパスにフリーで走り込んだFW千葉大護が右足を一閃。2年生10番の強烈なシュートがゴール右隅に突き刺さり、5分に早くもリードを奪った。
その後も攻勢をかけ続けたのは星稜。パワフルなサッカーで両サイドから攻め込んだ。鵬学園は相手最終ラインの裏に抜け出たときにはチャンスを作ることができたが、星稜の高くて強いDF陣を前にチャンスは単発でしか生まれなかった。それでも、焦らず、切れずに、我慢を続けると、30分過ぎから地上戦に活路を見いだし、MF永田貫太のドリブルなどでゴールに迫っていく。そして50分に同点ゴールが生まれる。星稜が最初のCKからゴールを奪ったように、鵬学園も最初のCKからFW坂本健太が強烈なヘッドを叩き込んで試合を振り出しに戻した。
その後は鵬学園がやや優勢に試合を進めるも両チームにゴールが生まれることなく延長戦へ。拮抗した試合が動いたのはPK戦も視野に入ってきた延長後半98分だった。鵬学園の左SB橋本密がタッチライン際でボールを受けると、少し中に入って相手DFの間を強引に割るように突破。グイグイと持ち込んでポケットへ進入し、マイナスのクロスを送ると、これに途中出場のFW宮本爽汰が合わせ、鵬学園がついに勝ち越し。その後、うまく時間を使って試合をクローズした鵬学園が3年ぶり2度目の本戦出場を決めた。
優勝の瞬間、鵬学園の赤地監督(34歳)はうつむいて目頭を押さえる場面もあった
追われる立場となり、指揮官が求めたこと「この3年間、苦しかった」。鵬学園を率いる赤地信彦監督は準決勝を終えた時点で、そう漏らしていた。県内でもほぼ無名だった新興校を就任わずか5年で選手権出場に導いた青年監督は、17年度から相手チームの戦い方がガラッと変わったことに戸惑っていた。「最初の5年間はチャレンジャーだった。しっかりいい守備をして、相手のイヤなところをどうついていくかということをやった。そうしたら、次の年から逆になった。ボールをもたされたら今までやってきたことが何もできなくなった」。
その言葉を裏付けるように、追われる立場となってからの2年間、総体予選、選手権予選と全国をかけた大会で決勝の舞台から遠ざかった。今年度の総体予選でも準決勝で星稜を相手に涙を飲んでいる。今大会は丸3年をかけて再びたどり着いた決勝の舞台だった。ただ、それも平坦な道のりではなかった。準々決勝では0-0のままPK戦に突入して7-6と薄氷の勝利。準決勝でも1点リードした延長後半アディショナルタイムに追い付かれPK戦へ。両チーム9人が蹴っても勝負は決まらずGK同士のキックにもつれ込むなど、ギリギリの勝負をモノにして決勝戦にたどり着いた。
苦しみぬいた2年間、指揮官が選手たちに求めたのは判断力の部分だった。ボールを「もたされる」のではなく、主体的に「もって」ゴールを奪うために、どうすればいいか。どこにスペースがあるのか、いつそこを突くべきか、どう戦えば相手の矢印をひっくり返せるのか等、選手たちの戦局を見る目を磨いた。「私生活から『いい判断をしろ』と言っていた」という赤地監督。「人生は選択の連続だ」というシェイクスピアの名言を引くまでもなく、オフ・ザ・ピッチも鍛錬の場だった。その甲斐あってか、この決勝戦でも序盤こそ星稜のパワーと推進力に苦しんだが、徐々に裏へのフィード、逆サイドへの展開、サイドでのドリブル突破、間で受けて起点を作るプレーなどを効果的に使い、主導権を奪い返していった。
そして決勝点も橋本の「判断」からだった。3戦連続のPK戦まであと2分と迫った98分。相手の足が止まりかけていたことを見てとった橋本は思い切って縦を突く。1人、2人、3人、4人、追いすがるDFをはがしていく。「ドリブルを仕掛けた瞬間にスペースが見えた。中の動きも見えたので、落ち着いてプレーできた」と最後まで冷静だった橋本は、優しいボールを宮本に届けた。「自分へのマークが結構きつくて、(得意の)左足も消されて、プレスも速くて、いろいろ対策をされていた」と、今大会をとおしてなかなか持ち味を発揮できずにいた橋本だったが、最後の最後で全国への道を切り開いたのは的確な判断と勇気ある決断だった。
文・写真:村田亘(ツエーゲン金沢担当)
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