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リーグ前節、逆転勝利の殊勲者・川辺駿、広島の一員として昨季に続く鹿島撃破を
3日の明治安田J1第2節・浦和戦でチームを逆転勝利に導く活躍を見せた広島の川辺駿。日本代表のハリルホジッチ監督の目にも留まるプレーを見せた背番号36は、「得点シーンは相手がズルズルと下がってくれてゴール前に入っていけただけですけど、前への推進力は自分の持ち味。ゴールへ向かうプレーを見せていきたい」と10日の第3節・鹿島戦に向けて意気込みを語った。
昨季は磐田の一員としてカシマスタジアムで3-0の快勝を収めているが、「そんな試合にはならないと思っています。そんなに点を取れる相手ではない。気の抜けない相手だなってすごく感じたんで、いい準備をしないといけない。まずはしっかりと相手に対応しながら進めていきたい」と気を引き締める。
浦和戦では後半途中にティーラシンに代わって柴﨑晃誠が入り、川辺がトップ下にポジションを移したことによって攻撃のリズムが生まれた。前節の成功例を踏まえ、城福浩監督はどんな形で川辺の能力を引き出してチームの勝利につなげていくのか。指揮官の采配も楽しみだ。
文:寺田弘幸(エルゴラッソ広島担当)
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いよいよ地元・千葉でのデビュー戦。増嶋竜也、「早く試合がしたい」と岐阜戦を見据える
「サポーターとして、同級生がいっぱい来ている。そうゆう人たちに恥をかかせられないというか、活躍する姿を見せたい」
今季、地元である千葉に加入したDF増嶋竜也が11日の岐阜戦でいよいよフクアリのピッチに立つことになりそうだ。
熾烈な競争を制して先発をつかんだ東京Vとの開幕戦は周りのミスをカバーしようと、最終的にチームの犠牲となる形で一発退場。わずか9分間でピッチを退くこととなり、「僕としてはもう少しやりたかった」と悔しさを滲ませる。一方でそのアクシデントをポジティブに消化している。「前回の試合(前節・水戸戦)は客観的にチームを見ることができた。今週はうまく整理できた状態で練習ができているので、早く試合がしたい」と、すでに今季初勝利が懸かる2日後の一戦を見据える。
岐阜戦は「何も言わなくても、考えなくてもできるパートナー」という柏時代からの盟友・近藤直也の欠場が濃厚。守備リーダーの役割も求められる中、「(CBのコンビを組むことが濃厚なエベルトとは)ほとんど一緒にやったことはないが、エベの良さを出しながら自分の良さを出していければ。あまりエベが考えることが多くないようにサポートしたい」と自覚は十分だ。
千葉のユニフォームをフクアリで初めて纏う公式戦となる岐阜戦に話を振ると、「何回も何回も言っていますが(笑)」と苦笑いを浮かべながらもすぐに真剣な表情に戻し、こう口にした。
「地元のチームをどうしてもJ1に上げたいという思いで来た。『やっぱりJ1にいなきゃいけないな』というクオリティーの選手ばっかりだし、自分の評価を上げるためにも、ジェフの評価を上げるためにも大事にしたい」
千葉の『5番』を背負うファイターには、チームのため、友のため、そして自分のために戦う覚悟がある。
文:大林洋平(エルゴラッソ千葉担当)
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町田の小島雅也、DAZN週間ベスト5セーブに選ばれたライン上クリアについて「たまたま…」
前節・大宮戦の46分だった。大宮の右サイド・渡部大輔から供給されたクロスボールに対して、GK高原寿康と大前元紀が競り合い、先に頭で触った大前のヘディングシュートがゴールライン上にこぼれてきた。そのボールに対して反応した選手が右SBの小島雅也。間一髪ゴールライン上でクリアし、事なきを得た。この見事なクリアシーンはJ2のDAZN週間ベスト5セーブ!の第3位に選出。そのシーンを振り返った小島は「タカさんも出ていましたし、たまたまいい位置にいたら、たまたまボールが来てクリアできただけです」と語った。
GKではないDFの選手が同ランキングに名を連ねることは珍しいため、期限付き移籍元であるベガルタ仙台の選手たちからも、何らかのリアクションがあってもおかしくはない。しかし、小島の答えはまさかの「何も来ていない」。さぞかし本人は寂しそうにしているのだろうと思いきや、当の小島は「連戦で忙しいと思うので……」とノーリアクションだったことをまったくに意に介せず。7日のミッドウィークに開催されたルヴァンカップ・グループステージ第1節・新潟戦を戦った仙台の元チームメートたちに気遣う姿勢を見せた。
文:郡司聡(エルゴラッソ町田担当)
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FC東京のFW久保建英、週末は磐田戦。日本を代表するレフティーとの初対戦へ
FC東京の16歳FW久保建英が、日本を代表するレフティーとの初対戦に挑む。
7日に行われたルヴァンカップ・横浜FM戦で、トップチームの試合初先発を果たした久保。90分間出場し、チームの勝利には貢献できなかったが、テクニカルなプレーで敵を翻弄し、球際の争いでも激しいデュエルで相手を制すなど、うまさとタフさを兼ね備えたプレーを見せた。
試合後の久保は「課題は自分のプレーが勝利に直結していない。ある程度できたところもあったと思うけど、結局最後のところで決めきれていないので力不足を感じる。途中出場でも先発でもチームの勝利に貢献しないといけない」と、自らに厳しい評価。ただ、瞬間的にうまさを生かしたテクニカルなプレーだけでなく、激しく体をぶつけ合っても動じない場面を披露したあたりは、体格的にも彼が成長を遂げていることを証明した。
そんな久保が次に相まみえる相手は、10日のJ1第3節で戦う磐田。サックスブルーのホームで迎える一戦で、相手には『日本代表の元10番コンビ』、中村俊輔と名波浩監督が存在する。二人は言わずとしれた日本サッカー史の中でも屈指のテクニックを擁したレフティー。同じ左利きの久保が、先輩レフティーを前にどんなプレーを見せるかに注目が集まる。
試合はベンチスタートが濃厚だが、拮抗した展開はビハインドの状況になれば、後半の早い時間帯での久保投入もあり得る。日本の時代を彩るレフティーたちの邂逅が、ヤマハスタジアムで実現する。
文:西川結城(エルゴラッソFC東京担当)
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讃岐加入から2カ月。佐々木渉は謙虚でひたむきにサッカーに取り組む
讃岐に加入して約2カ月。表情が豊かになってきた佐々木渉。
15年にFC東京の下部組織からトップ昇格したが、昨季契約満了となって次の道を探していた。トライアウトに参加し、「(北野)監督が“チームに入ってくれないか?”と直ぐに声をかけてくれて、すごいことだと思いました」と加入を決断。
とはいえ、初の移籍だけではなく、生まれ育った東京都を離れて暮らすだけでも多少の不安はあっただろう。シーズン始動日は、心なしか緊張している様子が伝わってきた。
だが、キャンプから帰ってきたころには表情が豊かになり、伸び伸びとプレーしている印象に変わった。北野監督に尋ねると、「返せるようになってきた」。この「返せるように」とは、関西流のいじりに対して、ツッコミを返せるようになってきたの意である。佐々木は「最初は返しというか、どういう接し方をすればいいのか少し迷ってました(笑)」と本音を吐露したが、約2カ月経って慣れてきたことを明かし、「元々、明るいタイプではないと思うのですが、サッカーじゃないところでの振る舞いというか、ポジティブな感じも必要だと思っていました。いろいろいじってくれて、むしろありがたいです」と笑顔をみせる。
新天地でのシーズン。目標を尋ねると「いまできることを、ひとつずつやることです。目標というよりは、1日1日を一生懸命過ごすようにしています」。謙虚でサッカーにひた向きな姿が印象的だ
文:柏原敏(エルゴラッソ讃岐担当)
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[プレゼント企画]名古屋のジョー選手、ガブリエル・シャビエル選手サイン入り「エル・ゴラッソ」を5名様にプレゼント
2018年2月26日発売2006号のエル・ゴラッソ表紙を飾った名古屋のジョー選手、ガブリエル・シャビエル選手直筆サイン入り本紙を、抽選で5名様にプレゼントします。
応募方法は下記のとおり。奮ってご応募くださいませ。
◎応募方法
「えるごらTV」の「Jリーグピックアップマッチ 予想試合 ☆Jリーグ2018第2節☆」、
コメント欄に動画の感想とともに「プレゼント企画参加します」とご入力ください。
https://youtu.be/P-2i6rHe6cM◎当選結果
3月16日(金)公開予定の「えるごらTV Jリーグピックアップマッチ予想試合」内で発表します。お楽しみに。
※Youtube上でメッセージのやりとりをさせていただく可能性があります。メッセージ受信機能をONに設定しておいてください。
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カメルーン代表のオリヴィエ・ブマル、横浜FM合流。起用は31日のJ1第5節・清水戦から?
横浜FMの新外国人選手、オリヴィエ・ブマルがチームに合流した。
ブマルが合流初日から鳥かごでは常に笑顔でチームメイトとコミュニケーションを取り、その後はチームから離れてグレゴリー・ジョン・キングフィジカルコーチとパス、ランニングを行った。ランニング中、選手とすれ違う度に笑顔を見せていたのが印象的。選手たちからも、初日ながら「話してみると良いヤツ」という評価を得ている。
ブマルは「最初の印象は素晴らしい人たちだという印象。家族の一員としてすぐに温かく迎えてもらって、練習の中でもみんなが声を掛けてくれた」とチームメイトの印象について話すと、「監督からは『(横浜FMは)素晴らしいチームだ』、『君を本当に必要としている』と言われた。自分が来た意味をしっかり示したい。このクラブでプレーできることに誇りを持っている。興奮しているのが正直な気持ちで、早くやりたい」と意気込みを語った。
自信を持っているプレーについては「完璧だとは思っていないし、これからも成長できると思う」としながらも、「スピードのあるプレー、ドリブル、自分が動くことによって味方を生かすプレー。FKやCKからアシストすることも得意としている」と話した。
また、ポステコグルー監督はブマルについて、「練習を見てみないとコンディションを含めて分からない」と前置きしつつ、「来週から練習に合流させて、現実的に考えると国際Aマッチデーのあとかなと考えているが、コンディションが良ければ考え直すこともある」と、ひとまずは3月31日のJ1第5節・清水戦からの起用を考えているようだ。
超攻撃的かつ特異な姿を見せながら、アタッキングサードの精度やアイデアに課題を残している今季の横浜FM。ブマルは「アタッキングサードの質を上げてくれる」、「チームの成功に近づける」(ポステコグルー監督)存在になれるか、注目と期待が集まる。
文・写真:菊地正典(エルゴラッソ横浜FM担当)
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『3.11』の試合に特別な思いを抱く水戸の本間幸司。「『さらに前に進もう』というメッセージを多くの人に届けられるように」
東日本大震災から丸7年。3月11日に開催される明治安田J2第3節讃岐戦に向けて、水戸は被災地のクラブとして特別な思いを持って挑む。チームを代弁して唯一当時チームに在籍していた本間幸司が思いを語った。
「正直、日々の生活の中で震災のことを忘れてしまうというか、記憶が薄れているところがあります。でも、やっぱり『3.11』と聞くと思い出す。今でも苦しんでいる人はたくさんいるし、つらい思いをしている人がたくさんいる。だから、『風化』させないためにももう一度あの日のことを思い出して戦うことが大事だと思います」と強い口調で語った。
水戸ホーリーホックというクラブもあの震災以降、地域との絆を深めることができた。
「茨城も大きな被害を受けました。僕らは何ができるかと模索しながらも、とにかく被害に遭った人に光や勇気や希望を伝えたいと思って必死に戦いました。クラブとしてもあれから地域貢献活動の回数を増やしましたし、地域と密な関係を築いていった。震災以降、『地域とともに』という思いがさらに強くなりました」と本間は振り返る。だからこそ、3月11日に向けて、「もう一度あの時の気持ちを思い出して戦わないといけない」と口にした。
その思いは水戸だけでなく、すべてのクラブで持ってもらいたい。そう本間は訴える。「僕らだけでなく、Jリーグ全体でそういう気持ちを持ってもらいたい。勝負は大事です。でも、それ以上にサッカーを通して『笑顔』を増やしていくことが僕たちの使命。Jリーガー全員がもう一度その思いを思い出してプレーしてもらいたい。そして、サポーターもそういう雰囲気を作ってもらいたい」とJリーグに関わるすべての人に呼びかけた。そして、こう続けた。
「『3.11』を深く噛みしめながらプレーをしたい。そして、もう一度『ここからさらに前に進もう』というメッセージを多くの人に届けられるように一生懸命プレーするし、お客さんと一緒にそういう空気を作っていきたい」
文:佐藤拓也(エルゴラッソ水戸担当)
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G大阪に新加入の187cmMFマテウス・ジェズス。クルピ監督は「中盤のバランスを修正することに期待」
「技術もしっかりしているしパスも出せて、ミドルシュートもいいものを持っている。左利きで上背もある」。G大阪が新たに獲得したマテウス・ジェズスの特徴を番記者らから問われたレヴィー・クルピ監督はサントス時代に指導したマテウスについてこう語った後、「そして不細工でもある」と最後に付け加え、笑いを取った。
昨季はブラジル全国選手権のパルメイラス戦でクルピ監督に抜擢されピッチに立ったマテウスだが、その後はレギュラーを取りきれず、今季も公式戦4試合に出場したものの3試合は途中出場。定位置確保にはほど遠い格好だった。
「中盤のバランスを修正することが期待出来る」と20歳のボランチに守備面での貢献をクルピ監督も期待していた。
文:下薗昌記(エルゴラッソG大阪担当)
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松本の反町康治監督、降雪の中で迎えた誕生日。選手から激しい“お湯の祝福”を受ける
8日、松本を率いる反町康治監督が54歳の誕生日を迎えた。
この日の松本市は朝から降雪に見舞われ、練習会場のかりがねサッカー場もあいにくの空模様。それでも練習終了後にはクールダウンを終えた選手やスタッフが、天候を考慮して大量のお湯を用意。指揮官を呼び寄せるや否や、歓声をあげながら一斉にお湯を被せた。
激しい“祝福”を受けた反町監督は、体から湯気を立たせながらも笑顔。メディアからの特製バースデーケーキを口に運びながら、「皆に祝ってもらえるのは幸せなこと」と語った。駆けつけたファン、サポーターからも誕生プレゼントを贈られ、あらためて週末の東京V戦への気持ちを高めていた。
文・写真:多岐太宿(エルゴラッソ松本担当)