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磐田の大南拓磨、清水戦の先発濃厚。約1カ月半ぶりの実戦復帰か
8日のヤマハスタジアムでは、JリーグYBCルヴァンカップ第5節・清水戦に向けた磐田の前日練習が行われた。その練習では、11対11の紅白戦が行われ、スタメン組で大南拓磨がプレー。清水戦での先発出場が濃厚となった。
大南は3月18日の明治安田J1第4節・広島戦でJリーグデビューを飾り、好パフォーマンスを披露。コンスタントな出場機会獲得も期待される中、3月23日に行われたU-21日本代表のベネズエラ戦で右肩を負傷。リーグ戦の連戦も重なり、それ以降出場機会を得ることができていなかった。つまり、今節・清水戦が約1カ月半ぶりの実戦復帰となる。
大南は負傷から復帰直後も「この連戦中に戻ってチームの助けになれるようにしたい」とこの大型連戦での復帰に意欲を示していた。その言葉通りの復帰を果たすことに成功した大南は、「楽しみな部分が多いです」と久しぶりの実戦復帰を心待ちにした様子で話した。
ただ心配となるのは、試合勘だ。本人も「ゲーム勘の不安は多少あります。そこはやっていくしかないので、試合の中でうまく対応したいと思います」と話した。一度はつかみかけたリーグ戦メンバーの定着に向けて、この一戦が再出発となる。このチャンスを生かし、リーグ戦メンバー入りに向けてしっかりとアピールしたい。
文:森亮太(エルゴラッソ磐田担当)
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福岡の求道者、圍謙太朗。「絶対に防げない失点はない」。愛媛戦は無失点勝利を目指す
特別なポジションであるためか、GKにはストイックで完ぺき主義者が多いとのイメージがあるが、J2第10節の千葉戦から前節の岡山戦まで4試合連続でゴールマウスに立つ福岡の圍謙太朗からもそんな印象を受ける。
岡山戦では2失点を喫したが、いずれもスーパーゴールと言える、相手選手をほめるべきゴールだったと思うのだが、圍に言わせるとそうはならない。
「絶対に防げない、という失点はないと思っています。失点シーンを何度も振り返れば、防ぐことができるポイントというのは必ずと言っていいほど見つかるからです。シュートを打たれる瞬間はもちろんですが、そこに至るまでの過程も振り返って阻止する機会を探り出す。そういう作業の積み重ねと、同じことを繰り返さないように練習から修正と改善に努める。そうすることで“たまたま防ぐことができた”ではなく“当然の結果として阻止できた”という段階にまで持っていけると思っていますし、そこに到達したいんです」
7試合負けなしのチームだが、うち無失点試合は第9節の山口戦のみ。つまり圍も無失点に抑えた試合がない。今節の愛媛戦で久しぶりに無失点試合を果たすことができれば、守備をベースにして戦うチームの調子はさらに上向き、成功体験を手にした圍はさらに頼もしさを増すことになる。ただ勝つだけではなく失点ゼロに抑えて勝つ。愛媛戦ではそこを目指したい。
文:島田徹(エルゴラッソ福岡担当)
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負の歴史を乗り越える。ACLベスト8へ、鹿島の大岩剛監督と三竿健斗が前日会見で決意
8日、カシマスタジアムでAFCチャンピオンズリーグ公式記者会見が行われ、大岩剛監督と三竿健斗選手が出席した。
ホーム&アウェーの戦いということもあり「180分のなかの前半という位置づけですけど、しっかりホームで勝つための準備をして明日の試合を迎えたい」と述べた大岩監督。鹿島にとっては、決勝トーナメント初戦は鬼門。昨季もこのラウンド16の舞台で広州恒大と対戦し、合計スコアは2-2ながらもアウェーゴールの差で敗れただけでなく、過去一度も突破できずに涙をのんできた。
「日本の代表として戦うということは気持ちのなかにあります。ただ、われわれ鹿島アントラーズの歴史を踏まえてこのベスト16、ラウンド16の壁を乗り越えるかということにフォーカスして、この2試合に集中したいという気持ちのほうが強いです」
そう言って、まずは負の歴史を乗り越えることに集中していた。
文・写真:田中滋(エルゴラッソ鹿島担当)
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埼スタ初先発へ。浦和の福島春樹、「ネガティブな」昨季を乗り越えて臨む決意の一戦
オリヴェイラ体制下初先発へ、
JリーグYBCルヴァンカップに臨む浦和の選手たちの意気は上が っている。GK福島春樹もその一人だ。7日の練習後、 いま抱える充実の思いを語った。 16年に専修大から加入も出場機会なく、
16年途中から鳥取へ育成型期限付き移籍。 J3で14試合に出場するも、前十字靭帯断裂、 半月板損傷という大けがを負って浦和に戻ってきた。 17年6月まで、リハビリも続いた。 それが今季、榎本哲也や岩舘直の負傷があったとはいえ、
リーグ戦ではベンチ入り、 そしてルヴァンカップでは出場機会を重ねている。「 ルヴァンカップで僕を使ってもらった大槻さんには感謝している。 いま、僕に責任を与えてくれていると感じる」 とモチベーションは高い。 リハビリが続き、さらに出場機会がなかった昨季は「正直、
自分がチームに必要なのか。 いなくなっても何も変わらないのではないかって、 ネガティブになることもあった」という。それがいまは、「 必要とされているという気持ちが監督からも伝わってくる」。 練習中、指揮官が彼に声をかけることもしばしば。 明るい福島をムードメーカーとしてオリヴェイラ監督も認めている ようで、良いセーブが続くと「ナイスマイコー!」と、マイケル・ ジャクソンのマネを一発芸で披露した福島をイジっている。 「信頼して使ってくれると思って、
与えられるミッションを遂行したい」 ミッションは、勝利を手にすることだ。あす9日のルヴァンカップ・
名古屋戦に福島が出場すれば、 彼は初めて埼玉スタジアムでプレーすることになる。「 次はないと思って、この一戦に持っているものをすべて出す」。 気合十分で、ゴールマウスに立つ。 文・写真:田中直希(エルゴラッソ浦和担当)
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浦和の荻原拓也が同期・橋岡大樹と両サイドを組みたい理由。「アイツと組めば…」
出場への意欲、
そして活躍への渇望が、ふつふつと湧き上がっている。「内に秘めている思いを出したい」。 今季、ユースから昇格して1年目、 浦和の荻原拓也が熱い気持ちを発している。 3月7日のJリーグYBCルヴァンカップグループステージ第1節
の名古屋戦で2ゴールの鮮烈デビューを果たすも、 その後ゴールネットを揺らせていない。リーグ戦では第4節・ 横浜FM戦で途中出場して4分間の出場機会を得たが、 それ以外で出番は訪れず。さらに彼が出場機会を減らす一方で、 同期の橋岡大樹が右ウイングバックとしてレギュラーポジションを つかんでいる。 「大樹は活躍して、レギュラーの中に食い込んでいっている。
いまは、あいつと一緒にプレーしたいんです」 ただ単に同期だから、という理由ではない。
現在の浦和はオリヴェイラ監督のもと、 3バックのシステムを採用中。荻原は、「合っていると思う」 と語る左ウイングバックでの出場機会をうかがっている。 その位置で出場したい、一番の理由はこれだ。「 大樹と両ワイドを一緒に組めば、アイツは守備、 オレは攻撃でバランスもいい。アイツと組んで、 オレが左で攻める。だからオレ、アイツと一緒にやりたいんです」 。 ライバルは宇賀神友弥、菊池大介といった手練れたちだ。
彼らからポジションを奪うのは、そう簡単な道のりではない。 ただ、チャンスがないわけではない。彼がアピールする場は、 あす9日、ルヴァンカップの試合で訪れるだろう。出場位置は1列下がってSBの見込み。ただ相手は名古屋。 2ゴールを挙げた相性のいい相手だ。 文:田中直希(エルゴラッソ浦和担当)
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鳥栖に待ち人来る。戦列復帰のビクトル・イバルボ、「ここからまだまだ盛り返せる」
鳥栖の連敗を『7』で止める8試合ぶりの勝ち点3を得た清水戦、誰もが待ち望んでいたビクトル・イバルボの戦列復帰があった。
75分、交代のため、ピッチ脇に姿を見せるとスタジアムからは大歓声が巻き起こった。第6節・C大阪戦を最後にけがで戦列を離脱していたイバルボに対する鳥栖サポーターの期待の大きさがあらためて、うかがい知れる光景だった。イバルボ自身もその歓声を受け、「このチーム、このユニフォームのために頑張らなきゃいけないという闘志をあの瞬間にもらいました」と振り返った。
トップフォームにはまだまだ程遠い状況だがそれでも要所では圧巻のキープ力を見せ、チームの逃げ切り勝利に貢献した。8試合ぶりの勝利を挙げたチームの中で、それでもイバルボは冷静だった
「勝ったから気持ちを込めて戦ったわけではなく、気持ちを込めて戦うことはずっと続けていてやっと今日結果が伴った。この戦い方がしっくりくるということを得たのではなく、結果が出ないなかでも続けてきたことがこのチームの強さ」と連敗中もブレることなく、継続して取り組んできたチームの姿勢に言及した。
勝利を挙げたがチームは17位。依然として苦しい状況に変わりはない。それでも過度な心配はしていないイバルボ。「明らかにほかのチームと離れているわけではない。ちょっと勝ちを重ねていけば追いつける位置にいる。ここからまだまだ盛り返せる。いまの状況を悲観的に見ていなかったこと、チームの力はあるということを、今日証明できたと思っています」とここからの巻き返しに対しても力強い言葉を残していた。
文:杉山文宣(エルゴラッソ鳥栖担当)
※写真は17年のもの
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連敗を止めた鳥栖。権田修一が語った、「ある心残り」とは?
前節・清水戦で8試合ぶりの勝利を挙げ、連敗を『7』で止めた鳥栖のなかで、ある心残りがあったのが権田修一だ。
ウォーミングアップでチョン・スンヒョンが体調不良を訴え、先発が急ちょ、変更。試合ではオウンゴール、小野裕二の退場がった。7連敗の最中であり、試合ではさまざまなアクシデントが起きる状況だったが「普通だったら負けちゃうような試合ですけど、そこで勝てるっていうのは結果が出ていない中でも誰一人あきらめずにやり続けてきたからこそ」と権田。連敗中もチームがバラバラになることなくまとまりをもって取り組めた成果だと胸を張った。
しかし、そんな権田だったがあることに触れて少し、悔しさをにじませた。あることというのはビクトル・イバルボの復帰だった。「(清水戦は)ビクトルが出てきてくれてうまくまとめてくれましたけど、僕からしたらビクトルがいないときに勝ちたかったなというのが正直な本音」と話す。その理由は「素晴らしい選手で、ビクトルがいたら何とかしてくれる。でも、いなかったら(どうにもならない)、みたいなのは…。『いなかったら』に含まれる僕は悔しい」という思いからだった。結果的にイバルボ不在時は連敗が止まらず、復帰した試合で勝利を挙げたことでそういう見方が強くなってしまう。その状況を作ったことが悔しい様子だった。
「その日に出るメンバーが結局、ベストメンバー。けが人が出れば大変かもしれないですけどそれを言い訳にしているようじゃ上にはいけない」と権田は言う。この思いは常に言い続けてきた。守護神が抱えた悔しさをどれだけチーム全体が共有できているか。鳥栖が這い上がっていくための重要なキーファクターになるのは間違いない。
文:杉山文宣(エルゴラッソ鳥栖担当)
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[本日のエルゴラッソ1面]FC東京、剛健なり
[明治安田J1第13節 マッチレポート]
■川崎F vs FC東京
狙いを体現。多摩川クラシコの完勝劇[明治安田J2第13節 マッチレポート]
■熊本 vs 甲府
素材を生かす起用法で上野体制の甲府が初勝利[AFCチャンピオンズリーグ]
■鹿島アントラーズ vs 上海上港
鬼門のR16突破へ。ミッションは無失点