-
山形のチームキャプテン・山田拓巳が語る、ゴール欠乏の現状
前節・栃木戦に敗れ、今季初の連敗を喫した山形。順位も15位と苦しい状況が続いているが、今季チームキャプテンに就任した山田拓巳は「もう一回見つめ直して守備のところからやっているところ」とチームの現状を語った。
第6節以降は守備重視の戦術に転換し、劇的に失点が減った一方、得点も6試合で3点と激減。木山隆之監督は堅守を維持しながら徐々に攻撃の量や質を高めようと試みているが、ここまではまだコンスタントな結果に結びついていないのが現状だ。
山田もここ3試合は出場がなく、自身への思いもあるが、チームキャプテンとしての責任感も強い。得点がとれていない現状については、「点がとれてないからと攻撃ばかり意識して守備のところでまたもろさが出てくるのはよくないと思う。そうはならないように、継続して守備のところはしっかり全員で厳しくやっていくというところはやりつつ、その上で攻撃のところがある」と現在の方向性を継続する考えをあらためて示した。
得点が少ない現状については、「前線の人も守備の意識が高いので、それでパワーを使っているし、攻撃に割ける時間が少なくなっているのは後ろの選手も分かっている。そこに関しては別にストレスは感じていない」と、攻撃陣の頑張りにも目を向けた。
前節、ホームの試合に敗れたことで、今季ホームでの戦績は1勝1分3敗となった。「ホームでの勝率が悪いのは自分たちとしても悔しいし、気にしているところ」。3連戦の最終節には讃岐とのホームゲームがあるが、まずは今節。「次、しっかりホームで勝てるように、まずは福岡で勝って勢いをつけていきたい」と話していた。
文・写真:佐藤円(エルゴラッソ山形担当)
-
山口の三幸秀稔、古巣戦が恩師・上野展裕監督との対戦に
3日に行われる明治安田J2第12節で山口は甲府と対戦する。今季主将を務めている三幸秀稔は、古巣戦で恩師・上野展裕監督と戦うことになった。
山口がJ2に昇格した2016年にチームに加入した三幸。加入前年は所属先がない浪人生活を強いられていた。「所属チームがないときに上野さんに拾ってもらった。その恩があるぶん、自分がいま山口でこれだけプレーできているというのをしっかりアピールしたい」と成長ぶりを見せる絶好の機会だと意気込む。
約1年半、上野監督の指導を受けた三幸だが「上野さんのときのやり方やアイディアは残っているし、いまでも選手同士で『上野さんのときにやっていたあんな感じをやってみようよ』と話すこともある」と明かす。
「いまは霜さん(霜田正浩)が監督になって、いろいろなことを求められて、いろいろなことにチャレンジしている。上野さんから習ったことを使って相手を崩すイメージも持ちながら、自分のアイディアも出して、いまの状況を考えながらプレーしたい」とも。
山口は前節・新潟戦で惜敗した。「今季は絶対に連敗しないぞとチームで話している。(甲府を離れて)5年間での成長を見せられるようにとは思うけど、あまり古巣戦ということを意識し過ぎず、いい準備をしてゲームに入りたい」と気持ちを抑え、冷静にチームを勝利に導く。
文・写真:松原純(エルゴラッソ山口担当)
-
「いい選手だなと思っていたら『八千代高校』だった」。米倉恒貴がマッチアップを楽しみにする“後輩”とは
ホーム4連勝をかけて仙台を迎え撃つG大阪。パナソニックスタジアム吹田で注目のマッチアップは“八千代高対決”だ。
G大阪の右ワイドで起用が濃厚なDF米倉恒貴。八千代高時代の後輩に当たる仙台のDF永戸勝也についてこう称賛する。
「高校の後輩なんですよ、あの子。オレもこの間知ったんですけど」
仙台のいまのスタイルを称賛する米倉が、永戸のプレーを見て「いい選手だなと思っていたら、『八千代高校』って紹介されていた」という。
これまで接点はなく、「去年も僕が仙台戦のメンバーに入っていないから会っていない」と話す米倉だが、後輩とのマッチアップを「楽しみですね」と話していた。
文・下薗昌記(エルゴラッソG大阪担当)
-
岐阜の竹田忠嗣、千葉時代の先輩・巻誠一郎との過去を回想。「日本一のFWだと思ってマッチアップしていた」
3日にJ2第12節・熊本戦を控える岐阜。CBとして出場が濃厚な竹田忠嗣が、1日の練習後に千葉時代の先輩である熊本の巻誠一郎について言及した。
「僕が千葉に在籍していたときの先輩。ナビスコカップで優勝して、ジーコ監督時代の日本代表にも選ばれていて。僕は当時スタメン組ではなかったので、練習時の紅白戦ではサブ組として、スタメン組の巻さんとマッチアップしていました」と竹田。千葉在籍当時の、元日本代表監督でもあるイビチャ・オシム氏が06年まで率いた強豪クラブでもまれていた過去を回想すると、続けて「僕は当時、巻さんを日本一のFWと認識して(DFとして)紅白戦でぶつかっていました。それでも高さがあってヘディングは勝てないし、技術も高くて。とても鍛えられました」。ジーコ監督にドイツW杯日本代表メンバーに抜擢された大型FWとマッチアップし、DFとしての貴重な経験を重ねた自身の若手時代を笑顔で振り返った。
08年に千葉から岡山へと移籍した竹田だが、岡山時代に相手チームのFWとして巻と対戦した試合後のやり取りにも触れてくれた。「巻さんがJ2クラブに所属するようになってからは、何度か対戦しました。いいディフェンスをすると試合後に褒めてくれるんです」。そして、「だから今節の熊本戦も、巻さんに褒められるようなプレーをして、試合に勝ちたいですね」と竹田は巻との対戦に意欲をのぞかせる。
現在5試合勝ちなし、順位は19位となかなか調子が出ない状況にある岐阜。熊本戦のポイントについて「2トップが特徴的。アン・ビョンジュンや皆川(佑介)、そして巻さんも同様に類似点の多いFWが複数いますし、名前を聞いただけでどんな攻撃を仕掛けてくるかは理解ができる。DFとして、相手(の得点)をゼロで抑えることにアプローチしていきたい」と力強く語った竹田。先輩・巻との対戦、そしてアン・ビョンジュンや皆川といった空中戦を得意とする長身FWとのゴール前での争いを制し、岐阜を6試合ぶりの勝利へと導けるか。
文:岩波陽平(エルゴラッソ岐阜担当)
-
大分の高木駿vs大宮の笠原昂史。切磋琢磨し続けるライバル対決
明治安田J2第12節の大宮戦で、大分の高木駿が笠原昂史と因縁の守護神対決を演じる。
高木は笠原の明治大の1年後輩。入学1年目はペアを組んで用具の片付けや寮の規律などを教えてもらった仲だ。その後、二人はともにトレーニングしながら切磋琢磨していく。09年、第89回天皇杯で湘南や山形を下して3回戦まで勝ち上がったときは笠原。その年のインカレや翌年のリーグ戦で優勝に導いたのは高木と、互いにポジションを争う中で明治大の躍進を支えた。
ちなみに笠原が水戸に在籍していた昨季、水戸戦で大分のゴールを守ったのは笠原の市立船橋高の1年後輩にあたる上福元直人だった。今季、東京Vへと移籍した上福元は前節、笠原と対戦し、ともに好セーブを連発した。上福元は順天堂大時代に大学選抜で、そして昨季は大分で、同い年の高木と正守護神の座を競ったライバルでもある。
高木は「カサさん(笠原)はノったらどんどん止める」と先輩をリスペクトしつつ、「カサさんと僕はまったく違うタイプ。僕は広い守備範囲をカバーし、攻撃にもどんどん参加して、僕のところからチャンスを作るくらいのイメージでやりたい」とアピール。「絶対に負けたくない。東京V戦のときカミ(上福元)を意識したように、今節はカサさん相手に気持ちが入る」と闘志をにじませた。
大宮の笠原、東京Vの上福元とともに、今季の明治安田J1昇格争いのデッドヒートを繰り広げるであろう“大分の高木”が、積年のライバルたちを凌駕する。
文・写真:ひぐらしひなつ(エルゴラッソ大分担当)
-
[本日のエルゴラッソ1面]エースの力。王者の本領
[明治安田J1第12節 プレビュー]
■川崎F vs 浦和
“全開”の王者が目指す“まだ見ぬ景色”[明治安田J2第11節 マッチレポート]
■水戸 vs 京都
京都、最下位脱出。流れを一変させた“切り札”[明治安田J2第11節 マッチレポート]
■大宮 vs 東京V
難敵撃破。着実に底上げされる大宮のスタンダード