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成長を続ける町田のドリアン・バブンスキーが、U-21マケドニア代表に選出
町田は3月15日、FWドリアン・バブンスキーがU-21マケドニア代表に選出されたことを発表した。今回バブンスキーが選出されたU-21マケドニア代表は、19年にイタリアとサンマリノで開催されるU-21欧州選手権本大会進出をかけた予選2試合用のメンバー。U-21マケドニア代表はロシアとオーストリアの同代表と戦う予定だ。なお、バブンスキーは17日に敵地・NDソフトスタジアム山形で開催されるJ2第4節・山形戦後にチームを離れ、U-21マケドニア代表に合流する。
今オフに期限付き移籍先だったJ3・鹿児島から復帰したバブンスキーは、第2節・大宮戦と第3節・甲府戦に途中出場を果たし、前線で起点を作る働きなどでチームに貢献。相馬直樹監督もバブンスキーの働きぶりには一定の評価を下していた。
「町田の試合に出ることで自信をつかんだし、それがU-21マケドニア代表のコーチングスタッフにも認められたんだと思う」とバブンスキー。横浜FMに所属する実兄ダビド・バブンスキーや、父であるボバン・バブンスキーら家族にも今回の代表選出は伝えられた。長らくマケドニア代表でプレーしていた父・ボバンからは「代表チームに選ばれるのは光栄なことだ」と激励されたという。
昨年の夏以来となるU-21マケドニア代表に選出されたバブンスキーは、町田で刻んだ成長の証を、欧州の地で披露する。
文・写真:郡司聡(エルゴラッソ町田担当)
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輪湖直樹、「感謝してもし切れない」特別な人との邂逅
今季、柏から加わったDF輪湖直樹にとって、今節の甲府戦は特別な一戦となる。なぜなら、甲府を率いる吉田達磨監督が“特別な人”だからである。
「(柏のアカデミー時代に指導を受けて)プロへの道を作ってくれ、(14年、水戸から)レイソルに戻るきっかけを作ってくれ、そして(15年に)J1でのプレー機会をたくさん与えてくれた。そして、僕のいまのサッカー観の形成に、とても大きな影響を与えた人ですし、サッカー選手としてのステップアップをサポートしてくれた人なんです」
そんな大事な恩師と対する今節を、輪湖はどんな気持ちで迎えようとしているのか。
「もちろん、感謝してもし切れない。その気持ちを、成長した姿を見せることで表したいと思っています」
J1昇格争いのライバルチームとのゲーム。背番号22から目を離してはいけない。
文・島田徹(エルゴラッソ福岡担当)
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湘南の曺貴裁監督が垣間見せた人材育成哲学
15日の練習後、ここまでの試合で気になっていたことを曺貴裁監督にぶつけてみた。記者も開幕からここまで非常にポジティブな戦いを見せてくれていると思うが、シュートを打てるときに打たない場面が何度かあり、その点だけが気がかりだった。その問いに対する監督の回答は、伝えるべきか伝えないべきかの葛藤だった。
「選手に伝えていくべきことだと思うんですけど、そういった最後の局面の判断を監督やコーチが指示して決めるのは、あまりいいことではないと思います。それは選手が自立して決めていくことで、その局面での判断はほかの誰にも決められません。『思い切ってシュートを打つ気持ちは大事』というところまでは伝えてもいいかもしれないですけど、最後の判断は選手ですから」
監督からガミガミ言い過ぎてもしょうがない、しかし選手には気づいてほしい心構えでもある。その伝え方は場合によってさまざまだ。
「言わないことがいいメッセージになるかもしれませんし、一回だけではなく繰り返し伝えるほうがいいかもしれません。一つではないですね。さまざまです」
これから曺監督は選手たちにどのように伝えていくのか。そしてその変化はどのように現れるのか。
文:中村僚(エルゴラッソ湘南担当)
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J1・100試合出場達成の小野裕二。花束贈呈のプレゼンターにサポーターを希望した理由
J1第4節・鹿島戦では鳥栖・小野裕二のJ1通算100試合出場のセレモニーが実施される。こういったセレモニーでは一般的には選手の家族などが花束贈呈のプレゼンターを務めることが多いが小野はサポーターからの募集を希望した
「自分の家族とか友達とかみんなは結構呼んでるみたいですけど、僕はちょっと…。こういう機会だからこそいつも応援してもらっている人たちにプレゼンターをやってもらえれば」とその理由について話した。
また、100試合という節目の記録については「あまり、100試合だからどうというのはないですけど、とにかく今年はしっかり34試合全部出るという気持ちです。それをしっかりこなしていけば200試合、300試合となっていくと思います」とあくまでも通過点であることを強調した。
すでに締め切られているが公式HPで募集をかけられていた小野の100試合出場達成記念のセレモニーでのプレゼンター。闘争心を全面に押し出す小野のプレーにはファンも多いだけに競争率は高いものになったのは必至だ。この幸運をつかむのは誰なのかにも注目したい。
文・写真:杉山文宣(エルゴラッソ鳥栖担当)
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ボランチにコンバートのンドカ・ボニフェイス。「水戸のフェライニ」になれるか
J2第3節・讃岐戦でデビューを飾った水戸のルーキー、ンドカ・ボニフェイス。しかし、大学時代までプレーしていたセンターバックではなく、ボランチとしての起用であった。
水戸加入後、ンドカはボランチにコンバートされた。その理由について長谷部茂利監督は「ボールの扱い方がセンターバックよりボランチのほうが向いているのではないかと思った」と説明。ンドカ本人も「ずっとボランチをやりたかった」とコンバートを前向きにとらえている。
「フェライニ(マンチェスターU)のようにボランチからゴール前に飛び出してクロスに合わせるプレーをしてもらいたい」と長谷部監督。「水戸のフェライニ」となれるか。今後の成長に期待がかかる。
文・佐藤拓也(エルゴラッソ水戸担当)
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DAZN週間ベストゴールを受賞した内田裕斗。“あのゴール”とも比較される大反響を受けて
J2第3節のDAZN週間ベストゴールに、DF内田裕斗のゴラッソが選ばれた。
前節・大宮戦、内田裕の決勝点で、徳島は今季初勝利を挙げた。CKからデザインされた、豪快かつ繊細なボレーシュート。「気持ちよかったですよ。時間が止まったような感覚でした。打った瞬間『入るな』と思いました。練習でも入っていたのですが、結局のところ、練習でできていることが試合でも出ます」と、日ごろのトレーニングの大切さを言葉にした。周囲の反響も大きく、「(00年アジアカップの)名波さん(現・磐田監督)のゴール」「(14年のJ1リーグ)西大伍さん(鹿島)のゴール」の二つと比較されたそうだ。
しかし、そうした反響とは裏腹に、ゴールについては「どんなゴールをとっても1点は1点」と控えめ。「どこのチームも負けたくない気持ちで臨んでいるし、チャンスを多く作っても、大宮戦のようにGKのビッグセーブで防がれることもあります。その中で自分のシュートが勝利につながったことがうれしいです」と、チームとして勝利できた喜びをかみ締めた。
徳島で4シーズン目。プレーも、人間性もどんどん大きくなっていく。
文・柏原敏(エルゴラッソ徳島担当)
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ハリルホジッチ監督から賛辞を贈られた日本代表FW杉本健勇。Jリーグでの成長をピッチで示し、結果を求める
15日、23日にマリ代表と、27日にウクライナ代表と、ベルギーの地で戦うSAMURAI BLUE日本代表に、C大阪から山口蛍と杉本健勇が選ばれた。
2人とも負傷で昨年12月に行われたEAFF E-1 サッカー選手権を辞退したため、日本代表でのプレーは昨年11月の欧州遠征以来となる。特に、杉本はその欧州遠征でブラジル代表、ベルギー代表と対戦してフィジカル的な差も突き付けられ、その後のさらなる肉体強化に努めた経緯があるだけに、同じ欧州を舞台に自らの成長を示したい2試合となる。
「試合に出たいし、そのためには、自分の立場からしたら練習から100%でやって、一つひとつアピールしていくしかない。昨年、ブラジル、ベルギーと対戦して、チームとしてもそうだけど、個人としての差や違いも見せ付けられた。(肉体強化は)数年前から継続してやっているけど、オフの期間でしかできないこともやってきた。この2、3カ月で急に強くなることはないけど、力の入れどころや体の使い方は、試合だけでなく日々の練習からも意識して取り組んでいる」と話す。
今回のメンバー発表会見では、川崎Fの小林悠と並んで最近の成長ぶりにハリルホジッチ監督から賛辞を贈られた杉本。今季のJリーグでは、各クラブの並み居るCBを相手にデュエルで競り勝ち、堂々たるパフォーマンスを見せている。「Jリーグでも成長できる」という自身の言葉を示すには、今回の代表戦は格好の舞台。ピッチで自身を証明し、ロシアW杯へと続く結果につなげていきたい。
文・写真:小田尚史(エルゴラッソC大阪担当)
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豪州代表アタッカー、アンドリュー・ナバウトが浦和の練習に合流。早ければ18日の横浜FM戦でデビューか
15日、浦和に完全移籍で加入した豪州代表MF、アンドリュー・ナバウトが練習に合流した。選手登録も済んだといい、背番号は『19』に決定。18日の明治安田J1第4節・横浜FM戦出場も見据えている。豪州はシーズンのまっただ中で、今季はリーグ戦22試合出場10得点7アシストと結果を残してきた。「スペースに持ち運ぶドリブルやクロス、ボックスの中に入ってのストライカーとしてのプレー」が特徴と本人。ニューカッスル・ジェッツではサイドのアタッカーとして活躍しており、浦和では両サイドFWとしてのプレーが期待される。
移籍を決意した理由について「日本で最も大きいクラブだったことが最大の要因。ビッグクラブでプレーするのが自分を成長させるために一番いいと思った」と語ったナバウト。強化部スタッフの堀之内聖氏は「一番いいのはシュート。それにナイスガイ。若くてこれからの選手であり、まずはチーム内で競争してもらって、試合に絡んでいってほしい」と話している。周囲から「アンドリュー」と呼ばれているナバウトは、練習でもパワフルなシュートと積極的な守備を見せてコンディションの良さをうかがわせていた。
リーグ戦未勝利のチームの救世主となるか。
文・写真:田中直希(エルゴラッソ浦和担当)