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80代男性の人命救助で松本の反町監督に警察署から感謝状も、「当たり前のことをしただけ」
8月31日、今月21日に松本市内で人命救助活動を行った反町康治監督に、松本警察署からの感謝状が贈られた。
反町監督は21日のトレーニングマッチ終了後の18時半ごろ、分析作業や打ち合わせなどを行う練習場近くのアパートへ徒歩で向かっている途中、か細いうめき声を耳にしたという。一度はその場を離れたものの気になって再度その現場を訪れたところ、転落したと思われる80代の男性が、茂みの中で仰向けに倒れているのを発見。GKコーチ、マネージャーとともに助け起こし、すぐに110番通報を行ったという。男性は命に別状はなかった。
この日、感謝状を贈呈した松本警察署署長によると、「人通りの多い場所ではなく、男性が倒れた状況から考えると、反町監督が助け出していなければ命に影響した可能性がある」とのこと。感謝状を贈られた反町監督は、「当たり前のことをしただけで、これほど大きな話になるとは」と驚きの表情を浮かべていた。
文・写真:多岐太宿(エルゴラッソ松本担当)
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プロデビューを果たした浦和ユースの橋岡大樹。浦和サポーターの声援に「鳥肌が立った」
浦和ユース所属の橋岡大樹がトップチームデビューを果たした。昨年からキャンプなどでトップチームの練習に参加してきた橋岡は、今回も夏休みを利用して今月16日から練習に参加。そして夏休みも残り2日となった30日、ルヴァンカップ準々決勝第1戦のC大阪戦でプロのピッチに立った。
公式戦のベンチ入りは6月21日に行われた天皇杯2回戦・盛岡戦以来、2試合目。ベンチで試合を見つめながら、「ここで誰かがけがをしたら自分がやるのか」「自分が出るとしたらここでプレーするのか」とイメージしていた橋岡。そのイメージは緊張につながり、マウリシオの負傷退場によっていざピッチに立った瞬間も緊張したが、「入ってからは必死過ぎて緊張よりは『頑張ろう』という気持ちになり、途中からは楽しくなってきた」と初舞台の感想を語った。
マウリシオは31日に検査したため現時点ではけがの程度は分からないが、3日の第2戦は欠場が濃厚。この日、同じDFの森脇良太がFWズラタンとともに練習に合流したが、合流から数日で大事を取るとなれば、橋岡がスタメン出場する可能性も十分にありえる。
「けが人が多いというのはチームとしては痛いことだと思うけど、自分からしたらチャンスだと思うし、プロの世界はそういうところにどれだけ付け込めるかだと思う。出る機会があったらその人と同じぐらいというか、『こいつのほうが良いんじゃないか』と思われるようなプレーを見せていけるようにしたい」
浦和サポーターの声援を受けてプレーする初めての経験は「鳥肌が立った」が、第2戦ではさらに大きな声援を受けることになるだろう。U-18代表や飛び級でのU-20日本代表候補にも選出され、今季のゼロックススーパーカップの前座試合、Jユース選抜vs高校選抜ではJユース選抜の主将を務めるなど、浦和はもちろん東京五輪世代としても期待される橋岡。未来へ向けた確かな第一歩を踏み出した。
文・写真:菊地正典(エルゴラッソ浦和担当)
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恩は結果で返す! 長崎・平松宗は恩師・柳下監督率いる金沢に恩返し弾を誓う
平松宗が恩師の前での恩返し弾を誓った。
新潟から期限付き移籍で長崎に加入後、初出場で初得点を記録。前節は初先発も飾るなどすでに存在感を発揮している平松。高木琢也監督も「言われたことをできるだけ短時間で発揮できるというか、表現できる」とその能力を評価している。
そんな平松は、今節対戦する金沢の柳下正明監督は平松がプロになった最初の年に新潟で指導を受けことがある。いわば恩師だ。平松は柳下監督について「すごくお世話になったし、僕がプロでやっていく上で大切なことを教えてもらった人」だと語る。「ハードワークの部分、仲間のミスを全員でカバーする意識、チーム一丸で戦うことの大切さ、練習から100%でやること。そういったことはヤンツーさん(柳下監督)から学びました」と振り返る。日ごろの練習を見ても平松の姿にはそういったものが詰まっている。平松の言葉にうそ偽りはないようだ。
「普段は優しいし、お父さんっていう感じの人。ただ、サッカーの世界に入るとスキがないというか。ヤンツーさん自身がサッカーがすごく好きな人なので、練習でも試合でも絶対に妥協がない。プレーと結果で恩返しできればなと思っています」と恩師の前でのゴールを誓った。
高木監督も「もうちょっと、シュートの回数も増やすべき。3、4本は最低でも撃っていけるようにならないとチャンスも出てこない」と平松に課題を課す。「ファンマが出場停止から戻ってきて当然、意識はする。結果を出すのがFWの競争に勝っていく一つの材料」と平松も結果に対してどん欲な姿勢を示している。今節、求める結果を平松は出せるか。
文・写真:杉山文宣(エルゴラッソ長崎担当)
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「いまこそ楽しむことが必要」。そう話す福岡の主将・三門雄大の真意とは?
今節の讃岐戦を前に、主将の三門はこんな言葉を口にした。
「自分たちから楽しむことが必要だと思う」
そしてすぐに注釈をつけた
「楽しむと言っても、ショートパスをたくさんつないで相手をいなすような“楽しみ”ではなく、11人でサッカーをやるという意味での楽しさのこと」
記者が十分に理解していないと見た三門はさらに続けた。
「みんなでガツガツとボールに寄せてボールを奪い取る。個人技ではなくグループとして、チームとして連動して相手守備陣を崩す。誰かがドリブルをして、あるいはチャレンジパスを狙って失敗、相手ボールになっても周囲がすぐにカバーに動く。誰かが誰かのために仕事をする。そして、それに充足感を覚える。それがサッカー、それが楽しいという感覚を思い出すべきときだと思う」
なぜ、いまそんな楽しさの追求が必要なのか、主将はこう解説する。
「リーグの前半戦は、そういう意識がみんなの中にあった。でも、上位にいるうちに他人に厳しくなる傾向が出てきた。ボールを失えば、失った本人に『すぐに切り替えていけよ』との声が飛ぶ。確かにそういう厳しさはさらなる成長のためには必要なんだけれど、互いに信頼し合い、助け合うこともそれ以上に大事」
昇格へのプレッシャーが高まるリーグ終盤戦に向けて、確かに三門が言う『楽しさ』は一丸を促すためにも欠かせない要素となりそう。
「そんなことをいま一度、みんなに話してみようかと思っているんです」
三門の言葉による変化が表れるのか。今節の讃岐戦はそんなところにも注目したい。
文・写真:島田徹(エルゴラッソ福岡担当)
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「大学で良い準備をしていきます」。町田内定の日体大GK福井光輝は「可能性のある選手」
町田は8月30日、日本体育大学よりJFA・Jリーグ特別指定選手として在籍しているGK福井光輝(21/写真左)が、来季2018シーズンより正式加入することが内定したと発表した。
来季から念願のプロ選手としての仲間入りを果たす福井は「プロ選手になることは一つの夢でしたし、その夢を実現できたことにホッとしています」と喜びの声を語った。ちなみにプロ内定を家族に報告すると、「自分が決めた道ならば応援する」と話してくれたという。
福井のストロングポイントは「攻撃の起点となるフィードやシュートストップ」。関東大学リーグの低学年時代から福井をチェックしてきたという丸山竜平強化部長は「可能性のある選手」と話し、彼の将来性に期待を寄せた。日体大が夏期休暇の期間は比較的トップチームのトレーニングに帯同していた福井だが、今後は学業と大学リーグへの参戦が中心になるという。とはいえ、福井自身は「ゼルビアでチャンスが巡ってくる可能性もあるので、大学で良い準備をしていきます」と話している。
正式なプロ選手の仲間入りまであと約半年。クラブ期待のニューフェースは「1日1日を大事に過ごしていきたい」と話し、プロの世界へ飛び込むまでの日々を大事に過ごすことを誓った。
文・写真:郡司聡(エルゴラッソ町田担当)