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神戸MF小川慶治朗が″残留″を決断。「必要としてくれた。クラブの歴史を刻む力になりたい」
神戸の下部組織から育ったMF小川慶治朗が、クラブとの契約を更新。獲得意思を示した他クラブに断りを入れ、新たな決意を語った。
1日、非公開練習後の囲み取材に応じた小川。「神戸は育ってきた場所だし、何も成し遂げていない。入団してからタイトルを取りたいと思ってきたし、神戸がそのチャンスをくれた。クラブが変わって行こうとしている中で、その力になりたいし、その歴史を刻む力になりたいと思った」と″残留″を決めた心境を打ち明けた。
今季で神戸との契約が切れる中、自身が成長するための最適な決断は何か。「神戸を離れるなんて今まで考えたこともなかったけど…」と少なからず悩みを抱えたという小川。ただ、「気持ちは神戸でタイトルを取って、代表に入り、W杯に出場すること。そこはぶれなかった」と、自身の成長曲線にある土台を見つめた。
獲得意思を示した他クラブに、小川は敬意を欠かさない。″残留″を決断したのは、神戸が「僕を必要としてくれた」ことだった。「ケガをしている時には『自分は必要なのかな』と考えたりすることもあったけど、話したときの(神戸側の)気持ちがうれしかった」と感謝。熱意を伝えられた時に「即決」したという。
小川は神戸のエースナンバー『13』を背負う。球際で戦い、走力を出し尽くし、神戸が大切にするメンタリティーをそのプレーで表現。相手の目をまっすぐに見つめて話す誠実な姿勢に惹かれるサポーターは多く、期待と大きなリスペクトを込めて、チャント『金色のライオン』をスタジアムで鳴り響かせる。
2日のリーグ最終節・清水戦はクラブのJ1通算200勝目がかかる。「歴史を刻むのは、タイトルしかないと思っている。200勝は一つのステップだと思うし、清水戦を天皇杯のタイトルにつなげたい」と小川の語気は鋭い。リーグ戦を勝利で締め括り、23日の天皇杯準決勝・C大阪戦へチームの勢いを高めていく覚悟を語っていた。
文:小野慶太(エルゴラッソ神戸担当)
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今季限りで満了の愛媛DF深谷友基、愛息子に「もう一度試合で活躍している姿を」と現役続行宣言
すでにクラブから発表されているとおり、契約満了により今季限りで愛媛を退団することが決まっている深谷友基だが、チーム最年長35歳の視線はすでに現役続行へ真っ直ぐと向けられている。
深谷は今季リーグ戦9試合の出場にとどまり、先発でピッチに立ったのは明治安田J2第22節のアウェイでの長崎戦1試合のみ。しかし、空中戦に弱点のあるチームの中でフィジカル自慢の深谷は高さで戦える貴重な戦力であり、そのピンポイントの力は試合最終盤でリードを保ったまま逃げ切るためのクローザー役として遺憾なく発揮。また、若く経験値の浅い選手の多いこのチームにとっては頼れる兄貴分でもあり、ときにはチームメイトを叱咤して奮い立たせるなど精神的な拠りどころでもあった。
結果的に深谷は愛媛での2シーズンでレギュラーポジションを確保できなかったが、前向きに捉える部分はある。愛媛に移籍してくるまでは、けがと復帰の繰り返しでうまくコンディションを維持できなかったが、「若い選手ばかりでよく走るチームの中で2年間やってこれた。厳しいトレーニングにも、けがなくついていけたし、体ももう一度動くようになってきていた」と再び戦える体を取り戻せたことは大きなプラス材料になったと考える。それだけに「あと1年あったら、また行けるんじゃないかなと思って自分の中で楽しみにしていたところもあった」と今季限りでの満了に無念さもひとしおだ。
現役続行は現在10歳と7歳の息子のためでもある。子煩悩な父親としても知られる深谷は「うちの息子は常に僕に期待してくれている」と話すが、自身がJ1の舞台で主力として活躍していた当時はまだその記憶に残りにくい幼い歳頃。ゆえに物心のついたいま「もう一度試合で活躍している姿を見せてあげたい」という強い思いが現役へこだわる活力になっているという。
「もう一度試合に出ている自分の姿を想像できる」。その自信を現役続行に向けたトライアウトにぶつけるべく深谷は「そこまでが僕の今シーズン」と現在全力調整中だ。
文:松本隆志(エルゴラッソ愛媛担当)
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U-20日本代表に選出された町田の平戸太貴、「ものすごく東京五輪に出たい」と熱い決意
町田は11月30日、MF平戸太貴がタイ遠征を実施するU-20日本代表メンバーに選出されたと発表した。
過去の年代別代表を含めて、初の代表選出という平戸は、「選ばれたことは素直にうれしいですし、やっと代表のチャンスが来たので、やってやろうという気持ちです」と代表選出の喜びを語っている。
『M-150カップ2017』に参戦する今回のU-20代表メンバーは23名。一つでも多く試合に出るためには、同世代のライバルにポジション争いで勝たなければならない。平戸本人は試合に出る意欲を隠さず、「パス、プレースキック、展開力、チャンスメークなど、自分の持ち味であるプレーをどんどん出したい」と話すなど、自身のストロングポイントを発揮して、競争に打ち勝つつもりだ。
この世代は2020年開催の東京五輪にあたる年代のため、仮に五輪出場となれば、開催国代表という重責を担うことになる。チームを指揮する“森保ジャパン”の初陣となる今回のU-20代表は、いわば東京五輪に向けた本格的なスタート。「開催国の五輪代表となれば意味合いが違う。ものすごく東京五輪に出たいという気持ちが強い」。3年後の東京五輪へ思いを馳せる平戸にとっては、大きなチャンスが訪れた。
文:郡司聡(エルゴラッソ町田担当)
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「J2通算100ゴール取りたいから」。横浜FCを退団する“ジャンボ”大久保哲哉の挑戦はまだまだ続く
横浜FCは29日、FW大久保哲哉の契約満了と、来季の契約非更新を発表した。
往年の“ジャンボ”も37歳になった今季は控えに回る試合が多く、先発3試合を含め計22試合、515分の出場にとどまる。しかしそれだけの時間ながら5ゴールを挙げ、抜群の存在感を放った。30日の練習後に取材に応じた大久保は「残念だけど、自分が決められることじゃないから」と感情を抑えながら、「短いプレータイムの中でも結果が残せることを周りにも示せた。横浜に帰ってきて3年、今季が一番自信になるシーズンだった」と胸を張った。
今後については「もちろん続けますよ」と即答。「これが今季ノーゴールだったらいろいろ考えるだろうけど、そうじゃなかったし。このままじゃ不完全燃焼。欲しいと言ってくれるチームがあるなら」と、現役続行へ強い意欲を燃やす。
実はJ1通算得点ランキングの1位が大久保(嘉人)なら、J2の1位も大久保(哲哉)で記録は94ゴール。「だからあと6点取りに行かないと(笑)。J2通算100ゴール取りたいから」。歴史に名を刻むゴールへ、ジャンボの挑戦は続く。
文・芥川和久(エルゴラッソ横浜FC担当)
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[本日のエルゴラッソ1面]その差は“2”運命のLAST1
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