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二人合わせて34ゴール。東京Vが誇る脅威のブラジリアン・デュオ、福岡戦で3試合ぶりに並び立つ
3試合ぶりに、脅威のコンビが復活する。
4連勝で5位に浮上した東京Vは、28日(土)に勝ち点2差で追う2位・福岡との明治安田J2第39節に臨む。その試合で、ここ2試合累積警告によって出場停止となっていたFWアラン・ピニェイロ(写真右)が復帰予定。直近8試合で8得点と絶好調のドウグラス・ヴィエイラ(今季18ゴール、写真左)と、アラン・ピニェイロ(今季16ゴール)という点取り屋2名が、福岡戦の前線で並び立つことが濃厚となった。
チームをJ1復帰に導かんとするロティーナ監督が「アランはハードワークとゴールという良さをチームにもたらしてくれる。今回も、その特長をチームに還元してほしい」と期待するように、アラン・ピニェイロの復帰はチームの追い風だ。本人も「2試合出られなかったぶん、福岡戦に向けてしっかり練習してきた。良い準備をしてきたので、出れば全力を尽くす。これまでと変わらぬプレーを見せたい」と気持ちが入る。
後方から彼らを生かす安在和樹は「ウチの強みはブラジル人の二人」とまで言った。二人合わせて34ゴール。守備も献身的で、おまけに好漢。常に二人で帰宅する仲良しコンビだ。チームに尽くすブラジリアン・デュオが、福岡に襲い掛かる。
文:田中直希(エルゴラッソ東京V担当)
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涙を流すウェリントンに岩下敬輔がかけた言葉とは?
前節(J2第38節)の千葉戦、2本のPKを外し、さらに終了間際に2回目の警告を受けて退場となった福岡のウェリントンは試合後に泣きくずれた。好調・東京V戦でエースを欠くことはチームにとって痛いが、それよりもウェリントン自身のメンタル面がとても心配な状況だった。しかし、アニキこと岩下敬輔が早急な手当てを施していた。
どんな手当だったかを話す前に、千葉戦での2本目のPK時の裏側を岩下はこんなふうに明かした。
「PKはウェリが蹴ることに決まっていたので1本目は当然、ウェリがキッカーに。でも、1本目を外していたからさすがに2本目はプレッシャーが掛かるだろうと思って、自分がまず、テル(仲川)に『お前、いけるか?』と聞いた。『いける』というテルの言葉を確認してからウェリにも聞いた。すると『大丈夫』という答えが返ってきた。もちろんイヤな感じはしていたんだけれども、ウェリの言葉と目を見て、任せることに決めた」
そうして2回目のPKを蹴ることになったウェリントンだが、2本目のキックはGKの逆を取ったもののボールはクロスバーをたたいたのだった。
「ロッカーに引き揚げてから、通訳のガンジーさん(白沢敬典通訳)とウェリとオレの3人で話した。オレが言ったのは『堂々としていてくれ』ということ。PKを決められなかったことは1回のゴメンでみんな許す。それだけの働きをこれまでしてくれているわけだからね。そんなに泣いていたんじゃ、PKを任せると判断したオレや譲ったテルもずっと後悔し続けなくちゃいけないだろ。だから、もう顔を上げてくれ、と」
独特の言い回しだが優しい励ましだと感じたウェリントンは「アリガトウ」と言葉を返したという。
東京V戦のあとに控えるホーム・レベスタでの湘南戦。そこにはきっと古巣相手に暴れるウェリントンがいるはずだ。
文:島田徹(エルゴラッソ福岡担当)
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「明日の練習はやるつもり」。公式戦2連敗中の鹿島に“金崎不敗神話”を継続する金崎夢生が復帰か
腰痛で天皇杯準決勝・神戸戦に出場しなかった鹿島の金崎夢生は、この日も室内で別メニュー調整だった。しかし、明日からの練習については「朝の状態を見て相談しながら」と含みは持たせたものの「やるつもり」とチームに合流する意向を示した。
チームは公式戦2連敗と苦しい状態に追い込まれているが、もしエースストライカーの復活となれば再び勢いをもたらすだろう。“金崎不敗神話”も継続しており、ゴールを決めた試合は28試合負けなし(27勝1分)という圧倒的な数字を残す。
チームのピンチを救い、Jリーグ連覇に導くことが期待されている。
文:田中 滋(エルゴラッソ鹿島担当)
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熊本ユースDF衛藤幹弥の来季トップチーム昇格が決定。ユースからのトップ昇格は通算6人目
熊本は25日、ユースに所属するDF衛藤幹弥の来季トップチーム昇格が内定したことを発表した。
先日行われたJユースカップでは2回戦で浦和レッズユースに0-2で敗れたが、1回戦のギラヴァンツ北九州U-18戦では延長戦にもつれながら6-2で大勝。衛藤はCBフル出場し、後方からゲームを組み立てるだけでなく、延長前半にCKからチームを勢いづかせる勝ち越しゴールを頭で決めるなど、精神的にもチームを引っ張る存在感を見せた。
ユースからのトップ昇格は、昨季のMF米原秀亮に続いて通算6人目で、クラブとしての選手育成が徐々に成果を出し始めたと言える。
アカデミーで磨いたパスの質や相手との駆け引きに自信を持つ一方で、これまでに何度か参加したトップチームのトレーニングでは「プレーや判断のスピード、アプローチの速さがユースとはまったく違ったので、早く慣れていきたい」と話している。
今シーズン途中から3バックの中央に入っているMF村上巧を身近な目標に掲げるが、「アカデミー出身選手としての責任を持って、自分のプレーを見て目標とされる選手になっていきたい。まずはロアッソ熊本で試合に出て結果を残し、将来は海外も視野に入れながら自分を高めていきたい」と、大きな目標も見据えている。
文・写真:井芹貴志(エルゴラッソ熊本担当)
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今節・京都戦が初陣。横浜FC・エジソン新監督の指導を受けた選手たちの印象とは
横浜FCは26日、中田仁司前監督解任以来初めて公開でトレーニングを行い、エジソン新監督がサポーターの前で練習を指導した。
24日に横浜FCの新監督として就任が発表され、同日から練習を指揮しているエジソン監督。練習メニューの説明はコーチ陣が行うものの、選手が動き始めるとピッチの中を縦横無尽に移動し、ジェスチャーを交えながら大声を張り上げる。その姿は実にエネルギッシュ。監督が声を張り上げれば、当然、通訳もそれに倣うため、声は2倍。練習の雰囲気は実に賑やかだ。
「いかにもブラジル人らしく明るくて、(指導を見ていると)リーダーシップのある人なのかなと思う」と、初めてブラジル人指揮官に接したGK高丘陽平は印象を口にした。
また、DF西河翔吾は「監督からは『プレッシャーに強く行け』と。『今まで3mのところを1mにしろ』と言われた」と明かす。その指導ぶりと合わせ、激しくアグレッシブなスタイルを志向する監督のようだ。「今までよりも積極的に、守備でも自分たちからアクションを起こしていくサッカーになるのかな」と、主将のMF佐藤謙介はこれからの変化を予感している。
28日にアウェーで行われる今節・京都戦が新指揮官の初陣となる。アグレッシブな新スタイルを見せられるか注目したい。
文・写真:芥川和久(エルゴラッソ横浜FC担当)
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クラブの危機に立ち上がったサポーターのためにも。J1昇格・J2優勝へ、湘南は一丸となって戦う
今週の頭から台風21号に襲われた日本列島。その影響はJ1昇格・J2優勝を目前にした湘南にも及んだ。普段の練習場である馬入ふれあい公園サッカー場は冠水し、別の練習場でのトレーニングすることを余儀なくされている。
26日は、足柄市にある開成水辺スポーツ公園でトレーニングを実施。使用できるグラウンド面積は小さく、固いピッチという厳しい環境の中でも選手たちは精力的に取り組んだ。この状況について曺貴裁監督は「考え方によっては、たまには良いんじゃない? こうやって違うところに来て、選手もリフレッシュできるだろうし、帰りに違うところで飯を食べて温泉に入って行くヤツもいるかもしれない」とポジティブに捉えている。
好調のMF藤田征也も「こういうことがあったのは良くはないけど、また全員でまとまって気持ちを一つにやっていかないと」と話すように、たとえどんなアクシデントがあろうとも、チーム一丸となって乗り越えてきたのが今季の湘南。その力は、今節・岡山戦でも発揮されるはずだ。
今節は、他チームの結果次第では、試合前日にJ1昇格やJ2優勝が決まる可能性もあるが、勝てば文句なし。クラブの危機に立ち上がったサポーターのためにも、ホームで初めて迎える昇格の瞬間を味わいたい。29日のBMWスタジアムが歓喜に包まれることに期待が高まる。
文・写真:高澤真輝(エルゴラッソ湘南担当)
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36歳と50日。J歴代最年長MVPの中村憲剛、ギネス世界記録公式認定書の表彰を受ける
川崎FのMF中村憲剛が26日、昨季歴代最年長でJリーグ最優秀選手賞を受賞したことに関し、すでに認定されていたギネスワールドレコーズ『ギネス世界記録2018』から正式に公式認定書の表彰を受けた。
中村は36歳50日で”Jリーグアウォーズ最優秀選手賞を受賞した最高齢選手”として、今年の7月にギネス世界記録に認定。「最初はドッキリかと思った」と当時を振り返りながら、認定されたことには「自分が該当するとは夢にも思わなかった。よくテレビでは見ていたけど、自分には縁がないものだと思っていた」と驚きを隠せなかった様子だった。
ギネス世界記録に名前が載ることになったことに対して、中村は喜びを語っている。
「認められたのはうれしい。自分が最高齢で獲ったからこそ、こういう記録をもらえたわけで、最高齢も悪いものではないなと。認知というか、サッカーでも関われるというふうに知れたことは、すごく大きいことだと思う」
週末にはタイトルに向けた重要な一戦が待つ。中村は「昨日は非常に悔しい負けだったけど、引きずっても仕方がない。切り替えて、また週末の試合に向かわないといけない」と語り、週末の柏戦を見据えていた。
文・写真:林遼平(エルゴラッソ川崎F担当)
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最終戦告知ポスターに、『18』パターンの石川直宏が登場!
異例の『18』ポスターだ。FC東京は26日、ホームタウンエリアの商店街を中心に都内約3,300箇所に掲出している試合告知ポスターに、今季限りでの引退を発表した石川直宏を起用すると発表。そのポスターの内容は、石川の背番号18にちなんで18パターンのポスターを作成するという。
2002年から16シーズン在籍した1シーズンごとの写真を採用するとともに、そのすべてのシーズンの写真を入れたものなど、バリエーションは非常に豊かなものになっている。
ポスターは26日を皮切りに、随時ランダムに掲出される。また11月1日から30日の期間、新宿南口の京王モールでは18パターン全てのポスターが掲出される。
石川は今回の試みについて、クラブを通じて「自分のポスターが貼られているのは、スゴく照れくさいけれど、非常にありがたいです。写真だけを見てもクラブとともに成長してきた歴史を感じます。このポスターを見て、自分のプレーヤーとしての最後の姿を見に来てもらえればうれしく思います。味スタはもちろん、FC東京の選手としてデビューした駒沢も思い入れがあるので、両方のピッチに立てるように、ここから積み上げていきたいと思います」とコメントした。
クラブの石川への思いも感じられる今回の企画。J1、J3最終戦告知ポスターに注目だ。
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勝てばJ2残留確定。金沢・柳下正明監督、山口との直接対決へ「狙いどころは分かっている」
金沢は今節、アウェーで山口との下位直接対決を迎える。18位・金沢と21位・山口の勝ち点差は『8』。この試合に勝てば、金沢のJ2残留が確定する。
現在、金沢は3戦負けなし。ここ2試合は引き分けているものの、いわゆる“相手の時間帯でも大崩れせずに”守り抜く粘りを見せた。以前よりもチームの集中力は研ぎ澄まされ、ほどよい緊張感に包まれている。
「自分たちは勝てば残留を決められる。残り4試合しかないので、1試合1試合を勝つつもりでいきたい。去年も残留争いを経験した選手が、何人もいる。そういった経験が、今年(移籍して)来た選手にも良いように働いている。自分たちはしっかり勝っていきたい」(杉浦恭平)。
昨季から金沢は、対山口戦3戦3勝。そのすべてが1点差で“勝ちゲーム”という内容ではなく、今節も同様簡単な試合にはならないだろうが、山口は今季66失点を喫しているだけに、つけ入るスキもありそうだ。
柳下正明監督は「狙いどころはもう分かっている。あとは実際のゲームで選手ができるかどうか。これからまた(選手に)伝えていく」と、きっちり落とし込む様子。下位直接対決に向け、指揮官は「そんなに硬くならなくていいんじゃない? 向こうは『これを落としたら』という気持ちがあるだろうから、そこをうまく突けたら」と話した。
文・野中拓也(エルゴラッソ金沢担当)