EL GOLAZO(エルゴラッソ)FLASH NEWS

2023.10.5(Thu)

October
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
  • チーム唯一のリーグ戦全試合出場、町田の荒木駿太がこだわるのは「1本中の1本」

    チーム唯一のリーグ戦全試合出場、町田の荒木駿太がこだわるのは「1本中の1本」

    首位を走る町田でリーグ戦全試合出場を続けている荒木駿太。ACL初勝利を成し遂げたばかりの甲府を迎撃するホームゲームに向けて、荒木を直撃した。


    −−まずは直近のいわき戦を振り返ってください。
    「試合の入りがゼルビアらしくなかったです。ただチームとしては3点差から1点差まで詰め寄ったことをポジティブに捉えて、ミーティングでは改善点を共有しました。次の甲府戦で連敗はできないですし、しっかりと結果を出して、優勝に近づきたいです」

    −−具体的な改善点とは?
    「いわき戦では後手に回ったセカンドボールの回収率と、ラインを押し上げることも指摘されました」

    −−荒木選手個人という意味では、相手の急所を嗅ぎつける嗅覚を発揮しました。
    「ベンチから試合を見ていて、セカンドボールを拾えていないと感じていました。トップ下で出るということは、セカンドボールの回収率を改善することや裏抜けの回数を増やすことを意図したものだとすぐに分かりましたし、その結果、背後を突く形を作れたのは良かったと思います」

    −−2点目は荒木選手が左SBの裏で起点を作ったことがきっかけになりました。
    「結果的にゴールという形で実を結んだのは良かったことですし、個人としても少しずつゴールに近づいている感触はつかんでいます。あとは個人としての結果を出すだけです。長崎戦では安井拓也選手のゴールをアシストしましたが、やっぱり自分で点を取りたいです」

    −−チーム内で唯一のリーグ戦全試合出場です。
    「コンディションが悪い時期もなかったですし、コンディション管理を意識的にやっている結果が全試合出場という記録につながっているかもしれません。そういった意味ではコンディション調整もやりがいがあります」

    −−例えば、どんなことに取り組んできたのでしょうか。
    「白米を玄米にしたり、好きな甘い物も我慢しています。昨年はフラペチーノやカフェラテを飲んでいましたが、アイスコーヒーに変えたり、クラブの栄養士の方と相談をしながら、食事改革に取り組んでいます」

    −−少し時計の針を戻します。チームに加入した当時、このチームで自分のストロングポイントを発揮できるという手ごたえはあったのでしょうか。
    「黒田監督はハードワークをすることをかなり口酸っぱく言っていましたし、その点では自分もハードワークをすることや運動量を発揮するのは得意としています。監督の求めていることと自分の特長がマッチしていることも、自分の力を発揮しやすいことにつながっています」

    −−序盤戦は途中出場からゴールを量産する時期がありました。
    「僕は一人で打開できる選手ではなく、周りの選手を使いながら、ゴール前でのこぼれ球を押し込む形や泥臭いゴールとか、5点を取ってきた中でもそういうゴールが多いです。前半戦の大分戦からゴールを決められていないですが、先発で出るチャンスをつかめれば、その分チャンスが増えるので、先発で出るチャンスをつかんで、ゴールを決められる可能性を高めていきたいです。個人としてのゴールの数を増やしていかないとチームの結果にもつながりません。チームが優勝を目指している以上、自分のゴールで貢献できるように、どん欲に狙っていきたいです」

    −−なぜそこまで取れたのでしょうか。
    「『ココにくるな』という感覚の中で、自分のところにボールがこぼれてくることが多かったです。今は『取らないと、取らないと』という気持ちが強く、チャンスがきたときに焦りの色を感じています。序盤戦のようにチャンスで冷静にシュートを打つことができれば、また点を取れるようになるのかなという感覚はあります。まずは1点を取りたいです」

    −−ベストのパフォーマンスを出せたという試合は、やはり2得点1アシストでチームの勝利に貢献したホームでの大分戦でしょうか。
    「あの試合は確かに調子が良かったです。トリックプレーでのゴールもありましたし…。懐かしいですね」

    −−翁長聖選手や平河悠選手の“名演技”もあったCKからのゴールシーンですね。でもそれまでの練習では…。
    「1本も入らなかったです(苦笑)」

    −−大分戦でベストなパフォーマンスを発揮できた要因は?
    「その前の磐田戦が初先発の試合で結果は引き分けでした。個人としても調子が良くなかったので、『次の試合でも先発で出られるだろうか…』という不安もあった中で、監督が2試合連続で先発起用してくださいました。それだけに『絶対に結果を残さなければ』という気持ちになったことが良いモチベーションにつながりました」

    −−現在は26試合ゴールから遠ざかっています。
    「結果は結果ですから現実を受け止めています。ただ次のゴールが決まった際の喜びが倍以上になると思うので、ゴールから遠ざかっていることに対して、気持ちが萎縮するようなことはありません」

    −−ちなみに荒木選手が最も力を発揮できるポジションはどこだと自負していますか。
    「いわき戦でも途中から起用されたトップ下です。左にも右にも下にも自由に動けるので、ストロングポイントを発揮しやすいですし、ゴールにも近い距離にポジションを取れるので、やりやすいです」

    −−黒田監督のチームマネジメントで印象に残っているものは?
    「『1本中の1本』という言葉です。こぼれてきたボールをしっかりと決め切る。それができていたときはゴールを決められていたので、1本中の1本にこだわっていきたいです」

    −−チームが目標としてきたJ2優勝・J1昇格が近づいています。
    「プロ2年目に優勝争いを経験できているのはとてもありがたいです。毎試合プレッシャーはありますが、この状況を味わえるのはなかなかないと先輩方も話しています。例えば太田宏介さんが『この状況を楽しもう』と言っているように、いい経験ができています。絶対に優勝したいです」

    −−週末はホームでの甲府戦です。
    「絶対に負けられない試合です。相手にメンタルの面で負けるようなことがあってはなりません。みんなで一つになって、ゼルビアのサッカーをすれば勝てると思うので、いい準備をしたいです」

    −−ホームゲームも残り2試合となりました。
    「あと2試合でホームゲームが終わってしまうのが寂しいです。残りのホーム2試合で勝って笑って終わりたいです」

    −−シーズンは残り6試合。チームの目標達成に向けて、どう貢献していくつもりでしょうか。
    「ピッチに立てば結果を残すことは大前提です。仮に試合に出ようが出まいが、チームのために自分に何ができるかを考えて行動したいですし、チームをいい方向に持っていけるように取り組んでいきたいです」

    【試合情報】
    明治安田生命J2リーグ第38節
    10月8日(日)14:00キックオフ
    FC町田ゼルビア vs ヴァンフォーレ甲府
    町田GIONスタジアム
    https://www.zelvia.co.jp/news/news-244924/

    文・写真:郡司聡(エル・ゴラッソ町田担当)