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決勝進出を決めた古巣へ。山形の元浦和戦士、加賀健一が送るDFならではのエール
10年ぶりとなるACL決勝進出を決めた浦和。昨年までの2シーズン、浦和に在籍したDF加賀健一も、古巣の活躍を喜んだ。
18日に行われた準決勝第2戦、浦和vs上海上港戦。テレビ観戦したという加賀は、「ボール際の強さだったり、走る、攻守の切り換え、そういったスピードだったりは、相手を完全に上回っていた。それが失点ゼロという結果になったと思うし、決勝進出にふさわしい試合をしたのが浦和だったと思います」と話しつつ、「あれぐらいはみんなやるだろうなというのは、練習をやっていて、僕がずっと感じてきたことだった。対戦していく中で上海上港が一番強かったと思うから、優勝するんじゃないかなと思っています」と決勝の2試合にも期待を寄せていた。
また、試合後に早速電話で会話したというDF槙野智章のプレーについても、「フッキを抑えていたので、あれはすごく参考になったし、僕自身にとっても刺激をもらいました」と、今節・讃岐戦に向けても良い影響があったようだ。
「マキ(槙野)とはよく会話もしていたし、コミュニケーションは取っていたので、彼の考えていることは大体分かる」という槙野の最近のプレーはしっかりチェックしている様子。「代表の2試合もCBとして出て、チームに帰って、余裕が生まれて、そんなに慌てることなくプレーしていた。その代表2試合で彼も成長したと思うし、もっともっと彼ならできるかなあと思っています」とエールを送っていた。
文・佐藤円(エルゴラッソ山形担当)
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川又堅碁が挑む古巣戦。新潟への思い入れを口にするも「試合になれば関係ない」
磐田の川又堅碁が19日、J1第30節・新潟戦に向けて意気込みを語った。
現在、磐田は3位と勝ち点3差3の6位につけており、今節も勝利が欲しいところ。一方の新潟もJ1残留に向けて死に物狂いで戦うはずだ。川又は「お互いに勝ちたい気持ちは同じだと思う。最初から気持ちを出して、最後まで走り切りたい」と述べた。
新潟は川又がプロキャリアをスタートさせたクラブであり、「J1に残ってほしい気持ちはもちろんある」と思い入れを口にする。それでも「試合になったら関係ないです」と、ピッチ上では勝負に徹する意思を見せた。
川又はここまでリーグ戦11ゴールと、磐田のスコアラーとして結果を残している。古巣への愛着は強いが、今節もサックスブルーの勝利のために全力を尽くす。
文:青木務(エルゴラッソ磐田担当)
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札幌のチャナティップがFC東京戦へ意気込み。パワーの源はあの北海道名物
「カチタイ(勝ちたい)!」。日本語でそうハッキリと今週末のFC東京戦に向けた意気込みを明かした“タイのメッシ”こと札幌のチャナティップ。前節は直前のタイ代表遠征中に体調を崩したことなどもあって、ベンチスタートを余儀なくされた。だが、そこから1週間が経ち「いまのコンディションは100%」と自らが口にするように、万全の体調で味の素スタジアムへ乗り込むことになりそうだ。
相手のFC東京には大久保嘉人や髙萩洋次郎、チャン・ヒョンスなど、ハイレベルな選手がズラリとそろうが、「自分としてはJリーグはすべてのチームがハイレベルだと思っているので、相手を警戒する気持ちはいつもとまったく変わらない」と、常に相手をリスペクトする気持ちはどこが相手でも変わらないことをあらためて示した。ただし、だからといって過度にリスペクトすることは決してなく、「試合というのはメンタルが強いほうが勝つと思っている」と話し、その上で再び「カチタイ!」と意気込みをさらに高めた。
来日からしばらくは日本の焼肉店で食べるカルビが大好物となっていたが、ここ最近は都倉賢らに連れていってもらったジンギスカンが気に入った様子で、「週に何度もジンギスカンを食べている」とのこと。北海道の名物料理をパワーの源とし、今季チームがまだ果たせていないリーグ戦での敵地勝利に貢献するつもりだ。
文:斉藤宏則(エルゴラッソ札幌担当)
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清水の功労者、杉山浩太が現役引退会見。残り試合に向けて発した“らしい”思い
19日、アイスタでMF杉山浩太の引退発表記者会見が行われた。
杉山は小学校5年生で清水のサッカースクールに入り、03年にトップチームに昇格。08、09年は柏に期限付き移籍となったが、所属としては清水一筋であり続けてユニフォームを脱ぐことになった。「『長い間いるな』と思っていたが、(清水のスクールに入ってから)20年を超えているとは思わなかった。いま思い返すと、あっという間だったような気がする」と振り返った。
杉山は昨季J1に昇格してから、「最後の1年の気持ちでやろう」と思っていたという。しかし、「体のこと、年齢のこと、自分のプレーのこと、すべてを踏まえた上で」引退を決意することになった。
「今年1年間、サッカーを始めたときの自分を裏切らないような終わり方をしたいなと思っていた」と杉山。今季は持病の悪化やけがなどが重なり、練習に参加できないことも多かったが、今週に入ってチームに合流している。チームはJ1残留争いをしており、残り5試合はチームの明暗を分ける試合になる。そこで、「自分はいま、チームメートから見られていると思う。いろいろな先輩の背中を見てきたが、いまの若手には、僕が見てきた背中の10分の1も伝え切れていないと思うので、最後にもう一つ見せたい」と意気込みを語った。
そして、こうつけ加えた。
「僕のちょっとしたプライドでもありますけど、“最後だから自分が出場する”ということはまったく望んでいない。あくまでもベストメンバーを選んでほしい」
そこを何度も強調するあたり、最後まで「浩太らしいな」と思わせる会見だった。
文・写真:田中芳樹(エルゴラッソ清水担当)
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ACL決勝進出を決めた浦和の戦いに刺激。清武弘嗣「もう一回、アジアでセレッソがどのくらい戦えるのか、僕自身もやってみたい」
18日に行われた浦和vs上海上港のACL準決勝第2戦は、激闘の末、上海上港を1-0で下した浦和が10年ぶりのACL決勝進出を決めた。
この試合で見せた浦和の戦いぶりは観る人の心を揺さぶったが、試合後、C大阪のMF清武弘嗣も「すごい試合だったなと感じました。あのくらい戦わないといけないと、あらためて感じました。おめでとうとともに優勝を願っています!!!」と自身のインスタグラムに試合の感想をつづった。
翌日の練習後、あらためてこの試合の感想を清武に尋ねると、「レッズは球際がすごかった。ああいうプレーがいまのセレッソにもいると思うし、僕たちもリーグ、ルヴァンカップ(決勝)、天皇杯(準々決勝)とあるので、ああいうところからもう一回(突き詰めて)やっていかないといけない」と自らを戒めた。前節のJ1第29節・鳥栖戦では球際で相手に負けず、セカンドボールも拾えていたC大阪だが、「昨日の浦和を見ると、まだまだ足りない」と話す。
清武自身、前回のC大阪在籍時の11年にACLに出場し、チームのベスト8進出にも貢献しているが、意欲を燃やすのは自身2度目となるACL出場。
「もう一回、アジアでセレッソがどのくらい戦えるのか、僕自身もやってみたい。今シーズン、ACLをまだ狙える位置にいるので、最終的にそういう順位で終わることができたらいい」
前節が終わった時点で、ACL出場権を獲得できる3位(以内)とは勝ち点差2。今節、ホームで迎えるJ1第30節・甲府戦は、ACL出場権獲得を目指す上で、譲れない一戦となる。
文・小田尚史(エルゴラッソC大阪担当)
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横浜FC、巻き返しに向けた監督交代。バトンを受けた奥寺康彦暫定監督「(J1昇格へ)必要なのは、もう一回自信を持ってプレーすること」
14日の前節・山形戦に敗れたあと、翌15日夕に中田仁司監督の解任を発表した横浜FC。本日19日の練習後には、今節・町田戦で暫定監督を務める奥寺康彦氏と選手たちが取材に応じた。
第35節に最下位の群馬に引き分け、前々節の福岡戦、前節の山形戦と連敗し、順位が8位に後退した。その中で「残り少ないJ1昇格への可能性を今一度奮起し、なんとしてもここからJ1昇格プレーオフに進出して勝ち上がるため」と、北川浩史代表取締役社長兼COOは中田監督の解任理由を説明している。
選手たちに知らされたのは15日の朝で、主将のMF佐藤謙介、副将のMF中里崇宏はともに「正直、驚いた」ものの、「ピッチでプレーしているのは選手。監督一人の責任ではなく、僕たち選手にも責任がある」(中里)と受け止め、「すぐに次の試合がくる。切り替えてやらなければいけない」(佐藤)と前を向いた。
後任は未定で、ヘッドコーチ格の増田功作コーチが19日までS級ライセンス取得講習会に参加しているため、20日に行われる町田戦へ向けての練習は、早川知伸コーチが指導。当初、試合も早川コーチが指揮を執るとしていたが、18日に奥寺氏の暫定監督就任が発表された。
横浜FCの代表を務める奥寺氏は、スポーツダイレクターを兼務し、S級ライセンスも所持している。シーズン終了まで指揮する可能性については「ゼロではない」としながらも、「そんなに(可能性は)ないと思う。後任は社長がリストアップしていて、ある程度メドがついているようだ」と、あくまで暫定であることを強調した。
残り5試合で、プレーオフ圏内となる6位との勝ち点差は3。このカンフル剤が吉と出るか凶と出るか。奥寺暫定監督は「必要なのはもう一回自信を持ってプレーすること。選手たちが危機感を感じてくれれば、また変わってくると思う」と意気込みを語る。
今季、副将を務めるFW三浦知良も「選手たちも内に込めたものがある。それを明日の試合で精一杯、横浜FCが昇格に近づけるように。プレーオフに入れるように、大事な一戦になると思う」と、町田戦へ気を引き締めた。
文・写真:芥川和久(エルゴラッソ横浜FC担当)
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山口のマジョール監督は「前節のようなアグレッシブさ」を求め、残り5試合をあきらめない
今季の残り試合が少なくなっていく中、勝ち点を拾えないゲームが続く山口。前節・長崎戦では先制点を奪ったが、痛恨の逆転負けを喫した。
結果こそ敗戦に終わったものの、カルロス・マジョール監督は選手が見せたアグレッシブな姿勢を高く評価している。今週17日の練習後には、「今後も長崎戦で見せたような姿勢や走る気持ちを前面に出して戦わなければいけないし、選手にも『ここからの5試合を長崎戦と同じような意識で戦ってほしい』と伝えた」と話す。
今節からホーム2連戦が始まる。今節対戦する水戸との過去の戦績は、3戦して2勝1分とポジティブな要素はある。
マジョール監督は、勝利するためのポイントに「ディフェンス面での集中」を第一に挙げ、「試合の頭から相手に強くプレッシャーを掛け、ボールを奪い返すことを重視しなくてはいけない」と厳しい表情を見せる。
「いま、われわれにはどうしても勝利が必要。残り5試合で全勝できれば勝ち点15が得られる。長崎戦のように走り、同じ意識で臨むことができれば、負けることはないと確信している」
文・写真:田辺久豊(エルゴラッソ山口担当)
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三田啓貴、今季3度目の清水戦に向け「先につながる結果を出し続けたい」
仙台のボランチ・三田啓貴が、J1第30節・清水戦からの今季残り5戦に向けた意気込みを口にした。
前節のJ1第29節・川崎F戦では終盤の3失点により逆転負け。三田は試合運びなど反省点を多く挙げた一方で、「相手よりもボールを“握れた”ことは大きい」という収穫も忘れなかった。
前節の仙台は初期配置を相手に合わせて調整し、[3-5-2]で挑み、攻守ともに相手を圧倒した。今季の序盤はこうしたオプション的配置を採用したときは連動性が落ちたが、それに比べると進歩と言える。三田自身も通常より高い位置からのスタートだったが、「練習してきたことを途中まで完璧と言っていいくらい出せたのは、自信になります」と、手ごたえを得た。
収穫と課題を得て挑む次節の相手・清水とは、三田は今季公式戦3度目の対戦となる。ルヴァンカップグループステージ第3節(3○1)で三田は同点ゴールを決め、逆転勝利に貢献。現在は仲の良いチームメートのMF野津田岳人ともピッチ上で火花を散らしたJ1第9節(3○0)でも、相手の守備ブロックの隙間を突いて活躍した。
「相手には主力で出られない選手もいるけれど、(J1)残留のためにモチベーションが高く、勢いがある」と警戒しながらも、この清水戦からの今季残り5戦に向け「目標としていたタイトルにはルヴァンカップ(準決勝)で負けたことで届かなかったけれど、残り5つは来年にもつながる大事な試合。次のホーム戦から、しっかり先につながる結果を出し続けたい」と、勝利を誓った。
文・写真:板垣晴朗(エルゴラッソ仙台担当)
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クラブを救いたい思いは一倍。アカデミー出身の高山和真、スクランブルの左SBで先発の可能性
DF和田拓也とDF大屋翼が負傷離脱し、DF渡部大輔も前節・横浜FM戦で負傷。チーム全体での負傷者は少ないものの、左SBを務める選手が続々と離脱してしまった。今節・柏戦では左利きの2選手、DF高山和真とDF河面旺成から、先発がピックアップされることになりそうだ。
アカデミー出身であり、伊藤彰監督の就任後にはCBのレギュラーを務めた時期もある高山は「SBをやってみたらどうかな、くらいに考えたことはありましたけど、『SBはないだろうな』と思っていました」と話すが、巡ってきたチャンスを逃す気はない。「ここで結果を残せなかったら、今季はもうないというくらいの気持ちでやりたい」という思いを持って臨む構えだ。
「相手(柏)は伊東純也さんと小池くんが攻撃的な選手で、柏のサッカー自体、SBが高い位置を取って攻撃参加するという特長がある。どうしても1対2になる部分もあると思うので、(左サイドハーフの)マテウスに攻撃もやらせつつ、守備のコーチングもして、なるべく2対2に持っていけるようにボランチも含めてコーチングしながらやりたい」
一人の生え抜きとして、そして伊藤監督にアカデミー時代から育てられた“教え子”として、クラブのJ2降格を救いたい思いは人一倍。
「彰さん(伊藤監督)にもしっかりとした技術を教えてもらって、それがなければいまの自分はないと思っています。J2に降格した監督にはさせたくないし、自分自身としても降格は経験したくない」
強い気持ちを勝利につなげたい。
文・片村光博(エルゴラッソ大宮担当)
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金沢の石田崚真、4試合連続アシスト中。「(クロスは)いま、めっちゃ自信がある」
金沢のDF石田崚真が、自身が出場した4試合連続でアシストを記録している。
右SBとして先発出場を続ける石田は、前節・町田戦も得意のクロスでお膳立て。FW佐藤洸一のボレーシュートをアシストした。
「見たときにフリーだったので、洸一くん(佐藤)を狙うのは確実だった。ちょっと後ろ気味になったけど、洸一くんが良い感じでボレーを決めてくれたので良かった」
これで今季のアシスト数を『6』に伸ばした石田。「まず目標はクリアしたので、(この数字を)どこまで伸ばせるか。最初は目標を決めていなくて、多くアシストできたらいいという感じだったが、具体的には6アシストくらいだった。それを達成できた。あと5試合なので、あと2アシストくらいは欲しい」と話す。
クロスの精度は「いま、めっちゃ自信がある」とハッキリ言い切れるほど高くなった。
文・野中拓也(エルゴラッソ金沢担当)