EL GOLAZO(エルゴラッソ)FLASH NEWS

2017.7.16(Sun)

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  • “ベガルタ仙台 2017 SOCIO・FANCLUB会員感謝の集い”開催。FW西村拓真とMF差波優人が2年連続物真似披露

    “ベガルタ仙台 2017 SOCIO・FANCLUB会員感謝の集い”開催。FW西村拓真とMF差波優人が2年連続物真似披露

     16日、ユアテックスタジアム仙台で“ベガルタ仙台 2017 SOCIO・FANCLUB会員感謝の集い”が開催された。

     第1部はトークショー、写真撮影会やウォーミングアップ講座などが20周年を迎えたユアテックスタジアム仙台のコンコースや北エントランスなど各所で行われ、選手やスタッフがサポーターと触れ合った。また、ユアテックスタジアム仙台20周年記念オーセンティックユニフォームも、販売された。

     ベガルタチアリーダーズパフォーマンスに続いて開催された第2部は、MF椎橋慧也選手会副会長による「綾野剛です」という挨拶からスタート。ビンゴ大会では多くの景品が提供された。続いて若手選手によるカラオケが披露されたが、収拾がつかなくなってしまったために急きょ昨年に好評だったFW西村拓真(写真右)とMF差波優人(写真左)による物真似が披露され、「ウォーミングアップ中に変な声を出す大岩一貴」などの新ネタで場を和ませた。

     その後、株式会社ベガルタ仙台の西川善久代表取締役社長が「今日のような皆さんの笑顔を、後半戦のホームの戦いでまた見られるようにしていきたい」、渡邉晋監督が「後半戦はこのユアスタで(若手のカラオケ時に踊らされそうになった)“恋ダンス”ではなく“リャンダンス”をたくさん踊れるように、そして皆さんと一緒に(勝利の歌)AURAをたくさん歌えるように頑張ります」とこの日集まった1,892人のサポーターに呼びかけ、感謝の集いは終了した。

     

    文・写真:板垣 晴朗(エルゴラッソ仙台担当)

  • レアンドロ・ドミンゲスが練習試合に出場。初の実戦で見せ場を作る

    レアンドロ・ドミンゲスが練習試合に出場。初の実戦で見せ場を作る

     横浜FCは16日、関東大学リーグ2部所属の神奈川大と練習試合を行った。

     今夏補強したレアンドロ・ドミンゲスの初の実戦となるとともに、カズ、小宮山尊信、藤井悠太らけがで離脱していた選手たちも登場し、大勢のファン・サポーターが詰めかけた。

     午前11時キックオフ、酷暑の中で行われた試合は序盤から大学生にペースを握られる。9分に左クロスからヘディングを合わされ失点すると、21分には中央突破から追加点を奪われた。後半終了間際にもCKから失点し、横浜FCは0−3で敗れた。

     注目のレアンドロは右サイドハーフに入った。守備面の連係はまだまだで、そこを突かれたことが守勢に回る一因にもなったが、ボールを持てばやはり違いを見せた。18分、小宮山のロングボールで裏に抜け出し、バウンドしたボールを巧みにキープしてヒールで大久保にラストパス。20分、左サイドを駆け上がった小宮山にロングパスを合わせ、小宮山のクロスを大久保がシュート。29分、低い位置でタメを作って大久保の飛び出しに合わせたスペースへのパスは、観客も思わずどよめいた。大久保は外を回ったカズに渡し、カズのクロスに中央で寺田紳一がフリーでヘディングシュートを放ったが、惜しくもGK正面。さらに48分にもレアンドロからスルーパスが大久保に渡るが、シュートまで持ち込めなかった。

     約70分のプレーを終えたレアンドロは、「実戦をこなせばコンディションも上がる。今日も3つは大きなチャンスを作った。来週の公式戦につなげたい」と、22日ホーム長崎戦でのJ2デビューに意欲を見せた。

    文・写真:芥川和久(エルゴラッソ横浜FC担当)

  • [書評]読むサッカーvol.36 『ゴールこそ、すべて』

    “イタリアン・ドリーム”の明と暗。サルヴァトーレ・スキラッチ自伝

     

     以前、『ゴモラ』という映画を観たことがある。ナポリを拠点とするイタリア最大規模の犯罪組織『カモッラ』を題材に、抗争が絶えない地域で暮らす少年や、組織の構成員、それとは知らずにゴミの違法投棄に関わってしまう男などを描いた現代劇だ。劇中で主な舞台となっていた低所得者向けの集合住宅は、コンクリートが崩れ、薄暗く、落書きとゴミにあふれていた。雑草が繁茂し、朽ちた自動車が路肩に放棄され、人々の目に生気はない。そこには、社会の底辺から抜け出すことができない人々の閉塞感が満ちていた。

     本書はかつて磐田でもプレーした元イタリア代表FWサルヴァトーレ・スキラッチの自伝だが、読み始めてまず直面したのがそのような情景だった。

     スキラッチはマフィアの本拠シチリア島のパレルモで生まれた。幼少期、地震で住む家をなくしたスキラッチ一家は、ドアをこじ開けて団地の一室に住み着き、勝手に生活環境を“耕し”てしまう(ライフラインまで使えるようにしてしまう)。窃盗、ドラッグ、マフィアのみかじめ料徴収など、犯罪行為が日常となっている環境で、デコボコの広場をピッチに見立て、ゴムボールを追いかける日々。本書の前半で回顧されるエピソードは、先述の映画で目の当たりにしたイタリアの底辺の生活そのものだ。一歩踏み外せば、転落への道はすぐそこにある。

     しかし、スキラッチは脇道に逸れることなく、そんな環境から真っ直ぐに這い上がって見せる。その原動力となったのがサッカーであり、サッカー一つで大いなる成功を成し遂げてみせた。犯罪の道に逸れた友人がスキラッチにかけた「お前はサッカーをしてろ」という言葉が物語るように、イタリアにおいてサッカーがうまいことはそれだけで何にも勝る特別な力だった。

     地元クラブから17歳で4部のメッシーナ(後に柳沢敦や小笠原満男が所属)に移籍。チームとともにカテゴリーを上げ、24歳で2部の得点王を獲得。そして移籍ウインドーが閉まる数秒前にユベントス加入を決める。翌年には滑り込みで90年イタリアW杯のイタリア代表に選ばれ、FWの序列最下位から得点王を奪ってみせた。

     成功の階段を駆け上り、輝かしいキャリアを築いたスキラッチ。しかし、トップクラブでゴールを量産しても、W杯で国中に熱狂をもたらしても、彼が折に触れて思い出す原風景は、故郷パレルモの広場だった。劣悪な環境をものともせず、本能のまま、ゴールに見立てたパン屋の扉に得点を決めることが人生のすべてだった日々。それが本書のタイトル『ゴールこそ、すべて』に集約されている。

     "DAZNマネー”の影響か、神戸に加入した元ドイツ代表FWルーカス・ポドルスキーを筆頭に、ビッグネームのJ参戦が話題に上がることも多くなってきた昨今、W杯得点王の経歴を引っさげ、J初のイタリア人選手として名実ともに日本を沸かせた男の自伝を手に取るタイミングとしてはちょうどいいかもしれない。

    文・横川 僚平(エルゴラッソ編集部)

    [書評]読むサッカーvol.36 『ゴールこそ、すべて』

    著者:サルヴァトーレ スキラッチ(SALVATORE・SCHILLACI)
    発行:3月13日/出版社:洋泉社/価格:1,600円(本体価格)/ページ:328P