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柏に加藤望新監督が就任。「もっているものを練習から出すことは選手の責任。それを方向づけるのは僕の責任」
柏は13日、下平隆宏監督の解任と加藤望ヘッドコーチの監督就任を発表した。
瀧川龍一郎社長は下平監督を信頼してきたことを大前提とした上で、「昨日(川崎F戦後)、いろいろと話をした中で監督自身にも迷いというか、若干自信が揺らいでいるところもあるなと感じたので、このタイミングで変えるべきだと決断した」と説明。前指揮官の今後については「長くクラブに多大な貢献をしていただいた方ですし、クラブにとっていろいろな意味で貴重な存在だと思っています。まだ決まってはないが、クラブに残る方向で調整をしていきたい」と、柏に残ることを示唆した。
次節・名古屋戦から指揮を執ることになる加藤望監督については、「暫定監督ではない」と言い切った瀧川社長。「選手としても指導者としてもリーダーとして人格的にも素晴らしい人で、信頼して任せたい。緊急事態だと思っている。戦力的にも選手やスタッフは決して勝てないメンバーだと思っていないので、それをうまくまとめて、早く強い柏レイソルを戻していけるようにお願いしている」と期待を語った。
また、午後の練習試合後には加藤新監督が取材に対応。「クラブも危機感をもって判断したと思うので、それを一番感じてやらないといけないという思いがある。もともと(下平体制下で)スタッフとして在籍していた自分にも責任があるし、それを受け止めながらやっていきたい」と意気込みを語った。
「選手がピッチの上で躍動するような、サッカー本来の楽しさというか、ゴールに迫るところや必死に守るところ、選手それぞれの意思が見えるようなサッカーができれば」と目指すサッカーについて語った新監督。そのためには練習から全力で取り組むことを求める。「もっているものをすべてトレーニングから出していくことは選手の責任でもある。それをどう方向づけるかは僕の責任。試合でゴール前の厳しさや激しさ、本当にゴールを奪うという意志が出るようなトレーニングをしていきたい」と高いレベルを要求をしていくことを示した。
文・写真:須賀大輔(エルゴラッソ柏担当)
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「あの3年間があったからこそ」。横浜FCの武田英二郎がJ2通算100試合出場を達成
12日に実施されたJ2第14節・熊本戦で横浜FCの武田英二郎がJ2通算100試合出場を達成した。
「今年始まるときに、どんなことがあっても『“100”はいかないといけない』と思っていました。それが最速の14試合で達成できて、しかも全部フル出場で出て達成できている。試合出場数を見れば自分が思っていたよりもうまくいっているかなと思います」
今季、横浜FCに加入し、すぐにタヴァレス監督から厚い信頼を寄せられるようになった。クロス精度は高く、守備でアタックができるため、SB、WBとしても欠かせない存在である。
しかし武田にとってここまでのキャリアは順風満帆ではなかった。11年に横浜FMでJリーグの門を叩いてから期限付き移籍を繰り返し、自身最多となる32試合に出場した福岡時代を経て、15年に湘南へ完全移籍。しかし、そこからの3年間はわずか4試合出場にとどまり、悶々としたシーズンを送った。「やっぱりいろいろありました。特に福岡を出てから湘南にいってからの(出場の)数字の伸びなさがヤバかった(苦笑)」。
ただ、「あの3年間があったからこそ」と武田は、湘南でさまざまなことを学び、吸収していった。それがいま横浜の地で存分に生かされている。そしてたびたび口にするのは「次出られる保証はない」という言葉。常に危機感をもってプレーしているからこそ、軽いプレーもなく明らかなミスも少ない。ここまでの14試合も波もムラっ気もない安定したプレーも、その謙虚な姿勢からも生んでいるのだろう。
浮かれず、真摯にサッカーと向き合うのは背番号17のよさ。さらに攻守で効果的なプレーでチームに貢献するため、「本当に1日1日を大切にしないといけない」と記録達成で再び、気を引き締め直した。
文:高澤真輝(エルゴラッソ横浜FC担当)