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代表組も復帰の見とおし。新生・札幌が乗り込むのは鬼門・カシマスタジアム
国際Aマッチウィークによるインターバルを終え、今週末は敵地で鹿島と対戦する(31日15時、カシマ)。タイ代表が参加した同国開催のキングスカップに出場していたMFチャナティップ、U-21日本代表のパラグアイ遠征に召集されていたMF菅大輝、MF三好康児も問題なく復帰する見とおしで、前節に挙げた今季公式戦初勝利に続いての白星獲得に向けてチームは士気を高めている。
会場となるカシマスタジアムは、昨年は前半だけで3失点を喫しての敗戦。12年には0-7のスコアで大敗するなど、決して相性がいいとは言えない。さらにさかのぼること02年にはJ2降格を決めてしまった場所でもある。しかし、プロ4年目の生え抜きDF進藤亮佑は「クラブとしてはあまりいい歴史のあるスタジアムではないが、それをこの試合で変えたい」と強く発し、韓国人GKク・ソンユンは「悪い印象はまったくない」と意に介さない。そうしたタフなメンタリティーで強者・鹿島から勝点をつかみとろうという勢いである。
今季から就任したペトロヴィッチ監督はチームに攻撃的な姿勢と、リスクを恐れないマインドをチームに注入している最中で、それが着実に浸透している印象。昨季までも浦和で同監督の下プレーをしていたMF駒井善成は「監督のサッカーはチームにかなり浸透している。あとはチャンスでしっかりと決められるかどうか。それが勝敗を分ける」としている。
決して戦績のよくない敵地、カシマスタジアムでの戦いだが、攻撃的な姿勢を打ち出す新生・札幌が強者に真っ向から戦いを挑みにいく。
文・斉藤宏則(エルゴラッソ札幌担当)
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鳥栖の福田晃斗、次節の名古屋戦はウルグアイスタイルで応戦?
インターナショナルマッチウイークによる中断期間を過ごしている鳥栖だが、福田晃斗は先日、DAZNでウルグアイvsチェコの試合を観戦。そこで今後の戦いに生かしたいものを感じたそうだ。
「チェコがだいぶボールを握っていてウルグアイが結構、攻められる時間が長かった。そんな中でもスアレスがうまくPKをとって先制点。そのあともカバーニがオーバーヘッド気味のシュートで2点目と、効率よく得点を奪っていた。あれを見て『こういう戦い方もあるんだな』というのは感じた」
ボールは保持されながらもうまくスキを突き、効率よく得点を重ねていくウルグアイの姿は前節、対戦した鹿島とも少し重なる部分はあったようで「鹿島も僕たちがずっと攻めているのに失点しなかったところは鹿島が持っている力」だと話した。「解説の水沼貴史さんも『ウルグアイは南米でもこういう戦い方で生き抜いてきている』ということをおっしゃっていて、そういう戦い方でも勝ちは勝ち。どこが相手でも引くのがいいわけではないけど、あえて相手にボールをもたせてカウンターを狙っていくのも方法の一つ」とウルグアイの姿に今後の戦い方のヒントを得たようだった。
そして、次節対戦する名古屋もポゼッションに優れたチームなだけに早速、得たヒントを活用できそうな相手でもある。「名古屋もボールを持つのが好きなチームなので、持たせているという感覚で試合を進めていけたら」と福田自身も名古屋戦でのウルグアイスタイル実践を視野に入れていた。
文:杉山文宣(エルゴラッソ鳥栖担当)
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完全復活も間近か。反転攻勢へ、京都のエスクデロ競飛王がついに実戦復帰
京都の10番が、ついに実戦復帰を果たした。昨季9月の明治安田J2・第35節・千葉戦で左膝蓋腱を断裂して手術を行い、それ以降リハビリを続けていたFWエスクデロ競飛王が、26日に京都が近畿大と対戦した練習試合に先発出場。1本目の45分間をまるまるプレーし、元気な姿をサポーターに披露した。
今季のチーム始動日からボールを使ったメニューをこなすなど、退院後は順調な経過を見せてはいたが、低下した筋力のリカバリーを含めたリハビリを地道に続け、ようやく実戦復帰にこぎつけた。「トレーナーさんからは30分と言われていたけど、いけそうだったので45分やらせてもらいました」。そう晴れやかな顔で話す試合後の言葉が、エスクデロの完全復活が間近になってきた何よりの証だ。
ゲームでは、立ち上がりから激しいコンタクトプレーで持ち味のパワーを見せつけ、MFマティアス・カセラスの強烈なシュートを引き出し、鋭いキラーパスを見せるなど、何度もチャンスを創出した。「ちょっと(パスが)ズレた場面もあったので、(患部の)ひざにオイルをつけないと(笑)」。冗談も交えながら、約半年ぶりの実戦で得た好感触を口にする。
「自分がイメージしていたプレーは全部できている。すごくいい感覚。前を向いたときのスピードはもっと上げていかないといけないけど、それ以外のキープ力とかボールの感触とかは何も忘れていなかった。さすがにサッカー選手だなと思う(笑)。あとはしっかりとケアをして、これを保つこと」。
離脱期間が長かっただけに、久しぶりの実戦後のリバウンドも心配だが、本人は次節・讃岐戦での公式戦復帰も視野に入れている様子。「練習試合に45分出て、また2週間プレーできなかったら何の意味もない。しっかり準備をして、次の試合からメンバーに滑り込めるようにアピールしたい」と力を込める。
練習試合は1-2で近畿大に敗れた京都だが、この試合ではエスクデロをはじめ、カセラス、MF荻野広大、DF増川隆洋の負傷離脱組が一斉に実戦復帰している。現在J2・19位と開幕ダッシュには失敗したものの、反転攻勢の態勢は整いつつある。
文・写真:川瀬太補(エルゴラッソ京都担当)