4月3日(水)夜、近年のJリーグを牽引する横浜FMと川崎Fによる “BIGな神奈川ダービー”(日産スタジアム・19時キックオフ)の火ぶたが切って落とされる。ハリー・キューウェルという国際的にも知名度抜群の指揮官を新たに迎えた横浜FMに対し、選手の顔ぶれが大幅に変わった川崎Fと互いに変化のあった中で迎えた2024シーズン。今回は連綿と続いてきたダービーにどのような1ページが書き加えられるのか。両チームを代表して松原健と大南拓磨がこのダービーの魅力や意気込みを語ってくれた。
ライバル関係にある両者の神奈川ダービーといえば、ダービーという性質柄、盛り上がるのはもちろん、志向するスタイルが噛み合うため、抜群のエンターテインメント性も備える。選手目線ではどうなのだろうか。
「神奈川を代表する2チーム。お互いサッカーが確立されている中、ワクワクするゲームができる。注目度が高く、6ポイント相当のカード」(松原)
「ダービーだからこそ勝ちが求められる。リーグ戦の一試合というよりは2つのチームのプライドがぶつかり合う戦い」(大南)
この時期はまだシーズン序盤で、練度を高めている段階での激突となる。では、それぞれの現在地をどう見ているのか。
「マリノスの売りは破壊力のあるアタッキングフットボール。連戦が続いていてきたが、結果を出せているし、誰が出ても高いクオリティーを保てている」(松原)
「フロンターレらしさを保ちつつ、より速い攻撃を出していくことに取り組んでいる最中。いまは結果が出ていないが、フィットすれば結果はついてくる。自信を持ってポジティブにやっている」(大南)
近年、両者が切磋琢磨してリーグを代表する強者になったことで、ダービー前には街中にも広告物があふれるなど、ダービーの認知度は加速度的に高まってきた。
「普段のリーグ戦よりも気合が入るし、勝つか負けるかで今後を左右するカード。昨季は関西のほうにシャーレを持っていかれたが、また横浜に取り戻したい」(松原)
「このダービーはサポーターの熱量を感じる。フロンターレらしさを前面に出し、楽しいと思わせて勝つことがすべて」(大南)
両者ともに穏やかな表情ながら言葉ではバチバチと火花を散らし、一歩も引かず。昨季の日産スタジアムの一戦では、大南の劇的な決勝アシストで川崎Fに軍配が上がった。今回はトリコロールがリベンジを果たすのか、それとも川崎Fがまたも敵地で凱歌をあげるのか――。
人の心を揺さぶる激闘が約束されたカードだけに現地観戦を強くお勧めする。
文:大林洋平(エル・ゴラッソ横浜FM担当)
写真:©1992 Y.MARINOS / ©KAWASAKI FRONTALE