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松本の反町康治監督、今節の対戦相手・群馬のアタッカー陣を評価
松本の反町康治監督が、今節の対戦相手となる群馬についての印象を語った。
ここまで4勝13敗1引き分けで自動降格圏内の21位に沈んでいる群馬だが、第14節から16節にかけて3連勝を記録。第16節・福岡戦では3-1の勝利を飾るなど、チーム状態は明らかに上向いている。
特にアタッカー陣は結果を出しており、前節・山形戦でも無得点に終わったものの切れ味鋭い動きを見せていた。特に加入以後、1トップを任されているカン・スイルの存在は大きく、「前線でボールが収まるようになった。あの選手はJ2の上位クラブでも試合に出られる能力を持っている」と警戒する。また高井和馬と岡田翔平の2シャドーも持ち味を発揮しており、この3枚の良さを消すことが勝敗を左右するカギとなるだろう。
また群馬にはエルシオフィジカルコーチやホチョルコーチなど松本に在籍していた関係者もおり、再会も楽しみなところ。反町監督は「阿部(巧)や一柳(夢吾)も頑張っている」と、かつて所属していた選手も高く評価していた。
文:多岐太宿(エルゴラッソ松本担当)
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大分の片野坂知宏監督、アル・アインに移籍した教え子・塩谷司について広島加入当初の思い出を語る
15日の練習後、アル・アイン(UAE)への移籍が発表された広島の塩谷司について、かつて広島でコーチとしてその指導にあたった片野坂知宏監督が、当時を振り返った。
「水戸から移籍加入した当初は森脇良太(現・浦和)の陰に隠れてなかなか試合に絡めず、若手と一緒に2部練習に励んでいた。浅野(拓磨、現・シュトゥットガルト)もそうだったが、まだチームに馴染んでいない若手には、とにかくたくさん練習させて戦術を落とし込み、ゲームで使って主力へと育てるのが広島のやり方。公式戦に途中出場した翌日も2部練習に参加させ、練習試合でもガンガン使って鍛えた」
広島の戦術の中で自分に求められることを考えながら努力を続けた塩谷は、やがてその成果として定位置をつかむと、持ち前の運動量とスピードを生かして見る見る頭角を表した。
「向こうではACLに出るチャンスもある。(アル・アインに所属する)ドウグラス(元・広島)やカイオ(元・鹿島)といったブラジル人選手と一緒に戦えることも、海外経験を積むこととともに、シオが今後またA代表に入るために必要な刺激になってくると思う」
大分でもきめ細やかに戦力育成に取り組む指揮官は、かつての教え子のステップアップに大きな期待を寄せている。
文・写真:ひぐらしひなつ(エルゴラッソ大分担当)
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先制点の重要性を口にした磐田の川又堅碁、自身のJ1通算50得点よりチームの結果
磐田の川又堅碁は16日、明治安田J1第15節・浦和戦での勝利に向け、先制点の重要性を口にした。
川又は前節・G大阪戦(3◯0)で2ゴールを挙げ、勝利に貢献。J1通算得点を『49』に伸ばし、節目の50点目にあと1点と迫っている。しかし、このストライカーは自身の活躍よりチームの結果を優先する。
「(50得点は)どうでもいい。それよりここで勝てたら大きいし、そのためにも先制点がすごく重要になる」
G大阪戦では粘り強い守備から鋭いカウンターを発動した磐田。川又もその点に触れつつ「1点入るとチーム全体が気持ちよくプレーできたり、守備の面でも一歩がより出ると感じる」と語っている。そうした戦いを、今節も継続したい。
先にスコアを動かせれば、埼玉スタジアムから勝ち点3を持ち帰ることも不可能ではない。川又は自身の得点には固執していない。だが勝利のためには、やはり彼の爆発が求められる。
文:青木務(エルゴラッソ磐田担当)
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長崎の田代真一と高杉亮太、“原点”である町田との試合を前に熱い思いを語る
町田を原点に持つ長崎の2人の選手が、今節への思いを語った。
一人目は田代真一(写真中央)だ。田代は町田について「自分のキャリアの中でもすごく感謝しているクラブの一つ」と話す。下部組織からトップ昇格した横浜FMでは4年間でリーグ戦の出場が5試合にとどまり、11年に当時JFLの町田に期限付き移籍。J2昇格と降格の悲喜を味わったが2年間で66試合に出場した。「プロのスタートは横浜FMですけど、町田は良い意味でスタートを切らせてもらったチーム。その2年がなかったらいま、サッカーをできていたかどうかも分からない。感謝しているし、思い入れもあります」と対戦を楽しみにしていた。
そして、もう一人が高杉亮太(写真右)だ。こちらは明治大を卒業後、テストを経て入団したのが当時関東2部に所属していた町田だった。当時を振り返り、「当時は、いろいろなチームに練習参加させてもらうから抜けることもありますっていう感じで活動させてもらっていた。それでも、チームの人たちが『上を目指してがんばれよ』と後押ししてくれていたし、すごく応援してくれていた。感謝しています」と話した。
翌年にはJ2の愛媛へステップアップし、以降はJ2で250試合以上の出場を積み重ねるほど長きに渡ってプレーしている。「一緒にプレーしていた人たちが強化部だったり、スタッフで会社にいる。そういう人たちの前で、まだ続けている、頑張っている姿を見せられればいい」と自分の原点でもあるクラブとの対戦を前に思いを語った。
町田を原点に持つCBの2人、成長した姿をピッチで見せたいところだ。
文・写真:杉山文宣(エルゴラッソ長崎担当)
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柏、チーム新記録の9連勝へ。好調持続のクリスティアーノが、初帰還の小瀬で古巣の甲府に牙をむく
8連勝中で首位に立つチームにおいて、1トップ・クリスティアーノの活躍には目を見張るものがある。ディエゴ・オリヴェイラの負傷の影響で背番号9が最前線の位置に初めて入った明治安田J1第7節・神戸戦から現在の連勝は続いており、連勝の立役者の一人と言って間違いない。
特に5月の活躍は目覚ましく、3ゴール3アシストの大暴れ。守備でも前線からのプレスを怠らず、相棒の中川が「クリスがしっかりと守備をしてくれるので本当に助かる」と称えれば、クリスティアーノ本人も「ユース時代から走ることを求められてきたので問題ない」と涼しい顔を見せる。
春先に比べればコンディションが上がってきており、全体練習後のシュート練習では強烈なシュートを次々と突き刺し笑顔をこぼす。さらにプレー面での好調さがメンタル面にも好影響を与えているようで、多くの選手が1週間の中断期間でリフレッシュできたと話す一方、ブラジル人ストライカーは「プレーしているほうが良いので、僕はあんまり(休みが)好きではないだよね(笑)。自分としては水曜、土曜のサイクルで試合があって止まらずにプレーし続けてるほうが良いから」と試合が待ち遠しい様子。
今節・甲府戦は、昨夏の柏への電撃復帰後、初めて帰る『小瀬』でのゲームとなる。それでも、クリスティアーノの中に変な遠慮はない。「日本でプレーしていく中で自分が飛躍するきっかけを作ってくれたのが甲府だと思っているし、甲府に対してはもちろん特別な感情は持っている。ただ、土曜日は甲府と対戦相手として戦うわけで。いまの自分のチームは柏。柏のために戦うことは当然ながら自分としてもわきまえている」
チーム新記録となる9連勝がかかるこの試合。エースがゴールを挙げ、偉業に花を添える。
文:須賀大輔(エルゴラッソ柏担当)
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けがが癒えた川崎Fのエウシーニョ、初来日した両親の前で今季初出場へ
ついに、エウシーニョの公式戦復帰が濃厚となっている。
今季、日本での3年目に戦いに挑もうとしていた川崎Fのエウシーニョだが、開幕前のトレーニングマッチで右脛骨を骨折。開幕直前に離脱を余儀なくされてしまった。そこから約3ヵ月以上のリハビリ期間を経て、前節・横浜FM戦の翌日に行われた松本との練習試合で実践復帰。そこで精力的なプレーを見せると、先週末の横浜FMとのトレーニングマッチではさっそく得点を奪取し、完全復活をアピールしていた。
自身のコンディションについても「日に日に良くなっている」というエウシーニョ。今節・広島戦に向けても「スタートでまた出られた場合はチームの力になれればいいかなと思う」と強い気持ちを示した。
今週はご両親が初来日を果たし、初めて日本でのプレーを見せることになる。「このタイミングで来ることはもともと決まっていた。たまたまそのタイミングでけがが治って、ちょうど良くホームゲームが入っていることはうれしい」。「両親の前でゴールを決めたら…」という問いには「何かあれば」と笑顔を見せたエウシーニョ。今節は復帰後、即ゴールという離れ業に期待したい。
文:林遼平(エルゴラッソ川崎F担当)
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G大阪の長谷川健太監督、神戸戦を前に「キング的な感じ」と大森晃太郎の現在を表現
キング大森ーー?
G大阪の長谷川健太監督が、かつての愛弟子を「神戸の王様」として認定した。
17日の明治安田J1第15節で対戦する神戸で、今季3得点の成績を残して攻撃をけん引する大森晃太郎。その大森について長谷川監督は「非常にキング的な感じでやっているし、プレーもそういう雰囲気を醸し出している。映像からもそれがうかがえる」。
古巣との初対戦でモチベーションを高めているであろう大森に対して「ガンバに対してやってやろうと一番思っている選手だろうし、警戒が必要」と話していた。
文:下薗昌記(エルゴラッソG大阪担当)
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町田の土岐田洸平、中村祐也らが戦列復帰。公式戦復帰への階段も着実に上る
戦列を離れた者もいれば、戦列に戻ってきた者もいる。町田では今季開幕からJ2リーグ戦全試合出場を続けていた戸島章が右ひざ内側側副じん帯損傷で戦列を離れた一方で、土岐田洸平(写真)や中村祐也ら負傷者がフルメニューを消化するなど、公式戦復帰への階段を着実に上っている。
第5節・金沢戦で負傷離脱した土岐田は、12日に実施された神奈川大とのトレーニングマッチ(45分×2本)の2試合目で90分フル出場を経験。「攻めの部分はまだ足りないけど、守備はカバーリングもそこそこできるようになってきたし、ようやくチームに付いていけるようになった」と語る。神奈川大戦では前後半で左右のSBのポジションを務めるなど、ユーティリティープレーヤーの彼が復帰となればチームにとっても心強い。
また、J2開幕1週間前のトレーニングマッチ、横浜FM戦で負傷した中村も神奈川大戦の終盤に15分程度出場し、対外試合復帰を果たした。本人も「ひとまず対外試合に出られたことが収穫」と語るなど、公式戦復帰に向けて大きな第一歩を踏み出した。
今節、敵地での長崎戦を2日後に控えたトレーニングでもフルメニューを消化した土岐田と中村。その長崎戦でのベンチ入りはあるのか。注目が集まる。
文:郡司 聡(エルゴラッソ町田担当)
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山形で急浮上したPKキッカー問題。木山隆之監督の考えは?
1-0とリードした前節・群馬戦の44分、PKを蹴ったのは先制ゴールも決めている阪野豊史。しかし、この場面ではGK清水慶記に止められて追加点ならず。ともすれば流れを悪くしかねないPK失敗だったが、試合は山形が1-0のまま勝利した。
PK直前には、「『誰が蹴るんだ?』みたいになっちゃって」とキッカーが決まるまでにちょっとした間があったことを阪野も認めている。開幕の京都戦と第7節・大分戦でPKを蹴った鈴木雄斗が負傷離脱中という事情もあった。
PKキッカー、次は誰が? 木山隆之監督に聞いてみると、「蹴りたい人が蹴ればいい」との回答が返ってきたが、これまでも監督側から特にキッカーの指名は行っていなかったそうで、鈴木に関しても監督からの指名ではなかったという。
「『(鈴木)雄斗、お前な』と言ったこともない。アイツは自分で蹴ろうと思って、絶対的な自信があるから蹴ったんだろうし、入れてくれれば別に誰が蹴ってもいい。チームのために、勝つために、プレッシャーをはね除けて点を取ると思うヤツが蹴ればいいと思う」というのが基本線。そして「ダマが蹴ったっていいですよ」とGK児玉剛の名前も挙げた。
次にPKを獲得したとき、いったい誰が蹴るのか? そうした場面を作るためにも、敵陣までボールを確実に運びたい。
文:佐藤 円(エルゴラッソ山形担当)
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誕生日を迎えた清水のDF鎌田翔雅。28歳初戦の相手は因縁のC大阪
清水の鎌田翔雅が15日、28歳の誕生日を迎えた。番記者陣がそろえた100均のパーティーグッズを着用し、カメラ撮影に快く応じてくれるなど、鎌田は28歳になっても相変わらずの“良い人”。「(今節・C大阪戦は)ゴールを決められたら最高だが、それよりも次の試合に勝って良いスタートを切りたい」と、28歳最初の試合に向けて抱負を語った。
ところで、鎌田にとってC大阪戦と言えば、昨季J2第7節で左ひざ前十字じん帯損傷という大けがを負った因縁の試合でもある。そこから復帰したころには、シーズンも最終節を迎えていた。「自分がつぶれた試合でもあるし、意識はしてしまう。でも、そこはコントロールをしながら集中しなければいけない」と、このときばかりは真剣な表情で話した。彼にとって特別な試合、その最後は笑顔で飾りたいところだ。
文・写真:田中 芳樹(エルゴラッソ清水担当)
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