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ゴールゲッターの意地。清武功暉、悔しさを反骨心に変えた今季初ゴール
11日のJ2第3節・岐阜戦で今季初ゴールを挙げた千葉のFW清武功暉。チームは敗れてしまったが、一時同点となる得点は、悔しさを反骨心に変えて生まれた一発だった。
昨季は11ゴール8アシストを記録し、特にリーグ前半戦の攻撃の中心には清武がいた。ところが、層の厚さが増した今季はチーム内競争が熾烈を極め、開幕戦はまさかのベンチ外。「悔しさもあったし、自分を見つめ直さないといけなかった。だけど、気持ちは落ちていなかったし、ベンチに入れていないのは、何かが足りないということ。練習から、不満ではなく、自分に対してベクトルを向けてやっていた」。
こう振り返るように、厳しい現実から目を背けはしなかった。サブ組に入った紅白戦でも特長を出すことに重きを置き、愚直にとり組んできた。その姿勢が認められ、ホーム開幕戦となった第2節・水戸戦でベンチ入りすると、後半に途中出場を果たした。
しかし、ここでも不運があった。右サイドからのクロスにファーから体ごと飛び込み、先制ゴールかと思われたが、ハンドの判定で得点は認められず。「僕の中では(手に)当たった感覚はない」と言うように、微妙な判定に泣いた。
ただ、その悔しさを次戦にぶつけた。同じく途中出場となった岐阜戦、右サイドからのクロスに対してファーサイドから最後の一歩でDFの前に入り込み、今度は頭でネットを揺らした。「すごくいいボールをくれたイブ(指宿)のおかげ」とアシストした仲間を称えた上で、「今回はちゃんと誰が見ても、頭に当たった」。穏やかに発する言葉の中に、ゴールゲッターの意地がこもる。
今節の相手・徳島には熊本時代、3試合で2得点1アシストを記録。昨季のホーム戦でもアシストで勝利に貢献するなど相性がいいだけに、“徳島キラー”が「誰も予想していなかった」という3戦未勝利のチームの窮地を救えるかに注目だ。
文・大林洋平(エルゴラッソ千葉担当)
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横浜FCのルーキー・立花歩夢。金髪坊主にした理由とは?
前節・愛媛戦のスタンドには頭を丸めて気合いに溢れる若武者がいた。金髪坊主に刈り上げたのは今季、流通経済大から加入した立花歩夢。「イメチェンっす」と笑顔で話したが、これは大きな決意の表れでもあった。
「覚悟を決めようかなと。中途半端だったので。もう失うものはない。新しい壁にぶつかっている。だから一発“これ”にして気持ちを高めようと思った。いまもう3節が終わって、1試合もベンチに入っていない。そこでまず髪でアピールしようかなと(笑)」
ずっと結果を出し続けてプロの世界の門をたたいた立花。しかし、ここまでは思うようなプレーはできていない。「まだ違いを見せることはできない。全然ダメです。まだ信用もされていない」と自らにも厳しく矢印を向ける。ただ、練習中に見せるシュートセンスは紛れもなく本物。GKのタイミングを外すことや、鋭く突き刺さるパワー。その自分の得意な形に持って行くことができれば自ずと結果も出てくるはずだ。
期待のルーキーの序列は現時点では決して高くない。しかし、シーズンはまだ始まったばかり。いつか必ず背番号30の力が必要となるときはやってくるだろう。その日が訪れるまで立花は汗を流し続ける。
文・写真:高澤真輝(エルゴラッソ横浜FC担当)
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現在J2・5位の町田に強力な“援軍”が登場
町田のトップパートナーの一つである株式会社寺田電機製作所から、心強い“援軍”が贈呈された。
ホーム開幕戦となった第2節・大宮戦でマッチデースポンサーを務めた寺田電機製作所は、大宮戦の勝利と2018シーズンの激励の意を込めてチームで使用するプロジェクターを協賛金とともに寄贈。特にチームからのリクエストだったというプロジェクターは、他チームのスカウティング映像を映し出す際などに使用されるため、今季開幕から4得点と猛威を振るっているセットプレーのさらなる攻撃力強化に心強い味方が加わったことになる。早速、敵地で戦う今節の山形戦を筆頭に、今後控えている試合で新プロジェクター導入の効果が発揮されるかもしれない。
14日の練習後に実施された贈呈式に参加した寺田義能輔常務取締役は、「勝ち越しの3点目を中島選手が決めたときは、涙が出るほどうれしかったです」とコメント。今季、6位以内を目指して戦っているチームに対しては、「相馬監督の言っていたとおり、選手たちの目の色が違うと感じています。ぜひ、目標を達成してほしいです」と話し、心強いエールを送っていた。
文:郡司聡(エルゴラッソ町田担当) 写真:©︎FC町田ゼルビア
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U-21日本代表選外も前を向く岩崎悠人。「また呼ばれるように頑張る」
13日、パラグアイ遠征に臨むU-21日本代表メンバー23人が発表された。だが、そのリストの中に、これまでこの世代の中心選手として戦ってきた京都・岩崎悠人の名前はなかった。
今回のメンバーには、同じJ2勢の坂井大将(新潟)、前田大然(松本)も選出されている。それだけに、選外はこたえているのだろうと思いきや、岩崎は「まだ(東京五輪の)メンバーが決定したわけではない。しっかりチームでアピールして、また呼ばれるように頑張りたい」とサバサバした表情を見せる。
今季の京都は、開幕からの3節を終えてまだ勝ち星がなく、2分1敗でJ2・19位に沈んでいる。岩崎も、現在は代表のことより、チームの勝利のみに意識を集中させている様子だ。
「開幕からやってきて、チームとして攻撃の部分は少しずつ自信を持て始めているけど、(前節の)新潟戦に関しては守備がよかった。あの守備を続けていけば、さらにいい攻撃ができると思う」。
まずはチームの今季初勝利、そして、自身の今季初ゴール。それを成し遂げたあと、岩崎は再び大目標である東京五輪への歩みをスタートさせるのだろう。
文・写真:川瀬太補(エルゴラッソ京都担当)
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「負けたくない」。沼田圭悟、NACK5で目指す“古巣戦初勝利”
金沢のDF沼田圭悟が、今節の古巣・大宮戦を心待ちにしている。
「古巣対決なので楽しみ。結構メンバーが変わってしまっているけど、やっぱり楽しみ。負けたくない」
ブラジルでのプレー経験もある沼田だが、JリーグではG大阪、讃岐、大宮を経て、昨夏、金沢へ完全移籍。「いま考えたら、オレは古巣に勝ったことがない。讃岐に2連敗しているし、大宮のときもガンバとやって1分1敗だった。古巣に勝ったことがないので、古巣戦初勝利したい」。
古巣戦初勝利を目指す沼田が、「雰囲気が好きだったので、あの空気感を楽しみたい」というNACK5スタジアムへ乗り込む。
文・野中拓也(エルゴラッソ金沢担当)
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新潟のGK渡辺泰広、プロ8年目のJデビューへ
ルヴァンカップ第2節・FC東京戦を翌日に控えた13日、新潟は聖籠町の専用練習場で、セットプレー等の確認を行った。
今週は7日間で3試合を行うハードスケジュール。ルヴァンカップはその2試合目ということもあり、リーグ戦とはメンバーを入れ替えて臨むことが予想される。
注目は、プロ8年目でJ初出場が濃厚なGK渡辺泰広だ。「今季はJ2とルヴァンカップを戦うので試合数も多いし、チャンスはあると思っていた。それをつかむためにやってきたので、シュートを止めてアピールしたい」と意気込む。
渡辺は新潟市出身。新潟ユースに所属していた09年にはU-17日本代表として、現チームメートの高木善朗らとU-17W杯ナイジェリア大会に出場した。11年にトップチームに昇格したものの、二度の左肩脱臼と右膝の負傷も重なり、出場機会は得られず。15年から徳島へ期限付き移籍したが、出場は天皇杯1試合にとどまった。17年にはJAPANサッカーカレッジ(北信越1部)でプレー。新潟OBの黒河貴矢氏(現・新潟スクールコーチ)の指導を受けて試合経験を積み、4年ぶりに古巣へ帰ってきた。
今季はジェルソンGKコーチのもと、正しいポジションをとり、飛んできたボールに素早く反応するトレーニングを繰り返してきた。「練習してきたことを、どれだけ試合で出せるか。結果が残せれば、リーグ戦の争いにも絡んでいけると思う」と意欲的だ。
「一番は、楽しんでやりたい。本当に、楽しみなので」。長く待ち焦がれたJの舞台。喜びに満ちて、ピッチに立つ。
文・写真:野本桂子(エルゴラッソ新潟担当)
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[本日のエルゴラッソ1面(全国版)]柏から世界への道。連勝あるのみ
[AFCチャンピオンズリーグ(全国版のみ掲載)]
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