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Jリーグが18年度以降のJ1・J2昇降格の変更を発表。J1・16位がプレーオフ参戦へ
Jリーグは27日の理事会で、2018年度以降のJ1・J2の昇格および降格方法の変更を決定した。現行ではJ1の年間順位16位、17位、18位が翌シーズンのJ2へ自動降格、J2の1位と2位はJ1へ自動昇格し、3位から6位までが昇格プレーオフを戦っていた。
18年以降からは、J1の17位と18位はJ2へ自動降格、J2の1位と2位は自動昇格となり、J1・16位とJ2・3位から6位の合計5クラブがJ1参入プレーオフ(仮称)を戦うことになった。トーナメント形式で、初めにJ2の3位対6位、4位対5位が対決。さらに両勝者が対決し、そこで勝利したクラブが最後にJ1の16位と対戦する図式となっている。
村井満チェアマンは今回の変更について、「過去の昇格、降格クラブが残した翌シーズンの順位など、さまざまなファクト(事実)も踏まえた上で最終的に判断した」と語った。
例えば2010年以降の事例を見ると、前年のJ2の3枠目でJ1へ昇格したクラブは、昨季2016年まですべて1年でのJ2降格を味わっている。さらにJ1残留ラインの15位との勝ち点差が最低差で10(2015年の18位・山形と15位・新潟)、最高差で26(2012年の18位札幌と15位新潟)と大きく開く傾向があり、いずれも3枠目の昇格クラブがJ1の舞台で厳しい戦いを強いられてきたという現実が存在する。
一方、同じ2010年以降の事例で、前年にJ1・16位でJ2に降格したクラブのうち、2015年までの間は2013年の神戸が2位で昇格した以外、すべてのクラブがJ2優勝でJ1昇格を果たしている(2016年は前年J1・16位の松本はJ2で3位となり、昇格を果たせず)。
こうした観点からも、今回の変更はよりクラブの純粋な実力が勝負に反映される方式となる。またシビアな真剣勝負の連続となるプレーオフは、毎シーズン白熱した戦いが繰り広げられる。エンターテインメント的な観点からも、Jリーグの活性化につながる改革になるかもしれない。
文・西川 結城
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村井チェアマン、Jリーグ幹部の辞任について説明。「情報を隠蔽することなくオープンにしていく」
今回の中西常務理事のパワーハラスメント(パワハラ)およびセクシャルハラスメント(セクハラ)による退任というショッキングな出来事は、Jリーグ側の「情報を隠蔽することなくオープンにしていくべき」(村井満チェアマン)という組織の透明性を重要視した結果、個人名を含めて開示されることになった。
事実関係の確認にあたった2名の弁護士の調査結果によると、中西氏は2015年~16年にかけて、リーグ内の複数の職員に対して業務時間内外で、電話やメールで映画館や美術館、食事に誘うなど好意を寄せる言動を繰り返し、実際に実現された。それらが一般的な女性において不快感を覚える言動だとみなされるという調査結論に至った。パワハラおよびセクハラを受けた職員のうちの一人が、リーグ内に設置されているホットラインに約2週間前に通報し、明らかになった。
リーグ内で問題が顕在化すると、村井チェアマンは「今回は私自身の管理責任にも関わることなので、私が調査を指揮するのは不適切」と、調査責任を外部の弁護士に一任。27日の理事会で調査結果の詳細を受けて、今回の退任が決議された。
あくまで解任や懲戒免職にならなかったのは、常務理事職は通常の従業員として雇用契約ではなく、さらに解任となれば理事会ではなくさらに先の総会での手続きが必要となる。今回は理事会の時点で事案が処理されたことで、中西氏の辞任が受理された。
今後、中西氏と被害者が裁判に発展するかについては「現時点では分かりませんが、係争に至るとは聞いていない」と村井チェアマンは語る。またパワハラおよびセクハラを認定した弁護士も、「刑事罰に至るまでの行為ではない」(リーグ関係者)との認識だという。
村井チェアマンは「二度とこのようなことを起こしてはいけない。再発防止に取り組んでいきます」と繰り返した。さらに自戒念を込めてこう続けた。
「これまでのリーグ内ではパワハラやセクハラに関する研修や啓発を行ってきた。その中で起きてしまったことなので、今回の総括をきっちりやっていく。さらに全社を挙げて、特に管理職を中心により研修や啓発を徹底させていきます。日常の職場や人間関係で不快な立場になる人間が出てきてしまった。ただ、職場の風通しが良ければこうした問題は起きない。組織風土そのものに問題があるのならば、もっと風通しの良い組織に変えていかないといけないと考えています」
健全性が何より求められるスポーツ団体としては、痛恨の出来事。信頼回復に向けて、Jリーグは難しい舵取りに直面した。
文・西川 結城
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Jリーグの中西常務理事がリーグ職員への不適切な言動で辞任
Jリーグは27日、中西大介常務理事(51)が、この日付で退任したことを発表した。中西氏は複数のリーグ職員に対して、パワーハラスメントおよびセクシャルハラスメントを行ったことが認定され、同氏からの辞任の申し出を27日に行われた理事会が受理した。
会見に登壇したJリーグの村井満チェアマンは、「大変残念な報告になってしまいました。私の管理不行き届きでもあります」と語り、3カ月間自身の報酬の10%を返上することも決まった。中西氏はリーグ常務理事のほか、関連会社役員やバスケット・Bリーグの理事なども務めているが、この日付ですべて退任することになった。
村井チェアマンは「本当にあってはならないこと。Jリーグは感動や夢を与える立場でなければならない。このようなことになり、クラブ関係者やファン・サポーター、メディアを含めて社会の皆さんに対して大変申し訳ないと思っております」と語り、頭を下げて謝罪した。
文・西川 結城 -
若手Jリーガーに新たな刺激と飛躍のきっかけを。『タグ・ホイヤー ヤングガン アワード』がスタート
Jリーグとトップパートナー契約を結んでいる高級時計メーカーのタグ・ホイヤーが27日、『タグ・ホイヤー ヤングガン アワード』のキックオフイベントを開催した。
『タグ・ホイヤー ヤングガン アワード』は、才気あふれるJリーグの若手選手にスポットライトを当て、飛躍を促し、今後のJリーグの発展につなげていくことを目的として発足。対象選手はJ1~J3に所属する満23歳以下の選手(※1994年4月2日以降に出生した選手)。アワードアンバサダーによる投票で、11月までに候補者30人が選ばれ、一般投票を経て12月に11人の選手を表彰する。登壇したタグ・ホイヤーの河村恭臣ジェネラル・マネージャーは「若い力が新しい扉を開いていく、それをサポートしたい」と語った。
キックオフイベントには香川真司(ドルトムント)、中澤佑二(横浜FM)、中山雅史(沼津)の3選手が出席。トークショーではそれぞれが自身の若手時代を振り返りながら、49歳の大ベテラン・中山は「(タグ・ホイヤー ヤングガン アワードは)若い選手にとって刺激になる。これをステップにして、さらに高みを目指してほしい」と若手選手にエールを送った。