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かつての恩師。柏のキム・ボギョンが語る、G大阪のレヴィー・クルピ監督
リーグ前節・C大阪戦に引き続き、キム・ボギョンにとっては今節・G大阪戦も懐かしい人との再会が待っている。なぜなら、今節の相手・G大阪のクルピ監督はC大阪時代の監督であるからだ。
その名将が率いるG大阪についてキム・ボギョンは「前からどんどんハメにくる時間帯もあるし、守備のところではアグレッシブになっていると思う。セレッソ時代の印象では技術的な選手を非常に好んで、そういう選手を良く使う印象はあるけど、まだ100%戦術は落とし込めてないのかなと思う」と話す。
さらに、G大阪が今季のリーグ戦でここまで勝利がないことに関しては「非常に良いチームで難しい試合になると思っている。いま、リーグ戦で勝っていないぶん、ホームだしアグレッシブに来ることが予想できる。名門と呼ばれるチームは難しい状況であれ、結果を残すと思うので、われわれもしっかり準備しないといけない」と警戒を寄せる。
「ピッチの中では非常に情熱的でアグレッシブ。戦術的なカリスマ性を兼ね備えていると思うけど、外では優しい方」と振り返る、恩師の前で久しぶりにプレーする今節。チームにとっても絶対に負けられない一戦で柏の背番号15がどんなプレーを見せるか楽しみだ。
文:須賀大輔(エルゴラッソ柏担当)
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ここに来て実戦復帰。愛媛のシンボル・河原和寿、チームの救世主として名乗り
現在、愛媛は開幕3連敗と苦戦中だが、ここにきて頼もしい存在がチームに帰ってきた。昨季のチーム内得点王でチームのシンボル的存在、河原和寿だ。
河原は今季開幕前のトレーニング中に腰を痛め、長らく別メニューでの調整を強いられていたが、今週から本格的に実戦復帰に向けたトレーニングを開始。早速、今節での出場メンバーに入ることが濃厚になった。
とはいえ、復帰に向けての道のりは決して平坦ではなかったようだ。
「復帰のメドが立たない中でリハビリをしていて、サッカーをやりたくてもやれないフラストレーションを感じていた。そんな中でチームが連敗をし、それをただ見てなきゃいけない自分が本当に腹立たしかった」
チーム最古参でエース的存在。本来ならピッチでチームメイトらをけん引する立場にあるが、チームが苦境に立たされている中で自身が貢献できない悔しさをにじませる日々は続いた。それでも「過去を見ていても仕方ない」と前を向き、「(チームが3連敗中に)自分がこのタイミングで復帰したことに運命を感じている」とチームの救世主として名乗りを上げるつもりだ。
まだコンディションは万全とは言い難いが、「試合に出るからには100%のプレーを出すつもり」と言い訳はせず。そして「どんな形でも良いから勝点3をもぎ取りにいく」と語気を強め、眼差しにも勝負モードのスイッチが入った。
文・写真:松本隆志(エルゴラッソ愛媛担当)
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日本代表の欧州遠征を前に、恩師の名古屋・風間八宏監督との対戦。川崎Fの車屋紳太郎、「勝つことがすべて」
18日に行われる名古屋を前に、川崎Fの車屋紳太郎が前指揮官となる風間八宏監督との対戦や、その後の日本代表としての欧州遠征に向けて意気込みを語った。
2年ぶりの再会は恩師との初対峙となる。名古屋の風間監督は、車屋にとって筑波大時代から指導を仰いだ人物。そんな風間監督との初対決に向けて、車屋は「今まで指導してきてくれた監督と敵になるというのは変な気分だけど」と語りながら、今節に向けて力強い言葉を残した。
「本当にいいチームを作ってきていると思うし、すごく面白いサッカーをしていると思う。しっかり勝つことも恩返しだと思うので、まずはチームが勝つこと優先で戦っていきたいと思う。一番は勝つことがすべて。いまのチームは勝ちにこだわっているチームだと思うので、そういうところを見せられればいいと思う」
この一戦を終えるとすぐに日本代表の欧州遠征が待っており、日程的にもかなりハードになることが決まっている。ただ、「キツいですよね」と苦笑いを浮かべながらも、偉大な先輩である中村憲剛と話した内容を明かしつつ代表への思いも語っている。
「憲剛さんも疲労がある中でもやってきたと言っていた。それを7~8年やってきたと言っていたので、それはすごいことだなと。僕自身もまだ25歳なので、疲れたとかは言っていられないなと思った。しっかり自分を持って、サッカーに臨みたいと思う」
風間監督との初対峙と欧州遠征。車屋はどちらも最高のパフォーマンスで乗り切る覚悟だ。
文:林遼平(エルゴラッソ川崎F担当)
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生まれ育った札幌との初対戦。長崎の中原彰吾、「勝つことに力を注ぐ」
16日、長崎の中原彰吾が”赤黒”との初めての対峙について語った。
今季から期限付き移籍で長崎に加入している中原にとって、今節は期限付き移籍元である札幌との対戦。同じくG大阪に期限付き移籍していた昨季も札幌との対戦では出場しておらず、今季も出場制限が契約に含まれていないため、今節が中原にとって初めての古巣戦となる可能性が高い。
中原は札幌市出身で小学校から札幌の育成組織に所属。U-12、U-15、U-18、そして、トップチームと、プロになるまでまさに札幌一筋で育ってきた選手だ。今節、出場すれば自身を育ててくれたクラブとの初めての対峙になるが「個人的には(G大阪に在籍していた)去年も帰っていないですし、メンバーに入れれば移籍してから初めて(札幌に)帰ることになるので楽しみ」と地元での試合を楽しみにしている様子だった。しかし、いまは長崎の一員ということもあり、「勝つことが一番大事だと思うので、そこに力を注いでいきたい」と力強く語っている。
ボールタッチを多くしてリズムを作れるボランチは長崎には少ないタイプ。高木琢也監督の評価も高い。ルヴァンカップGS第2節の湘南戦では、移籍後初先発でチームの公式戦初勝利にも貢献した。
「自分の持ち味を出すこともできたし、あとはリーグ戦のスタメンの位置を奪えるようにしっかりやっていきたい」。リーグ戦での先発奪取を虎視眈々と狙っている。
札幌戦を終えれば中断期間に入る。ここで何としてもリーグ戦初勝利をモノにしたいところ。今節は途中出場が濃厚となっている。互いにリーグ戦初勝利を目指す戦いの中で、赤黒育ちの中原が札幌の前に立ちはだかる。
文:杉山文宣(エルゴラッソ長崎担当)
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東京V・上福元直人に大分の包囲網? 高木駿や宮阪政樹、それに加えてあのコワモテのコーチも
17日に開催される明治安田J2第4節・東京V戦で、大分が昨季までの守護神・上福元直人と対峙する。
順天堂大4年生だった11年に強化指定選手となり、翌年、大分でプロとしての生活をスタートした上福元は、片野坂知宏監督の目指すスタイルを体現するキーマンの一人として、昨季38試合に出場。だが、新たな刺激を求めて今季は東京Vへと移籍した。
同じく12年にプロとなり、ずっと一緒にトレーニングしてきた後藤優介は、この対戦を前に「違和感しかない」と苦笑いしつつ「取ります」と、かつての仲間を上回っての得点を力強く宣言する。
上福元と同い年で明治大時代に関東大学リーグでともに戦い、今季から守護神を務める高木駿(写真左奥)は、胸に期すところも大きいはずだ。「今季は昨季よりもビルドアップの要求が高く、トレーニングから質を高めている。難しいがやりがいがある」と、東京V戦に向けて準備に余念がない。
高木と明治大で同期だった宮阪政樹も「カミ(上福元)がいるのでこちらがこういうサッカーをすることはわかっているだろうが、それでもウラを取れるようにしていければ」と、闘志を燃やす。
ピッチとベンチが一体感を持つことも大事だ。上福元にファインセーブされないよう、コワモテで有名な恩師・吉坂圭介GKコーチ(写真右)に、試合前から睨みをきかせておいてもらいたい。
文・写真:ひぐらしひなつ(エルゴラッソ大分担当)
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地元・長崎との試合に向けて気持ちを高める札幌の兵藤慎剛、「力強さを示す」
札幌の今週末の相手は今季、J1に昇格した長崎。札幌ドームでの対戦となるこの試合に向けて気持ちを高めているのが、長崎県出身のMF兵藤慎剛だ。
「故郷にあるJクラブなので、昨年末に彼らがJ1昇格を達成したときは自分もうれしかった」としながらも、「こちらは昨年からJ1にいるチーム。長崎は戦い方が徹底されていて厳しい戦いにはなると思うが、昇格チームに対して力強さを示さなければいけない」と気を引き締める。
対戦を楽しみにしている相手は、国見高の先輩であるDF徳永悠平とのこと。「FC東京のユニフォームを着ていない悠平さんと対戦するのは不思議な気がするけれど、戦うのが楽しみ。長崎県を盛り上げてくれていると思う」と笑みをこぼした。
ただし、長崎は直近のルヴァン杯で勝利を挙げているものの、札幌は今季公式戦未勝利。「まだ勝てていない状況なので、しっかりと結果を出さなければいけない。いまやっているサッカーをブレずに発揮し続け、勝点3を絶対に取りたい」と語気を強めた。
文:斉藤宏則(エルゴラッソ札幌担当)
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「Jで一番の身体能力」と鹿島のCB昌子源が警戒する、鳥栖の攻撃の核とは?
16日、鹿島CBの昌子源が週末に対戦が控える鳥栖のビクトル・イバルボを警戒した。
ここまで好調を維持するイバルボは鳥栖の攻撃を牽引している。その高い身体能力について昌子は「Jで一番じゃないかな。間違いなく攻撃の核」と最大級に評価した。
昨季の対戦ではうまく抑えた場面もあったが、前節の広島戦ではパトリックに手を焼いた。昌子自身のパフォーマンスが上がりきっていないことを本人も自覚。イメージと実際のプレーに乖離がないように努め、ACLのシドニーFC戦では修正を見せた。
鳥栖戦のあとには代表での欧州遠征も控えており「チームとして勝って中断に入りたい」と表情を引き締めていた。
文・写真:田中滋(エルゴラッソ鹿島担当)
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日本代表復帰のFC東京・森重真人、ハリルの会見での話にどう反応した?
約1年ぶりに日本代表復帰となったFC東京の森重真人が、日本代表の欧州遠征前最後のJ1リーグ戦となる第4節・湘南戦(18日)に向けて意欲を語った。
15日に発表された、日本代表・欧州遠征(23日マリ戦、27日ウクライナ戦)のメンバー。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督はCBのポジションに森重を昨年3月以来、久しぶりに招集した。会見でハリルホジッチ監督は、「森重はまだ(コンディションは)準備できていないが、今の彼の状況を見てみたい。そして励ますためにも呼んだ。以前の状態に彼が戻れるか。もちろん今回は(負傷のため)吉田麻也がいないので、彼の経験もどこまで使えるか」と招集理由を語った。
監督の言葉を受けて、森重はこう話す。
「代表復帰はうれしい反面、複雑さもある。まだいい状態ではない中で呼ばれたわけで、完全に良いから呼ばれているのではない。ただ自分が思っている印象と監督の言葉はある程度一致している。この遠征はアピールしないといけないし、次回呼ばれるときにもっと良い評価を言ってもらえるようなプレーをしていかないといけない」
大事な代表戦の前に戦う、今週末の湘南戦。FC東京は14日のルヴァンカップ・新潟戦でようやく今季公式戦初勝利を挙げたが、森重はその試合は欠場。いまだリーグ戦で勝利がない中で、この一戦を迎える。
「個人としてもチームとしても、この湘南戦は結果を出さないといけない。自分たち後ろのCBが元気を出して、主導権を握りながらプレーすれば、攻撃陣もいい影響を与えられると思う」
堅守を発揮してしっかり勝利をつかんでから、いざ代表遠征へ。森重が再び自らの存在感を見せつける戦いを始める。
文:西川結城(エルゴラッソFC東京担当)
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連敗脱出を懸けて。大宮に期待される”より連動したサッカー”
17日の明治安田J2第4節・金沢戦は、互いに連敗脱出を懸けた一戦。人に対して強くプレッシャーを掛ける守備を志向するという類似点のある両チームの対戦は、システムが[4-4-2]同士ということもあり、真正面からぶつかり合う展開も予想される。大宮の石井正忠監督も同様の予測を持ち、次のように展望した。
「個のところで相手の守備を剥がすというのもそうですし、あとはコンビネーションというのも今週のトレーニングを見ていると良くなってきている部分もあります。コンビネーションで崩していく形というのも、見せられたらいいと思います」
前節・徳島戦では展開が早くなり過ぎたこともあり、前線にボールが入っても孤立することが多かった大宮。しかし「今週はお互いの距離感が良くなったので、よりコンビネーションで崩すというところができてくるんじゃないかと期待しています」と指揮官は話しており、より連動したサッカーが展開されることを期待したい。
また、先週末に行われた明治大との練習試合では、負傷離脱していたマルセロ・トスカーノと富山貴光が実戦復帰した。「チーム全体にとってプラスのこと」と石井監督。金沢戦のメンバー入りは微妙だが、流れを変えていきたいチームにとって好材料と言えるだろう。
文:片村光博(エルゴラッソ大宮担当)
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中盤での激しいマッチアップへ。岡山の塚川孝輝、松本戦のバトルを展望
「自分の良さを出せる試合だと思っています」。17日に行われる明治安田J2第4節・松本戦を前に、岡山の塚川孝輝(写真左)が勇んでいる。
開幕3連勝スタートを切ったチームの中で、持ち味のボール奪取能力を存分に発揮して中盤を支える活躍を見せている背番号8は、松本戦がピッチの至る場所で選手同士が激しく体をぶつけ合う一戦になることが分かっている。それだけに、「自分がそこで負けていちゃいけない。自分がいる価値を見せられるように頑張りたい」と力強く語った。
ルーキーイヤーの昨季に34試合に出場してさまざまな経験を積み、2年目の今季は「自分にとって勝負の年だと思っています。いろんなことにチャレンジしていきたいし、もっと自分を出していきたい」。そう意気込む塚川は、開幕戦で決勝点も挙げるなど個人としても好スタートを切っている。
松本の中盤を支えるパウリーニョとのマッチアップを「楽しみです!」と心待ちにしている塚川が、球際でどんなバトルを繰り広げていくのか楽しみだ。
文:寺田弘幸(エルゴラッソ岡山担当)
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