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町田、話題の補強も、練習試合の好成績も、「過信はしていない」
新体制でのJ2開幕を今週末に控えた町田は、新たにチーム強化のトップとなった原靖フットボールダイレクター(以下、FD)がエルゴラッソの独自取材に応じた。
黒田剛監督が率いる新チームは、沖縄と宮崎で二度のキャンプに臨み、黒田監督の意向を組む形でJ1チームとの練習試合を意図的にマッチメーク。結果が公となっている札幌、京都、鹿島、広島との“腕試し”はいずれもトータルスコアで勝利を収めた。
今オフの移籍市場にて、町田はカタールW杯スコアラーであるミッチェル・デュークや、エリキを補強。計19人の新戦力選手が加入し、J2の補強市場でも一躍主役に躍り出た。J1との練習試合で結果を残し、大型補強で戦力を大幅増強したとなれば、J1昇格への期待値が一気に高まるが、原FDは周囲の喧騒にこう言って釘を刺した。
「目の前の勝ち星は『監督が言っていることをやれば結果が出るんだ』と、監督の信頼度アップにつながるものです。そう思わせることが一体感やチームワーク構築の始まりです。新チームにとっては、勝つことが一番の良薬。チームの結束や信頼度を高めるためには、大事なJ1との練習試合になりましたが、J1を相手に多く勝ったからといって、選手たちは“ぬか喜び”している様子もないですし、過信はしていないと見受けられます」
J1とのマッチメークに関して、黒田監督の意図は「J1とJ2の選手の基準の違いを知ることと、相手にやられたところから反省点を抽出し、それを修正していきたい」(原FD)というもの。J1とJ2ではそもそもサッカー自体が異質であるため、同一カテゴリーと対戦することも一つの方法論だが、黒田監督はそれを望まなかった。原FDは言う。
「黒田監督がJ1参入プレーオフの京都vs熊本を見た際に、スタイルの違いはありますが、京都はわずか1シーズンしかJ1を戦っていないとはいえ、かなりの差があると話されていました。パス一つをとっても質が違うため、やはりJ1のチームと対戦したいという意向でした。その結果、キャンプではJ1のクオリティーやスピード感、グループの中での強さを体感できました。もちろん、J2のチームと対戦はしなかったという懸念材料はありますが、むしろそれが気持ちを引き締めることにもつながっていると思います。チームとして、コレクティブに戦えればやれるという手応えはありつつも、J2と対戦した肌感覚がないことは、どこか心の端で引っ掛かってはいますが、だからこそ油断をせずにちょうどいいのかもしれません」
J1スタンダードを体感する中でつかんだ手ごたえを決して過信にはしない。黒田監督が掲げた「J2優勝」へ。町田は地に足をつけたチーム強化を推し進めている。
町田の開幕戦は2月19日(日)14時キックオフ。町田GIONスタジアムでベガルタ仙台と対戦する。
なお、チーム編成の詳細については、2月17日夜配信のエルゴラプラスで原FDのインタビューを掲載する予定だ。
文・写真:町田担当 郡司聡
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